星屑十字軍をもう一度   作:Dangouo

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屈折する星くずの上昇と下降

 振り返ったジョセフ。そこにいたのは先ほどのスタンドだった!

 いや、ただ『いた』のではないッ それは『迫ってきて』いたのだ!

 

 「マズい……ハーミットパープル!」

 

 幸いそのスタンドは人型。ジョセフのハーミットパープルは首を締めあげた! だがッ

 

 「ぐァァァッーー!」

 「なにッ!?」

 

 苦しんだのはジョセフの背後にいる警官だった!

 

 「なるほど、スタンドが見えていたから怪しいとは思っとったが…… 悪いが、このまま気絶してもらうぞ」

 「グググ……な、なんなんだよォ――――いったいィ――――何が起こっているんだァ――――」

 (しかし、おかしいのう。コイツからは殺意もなにも感じなかったが……ハッ! マズい!)

 

 突然暴れ出したスタンドが、ハーミットパープルの拘束を引きちぎった!

 全ては一瞬の出来事。ジョセフにはどうすることもできなかった……

 

 スタンドが腕を振りおろし、血飛沫が辺りを染める。

 首をなくしたソレは、やがて大地に倒れ伏す……

 

――――――――

 

 ハーミットパープルがちぎれた瞬間、ジョセフは死を覚悟していた。腕を伸ばせばすぐに届くような距離、加えて自分には防御手段がない。それゆえ、彼は完全に生きることを諦めていた。

 

 しかし、彼は死ななかった。

 

――――――――

 

 警官の頭部が宙を舞うのを見ながら、ジョセフは考える。

 

 ・自分が彼を守ることは可能だったのではないか。

 ・何故自分は攻撃されなかったのか。

 ・何故警官を攻撃したのか。

 ・このスタンドの能力は何か。

 

 「答えを見つけられなければ、今度こそ死ぬのはワシじゃ……」

 

 数秒の後、警官の亡骸の隣にふわり、と影のように敵スタンドが現れる。

 

 「だが、ワシをそう簡単に殺せるとは思うなよ」

 

 そう言って、ハーミットパープルを構えるジョセフ。

 

 そのとき。

 

 「おい、じじい! ずいぶん戻るのが遅えじゃあねえか」

 「承太郎ッ」

 「ん? じじい、そいつは――――」

 「敵のスタンドじゃ!いや、今はワシのスタンドじゃが…… とにかく、こいつは敵で間違いないぞ!」

 「『今はワシのスタンド』だってのはどういうことだ?」

 

 承太郎が聞き返したそのとき、敵スタンドが突っ込んできたッ!

 

 「じじい! 避けろッ」

 

 (コイツの能力、発動には条件があるはずじゃ。それがわかれば…… 待てよ、『条件』……?)

 

 (そうか! あの警官もワシも『本体が死ぬのを見て』いたんじゃ! 『見られる』のが条件、そしてヤツが乗り移るまでには本体の死から数秒のタイムラグがある。なるほど、そういうことか…… と、なればッ)

 

 「承太郎、よく聞け! ワシにはコイツを倒す策がある! だから、これから『ワシに何が起ころうと』絶対にワシの言うとおりに動くんじゃ!」

 

 そう言うとジョセフは、スタンドの首にハーミットパープルを巻き付けたッ

 当然、苦しむのはジョセフ本人!

 

 「ウグァッ……」

 「な、何をしてやがる! じじいッ」

 「承太郎! ワシの方を見るなァーー!!」

 「……!?」

 

 DIOとの戦いにおいてすら見なかったほどのジョセフの剣幕に、流石の承太郎も驚き、後ろを向いた――――

 

 「グゥッ…… ワシのことを…… き、気にするんじゃあない……」

 「……」

 「いいか…… 『10秒』じゃ。ワシが地面に倒れてから…… ちょうど10秒後…… 頼んだ、ぞ……」

 

 そう言ってから数秒、承太郎は背後にドサリ、とジョセフの倒れる音を聞いた。

 

――――

 

~1秒 経過~

 

 (さて、どうやら敵は他人に取り憑くタイプのスタンドのようだぜ。そしてじじいがてめえで首を締めたのは、意識を失うことで精神のヴィジョンであるスタンドを引き摺り出すつもりだった、といったところか)

 

 (だが、未だにあのスタンドの動きはねえ。消えちまったのか、はたまた動いていねーだけか。まあ、どちらにせよ……)

 

~9秒 経過~

 (俺のやることはたった一つだ――――)

 

~10秒 経過~

 

 『ギィィィェァァァァァーーーーー!!!』

 「!!」

 (これはスタンドの断末魔、か。取り憑くスタンドは、何かしらの条件を満たしていないと消滅することがあると聞く…… なるほど、じじいの言うとおりだ。確かに……)

 

 「このタイミングしかねぇぜッ!」

 

 振り返り、走り出す承太郎! 恐るべき精神の爆発力は、最後の足掻きとばかりに襲いかかってきた敵スタンドを一撃の下に葬ったッ! さらにそれには目もくれず、倒れ伏すジョセフの元へ――――

 

 「やれやれ……どうやら、間に合ったようだぜ」

 「……」

 「スタープラチナ!」

 

 2年前、承太郎は多くのものを失った。しかしその中で、新たに会得したものもあった。

 それはッ! 『心肺蘇生術』!

 

――――――――

 

 「――――ハッ!」

 「起きたか、じじい」

 「承太郎……そうか、やり遂げたのか」

 「どうにか、な」

 「やはり今回の旅も一筋縄ではいかんようじゃな」

 「……」

 「しかし、人生で2回も生き返るやつなんか他にあるかのう……」

 

――――――――

 

 「承太郎、ジョースターさん!何かあったのか? やけに遅かったじゃあねーか」

 「ジョースターさんはともかく、呼びに行った承太郎まで帰って来ないから心配していたんだよ」

 

 ジョセフたちが店内に戻ると、そんなことを言いながらもデザートを楽しんでいる、ポルナレフと星一の姿があった。

 

 「まったく……」

 「やれやれだぜ」

 

 何かと先が思いやられる一行。

 しかしそんなことは気にせず目的のため、彼らはさらに西へと向かっていく――――

 

 

<To Be Continued……




投稿、遅れました。
感想などいただければ嬉しいです。月まで吹っ飛びます。

追記:誤字のご指摘を頂きました(12/14修正)

敵プロフィール↓

【ルドラ・バーグ】

スタンド【イニュエンドウ】
    破壊力:A スピード:A 射程距離:A(∞m)
持続力:A 精密動作性:D 成長性:D
    遠隔自動操縦型

 本体が死ぬと発動。
 本体の死から10秒後、最も近くで本体の死を目撃した者のスタンドになる。
 その後は本体を攻撃する。
 10秒以内に誰にも目撃されなければ消滅してしまう。
 
スタンド像は悪魔。


Queen「Innuendo」より
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