Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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オリジナル展開です。




『人殺し』が所属するスクールアイドルのリーダーは優しい

 合宿が終わってから数日後、俺達は千歌先輩に呼び出され、彼女の家に集まっていた。どうやら重大報告があるらしい。昨日、梨子先輩がラブライブの予選に参加できないっていう話を聞いたから、それに関係する話なのかな??

 

 

千歌「3日後に、商店街でライブをやります!!」

 

 

千歌以外「は?」

 

 千歌先輩の発言に、周りのメンバーは戸惑いの表情を露わにする。てか、女の子とは思えないぐらいの声のトーンの低さに少しだけ恐怖を覚える。

 

ダイヤ「千歌さん、いくら貴女でもそれは唐突すぎですわ。少なくとも私達に相談するべきだったのでは??」

 

果南「そうだよ。そもそも、なんでそうなったのか説明してよ」

 

 ダイヤ先輩と果南先輩の言う通りである。ライブをやると言うのは簡単だが、行うための準備が大変だ。もし、本当に3日後にやるとしたら…………考えるだけでも恐ろしい。

 

千歌「3日後に商店街でやるイベントがあるんだけど、そのイベントに出るはずだったダンサーさん達がメンバーの病気で出れなくなっちゃったんだって。だから、その代わりとしてAqoursに出て欲しいって美渡姉が…………。最初はちゃんと断ったんだよ??だけど………………」

 

 千歌先輩が苦笑いで「あはは」と言いながら答える。

 

曜「強引に「はい」って言うまで追い詰められた…………と」

 

千歌「………………うん。」

 

曜「あぁ、なるほど」

 

果南「あの人、いつも強引だなぁ」

 

 美渡姉と言葉が出た瞬間、曜先輩と果南先輩は納得したと言わんばかりの表情をする。この2人は千歌先輩の幼馴染なので、その美渡姉が一体どういう人物なのか知っているのであろう。

 

 だが、千歌先輩は「けど」と言葉を付け加え、話を続ける。

 

 

千歌「美渡姉に強引にやらされたっていうのもあるけど、私は梨子ちゃんが東京に行く前に一緒に踊りたいと思ったの。」

 

 

梨子「えっ…………」

 

千歌「えへへ。」

 

 あぁ、なるほど。千歌先輩はやっぱり凄い人だ。どうして、梨子先輩がラブライブよりピアノの方を優先したのかは分からない。きっと、彼女なりの考えがあったからだろう。けど、やはり仲間としては梨子先輩を最高の形として送り出してやりたい。その方法がライブだという結論になったのだろう。

 

梨子「千歌ちゃん…………」

 

 そんな、千歌先輩の意図を汲み取ったのか梨子先輩は口に手を当てながら涙を流していた。

 

千歌「みんなに相談してなくて、ごめんなさい!!けど、私はやりたい!!だから…………………」

 

 千歌先輩は俺達の前で頭を深く下げた。

 

 

千歌「3日後に、一緒に踊って下さい!!」

 

 

 千歌先輩がそう言うと、しばらく沈黙の時間が流れる。

 

 しかし、それを最初に断ち切ったのは曜先輩であった。

 

曜「千歌ちゃん、顔を上げて」

 

 曜先輩の言葉に千歌先輩は顔を上げる。

 

 

曜「私達が嫌だって言う訳ないじゃん!!」

 

 

 と、曜先輩は微笑みながら答えた。

 

ルビィ「ルビィも、踊りたいです!!」

 

善子「クックックッ、我が堕天使ヨハネのリトルデーモンの為だもの。協力してあげるわ」

 

花丸「善子ちゃん、上から目線ずら。」

 

善子「善子言うな!!」

 

果南「全く、うちのリーダーはしょうがないんだから」

 

鞠莉「んー、これからが楽しみねぇ!!」

 

ダイヤ「今回ばかりは引き受けますが、次回からはちゃんと相談するようにしてくださいね??」

 

 曜先輩から始め、他のメンバーも賛成の声をあげる。うんうん、やっぱりこうでなくちゃな。

 

 ん?なんか花丸さんがジト目で俺の方を向いてるんですけど…………。「お前もなにか一言言えずら」みたいな表情してるんですけど…………。とりあえず何か言っとくか

 

明「まぁ、ラブライブ予選前に知名度をあげれるかもしれないですしね。良いと思いますよ」

 

千歌「奥山くん………、みんな………ありがとう!!」

 

梨子「こっちこそ、ありがとうね!!千歌ちゃん!!」

 

 

 

 こうして、俺達は3日後のライブに向けて準備に取りかかった。

 

 

 

 

 

〜空港〜(理亜視点)

 

 

 イベントが終わって数日後、私達は内浦の海へ行くべくキャリーバックを引いて空港へとやって来ていた。

 

聖良「海………楽しみですね」

 

理亜「えぇ」

 

聖良「でも、どうして内浦なの??海だったら他の場所でも良かったんじゃ」

 

 …………来た。きっといつかこの質問が来るかと思って答えをずっと考えてて困ってたけど昨日、その答えを見つかった。

 

理亜「それもあるけど、姉様、これ見て」

 

 私はスマホを姉様に見せる。画面を見た瞬間、姉様は目を丸くした。

 

 画面に映っていたのは………

 

 『浦の星女学院スクールアイドルAqoursは〇月〇日に地元の商店街でライブをやります!!詳細はーーーーーーー』

 

聖良「これって」

 

理亜「えぇ。丁度、私たちが内浦に行く日にAqoursが商店街でライブをやるみたいなの。だから、それを見たくて」

 

聖良「でも、貴女、Aqoursの皆さんを嫌ってたじゃない」

 

 ゔ…………、前にAqoursのメンバーに少しだけキツイ言葉を言ったのをまだ覚えてたのね。それを、指摘されると困る。

 

理亜「たまたまよ。最近は頑張ってるみたいだし」

 

聖良「ふふ、つまり理亜もAqoursの皆さんを注目してるってことですね」

 

 本当は明の有無を確認したかったのだけれど……、そういうことにしておこう。

 

 

聖良「ってことはつまり…………彼にまた会えるかもしれないってことですよね」

 

 

 姉様が顔を赤くしてボソッと呟いたのを私の耳は聞き逃さなかった。

 

 

 

 

〜とある場所〜(??視点)

 

 

 『浦の星女学院スクールアイドルAqoursは〇月〇日に地元の商店街でライブをやります!!詳細はーーーーーーー』

 

??「ハハ、まさかあの女がスクールアイドルをやっていたとはな。ってことは、あの男もいるってことだよな??」

 

 すると、??は気持ち悪くニヤケつけながら、一言呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「そのライブ、俺がめちゃくちゃにしてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 




お待たせしました。このオリジナル展開を経て、『人殺し』である明くんはぐちゃぐちゃになる予定です。お楽しみに。

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