「守れッ! ワン・モア・タイムーーーー!!」
重い電柱は防御してもなお、今までの鉄柱などとは比べ物にならないような凄まじい衝撃を与えてきた。
幸い、衝突後は推進力を失うようで、諸とも壁にぶつかるようなことは避けられたがーー
「さ、流石に腕の骨がやられたか……」
「っーー大丈夫か!? 星一!」
「ああ、死んではいないよ。それより気をつけろ! このパワー、相手は近くに来ているぞ!」
「くそッ どこにいやがる!」
「ここですぜ……ヘヘッ」
「グァフ!?」
角から現れたのはやはりあのドライバーだった!
同時に、ポルナレフの脾腹が血を吹いたッ
「今のは『石ころ』だぞ! こいつ、いったいどれだけのパワーをもっていやがる!?」
「ただの石ころで握り拳大の穴を空けるなんて……まずいな、スタンドのルールのとおり、近づけばパワーとスピードが上がるのは予想していたが、これほどとは思わなかったよ」
ドライバーの男が口を開く。
「さて、お二人とも観念していただきますぜ。あっしもトドメを刺すためにわざわざ出てきたんでね……ヒヒッ」
「ーーポルナレフ、どうやら私たちはここで終わりのようだね」
「な、なに言ってやがるッ!」
「落ち着いてくれ。彼は『わざわざ近づいて』私たちにトドメを刺しにきたんだよ。それは絶対に勝てるという確信があってのことだろう」
「だからって……」
それを遮り、星一はドライバーの男に向かって言う。
「と、いうことだ。君は好きなだけ近づいてくるといいよ」
「するってえと、なんです? もう抵抗はしねえんで?」
「ああ、しても仕方ないだろう?」
「なぁるほど。それじゃ、ありがたく……」
男は一歩ずつ近づいてくる。
そして5歩まで歩いたそのとき、星一が突然立ち上がった!
「やれやれ……ギリギリセーフ、ってところかな?」
「なッ!?」
「君の弱点はその愚直さだ。それがなければ君に勝つことはできなかったかもしれないな。本当に恐ろしい能力だよ」
「な、なにを言っーー」
言い終えることは叶わなかった。
そう、その暇も与えず「それ」は男を吹っ飛ばしたのだ!
「それ」はすなわち……
「『電柱』だッ!!」
「星一がやったのか!?」
「そのとおり。さっき防御したときに『電柱が飛んできた』ことをワン・モア・タイムで発動できるようにしておいたんだ」
「なるほどな。やっぱりオメー、めちゃくちゃ強いんじゃあねーか?」
「そうでもないさ。チャリオッツに守られなければあのカミソリでお陀仏だったかもーー」
「む……話の途中に悪いんだが」
「なんだい?」
「『アレ』、どうする?」
見ると、いつの間にか男が逃げ出そうとしていた。
「おっと、逃がせないな」
「グェ! 痛え、痛えです!」
「まったく、私だって痛かったんだ。少しは我慢して貰うよ」
「ご、後生ですから、どうか許してくだせぇ!」
「とのことだ。ポルナレフ、どう思う?」
「んー? 星一がどういう考えかは知らねーが、ここは心を承……いや、鬼にするべきだぜ」
「おお、私も同じ考えだよ。」
「よし、決まったな」
ゆっくりと男に近づいていく二人。
「ヒィィ! 許してくだせぇぇぇ!」
「「だめだね」」
「ウルァァァァァ!!」
「ホラホラホラホラァッ!!」
再起不能
本体ーーピーチャルー
スタンド名ーー涙のラナウェイ・ボーイ
【ピーチャルー】
スタンド【涙のラナウェイ・ボーイ】
破壊力:D スピード:E 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:D 成長性:D
対象と同じ性質のものを引き寄せるスタンド。
例えば針を対象にすれば、尖っているもの(ハサミなど)または、細いもの(電線など)等を針に向かって飛来させる。
性質は一種類のみに定める必要がある。
同じ種類のものはひとつまでしか飛んでこない。
また、性質を変更する場合は、二つの性質を併せ持つものを最初に飛ばす必要がある。
スタンド像は小人。
stray cats 「涙のラナウェイ・ボーイ」 より
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