煙草をくわえつつ繁華街を歩く。
この町は、ロサンゼルスと呼ばれる大きな町だ。
ここにBRAナマケモノはあるし、ここのどこかに私たちのアジトがある。
普段は尾行などをされて特定されないようにこの街をブラブラしているし
アジトには以来の時以外近寄らないように指示されている。
「この街の活気は他と比べてすさまじいな」
にぎやかな街、街自体が繁華街のようなものだ。
小悪魔さんは報酬金を片手にカジノに走りこんでいったが私はゆっくりとこの街を歩く
少し歩道を歩くだけでそこらへんで、喧嘩や薬物売買などが横行している。
ここら辺は、私が縄張りとしているのだが・・・
「おいお前ら!ここは美鈴の姉御の島だぜ!?」
「誰の許可を得てここで商売やってんだ!?あ”?」
と、どこかで見たことあるチンピラ二人がその薬物売買に割り込んでいく。
あの二人はこのロサンゼルスに来た時に絡まれたので殴り倒したらいつの間にか舎弟になっていた二人だ。しかも、あの二人の人望も厚いらしく私の縄張り・・・つまりあいつらの言う島を(あいつらが勝手に)見回っている。
その二人が絡んでゆくと商売人と購入者は散り散りになって逃げ始める。
「おい!まてごらっ!!」
二人がそれを別々で追いかけだして売人の小さな人影が私のところに近づく。
はぁ・・・こうなったら捕まえるしかないか。
その小さな人影も私の姿を見るとナイフを構えた。
「あっ、姉御!?ちょっ、こいつナイフ持って」
「そのナイフ、捨てなさい」
近づきながらそういう。
「姉御!?危ないですよ!?」
その小さな人影はバッと私に飛び掛かりナイフを突き刺そうとする。
私はそれを体を左に逸らすことで回避し、そいつの手を軽くたたく。それだけで持っていたナイフは地面に落ち、その人影に隙ができる。
私はその隙を逃さずに、足をはらってその人影を転ばせ押さえつける。
「さ、さすが姉御!!」
「ほめるな、でこいつを頼む。くれぐれも」
「わかってますぜ姉御。数日説教した後、まっとうな道に」
そう言って、小さい人影を立たせどこかに連れてゆくのであった。
まったく、仮にも私の舎弟を名乗っているんだからナイフだけで驚くな。そう言いたいものだ。
しかし、戦場や争いを知らない一般人だ仕方ないと居れば仕方ないのだろう。
「さて、なにをしようか・・・」
そう、私はすることがない。
ストリートファイトで稼いでもいいのだが、こっちの人間たちはうたれ弱く大抵私が勝ってしまう。
賭博をしようにも、私はそんなにそういうことが嫌いなのでやらないのである。
・・・そうだ、この街を全部見渡そうか。私は、そう思いこの街で一番高いビルに向かう。
この町で一番高いビルと言ったらあの高級ホテルだろう。
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ある許可を取り私は、この町で一番高い街の屋上に出る。
ここから見える風景は、あの時見ていた風景とまるで違う。
机はない、真っ赤な紅茶もない、本もない、望遠鏡もない
幼くカリスマがあり、みなに怖がられないようにわざと幼稚に演じていた主も、いない。
その主の妹で、無邪気で子供らしくとっても笑顔が素敵だった主の妹も、いない。
常に瀟洒で完璧で、からかえば顔を真っ赤にして居眠りしている私を叱ってくれたメイド長も、いない。
いつも本を読んでいて、常に難しい言葉遊びをしていた図書館の主も、いない。
その補佐で、常に気を配りみんなから愛されていた使い魔も・・・かつての姿は、もうない。
そして・・・
とてもやさしく、強く、みんなから慕われいた門番は、もういない。
そっと、懐から一本の煙草を取り出して火をつけそれを咥える。
そっと吸って、吐くと霞んで見えない月に向かって煙が消えてゆく。
喫煙を始めたのも現実を逃避するため・・・あの辛い現実を見たくなかったから。
(今では、ヘビースモーカー・・・だが)
ここで見える風景は、コンクリートで作られたジャングル。
煌びやかなネオン輝く繁華街、空気の悪い空だけだ
(ここにきて、もう何年何だろうな)
あの時、死にぞこなったから。
居場所がなくなったから、この現代に逃げてきた。
幻想郷には、もう私たちの居場所なんてなかった。
妖怪を雇う店もなければ、ましてや住む場所などなかった。
そっと、私の頬に涙が伝う。
「嗚呼。帰りたい、あの頃に・・・」
ドタバタしながらも、常に笑顔で毎日が楽しかったあの日常に。
赤白巫女の腋を強調した巫女服が懐かしい、白黒魔法使いを追い払おうと奮闘したことが懐かしい。
霧の湖に住む氷の妖精とその保護者の妖精の顔が懐かしい、その友達たちと遊んだこともあった。
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一人、ただ一人月に向かって静かに涙を流す影があった。
家族同然の家を焼かれ、家族同然の者たちを失い、それでもまだ生き続け。
死ぬために外に出て、傭兵としてあちこちを駆け巡るその影は只々美しかった。
しかし、同時に弱さがあふれ出していた。
今の彼女は、傭兵としての彼女ではない。
ただ、家族と過ごした日々に帰りたい、悲しげな少女である。