『あー撮れてるか?』
『No problem.』
『それならいいや』
『悠、お前がこれを見てるってことはおそらく俺は何かしらの原因で死んでいるだろう』
『色々言いたいことがあるんだがいざこうしてみると何話していいかわかんないな』
『まずバルディネートだがこいつはお前が貰ってくれ。お前のためにカスタムする資金とかは用意してあるんでな』
『次の話題はセリオンのことだ。そろそろ強化改修をするしかなくなってきてたんだ』
『てなわけでセリオンはリンディさん経由である人に渡してもらうように話はしてある』
『最後になるかな』
『どんなひどい別れ方をしたかもわからん』
『ただこれだけは覚えていて欲しいんだ』
『お前はどんな時でも俺の子だ』
『お前なら、大丈夫』
『強く生きろ』
『俺がなれなかった分まで、幸せに生きてくれ』
『これで、最後だ』
『お前に送る、最期の言葉だ』
『愛してる』
────────────────────
ふざけんなよ…
「ふざけんなよ…」
「くっ…う、あぁぁぁぁぁぁぁ!」
────────────────────
「あの…悠君は…」
「ごめんなさいねなのはさん。彼にはその…時間が必要なの」
え…どういうこと…?
「どういうことかって顔してるわね。」
────────彼はもう立ち直れないかもしれない
フェイトさんにはなのはさんっていう支えが出来たわ
大切な友達の
でも彼となのはさんはそこまで仲がよかった訳では無いでしょう?
魔法のことだって彼と比べればなのはさんは関わって日が浅いわけで、魔法はずっとルークさんや地上本部の人達が教えてくれていたの
まともに制御出来なかった時だってルークさんが
支えてくれていたから折れなかったしここまで完成させることが出来た
氷華の書の運命に振り回されることがあっても自分の技術に誇りを持っていられた
唯一と言っていいほどの心の支えがなくなってしまった彼には気持ちの整理とか色々と時間が必要なの
「だからね、なのはさん。 フェイトさん達もだけど、あの子のことよろしくね」
「はい!」
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あっという間だった
はじめはさっさと終わるかと思ってた
それが予想外に手強そうなのがでてきたり
やたら対人慣れした魔導師の少女と使い魔がやって来て
それから平行世界からやってきた少女と模擬戦することになったり
多分今までで1番濃い時間を過ごしてきただろう
確かに楽しかった
新たな出会いだってあった
それでも俺は
親子として過ごす時間がもっと欲しかった
あんたともっと色んなことを話したかったし色々な場所に行きたかった
それはもう、叶わない
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この広い世界には
色んな人がいて
その一人一人に
出会いがあり、別れがある
たった1人の少女が出会ったのは
魔法という名の撃ち抜く力
願いの願望器を探す中
目的を同じくする1人の少女と出会い
ぶつかり、傷つけ
それでも気持ちを告げ
2人は友達になった
その過程でたどり着いた真実に揺らぐことなく
願いは時に叶わない
大切なものを失わないようにと力をつけた少年は
失いたくないと思ったものを失ってしまった
その願いの行き着く先にはきっと──────────
誰もが望むハッピーエンドのようなものなんて──────────ない
これにて無印完結となります
無印はルークが主人公だった頃からバッドエンド気味に終わらせるのは決めてました
なんならルークだったら身投げして終わりだったからね
それではまた次回の更新があればお会いしましょう