≪どういうことだ、知っているのか?!ガントレット!!≫
「ああ・・・数年前、私の居場所を奪ったあいつが殺した、恩義のある人の妹によく似ているんだ」
≪それは・・・つまり≫
「あいつは、間違いなく私の復讐相手ってことだ。」
≪だが、今その目の前にいる奴は似てるんだろ!?やりづらくないのか!?≫
「・・・やり辛いに決まってるだろうっ、だがやらねば。やられるっ!!」
そのレイジナスへの返答と同時に腰脇にあるガンホルダーからデザートイーグルを取り出して
バンッバンッバンッ!!!カランカランカラン・・・
その敵に向けて発砲した。マズルフラッシュと共に鉛玉が飛び出し、薬莢が排出されて落ち、音を出す。
そしてすぐにバックステップで距離を取り、デザートイーグルを構えなおす。
「銃弾は、斬られたか」
≪うっそだろ!?銃弾を切るとか、サムライじゃないんだぞ!?≫
「私の知り合いには幽霊すら断ち切る庭師がいるぞ」
≪おいおい、冗談を言っている暇があったら逃げろ!!そいつはやばい!!≫
「それは一番私がよくわかってる・・・でも、逃げられると思うか?」
≪・・・くそっ!!今情報を見つけ出す!それまで死ぬなよ!!≫
そう言ってレイジナスが荒々しく通信を切る。
右手で持っているデザートイーグルは小さく震えてしまっている。
それを左手で無理やり抑え込み、妹様と過ごした日々を思い出しつつにらみつける。
「・・・・・・」
人形のように不気味で、目に光はなくサイバーチックなボディースーツが異様な光を放っている。妹様と同じ翼は無い物の、その顔つき、髪の色、体格はまさしく妹様のそれだった。
「・・・っ」
嗚呼、私はどうすればいいんだ。
この妹様モドキは間違いなく偽物だ。だけど、だからこそ撃つことができない。
彼女を撃つということは、妹様を撃つということだ。
そんなの、私には到底できない。
≪美鈴さん、伏せてっ≫
「!!」
その言葉を聞いて、反射的に頭を下げる。
すると私の頭すれすれをマグナム弾が通過する。高速で、そして意識の外から放たれたそれは、機械チックなブレードに切り裂かれることなくそれの胴体に突き刺さった。
それを放った人物は、どうやらここにたどり着いた小悪魔さんのようだ。
それにしても、いい腕だ。
「っ!!すまない、助かった!!」
≪いえ、まだですっ。左に飛んで!!≫
その声の通りに左に飛び込む。
そして、少しでも私に注意が向くようにデザートイーグルの引き金をそいつに向けて撃つ。そうだ、何を勘違いしていた。あれは”フランドール・スカーレット”じゃない。
ならば話は簡単、殺すだけだ。
胴体に受けた銃弾で動けないそれに、私が撃った弾は吸い込まれるように当たる。
肩の関節、腕の関節、足の付け根と関節に一発づつ当たる。
そして、追撃で小悪魔さんがそいつの頭にマグナム弾を撃ち込む。
≪今です、逃げてっ!!≫
「!!」
私はわざと基地内部に向けて走り出した。
≪ちょ!?そっちじゃないです!?≫
「違う、ヘリ!!」
≪っ!?なんで!?≫
そう、ついさっきから遠くでヘリと思わしきローター音が聞こえてくる。
おそらくは戦闘ヘリだろう。それも一機だけじゃない3機。
「着たっ!!」
走りながらそのヘリを見る。
そこには、なんと今度はレミリア様によく似た少女が私に向けてAKを向ける。
数秒後には合計4つの銃口から連続して弾が撃ちだされる。
正確だけど、けれども連携ができていない。
だから私に命中弾は出ず、だけど至近弾ばかりでる。
≪ガントレット!!そこから100M左!!≫
「っ!!了解っ」
100Mを走り抜け、左に飛び込む。
≪ダッシュ!!≫
「人使いが荒いな!!」
≪生き残るためだ!!≫
レイジナスの指示に従ってまた走り出す。
ヘリは追いかけてくる。もちろん、兵員輸送用の兵だけでなく攻撃用ヘリ・・・スーパーコブラも追いかけてくる。
≪美鈴さん、私ならパイロットを撃ちぬけますよ≫
≪スコープ!!そこから南西に5kmにヘ撃ちぬくのにのにちょうどなポイントがある!!そこに移動!!≫
≪了解ですっ!!≫
≪ガントレット!そのまま南西に走れ!!≫
「了解だっ!!」
ついにAKだけではなくヘリ付きのガトリング砲まで撃ち始めた。
これも精度は甘いが・・・でも、厄介だっ
「やってみるか。」
≪おまっ!?≫
私は止まって反転し、デザートイーグルを構える。
そして、引き金を引きガトリング砲だけを動かさないようにする。
≪ひやひやさせるなっ!!≫
「でもこれで・・・あっぶ!!」
≪あと少しだ!!走れ!!≫
デザートイーグルを閉まって南西に走り出す。
≪お待たせしましたっ≫
「頼んだ、スコープ」
≪お任せ、ガントレット≫
遠くの方で発砲音、それも三発。
SRの発砲音、そして私の頭をすれすれで通る強化ガラスを突き破る強化徹甲弾
それは、するりとそれぞれのコックピットを赤く染める。
ヘリは自由を失いそれぞれ地面に激突し爆発する。
搭乗していたあの兵器たちもそれで息絶えている。
あの妹様に似てるのもヘリに押しつぶされている。
≪・・・終わったな。戻れ、あれの情報を見つけた≫
「・・・ああ」
「美鈴さん、あれは」
「わかっている。わかっているが・・・」
やはり、似ているということは、そういうことなのだろう。
彼女たちもお嬢様たちと言うことだ、いくらクローンやコピー、生物兵器であろうとも。
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???
「・・・そう、6番から19番がやられたのね?」
「はい、マスター。シスターズのうち6番から19番のシグナルをロスト」
「こちらのシスターズの4番もシグナルロストです」
「・・・そう。」
薄暗い研究室。
金銀の吸血鬼に似た少女が二人、白衣を着ている女性にそう報告する。
そんな中その女性は、冷静にまた冷酷に振る舞い強がっていた。
「・・・っ」