守護霊と魔法使い   作:そばめし

12 / 12
主人公、はしゃぐ。

ほのぼの日常編が書きたかったんですが、わたくしにはギャグとかむいてないみたいです。じゃあなにがむいているんだという話ですが。それにしても関西弁はもうこりごりです。合ってるかどうかもわかりません。


5.5話

 修学旅行。学園祭、体育祭と並んで学生三大イベントの一つやと思う。ウチはその楽しみなイベントに向けての準備、買い物を終えて帰路についたところや。

 

 ウチが浮かれているせいか学園全体が色めき立っているように感じる。今日は休みの日やっていうのにサッカーや野球、バスケに興じている人がぎょうさんおってさわがしい。

 いや、休みの日やからこそやな。

 ちょっと気持ちが昂りすぎとるみたいや。自分の思考に苦笑する。

 

 休憩がてらサッカーでも見学していこうかな。ウチはまがりなりにもサッカー部のマネージャーや、サッカーを見るのは嫌いやないし。

 

 ちょうど良くベンチを発見したウチは、そこに座りサッカーをしている人たちを眺めた。参加している人たちの年齢がバラバラや、草サッカーなんかな。

 

 グラウンドにおる22人のうち何人かは未経験者の動きやった。

 白のユニフォームと黒のユニフォームに別れ一つのボールを奪い合っている。ユニフォームわざわざ作ったんやな。白と黒、モノクロが所狭しと動き回る。

 

 試合は白熱していた。後半、両チーム得点なしのスコアレス、先に点を取った方が圧倒的有利。

 白いチームが若干おしている、判官贔屓で黒いチームを応援してしまう。

 この状況を良くないと感じたのか流れを変えるためか黒いチームの監督さんは選手交代を告げた。

 

「背番号18番に代わって背番号6番が入ります」

 

 新しく入って来たんは優しそうな青年やった。試合に出られるということで少し興奮しているみたいやな。

 彼と交代するチームメイトが声をかける。

 

「ここで交代か。大丈夫か?気楽にやれよ」

 

「大丈夫。俺は元剣道部だ。竹刀が球に変わっただけにすぎないよ」

 

 いやいやいや、剣道とサッカーは全く別物やろ!竹刀が球にって得物の代わりにサッカーボールを手に持ったらハンドやから!

 ウチの心の中での渾身のツッコミ。

 

「そうか、ならこの試合もらったな」

 

 フィールドへ足を踏み入れる青年の肩を叩き、にやりと笑ってベンチに引っ込む。

 なんでや!どこで勝機を見出したんや!

 

「よっしゃー、しまっていこうぜー!バッター集中!」

 

 6番は声を張り上げた。

 

 それ野球の掛け声や!バッター集中言うてもうてるやん!ていうか元剣道部やろ!

 

 ウチのツッコミとは関係なしに試合は進んで行く。

 

「送り足ドリブル!」

 

 その足さばき絶対ドリブルしにくいやろ!

 

「飛び込み面ヘディング!」

 

 ハンドや!ヘディング言うてんのに手で叩きつけとる!

 

「吸血鬼直伝の殺人スライディング!」

 

 6番の放ったスライディングが相手の足を刈り取る。そして審判の笛、出されるイエローカード。

 吸血鬼直伝ってなんやねん!殺人ってボール取る気ないやろ!レッドでもおかしないわ!

 

「ワンナウト!ワンナウト!」

 

 2枚でレッドやからツーアウトでチェンジ……って野球ちゃうわ!というよりアンタは人としてアウトや!

 

 6番の反則により白チームのフリーキック、ゴールが近く直接狙える位置や。

 壁は5枚。

 キッカーは軽く助走をつけ足を振りぬく。

 

 白チームのキッカーの右足から放たれたボールは放物線を描きゴールに向かい壁を越え……ない!壁に入った6番の頭上を越えていくと思ったボールは見えない何かに弾かれたように方向を変えた。

 

 なんでや!ありえへんやろ!

 

 フリーキックを蹴った人も驚愕している。いやフィールドのほぼ全員が目を疑った。

 

「へいへい!ピッチャーびびってるよー」

 

 アンタはすこしだまっとって!

 

 不可解な出来事はあったが試合は進み、そろそろアディッショナルタイムというところ。

 そこへ数々の傍若無人な行動をしてきた彼にボールがわたった。

 もうあまり時間はない、そんななか彼が選択したのはシュートやった。

 

 左足でトラップし反転、その流れのまま右足を振りぬく。

 

「くらえ!ツインシュート!」

 

 一人でうっとるやないか!ツインちゃう!

 

 放たれたシュートはまるで二人同時に蹴ったかのように回転がかかり、姿がぶれた。キーパーの目にはボールがいくつかに分身したかのように見えるんやないやろか。

 

 キーパー吹っ飛ばされたー。

 

 6番の放ったシュートはキーパーを吹き飛ばしゴールネットに突き刺さった。てんてんとボールが転がる。そして審判の笛。試合終了の合図。

 まだ時間は残っていたが審判の早く終わらせたいという気持ちが前面にあらわれた結果やと思う。

 

 そんなことなど露知らず6番は点を決めたことを喜んでいる。

 

 疲れた。休憩のはずやったのになぜか全然休めんかった。

 もう帰ろう。

 

 ウチはとぼとぼと歩きだした。

 

 




読んでいただきありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。