Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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今回は今まで以上に作るの大変でした。


『人殺し』でも想いはひとつ。

 〜ライブ前〜(花丸視点)

 

 『それでは、Aqoursのみなさん。準備の方に取り掛かって下さい!!』

 

Aqours「はい!」

 

 遂に、ラブライブ予選突破を掛けたこの日がやって来たずら。

 

 今日に至るまで、色んなことがあった。

 

 まず、梨子ちゃんがいなくなってしまったことにより、元々千歌ちゃんと踊るはずだった所に空きが出来てしまい、代わりに曜ちゃんが入った。けど、何度もやってもテンポが合わず、どんよりとした空気が続いていた。あの時の曜ちゃん、笑ってたけど、なんとなくとても辛そうに見えたずら。

 

 けど、次の日はいつも通り元気な曜ちゃんに戻ってたずら。話を聞くに、前日の夜に千歌ちゃんと会ったらしく、千歌ちゃんの勧めで2人で踊るパートの振り付けを1から作り直すということだった。これ関してはマル含め、他のみんなも賛成してたずら。結果的に、ダンスのクオリティは数段と良くなった。

 

 

 マル達8人はお互いの顔を見たあと、円の形を作り、中心に梨子ちゃんから貰ったシュシュが付いている方の手を指し伸ばして重ねた。

 

 あと、1分もしない内にマル達はステージに上がってライブを行う。このライブだけは絶対に負けられない。

 

 

 負けられないけど…………

 

 

 どうしても、マルは彼のことを考えてしまう。

 

花丸「ちゃんと来てくれるかな…………」

 

 と、無意識にボソッと呟いてしまった。慌ててみんなの顔を見てみるとマルの方に顔を向けていたずら。な、なんか恥ずかしいずら。

 

 マルが恥ずかしがってると、隣にいた善子ちゃんがマルの肩に手を優しく置いた。善子ちゃんの方に顔を向けると

 

 

 

 ーーーー大丈夫。あいつはきっと来るわ

 

 

 

 と、言わんばかりの表情をしていた。

 

 全く…………、普段は厨二病でポンコツの癖にこういう時だけはしっかりとしてるんだから…………。

 

 

 でも、ありがとう。善子ちゃん。

 

 

善子「だからヨハネよ!!」

 

 

 ………………善子ちゃんは心の声が聞こえるずらか??

 

 

千歌「さぁ、行こう!!ラブライブに向けて!!私達………………10人の第1歩に向けて!!

 

 

 

 

 

 

 

 今、全力で輝こう!!」

 

 

 千歌の言葉に続けてマルたちは「おー!」と言いながら中心に置いていた手を上に上げた。

 

 

 そして、Aqoursのみんなはステージの上に立ち自分の立ち位置へと着いた。

 

 

 音楽が流れ始め、千歌ちゃんが歌い出す。

 

 

千歌「♪想いよひとつになれ〜♪」

 

 

 

 

 Aqoursにとって、負けられないライブが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜明視点〜

 

 

 改めて思い出すと俺はAqoursのライブを観客側から見るのがこのライブで初めてだった。

 

 だからこそなのかもしれない。今のAqoursのライブを目の前にして衝撃が止まらない。

 

 

 なんだよ…………これは。

 

 

 とても凄い………………。

 

 

 とてもシンプルで安易な感想だが、逆にこの言葉以外何も思い浮かばない。そう思わせるほど今の彼女たちのライブは凄い。現に身体中の痛みを忘れるぐらいに。

 

 

 見てる場所が少しだけ違うだけなのに、こんなにも変わるものなのか。

 

 

 

 

 

 それにしても「想いよひとつになれ」………か。

 

 

 今のAqoursの状況にピッタリな歌だ。きっとこの歌の歌詞を考えたのは千歌先輩だろう。

 

 きっと、この場にいない梨子先輩とAqoursの想いは遠くに離れていても繋がってるという意図が込められてるんだろう。曲のピアノのメロディや、まるでピアニストのようなダンスの振り付けなどがそれを物語っている。

 

 

 本当に…………、本当に仲間想いなスクールアイドルだ。

 

 

 

 

 

 俺は彼女たちのライブを見ていて1つ確信し、1つ決意した。

 

 

 

 それは………………

 

 

 

 やはり、俺のような『人殺し』はAqoursにいるべき存在ではないということだ。

 

 

 

 数日前のライブ、俺のせいでめちゃくちゃになってしまったのにも関わらず、この場にいる大勢の観客にこの盛り上がり。つまり、Aqoursは俺が起こしてしまった事件を覆すほどの力を持つ人気のスクールアイドルになっているということが分かる。

 

 

 

 そして、俺が決意したことは……………

 

 

 

 

 Aqoursのマネージャーを正式に辞退するということだ。

 

 

 先程、述べた通り今のAqoursは人気急上昇中のスクールアイドル。このライブでさらに人気は上がるだろう。

 

