Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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『人殺し』は苦悩する。

 明「なんの事ですかね。俺は奥山 明ですが………」

 

鞠莉「嘘をついても無駄ヨ。調べはついているわ」

 

 鞠莉先輩はニコニコと微笑みながら、答える。

 

 

 どうやら………何言っても無駄なようだな。さよなら、俺の高校生生活。

 

 

 

明「…………俺の事を知ってどうするつもりですか??理事長の権限で退学にさせますか??」

 

 

鞠莉「sorrysorry。そんな身構えないデ。別に貴方のことを退学にしたり、過去を周りに広めたりなんかするつもりはないわ。」

 

明「じゃあ、なんのつもりで??」

 

 

 この人の考えてることが分からない。

 

 

鞠莉「私が貴方に言いたいことは1つだけ。スクールアイドルをやろうとしてる千歌っち達と関わりなさい。」

 

 

 は?何を言ってるんだ、この人は

 

 

明「鞠莉先輩…………。いくら陽気な貴女でもそんな冗談面白くないですよ」

 

鞠莉「Why??マリーはジョークのつもりで言ったつもりはないワ。」

 

 

明「もしそうだとしたら、貴女の考えは正気の沙汰じゃない!!!」

 

 

 俺は声を上げて鞠莉先輩に反論する。スクールアイドルをやろうとしている千歌先輩たちに『人殺し』である俺が彼女たちと関わりを持っていると世間にバレてみろ。その時点で彼女たちの挑戦は終わってしまう。

 

明「申し訳ありませんが、その話はお断りさせていただきます!!それでは!!」

 

 俺はくるりと周り、理事長室の扉のドアノブをつかもうとした瞬間

 

ダイヤ「お待ちなさい」

 

 今まで黙っていた生徒会長が俺を引き止めた。

 

ダイヤ「確かに、奥山さんの気持ち、大変分かります。けど、まだ話は終わっていませんわ。……………ですよね、鞠莉さん」

 

鞠莉「Of course!!流石、ダイヤね」

 

ダイヤ「貴女とは幼い頃からの仲ですから………。奥山さん、できれば話を最後まで聞いてからご判断されるのも悪くはないと思いますわ」

 

 ダイヤ先輩は俺の目をじっと見て答える。けど、彼女の言葉も一理ある。

 

明「ダイヤ先輩の言う通りですね。それでは、鞠莉先輩。説明の方をよろしくお願いします」

 

鞠莉「OK!!」

 

 鞠莉先輩は手でOKマークを作ったあと、ゆっくりと俺の方に近づき、俺の耳に向かって囁いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鞠莉「千歌っち達と関われば、近い将来に鹿角姉妹に会えるかもしれないと言ったら貴方はどうする??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜家にて〜

 

 

零「ただいまー」

 

明「お帰り。ご飯、出来てるよ」

 

零「ありがと〜。うわぁ、いい匂い。すぐに着替えてくるね」

 

 零さんが自分の部屋で着替えを済ましたあと、俺と2人で向かいながらテーブルで食事を始める。今日のメニューは、肉じゃがだ。

 

零「んー♡美味しぃ♡」

 

明「良かった。今日のは自信あったんだ」

 

零「流石、明ちゃん!!2年後、私を貰って欲しいわ」

 

明「さらっとプロポーズするのやめてよ。俺、ビール持ってくるわ」

 

零「ありがと〜。んー♡肉じゃが、美味しぃ♡」

 

 俺は冷蔵庫の方に行き、缶ビール2本と缶ジュースを1本取り出してから、テーブルに戻る。

 

 カシャ………と、缶ジュースをあげ、ゴクゴクと飲みながら、理事長室への出来事を思い出す。

 

 

 〜数時間前〜

 

明『なんだと………』

 

鞠莉『貴方に言いたいことはこれだけ。あとはどうするか、貴方自身で決めてちょうだい♪』

 

明『どうして、俺がスクールアイドルと関わることによって2人に会うことが出来るんだよ!?』

 

鞠莉『それは少し考えてみれば分かることヨ。』

 

明『はぁ??』

 

ダイヤ『なるほどですわ。』

 

明『ダイヤ先輩、分かったのか??』

 

ダイヤ『えぇ。確かに、貴女がスクールアイドルと関わりを持ったら彼女たちと会える可能性は十分ありますわ』

 

明『じゃあ、教えてくれよ!!』

 

ダイヤ『いいえ。これは貴方自身の問題。貴方が答えを導きなさい。』

 

 

 

 

 

 

 

 

零「………ん」

 

零「………ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

零「明ちゃん!!」

 

明「!?」

 

 突然、零さんが声を上げる。驚いて、俺はビクッと体を震わせてしまった。

 

零「どうしたの??ぼーっとして」

 

明「なんでもないです。」

 

零「学校でなんかあったみたいだね。零さんに相談してみ。」

 

明「いや、だから何もないって」

 

零「明ちゃんやい。私は君とどれくらい一緒にいたと思ってるの。君が何か考えてることぐらいすぐに分かるよ。…………家族なんだから」

 

 

 家族……………か。

 

 

 

明「じゃあ、1個だけいい??」

 

零「うん!零さんになんでも言ってご覧なさい!!」

 

 零さんは胸にトンと手を置き、ムフフんとドヤ顔になる。その姿を見て零さんらしいなと安心した俺は、何も躊躇いもなく言葉を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明「部活に……………入ってもいいかな??」

 

 

 




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お待ちしておりますぜ。

次の更新は明日で…………。

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