守護霊と魔法使い   作:そばめし

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口調がおかしかったらすみません。


1.5話

-Side ネギ-

 

 あれはなんだったのだろうか。

 

 僕は学校が終わった後落ち込んでいた。初めての授業に失敗してしまったからだ。こんなことじゃ立派な魔法使いなんか夢のまた夢だよ。

 そう思っていた時、僕が受け持つクラスの生徒を見かけた。

 出席番号二十七番、宮崎のどかさんだ。

 

たくさんの本を抱えていて危ない、そう思った時には彼女は宙に放り出されていた。

 

 助けなきゃ。僕は人目もはばからず、魔法を使い風をおこした。

 

 その瞬間、突然人が現れたのだ。

催眠術?超スピード?わけがわからないが、とにかくその人はまるで魔法のように、しかしなんの予兆もなくそこにいた。

 

 その男は宮崎さんを救ってくれた。

 そのことに感謝しつつ、怪我はないだろうか、と近づいた。

 

 大丈夫ですか?

 

 その問いへの答えは聞くことができなかった。

 

 僕はアスナさんに拉致されていた。

 

 いまも拉致されている。

 

 彼は何者だったのだろうか。

 魔法を発動する際の魔力を全く感じなかった。しかし、あんなことは魔法以外でできそうもない。つまり、魔法を使うことを悟られることなく魔法を行使できる技量の持ち主だということになる。僕が未熟だっただけかもしれないが。

 

 それにしてもすごかった。彼はおそらくこの学校の生徒だろう。また会う機会があるかもしれない。そのときは彼に教えを請うても良いかもしれない。立派な魔法使いになるために、僕が成長するために。

 

 でもその前に、まずは目の前の問題をどうにかしよう。

 

 記憶を消す魔法ってどうやるんだったかな?

 

 

-Side 宮崎のどか

 

「きゃあっ!」

 

 あっ、と思った時にはもう遅かった。私は階段から足を踏み外してしまっていた。

 ジェットコースターに乗った時の様な浮遊感を感じる。

 すぐにやってくるであろう痛みに備え身を竦める。

 

 だが私が地面と接触することはなかった。

 

 一瞬なにがなんだかわからなかった。

 抱えられている?

 

 私はいわゆるお姫様だっこと呼ばれている形で抱えられていた。

 

 なっ、なんで男の人に!?

 

 突然のことに私の頭は停止した。

 

 私はその男性に助けられたのだった。

 

 親以外でこんなにも男の人のそばに近づいたことなどなかった。ましてやお姫様だっこなど前代未聞だ。男性恐怖症のはずだが不思議と嫌な感じがしなかった。

 顔が赤く染まるのを感じる。耳まで真っ赤だろう。

 

 私はゆっくりと地面に降ろされる。

 少し名残惜しい。

 名残惜しい?そんな感情を抱くことなど初めてだった。

 

「大丈夫?怪我はない?」

 

「ひゃいっ、だ…大丈夫です…。」

 

 少し噛んでしまった。恥ずかしい。

 また顔が赤くなる。

 

「なんでこんなにたくさんの本を抱えていたんだい?危ないよ。前が見えないだろう。」

 

「ご…ごめんなさい。全部図書館島に運ばなければいけなくて…。」

 

 怒られてしまった。さっきとは別の意味の恥ずかしさで顔が赤くなる。

 

「なら手伝うよ。俺が半分持とう。女の子一人では大変でしょ?」

 

 彼は私を助けてくれただけでなく本を運ぶのを手伝ってくれるという。

 すごく優しい人だ。平成のマザーテレサだ。

 

 しかし、そこまでしてもらうのは申し訳ないと思い、彼の申し出を断る。

 

 だが、彼も図書館島に用があるらしい。正直本を運ぶのが大変だ。先の出来事のようになっても困る。

 本当に申し訳ないが彼に手伝ってもらうことにした。

 

 図書館島までの道のり、無言が場を支配する。

 男の人と二人連れ立ってあることなどもちろん初めてだ。

 どうしよう。何を話せばよいのだろう。

 

 何か話をしなければと思うが、何も話題が出てこない。

 彼は退屈していないだろうか。

 彼の背中を見つめる。私より背の高いその姿に、少し鼓動が速くなる。

 なんでだろう。

 

 などと考えているうちに図書館島についてしまった。

 少し残念だ。

 

「じゃあ俺は探しものがあるのでこれで。」

 

 彼が行ってしまう。まだ助けられたことのお礼も言っていない。

 私はあわてて感謝の言葉を口にした。

 

「礼には及ばないよ。」

 

 彼はまるでなんでもなかったことのように去って行った。

 その後ろ姿を見送る。

 

 また会えたらいいな、などと考えながら。

 

 そこでふっと或る事に気づく。

 

 名前を聞いていない。

 

 私は自分の愚かさを呪いながら、再会した暁には必ず聞こうと決意を燃やした。

 




読んでいただきありがとうございます。
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