Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』 作:七宮 梅雨
んー、これはどういう反応をすれば良いのだろうか。
俺は、たまたま朝早く起きたので起きる時間帯になるまでニコニコ動画を見ていた。すると、生中継で急上昇1位に上がっているやつを見つけたのでそれを開いた瞬間、画面から現れたのは…………
ヨハネ(?)「感じます…精霊結界の損壊により、魔力構造が変化していくのが……。
世界の趨勢が、天界議決により決していくのが……。
かの約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼が、その総てを見通すのです!」
現在進行形で不登校中である堕天使ヨハネさんだった。衣装もセリフもガチすぎるだろ。あと、なんか扇風機の音うるせーし。視聴者コメントもなんか、気持ち悪い。
ヨハネ(?)「全てのリトルデーモンに授ける。堕天に力を!!ふっ………。」
堕天使ヨハネさんが最後にそう言うと、生放送は終了となった。
俺はただ起きる時間帯まで、ポカーンとしているだけだった。
〜教室〜
教室に入ると、なんと、今まで学校に来ていなかった堕天使ヨハネさんがいた。周りのクラスメイトの女の子達と楽しそうに会話している。彼女の本当の名前は津島善子って言うらしい。ようやく本名知れたわ。
でも、こうやって見ると、あいつ普通に可愛い女の子にしか見えないな。
……と数分前に思っていた自分がいました。え、なんかこの子、唐突に黒いローブを着だしたんですけど。カバンの中から術式が印刷されている布取り出したんですけど。ロウソクに火をつけ出したんですけどぉ!?俺含めて周りの子がドン引きしていた。
明「そもそも、あれって不要物じゃね??ねぇ、ルビィさん」
ルビィ「それ、言っちゃったらなんか終わりな気がする」
俺とルビィさんは軽く苦笑いをした。
〜部室にて〜
花丸さんが善子さんを部室へと連れてきた。いや、なんで連れてきたの??
そこで、俺たちは善子さんの過去話を聞いた。中学の時に堕天使だと思い込み、それが癖となってしまっているということ。うん、重症やな。
善子「堕天使なんて、いないって分かってるんだけど…………」
善子さん自身も、それは分かっているようだった。けれど、気を緩むとすぐに厨二病な発言かつ行動をしてしまうらしい。重症やな(2回目)
明「いや、でもお前、今日の朝の生放送めちゃくちゃノリノリでやってたじゃん」
善子「あなた、見てたの!?」
明「えぇと、なんだっけ??感じます………精霊結界の損壊により、魔力構造が………」
善子「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
俺は、放送で彼女がやっていたポーズをして言っていた言葉をそのまんま語り出すと善子さんは顔を真っ赤にしてガチで泣き始めた。
曜「ダメだよ。奥山くん。女の子泣かせたら………」
明「いや、そんなつもりでやった訳じゃないんですけどね。パソコン借りてもいいっすか??」
俺は借りたパソコンを使い、ニコ生を開いて善子さんの映像を流した。
明「まぁ、こんな感じだったんですけど」
曜・梨子・花丸・ルビィ「うわぁ……」
みんな気まずそうな気持ちで見ていた。だよね、それが普通だよね。だって、俺も朝そんな顔してたもん。
善子「なんで、流すの!?やめて!!」
善子さんは顔をさらに真っ赤にさせ急いで、パソコンを閉じた。
善子「とにかく、私は普通の高校生になりたいの!!なんとかして!!」
いや、知らんがな。
千歌「可愛い…………」
明「は?」
今、なんて言ったこのオレンジ頭の先輩は…………
千歌「ねぇ!!」
善子「うわぁ!!」
千歌先輩が膝を机の上に乗せ、目をキラキラさせる。まさか…………!?
千歌「スクールアイドル…………やりませんか??」
善子「へ?」
あーあ、この人に目をつけられるとか終わったな。ドンマイ、津島善子。
〜数時間後〜
千歌「すごーい!!ランキング上がってるよ!!」
堕天使をイメージした服を着て、千歌先輩はパソコンの前でウキウキしていた。
どうやら、千歌先輩はAqoursに個性がないため人気が出ないと考えていたようだ。だから、Aqoursを堕天使アイドルとしてやってみることに。善子さんを中心に6人が堕天使キャラを演じ、PVを出すとあまり良くなかったランキングが徐々に上がり始めた。コメント数も沢山来ている。
『ルビィちゃん可愛い』
『ルビィちゃんと一緒に堕天する』
『ルビィちゃん最高』
『デュフ、ルビィたん。デュフフ』
『ルビィィィィィィィ!!』などなど
って、よく見たらルビィさんばっかじゃねぇか!!これ、ダイヤ先輩が見たらブチ切れるんじゃねぇの??特に4番目にコメントした人とか………
まぁ、ルビィ本人がとても嬉しそうだからいっか。
明「でも、個性がないと人気が出ないは違う気がするけどな」
花丸「ん?奥山くん、何か言ったずらか???」
明「………ううん。なんも言ってないよ。」
〜夕方〜
さっきまであんだけ喜んでいたのに、現在、Aqoursの6人は落胆していた。
理由は簡単でさっきまで上がっていたランキングが次第に下がってきたからだ。反応が良かったのは最初だけだった。
6人の中で、1番落ち込んでいたのは善子さんだった。
善子「みんな、ありがとうね。」
曜「え?」
善子「今日のおかげで、堕天使が通用しなかったのが分かったわ。だから、明日から普通の高校生としてやっていけそうな気がするわ」
花丸「善子ちゃん………」
善子「私が入ると、みんなに迷惑かけちゃうからスクールアイドルに入るのはやめておくわ。…………少しの間だけど堕天使に付き合ってくれてありがとうね」
善子さんは笑顔でそう言ったあと、俺達の目の前から去っていった。善子さんは顔は笑っていたが、なんだか悲しそうにも見えた。
梨子「なんで堕天使だったんだろう」
花丸「オラ、善子ちゃんの気持ち分かる気がするずら」
梨子「え?」
花丸さんが言うに、善子さんも自分が普通であまり目立たないと考えていたのではないか、今の自分が本当なのか、何かの軽はずみで今の状態になってしまっているのではないか………。だから、彼女は自分を堕天使だと思い込んで、過ごしてきたのではないか……と。
明「だったら、今まで通り堕天使やればいいのにな。」
千歌「え?」
明「あ………」
俺は心の中で思ったことをつい口に出してしまった。他のみんなが、俺を「何言ってんだこいつ」みたいな眼差しで見てくる。
梨子「どういうこと??」
あー、これは言わなければいけないやつかな。そうですよね。
明「だって、別に本人は堕天使キャラを本心で嫌っている訳では無いじゃないですか。逆に普通の高校生に戻ることに対して無理をしているように見える。無理するぐらいだったらそのまま堕天使キャラとして過ごせばいいんじゃないかと思っただけです。」
千歌「………そうだよ!!奥山くんの言う通りだよ!!」
千歌先輩が俺の言葉で反応する。そして、千歌先輩は明日、善子さんを改めて『堕天使ヨハネ』としてAqoursに勧誘しようと言った。みんなはそれを反対しなかった。
そして、次の日、無事に堕天使ヨハネこと津島善子がAqoursの一員へと加わった。
ついに、6人が集結!!
てことは、遂にアレが来ますね