Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』 作:七宮 梅雨
コメディ満載です。
花丸さんとのお泊まり会からの映画館デート(?)から数日が経過した。
俺は自分が花丸さんに好意を抱いていると確信してからは、彼女の接する時に少しだけ緊張するようになってしまった。
まさか、『人殺し』である俺が女性に恋をするなんて思いもしなかったから、どうしたらいいのかわからない。
けど、もしこのまま何もせずに花丸さんが他の男性に奪われたら………………と思うと胸が苦しくなる。多分、それぐらいになるまで俺は彼女のことが好きなのだろう。
このことを誰かに相談しようとしてもAqoursのメンバーに恋愛相談したら面倒くさい(特にポンコツでシスコンである生徒会長)だろうし、零さんも男性とお付き合いしたことが1度もないらしく戦力にならない。てか、零さんや。貴女、もうすぐ28でしょ。俺が言えることじゃないけど、そろそろ結婚相手を探しなさい。
うーん………。ダメ元で練習後に沼津の本屋さんにでも寄って、恋愛に関する本でも買おうかな。少なくとも何か参考になることは載ってるだろ。
こうして、俺は財布の中身を確認しながらAqoursの練習場所である屋上へと足を運ぶのだった。
善子「今更だけど、アンタって私たちのこと『さん』付けで呼ぶよね」
明「なんだよ、唐突に」
お昼休憩で屋上の隅でいつも通り1年生組(現在、花丸さんとルビィさんは飲み物を買いに行っている。)と弁当を食べていると、善子さんが俺に向かって言葉を出す。どうでもいいけど、彼女のほっぺにはソースがついていた。
善子「なんか、下から見られているようで嫌なのよね」
明「別にそんなつもりで呼んでる訳ではないんだけどな」
俺の言葉に善子さんは「知ってるわよ」と言いながら、弁当のおかずであるハンバーグを口の中に入れて美味しそうにもぐもぐと咀嚼する。あ、更にソースがついた。
そして、ゴクリと口の中のものを飲み込むと、フォークを俺の方に向けながら言葉を出した。
善子「ということで、明。これからは、せめて私たちのことは呼び捨てで呼びなさい。てか、呼べ」
明「えぇ……………。」
まさかの強制かよ。てか、フォークを人に向けるなよ。お前はベビーサ○ンか。
善子「嫌なの??」
明「嫌ではないけど…………」
嫌ではないけど、女性の名前を呼び捨てで口に出すのは結構、恥ずかしいものである。この前も、花丸さんのことを呼び捨てで呼んだ時は背中が馬鹿みたいに熱かったからな。
善子「あと、千歌達も『先輩』って呼ばれるの嫌がってるから。」
明「マジかよ……………。」
それは知らなかった。先輩なんだから先輩って呼んで当たり前じゃん。なんで、嫌がってるの??
善子「私なんて、みんなのこと呼び捨てだしタメ口なのよ??少しは見習いなさい」
それは逆にお前が図々しいだけだろ。その度胸を俺に少しだけでもいいから分けてくれ。お前の好きな辛い料理作ってあげるから。
善子「と・に・か・く!!今日はアンタは人を呼ぶ時『さん』もしくは『先輩』を禁止!!じゃないと、私の動画に出てもらうから」
な、なんだと!?お前のあの非常に痛い動画(笑)に出るだと…………!!それだけは勘弁だ。いや、マジで。冗談抜きで。
明「分かった。」
善子「ふふ、流石は私のリトルデーモンね。じゃあ、早速私の本当の名前を呼びなさい。」
本当の名前………、つまりはヨハネと呼べということだろうか??うーん、なんかこのままこいつの言う通りに従うっていうのも癪だな。口の周りにソースついてる癖に、ニヤニヤしてるし。
………よーし。
明「津島」
善子「なんで苗字なのよーーーーー!!!」
明「おい、津島。口の周りににソースついてるぞ。これで拭けよ」
善子「あ、本当だ………。ありがとう……………じゃなくて、名前で呼べーーーーーーーーーー!!!」
津島(少なくとも今日は津島と呼ぶ)はそう言って顔を真っ赤にしながらも俺が差し出したハンカチで口の周りを拭いた。
ルビィ・花丸「ただいまー」
明「おかえり」
花丸「善子ちゃん、どうしたの??」
善子「ズラ丸ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」
津島を弄ってると、2人が帰ってきた。花丸さんが半泣き状態の津島に声をかけると津島は泣きながら花丸さんの胸に飛び込む。う、羨ましい。
ルビィ「うゆ………何かあったの??」
明「特に何も。あいつがただ自滅しただけ」
ルビィ「そうなんだ。はい、明くん。」
ルビィさんは俺に缶ジュースを差し出す。よ、よーし………。
明「あ、ありがとうな。ルビィ」
ルビィ「………………え??」
俺の言葉に、ルビィ含め津島と花丸が目を丸くして俺の方に顔を向ける。
そして、ルビィはどんどんと顔を赤くしていき最終的には
ルビィ「ピギァァァァァァァァァァァァ!!!!」
と、大声を出しながら走ってどこかへ去ってしまった。
花丸「ルビィちゃん!?」
何これ………すごく恥ずかしいし申し訳ないのだが………。
花丸「明くん!!どういうことズラ!!」
花丸さんが怒りのオーラを出しながら近づく。いい匂いが漂ってくるけど、まずい!!何か言い訳を…………
明「は、花丸!!違うんだ!!話を……」
花丸「え………」
明「あ」
し、しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!つい、呼び捨てで呼んでしまったぁぁぁぁぁぁ!!!
ヤバイ…………!!場合によっては嫌われる!!それだけは避けないと!!今すぐに土下座をしなくては!!
花丸「ず………」
明「ず??」
花丸「ずらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
花丸さんも顔を真っ赤にさせながら走ってどこかに去ってしまった。あ、これ完全に嫌われたやつだ。
明「な、な、な、なぁ、善子。どうしよう!?」
俺は半泣き状態でテンパリながらも善子に助けを求める。え、苗字じゃなくて名前で呼んでるって??んなもん、知るか!!こっちはそれどころじゃねぇんだよ!!
善子「………え??」
あれ??善子がフリーズしちゃった。何で!?頭叩けば治るか??
そして、次第に善子は顔を赤くして
善子「ヨハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
と、謎な言葉を叫びながら2人と同様に走って屋上から去って行った。
ぽつんと1人だけ残されてしまった俺。恥ずかしいのに勇気を出して呼び捨てで呼んだのにこれとか………………。
明「ハハ………」
この後、俺は何も言わずに走って昼休みが終わるまで屋上から出て行きました。
俺………先輩達のこと『先輩』無しで呼べるかなぁ…………。心配だ。
ちなみに、名前を呼び捨てで呼ばれた1年生3人によると明に名前を呼ばれた時の破壊力が凄まじかったという………………。
こういうのもいいと思いません??
後編に続きます。
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