がららららっ
ルーレットの中を金色の弾が世話しなく動き豪快な音を立てる。
「赤、53」
「やった!!あたった!!」
今日は調子が良いようで、帰る前にやってみたルーレットでまさかの大穴。
全額をそこにBetしていたがどうやら一人勝ちのようで100ドルが100万ドルになった。
私は、気分がいいと思い。それを預けてカジノを後にする。
そして、少し浮ついた歩き方をしながら”BARナマケモノ”へと向かう。
「きょっうはっ、なにをのもっかな~」
るんるんと浮足を立たせながら、今日何を飲むかを考えるのであった。
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「マスター!」
「はいはい、いつものですね。」
”BARナマケモノ”の入り口を開けてマスターに声をかける。
マスターは分かっていたかのようにパパっと私がいつも飲んでいるお酒を出してくれる。
「ぐびっ・・・かーうまい!!」
「おっさんくさいですよ、リリアさん」
「めんごめんご☆」
リリア・・・それは私の偽名だ。
いくら何でも、小悪魔で通すのには無理があった。
なので私は、”リリア・マルガータ”と名乗り、偽物の戸籍も作った。
「でもマスター・・・今日だけはこうさせて。」
「・・・わかりました、私は席を外しますので。御用の際はお呼びを」
「・・・うん、ありがとう。マスター」
そっと、マスターが厨房へと消えてゆく。
私は飲んでいるお酒を傾けつつ、在りし日の記憶を思い出す。
「色々、あったなぁ・・・」
ある日、使い魔召喚で呼び出されご主人・・・パチュリー様と出会った。
始めはすごく驚いた。召喚されて目を開けたら喘息でぶっ倒れていたのだから。
その日からというもの、私の苦難・・・そして、幸福な日々が始まっていた。
ご主人のご友人、レミリア様・・・そしてその妹様のフラン様。
その二人が吸血鬼だとわかった時は、すごく焦った。
でも、それでも、私は彼女たちと友人として接していた。けして、ごますりとかのためじゃない。疚しい気持ちがあって、彼女たちと遊んだわけではない。
「ああ、そういえば最初に遊んだのは、弾幕ごっこだったなぁ・・・」
幻想郷で流行っていた遊び。あの二人に手加減されながらも楽しくやった。
トランプもチェスも、何もかもあのお二方と一緒にやった。
それも・・・2年前まで。そう、何を隠そう・・・今日はレミリア様、フラン様・・・
そして死んでいった紅魔館の住人の命日だ。
「・・・とっても、なつかしなぁ」
始めて、パチュリー様に仕えたとき何とも言えない不快感もあった。
けれど、それは働くうちに慣れてゆき、あの図書館のすべてを把握していた。
今では、すべて忘れてしまったけど・・・思い返せば、あんな本もあった、と思う。
「マスター!!おかわり!!」
空元気を出してマスターにおかわりを注文する。
美鈴さんもどこかで死んでいった紅魔館の住人たちに向け涙を流しているのだろう。
今日は、一人でとことんまで飲もう、そうしないと
(泣きそうで・・・仕方ない)
窓の外から見える月を見つつ・・・そう思ったのであった。