Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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久々のコメディ回です。
本編にガッツリ入ってます。


『人殺し』はかき氷を吹き出す。

 Aqoursのラブライブ予備予選のライブから1週間ほど経過した。

 

 今日は運命のラブライブ予備予選の結果発表の日だ。なので、俺達はいつも通っている喫茶店『松月』で集まり結果を待っていた。

 

 曜先輩が持っているスマホの目の前には千歌先輩、果南先輩、ダイヤ先輩が睨めっこしているかのように見つめていた。

 

鞠莉「あんまり食べると太るよ??」

 

花丸「食べてないと落ち着かないずら」

 

 松月のベンチには鞠莉先輩と花丸さんが座っていた。こいつ、常になんか食ってるよな。

 

 ふと、花丸さんと目が合った。花丸さんは手を振って微笑むが、俺はつい目を逸らしてしまった。

 

 

 最近、花丸さんのことを見ると胸がモヤモヤする。こんな経験………生まれて初めてだ。

 

 

善子「リトルデーモンの皆さん。この堕天使ヨハネに魔力を!精霊を!全ての力を」

 

 お前にに至っては通常運転すぎだな。何してんだ!!周りの人に迷惑かけんな!!バカ堕天使!!

 

曜「きた!!」

 

 どうやら、結果発表されたらしい。すぐに他のメンバーも曜先輩のスマホの前に集まる。めっちゃ緊張するな………

 

ダイヤ「Aqoursのアですわよ!!ア!ア!ア!」

 

明「ダイヤ先輩、少し落ち着いて下さい」

 

 そして、頭文字が『あ』から始まるスクールアイドルを調べるが、Aqoursの文字は全く出てこない。これは……もしや……

 

 

 そして、結局Aqoursの文字は出ず『い』から始まるスクールアイドルの名前が表示された。つまり………

 

 

千歌「落ちた………」

 

ダイヤ「そんなぁ〜」

 

 Aqoursはラブライブ予備予選で敗退が決定してしまった。みんなはとても悔しそうな表情をしている………もちろん俺も。

 

 そんな中、曜先輩はある事に気づき声を出した。

 

 

曜「あ、エントリー番号順だった。」

 

 

 曜先輩の言葉で、俺達は吉本新喜劇でよく見るズッコケをしてしまった。

 

 そして、再び下に画面をスライドしていくと…………

 

 『★イーズエクスプレズ

 

  ★グリーンティーズ

 

  ★ミーナーナ

 

  ★Aqours

 

  ★海音おとめ

 

  ★………………』

 

 

 と、表示されていた。

 

 つまり…………

 

千歌「Aqoursあったー!」

 

 Aqoursは無事にラブライブ予備予選を突破した。さっきの敗退した下りがあったから他のみんなもとても嬉しそうな表情をしている。

 

明「うわっ!!」

 

 

 あまりの嬉しさのせいなのか、1年生3人が俺に飛びついてきた。俺は驚きながらも3人を受け止める。

 

 

花丸「明くん!!やったね!!」

 

ヨハネ「私がいるんだもの。当然よ!!」

 

ルビィ「うゆぅ〜♪」

 

明「分かった!!分かったから離れろ!!」

 

 俺は顔を赤くしながらバカ3人組に離れるよう言葉を出す。ちょ、他のみなさんも助けて!!そんなニヤニヤしてこっち見ないで!!

 

鞠莉「予備予選突破……オーマイガー!」

 

 残念ながら今の俺の状況の方がオーマイガーです。誰か早く助けてください!!

 

 

 

 〜部室〜

 

 ラブライブ予備予選突破でお祝いしようとなり、部室へとやってきた俺達。相変わらず、花丸さんはのっぽパンを食しています。

 

果南「さぁ、今朝捕れたばかりの魚だよ」

 

 果南先輩はそう言って、テーブルに大量の刺身の乗った大皿をドンと置く。いや、凄いし美味そうだけどここまでよく運んでこれたな。

 

 1切れ貰ったけど、とても美味しかったです。

 

ルビィ「見て下さい!PVの再生回数が……」

 

 皆で刺身を頂いてる途中、ルビィさんが慌てた表情で、パソコンをこちらの方に向ける。俺達はパソコンに覗き込むと、『想いよひとつになれ』のPVが15万回以上の再生数を取っていた。1週間程でこれだけの再生数を取れたということはやっぱり素晴らしいライブだったということが分かる。

 

千歌「凄い再生数!」

 

 うん。千歌先輩も嬉しそうだ

 

ルビィ「コメントも沢山付いていて!」

 

 ふむ。おぉ、本当に沢山付いてる。ちょっと覗いてみよう。

 

 『Aqoursのメンバーマジで可愛い』

 

 『メンバー1人欠けてるのに凄い』

 

 『ますますファンになっちゃいました♥』

 

 『もうヨハネ様に堕天します!!』

 

 『デュフフ………相変わらずルビィたん。可愛いな………デュフフ』

 

 『祝え!!全スクールアイドルを抑え、友情を超え、希望と夢をしろしめすスクールアイドル。その名もAqours。まさに生誕の瞬間である。』

 

 なんか…………色々とツッコミたい。

 

 とりあえず、以前も出てきたこの気持ち悪いルビィさんオタクと、どこぞの時の王の側近野郎はブロックしておこう。

 

ダイヤ「全国くるかもね………」

 

果南「これはダークホース」

 

善子「暗黒面!?」

 

 それはダークフォースだろ。ダークホースだわ、ボケ。

 

千歌「ハハハ………ん?」

 

 突然、千歌先輩のスマホが鳴り出した。取り出すと、どうやら梨子先輩から電話が掛かってきたみたいだ。

 

梨子『予選突破おめでとう』

 

 どうやら、梨子先輩もサイトを見てAqoursが予選突破したのを知ったみたいだ。その後、皆で集まって今度は歌おうと約束してから通話は終了した。

 

ダイヤ「ラブライブで有名になって、浦女を存続させるのですわ!」

 

ルビィ「頑張ルビィ!」

 

 おぉ、黒澤姉妹が熱くなってる。てか、ダイヤ先輩の持ってる扇子の絵柄が『浦女』て………。それ、どこで手に入れたんですか??

