Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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忙しくて、なかなか更新できませんでした!!すみません!!

それなのに、お気に入りの数が増えてて驚きです。ありがとうございます!

なんとか、時間を見つけて更新していきたいと考えています!!


『人殺し』は頑固として掛け声を言わない。

 「はい、OKでーす!!」

 

Aqours・明「ありがとうございました!」

 

 無事にリハーサルが終了した。音響証明共に問題なし。彼女達も問題は……………ないとは言えなかった。

 

 その原因は花丸さんだ。傍から見れば、花丸さんの踊りは何も問題ないように見える。しかし、昨日1年生3人と一緒に自主練を見てきた俺には分かる。

 

 

 彼女は所々、ミスをしていた。

 

 

善子「ずら丸、ちょっとどうしたのよ??」

 

 そのミスに気づいていた善子さんが、心配そうに花丸さんにコソコソと話しかける。

 

花丸「ごめんね、善子ちゃん。緊張しちゃって思ったより動けなかったずら」

 

 花丸さんは「あはは」と作り笑いをしてなんとか誤魔化すように答える。

 

善子「もぅー、しっかりしなさいよ。あと、ヨハネ!!」

 

 いつものやり取りをしたあとに、花丸さんは「お手洗いに行ってくるずら」と言ってどこかに行ってしまった。

 

 

 〜花丸視点〜

 

 

 昨日のことで彼に謝りたい。

 

 けど、彼の顔を見ると、あの表情と言葉を思い出してしまう。

 

 

明『二度と、俺に話しかけんな。このド田舎無知女が…………』

 

 

 この言葉によって、マルは酷くショックだったずら。言われて欲しくない言葉だったから。

 

 

 けど、あの時あの瞬間にマルは気づいてしまった。

 

 

 あの言葉を出した時の彼の表情は…………

 

 

 

 とても、辛そうな表情をしていた

 

 

 

 きっと、本人は自覚していないと思う。

 

 

 ねぇ、どうして君はあんな表情をしたの??

 

 

 あんな表情をされならマルは…………

 

 

 

善子「ずら丸、遅いわよ!!もうすぐ本番よ!?」

 

ルビィ「花丸ちゃん、大丈夫??みんな、待ってるよ??」

 

花丸「うん…………。」

 

 

 

 

 

 「Aqoursのみなさーん、スタンバイお願いしまーす」

 

 

 

 

 

Aqours「はーい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 マルは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もっと、貴方のことを助けたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜明視点〜

 

 

 「Aqoursのみなさーん、スタンバイお願いしまーす」

 

 

Aqours「はーい!!」

 

 

 

 そろそろ、ライブ本番の時間だ。衣装を身に纏う彼女たちはステージ裏の方へと向かい、円の形へと並んで千歌先輩が今日のライブの意気込みを語る。

 

 

千歌「今日のライブは思いっ切り楽しんで、梨子ちゃんを笑顔で東京に送り出してあげよう!!」

 

 

梨子以外「うん!!」

 

 

梨子「千歌ちゃん………みんな」

 

 

 千歌先輩の言葉で梨子先輩は少しだけ嬉し涙を目に浮かべる。

 

 

千歌「それじゃあ、いつものいくよ!!…………………1!!」

 

曜「2!!」

 

梨子「3!!」

 

花丸「4!!」

 

ルビィ「5!!」

 

善子「6!!」

 

ダイヤ「7!!」

 

果南「8!!」

 

鞠莉「9!!」

 

 あれは、いつもライブ直前に彼女たちが行う行為だ。数字を言うことによって、自分たち9人が今ここに『在る』いうことを改めて認識させるためであろう。あれを見ると、こっちもやる気が出るんだよな

 

 …………ん?なんで皆さん俺の方を見るの??俺、なんかした??

 

 

千歌「奥山くんは言ってくれないの??」

 

 

 この先輩は、急に何を言い出すんだ??

 

明「いや、だって俺、歌いませんよ??」

 

千歌「でもぉ、奥山くんもAqoursの一員だし…………」

 

明「俺に気を遣わなくても大丈夫ですから……………。」

 

千歌「でもぉ」

 

 『それでは、Aqoursのみなさんの登場でーす!!』

 

 ステージの方からアナウンスが流れる。助かった…………。

 

明「ほら、もう出番ですよ。」

 

千歌「むぅ、今度は絶対に言わせるんだから!!………Aqoursーー!!」

 

 

Aqours「サーンシャイン!!」

 

 

 

 こうして、Aqoursはステージの方へと向かった。

 

 

 彼女たちが踊る立ち位置に着いたのを確認した俺は音響卓へと向かい、インカムを付けて曲を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー事件が起こるまであと5分

 

 

 

 

 

 〜理亜視点〜

 

 

Aqours「ありがとうございましたー!!」

 

 

 Aqoursのライブが終了した。

 

 

観客「ワァーーーーーー!!」

 

 

聖良「凄い…………」

 

 

 彼女たちのライブを見て、姉様がボソリと呟いた。私も言葉としては出さなかったけど、姉様と同じ気持ちだ。

 

 数ヶ月に東京で見たライブよりも遥かに良いものへとなっている。

 

 なんだか…………悔しいな。

 

 本来だったら、Aqoursのライブは内浦に来る理由のついでにしか過ぎないと思っていたけど、前言撤回。見に来てよかったわ

 

 

聖良「Aqoursの皆さんに負けてられないですね。家に帰ったら、練習ですよ。理亜」

 

 

 どうやら姉様もAqoursのライブを見て、対抗心に火が付いてしまったらしい。顔が活き活きとしてる。

 

 

理亜「えぇ、勿論よ。姉さ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「きゃーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖良・理亜「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 私が姉様に言葉を出した瞬間、ステージの方から女性の叫び声が響き渡った。反射的に私と姉様はステージの方を振り向くとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不気味な笑みをしている謎の男性が、Aqoursのメンバーの1人である国木田 花丸を抱え込み、首筋にナイフを当てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当然、周りは騒ぎとなりAqoursのメンバー含め観客がパニックに陥ると、ステージ上に1人の男性が怒りの声を発しながら現れた。

 

 

 

理亜・聖良「え?」

 

 

 

 その男性の姿を見て、私と姉様は驚きの表情を出す。

 

 

 

 

 私と瓜二つな顔つきに、私と同じ赤紫色の髪型。そして、見覚えのある表情に聞き覚えのあるあの声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖良「明??」

 

 

 

 

 

 

 

 そう。

 

 

 

 

 

 

 現れた男性は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達の弟、鹿角 明に似ているAqoursのマネージャー、奥山 零だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、明 死す。

デュエルスタンバイ!!

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