おそらく、クライアントのと思われる机をあさる。
すると、ボタンのようなものを引き出しの奥に見つけたので引き出しの中に手を突っ込んで
そのスイッチを押す。すると、絵画と思われた絵が壁ごと空いて、金庫をのぞかせた。
≪おそらくそれだな、暗証番号はクライアントから送られている≫
「番号は?」
≪41234125635≫
「4、1、2・・・3、4、1、2・・・5、6、3、5」
ジーニアスの言った番号を慣れない手つきで押してゆく。
そして、最後の数字を入れた途端固く閉ざされていた金庫が開き資料が顔を見せた。
極秘と英語で書かれたそれは、薄いような厚いようなファイルで中には何こもの付箋が張られていた。
≪間違いなく、それだな。それと≫
「・・・ああ、敵が来てるわね」
どうやら私が侵入したことがバレてしまったらしい。
だけどまあ、この程度の警戒率じゃあ私は簡単には見つかってやらない。
パパッと部屋を元の状態に戻し、見つけた極秘資料を懐に閉まってダクトに飛びつき腕力だけで再び空調パイプの中に戻り、そのダクトを閉じた
その30秒後にドアが強引に開け放たれフラッシュグレネードを投擲される、私は目を腕で多いそれを回避し
収まったのを感じると閉じたダクトから部屋をのぞき込む。
「・・・ふむ、どうやらネズミが入り込んだようだ」
(!?)≪なっ・・・バレてやがる≫
部屋に入り込んだのは、黒づくめの兵士と小さいフードをかぶった人物、そして金髪サングラスで黒服の男。
あれが、この基地を強襲、奪取した部隊なのだろうか・・・
それにしてもあのフードの人物・・・どこかで
「っ!!」≪どうした?≫
私はダクトから急いで離れる。
それはなぜか、あのフードの人物の目を見たからだ。
紅い瞳で、黒く細長い爬虫類のような瞳孔、妙に紅く光るそれはどこか見覚えがありまた恐怖感がぬぐえない。
間違いない、”アレ”は強い。
「・・・ほぉ、なるほど。引くぞもうここには用がない」
「「「「サー、イェッサー」」」」
≪・・・行ったか≫
「ああ、そうだ。聞いているか分からんと思うが」
(!!)≪?!≫
「仮に、生きて帰れるとは思わないことだ」
と、サングラスの男が退出するがあのフードの人物はどうやらいるようだ。
強者が放つ威圧がそのまま駄々洩れている。
ここは動かないのが正解だろ・・・下手に音を出せば勘づかれる。
「・・・・・・っ」
だが、どうしてだろう。
この威圧感にはどこか覚えがある。記憶的な?いや違う、もっと親しい間柄で、体が覚えている相手・・・
「・・・・・・」キィッ・・・
どうやら部屋からフードの人物も退出したらしい。
「・・・」
静かに息を吐き、力を抜く。
≪やれやれ、一時はどうなることかと・・・いや、まだだな。さっきのフードマンがまだその基地に居やがる≫
「・・・考えられるのは」
≪おそらく、
「分の悪い賭けは嫌いだ」
≪まーまー・・・いま、 スナイパーサイトもそっちに急行している。どうする?≫
「・・・脱出する。細心の注意を払いながら、な」
≪はいはい、情報を更新しておく。抜かるなよ。ガントレット≫
そう言って、レイジナスが通信を切る。
私は狭いダクトの中でどうにか体の方向を変えて出口を目指す。
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三時間後
どうにか、元々入って来たダクトには戻って来た。
しかしそこにはフードの人物が”複数人”で陣取っておりまるで私がいることがわかっているようだ。
さて、この三時間ただ移動してきたわけではない、こっそりこの基地の動力部に降りてC4を仕掛けてきた。
それを起爆させればこいつらの注意は反れる。それに確かサブの依頼に動力部の破壊もあったはずだ。
私は、黙ってC4起爆装置を起動させる。
ドカァァァァァァンっ!!
ダクトの中でも分かる強い衝撃が私を襲う。
すると、ダクトの前で陣取っていたフードたちも反応せざるを得ずおそらく基地内部へと去っていった。
(行動するなら、今!!)
私はダクトから飛び出し走り・・・っ!!
とっさに感じた殺気を左に転げることで回避する。
すると、私が降り立った場所には機械チックなブレードが振り下ろされておりもし私がそのまま走り出していたら即死だった。
私は懐にある拳銃をいつでも取り出せるようにしつつ、その紅いフードの人物をにらみつける。
ああ、この感覚は・・・間違いない。
「クソがっ!!あいつら・・・」
フードの人物が邪魔なのだろうか、フードを脱ぎ捨てる。
そこに居たのは
「”妹様”達のDNAを利用して生物兵器を作り上げやがった!!」
”妹様”によく似ているが、首から下がサイバー的なスーツで身を包んだ存在だった。