東方紅魔走~The Black Death Butterfly~ 作:Umaibo
・この作品は東方Projectの二次創作です。原作崩壊、キャラ崩壊などの成分が含まれます。それが嫌いな方は読むのをおやめください。
・うp主はにわか車オタなので、かなり車の描写に意味不明な点があります。おかしな場所がありましたら、教えていただければ幸いです。
以上がおkな方はゆっくりしていってね!
幻想郷、とある中古車ディーラー――
「うーん……」
彼女は、悩んでいた。
どうも、自分に合う車が見つからないらしい。
「お嬢ちゃん、これだけあってもダメかい?」
中古車ディーラーの主人も困惑していた。
この中古車店は1オーナー、走行距離5万キロ以内のものしか扱っておらず、状態もすこぶる良い。
だが、彼女はこう言った。
「なんというか、しっくりこないのよ。自分の心に響く車がないの」
と、目を向けた瞬間、彼女は奥のほうにある車に目をとめた。
「あの車は…」
「ああ、見つけてしまったか。先に言っておく。あの車はやめたほうがいいぜ」
しかし彼女はその車のほうへ歩いていく。
「この車は……スープラ?ずいぶん状態が悪いわね…」
「そりゃそうさ。こいつは事故車だからな」
主人の言うとおりだ。
車体はボロボロで、かなり大きなへこみがたくさんある。フロントエアロはなくなってインタークーラー部分がむき出しになっている。車体の色は赤のはずだが、完全にくすんでしまって黒に近い。ホイールは20インチの5スポークだが、所々が割れている。マフラーは下に落ち、ついていたであろうGTスポイラーは上の部分がなくなっていた。
「レストアする人を探していたんだが、そんな人もいないから放置している。エンジンもかかるようには見えないな」
主人はエンジントランクを開けた。
長年劣化で汚れてはいるものの、エンジンに大きな損傷はないように見える。そこには汚れでメーカー名すら分からない社外品ばかりが所狭しと並んでいた。
「3.0L直列6気筒エンジン…それにしても、かなり改造されているみたいね」
「その通りだ。運転席も見てみるか?」
「そうさせてもらうわ」
彼女はドアを開け、運転席へ入った。
スープラ特有の宇宙船のようなコクピットだ。インパネは白で塗装されており、とても目立つ。ステアリングは純正だが、革は所々擦り切れている。
シートも純正だが、窓ガラスが割れているので、中に枝などが散乱していた。
また、鍵は車に刺さったままだった。
「へ~、なかなかいいじゃない。エンジンかかるかしら?」
「何言ってんだいお嬢ちゃん。さっきも言ったが、この車は放置車、しかも廃車に近い。だからエンジンがかかったことなんか絶対ない」
「でも、もしかしたらかかるかもしれないでしょ?」
主人はやれやれ、とつぶやく。
「勝手にしな。もしかかったらその車はただでくれてやr...おい話を聞けよ!」
霊夢はもうコックピットに乗り込んでいた。
「80スープラで…エンジンとミッションからしてSZ-Rかしら?」
トランスミッションは5速MTが搭載されていた。
そして彼女は、この車から不思議な力を感じ取っていた。
「……何というか、どこか懐かしい感じがするのよね…」
そしてカギを、ひねる。
キャルルルルルルルル・・・・・・キャルルルルルルルル・・・・・・
「セルは回っているわね。このまま回し続ければいけそうかしら……」
「やれやれ…無駄だと言っているのに……」
主人がそう言って事務所に戻ろうとしたときだった。
キャルルルルルルルル・・・ヴォッヴォヴォッヴォッ!!
エンジンが起爆し始めたのだ。
「そ、そんな馬鹿な!!俺がエンジンをかけようとした時は、起爆なんかしなかったのに!!それなのになぜ!?」
そのまま彼女はセルを何回も回し続ける。
どれくらいの時間がたったのか、ついにその時が来た。
ツゥゥカカカカカカ・・・・・・ヴォオオオオオオオンンンンンン!!!!!
心地よいエキゾーストノートが店内に響き渡る。マフラーが外れているが、2JZ特有の野太いサウンドだ。
「いい音ね。決めたわ。エンジンもかかったし、この車もらうわ」
「お嬢ちゃん、正気かい?少なくともすぐに走れるわけではないし、何しろお金がかかりすぎる。そんなだと普通に300~400万以上はかかるぜ?」
だが、彼女は何ともない顔で答えた。
「だって、このスープラが私を呼んでいるんだもの。それに私には知り合いのチューナーがいるの。その人に頼むことにするわ。その人のチューニングは完璧だもの、どうにかなるわ」
そう言って彼女はスープラに乗り込み、立ち去ろうとした。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!お前は一体何者なのか教えてくれ!!」
彼女はフッと笑ってこう言い放った。
「私はただの神社の巫女、博霊霊夢。でも覚えておいて。いずれ、最強の走り屋になって見せるわ!!」
その頃、人間の里のとあるチューニングショップ――
「ぶえっくしょい!!だれか私の噂でもしてるのか?」
そして、物語は動き出す―――
To be continued...
初投稿です。
つたない文章ですが、読んでいただけると幸いです。
あと車関連の話でおかしな点がありましたらお知らせください。