Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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Saint Snowとの関わりはまだ当分先です。しばらくはAqoursの人たちとの関わりをお楽しみください。


『人殺し』はクラスで関わりを避ける

 入学式で清楚感がある生徒会長のクソ長い 話がようやく終わり、俺たち1年生はクラスへと集まっていた。クラス1つ分しか居ないとかどんだけ生徒いないんだよ。共学にした意味あったのか??と思ってしまう。

 

 そして、驚いたのが男子が俺以外に1人もいなかったこと。これはこれでなかなかキツイ。いや、むしろクラスメイトの女子に『モテたいから、ここに来た』というキモイ印象を与えているかもしれない。それだといいな。

 

 ガララと扉を開け、先生らしき人物が入ってくる。

 

 

先生「今年からここのクラスの担任となった平山 静香だ。よろしくな。さて、早速だが、みんな自己紹介の方をしてもらう。」

 

 

 MA・JI・KA。と思った俺だったが、それは当たり前か。まぁ、適当かつシンプルにやればいいだろう。

 

 そして、俺の番にまわってくる。唯一、男性であるため周りからの注目度が凄い。思春期を迎えてる男の子にとってはなかなか辛いものであった。

 

 

明「奥山 明です。よろしくお願いします」

 

 

 俺はそう言って、ペコッと頭を下げる。

 

先生「…………それだけ??」

 

明「え?ダメですか??」

 

先生「いや、いいんだけどさ。他に何かないの??趣味とか」

 

明「ないですね。次の人、どーぞー」

 

 キッパリそう言って、俺は席へと戻る。これで、周りからは陰気臭い奴だと認識されたはずだ。計算通り…………(夜神月風)

 

 俺の次の子は、おっとり系の茶髪のロングヘアの美人な女の子だった。背が低い割には胸が…………。いやいや、どこ見てんの俺。変態じゃねぇか

 

 

??「国木田 花丸です。趣味は本を読むことズ…………です。よろしくお願いしますズ………じゃなかった。よろしくお願いします!!」

 

 

 いや、普通に方弁(?)言えばいいじゃん。隠す必要とかある??でも、それはそれで可愛いらしいからいっか。

 

 国木田 花丸さんの次の人も、身長が低くてなんか不安そうな表情を浮かべている赤髪のツーサイドアップの女の子だった。緊張してるのか??

 

 

??「く、黒澤ルビィです………。趣味はお裁縫です。よろしくお願いします。」

 

 

 黒澤ルビィさんはボソボソと小さい声で自己紹介をする。ん?黒澤…………??どっかで聞いた事あるような…………。あ、あのクソ長い話してた生徒会長と同じ苗字だ。確か、あの人も名前は忘れたけど宝石の名前だったと思うからルビィさんは妹か何かかな??てか、大事な娘の名前に宝石つけるってどんな親だよ。絶対に過去に名前のせいでいじめの経験あるだろ黒澤姉妹。

 

 

 そして、何人か自己紹介が終え、次に俺たちの目の前に立ったのは姫カットで、右側部分にシニヨンを作っている女の子だった。なんか、雰囲気がほかの子と比べて違う………。なんか、キメ顔かつカッコイイポーズ決めてるし………。

 

 

??「堕天使ヨハネと契約して、あなたも私のリトルデーモンになってみない??ふっ…………。」

 

 

 やべぇぇぇぇぇぇ!!この子、やべぇよ。普通にやべぇよ。いわゆる、厨二病ってやつじゃねぇか。お前、もう高校生だろ。しっかりしろ!!

 

 

 ゴクリと、若干引きながら生唾を飲む奴とかいるじゃねぇか。おい、黒澤ルビィ。何、ちょっとカッコイイ………みたいな眼差しであいつ見てんの??ああいうのに憧れてるの??ただの厨二病だよ??

 

 

 そのあと、堕天使ヨハネは「ピーンチ!!」と叫びながら教室から飛び出して行った。本当になんなの?あいつ。情緒不安定じゃん

 

 

 その後は何事もなくクラス全員の自己紹介が終え、そのまま帰宅となった。もちろん、堕天使ヨハネは最後まで教室に戻ってこなかった。

 

 

明「帰るか」

 

 

 カバンを持って、教室から出ようとした時、

 

 

??「君が噂の男子の1年生なんだねぇ!!噂通り、ちょっと暗い感じだぁ!!」

 

 

明「!?」

 

 

 唐突に、俺は話しかけられてビクッと体を震わせてしまう。

 

 俺に話しかけてきたのはオレンジ色の髪型で右側頭部に三つ編みをし、三つ編みの先には黄色いリボンをつけ、左側部分には三葉の髪留めをしている女性だった。そして、制服のネクタイ部分の色が赤色………つまり2年生であり先輩か??

 

 

??「千歌ちゃーん。その子、困ってるからその辺でね」

 

 

 千歌と呼ばれる先輩の背後から、灰色のボブカットでウェーブがかかっている女性が姿を現し、千歌先輩を引き止める。この人も2年生だった。この人は曜先輩と言うらしい。

 

 

千歌「いやいやー、この学校の唯一の1年生男子をどうしても見たくてね」

 

曜「気持ちはわからなくもないけど、いきなり2年生が話しかけたらビックリしちゃうでしょ??ほら、謝って」

 

千歌「むぅー。ごめんね。」

 

 千歌先輩が頭を下げる。いや、2年生が1年である俺に頭を下げられるとなんか困るんですけど

 

 

明「別に大丈夫ですよ。俺、急いでるんでこれで。失礼します」

 

 

 俺はこれ以上関わりたくないと思い、適当に嘘をついて、千歌先輩と曜先輩から離れる。

 

 

 

 曜先輩はともかく、あの千歌先輩は俺にとって危険な人物だ。あの人は見た感じ好奇心によってすぐに行動に出るタイプの人間だ。すなわち、この学校唯一の男子生徒である俺に興味を持ったとすれば、きっとこの先でも千歌先輩は俺の目の前に現れるだろう。

 

 

 

 

 

 それは、なんとしてでも避けなければならない。『人殺し』だとバレない為にも…………。

 

 

 

 

 

 俺は自転車で帰りながら、どうやってこの先、学校で周りの人と関わらずに過ごすか真剣に考えた。




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