 

果南「これは、学校説明会も期待出来そうだね!!」

 

 果南先輩の言葉に、皆も頷く。もうすぐ、浦の星女学院では学校説明会が開催される。今回のAqoursのライブによって少なくとも興味を持ってくれた人はいるはずだ。

 

鞠莉「そうね、説明会参加希望の数も………」

 

 鞠莉先輩はウキウキとしながら、スマホを取り出し説明会希望数を調べる。俺の予想は軽く50人はいると思うんだけどなぁ。

 

 しかし、俺の予想は全く外れていた。なぜなら…………

 

 

鞠莉「………ゼロ。ゼロだね」

 

 

 50どころか…………1人もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、みんなのテンションが低いまま俺達は解散となった。家にそのまま直進しようと思ったら、千歌先輩と曜先輩にかき氷食べに行かないかと誘われたので付いて行った。

 

千歌「はぁ………また0か」

 

 千歌先輩………相当落ち込んでるな。

 

千歌「あれだけ再生されてるんだよ??」

 

 まぁ、確かに。あれだけ再生数を取れてるのに1人も参加希望がいないっていうのもなかなか珍しいものである。

 

曜「μ'sは、この時期にはもう廃校を阻止してたんだよね??」

 

千歌「え、そうだっけ!?」

 

曜「学校存続が、ほぼ決まってたらしいよ」

 

 曜先輩はかき氷をパクパクと食べて言葉を出す。すると、さっきまで泳いでいた果南先輩がこちらの方に近づいてきた。スウェットスーツで…………。ここに男の子いますよー??

 

果南「ここでスクールアイドルをやるってことはそれほど大変だっていうこと。」

 

 と、を出しながらさらっとスウェットスーツを脱ぎ水着姿となる果南先輩。余りの衝撃に俺は吹き出してしまった。

 

明「ぶはっ!?」

 

曜「明くん!?」

 

 ゲホゲホとむせる俺の背中に曜先輩が優しくさすってくれた。

 

果南「どうしたの??」

 

 どうしたの??じゃないです。なんで分からないの??何で頭の上に『?』を浮かべながら傾げるの??貴女ポンコツなの??あとやっぱり、大きいですね!!

 

明「先輩………一応、ここに男子いるんでそういうことされると困るんですよ」

 

 俺の言葉に果南先輩はようやく自分がやらかした行為を理解し「あちゃー」と一言。本当にあちゃーですよ。

 

果南「ごめんね。私、そういうのは余り気にしないタイプだからさ」

 

 知ってるよ。気にしてる人だったら、簡単にハグしよ♪なんて言わないから。

 

明「とりあえず、服着てくれると嬉しいです。」

 

果南「けど、取りに行くの面倒臭いからこのままで♪」

 

 嘘だろ、オイ………。もう帰ろうかな。理性が持たん。

 

果南「話戻すけどさ、東京みたいにほっといても集まる場所ではないんだよ。ここは」

 

 話戻さないで欲しい所だが、果南先輩の言葉も一理ある。ここは都会と違って田舎に分類される場所。つまり、立地条件が悪い。そんな場所に高校3年間通おうと考えるならば、少なくとも違う高校を選んでしまうのだろうか。

 

 

千歌「でも、それを言い訳にしちゃダメだと思う。それを分かった上で私達はスクールアイドルをやってるんだもん。」

 

 

 千歌先輩はそう言いながら、少し溶けてきたかき氷を一気食いし始める。ちょ………そんな一気に食べたら………。

 

 

 案の定、千歌先輩は頭を抑え走り出した。あれ………めちゃくちゃ痛いよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜夜〜

 

 

零「ただいま」

 

明「おかえりなさい。晩御飯今、出来たとこだから」

 

零「やったー。すぐに手を洗ってくるね」

 

 零さんはルンルンとしながら手洗い場へと直行していった。今日の晩御飯のメニューは唐揚げだ。

 

零「んー♪やっぱり美味し〜♪」

 

 手を洗い、私服へと着替えた零さんは俺が作った唐揚げを幸せそうに頬張る。こういうの見ると、作った甲斐が有る。

 

零「そう言えば、来週留守番よろしくね」

 

明「来週??………あ、社員旅行ね」

 

 零さんが通ってる仕事場はこの時期になると社員旅行に行くこととなっている。

 

 

明「今年はどこに行くの??去年は大阪だったよね??」

 

 

零「ふふふ…………聞いて驚け。今年は……」

 

 

 

 

 

 

 零さんはニヤニヤとしながら言葉を出した。

 

 

 

 

 

 

零「北海道よ」

 

 

 

 

 

 

 

明「え……………」

 

 

 

 

 マジ……………??

 

 

 

 

 

 ちなみに、数時間後千歌先輩からみんなで東京に行くという連絡が来たが零さんの社員旅行の行き先場所が衝撃的すぎて頭に入ってこなかった。

 

 

 

 

 

 




次回は東京編突入。

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