 そんなグループに俺のような『人殺し』がいていいはずがない。そもそも、既に俺はやらかしている。今後も俺のせいでAqoursに迷惑がかかるかもしれない。

 

 

 なら、そうなる前に俺はAqoursのマネージャーを辞める。

 

 

 けど、それをちゃんと逃げずに彼女達と面あって伝えることにしよう。あと、謝罪も。特にあいつには。

 

 

 

 じゃなきゃ、零さんの行動が無駄になってしまう。

 

 

 

 そして、辞めたあとは1人で姉ちゃん達と向き合うことにしよう。ここに向かう途中に分かったけど今、Saint Snowは休止中だということを知り、確実に原因は俺のせいなのが分かる。何とかしなくては。

 

 

 

 じゃなきゃ、平山先生の教えが無駄になってしまう。

 

 

 

 これでいい。これでいいんだ。

 

 

 

 だから最後にせめて、彼女たちのライブを1人のファンとして楽しむことにしよう。

 

 

 

 

 俺は持っていたペンライトを黄色に光らせて彼女たちを応援しようとした瞬間

 

 

 

 

 

 『…………が………よ。』

 

 

 

 

明「ーーーーーえ??」

 

 

 突然、俺の耳に誰かの声が聞こえてきた。けど、なんて言ったかは聞き取れなかった。

 

 

 気の所為………………だよな??今はAqoursのライブ中で大いに盛り上がっている所だ。それなのに、声なんか聞こえるはずがない。

 

 

明「ん?」

 

 

 ふと、ズボンの右側のポケットの中がジーンと熱くなってきているのに気づいた。確か、そのポケットの中に入れていたのは零さんに渡された小箱のはず。

 

 俺はポケットから箱を取り出すと、やっぱり零さんから渡された小箱だった。しかし、一つだけ違うことと言えば、何故か小箱が光り輝いていた。

 

 

 

 いや、正確に言えば小箱の中に入ってる物が輝いている。

 

 

 

 俺は恐る恐る箱の中身を開ける。すると、そこには

 

 

 まるで彼女たちのライブのように光輝いているシュシュがあった。

 

 

 このシュシュは、色は違うけど今まさしく彼女たちAqoursのみんなの手首に付いている奴と同じやつだ。

 

 

 どうしてこれを俺に送ってきたのかは分からない。分からないけど…………

 

 

 このシュシュは付けろと俺に伝えているかのように光り輝いていた。

 

 

 俺はゆっくりとシュシュを彼女たちと同じ右腕の手首に付けた瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『違うよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明「!?」

 

 

 またしても、俺の耳に声が聞こえてきた。しかも今回ははっきりと聞こえた。

 

 

 しかも、この声はあいつの……………!!!

 

 

 俺はすぐ様、今まさしく踊っているAqoursのメンバーの1人に顔を向ける。

 

 

 あいつは、楽しそうに歌いながら踊っていた。一瞬だけ彼女と目が合った。すると、彼女たちはとても嬉しそうな表情に変わった気がする。

 

 

 

 

 『梨子ちゃんだけじゃないよ。明くんの想いもAqoursと繋がっているずら。』

 

 

 

 

明「ーーーーー!?」

 

 

 

 

 

 まただ。また聞こえてきた。

 

 

 なぜ、あいつの声が聞こえてくる!?今現在進行形で歌っているあいつの声が!?

 

 

Aqours「♪想いよひとつになれ〜♪」

 

 

 俺の想いもAqoursと繋がっている??そんな訳ないだろ…………

 

 

Aqours「♪どこにいても〜♪」

 

 

 だって、俺は……………

 

 

Aqours「♪同じ明日を〜♪」

 

 

 俺は……………

 

 

Aqours「♪信じてる〜♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、Aqoursのライブは無事、終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライブが終了し、出口に出ると平山先生がコーヒを飲みながら待っていた。

 

 平山先生は俺の顔を見ると、驚いた表情をしていた。

 

 

 

平山「どうした??奥山。涙なんか流して」

 

 

 

明「え?」

 

 

 先生の言葉で俺は頬を触ると、しっとりと濡れていた。汗なんかではない。涙で濡らしていた。

 

 

 

 どうして涙が??

 

 

 

 理由は分からいけど、俺はすぐに腕で涙を拭った。

 

平山「泣くほど感動したってことかね」

 

明「まぁ……………そんな感じです。」

 

 

 

平山「うむ、それは良いことだ。それより、君を家まで送ってやろうと思ったが、どうやらまだ帰るのには早いらしいな」

 

 

 

 平山先生はニコッと意地悪そうに笑う。言っている意味が分からない。俺の考えがよめたのか、平山先生は俺の後方に指を指した。

 

 

 

 

 そして、俺は先生が指した方に振り向くと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「奥山くん……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明「千歌先輩…………それにみんな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程までステージにいたAqoursのみんなが目の前にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、明とAqoursの本音のぶつかり合いをお楽しみにしてて下さい。


あと、話変わるけど花丸さんセンター獲得おめでとうございます。
いつかその話も番外編で書こうと思います
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