Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

71 / 88
遅くなったけど聖良さん誕生日おめでとうございます!!

初めから言っておきますが、明くんは出ません。笑

なので、理亜ちゃん視点でどうぞ(꜆ ˙-˙ )꜆♡


『人殺し』の姉は誕生日を迎える

 明日は5月4日。

 

 他人からしたらGWの1日だと思われるけど、私………いや私達からしたらとても大切な日。

 

 

 なぜなら、その日は姉様の誕生日だからだ。

 

 

 当然、姉様の誕生日なのだから妹として最高のプレゼントを贈りたい。

 

 

 今年から私は高校生になった故に、月のお小遣いも大幅にupした。とは言ってもまだ高校に進学してまだ1ヶ月しか経過してないから1回しか貰ってないけど、私はこの日のために進学する数ヶ月前からお小遣いを貯金してきた。

 

 その甲斐があってか、そこそこ値段が張れる商品も購入することが可能なぐらいまで貯まっていた。

 

 

 今の姉様はあの事件のせいで情緒不安定な状況へと至っている。だから、少しでも私のプレゼントで元気になってもらいたい。これが私の狙いだ。

 

 

 私は、そのお金を全て封筒に入れてから荷物を持って、家を飛び出した。今日はちゃんと、両親に事情を説明したので仕事のお手伝いは無しにしてくれた。

 

 

 電車に乗って、私は最近オープンした隣町にあるショッピングモールへとやって来た。ここだったら、噂によるといろんな店があるらしいので姉様に喜んで貰えそうなプレゼントがあるに違いない。

 

 

 まずは無難に服屋へ足を運んだ。

 

 

 けど、どの商品もピンとくるようなものは無かった。どれを着ても姉様は可愛いから似合うとは思うけどなんか……………なんか違う。

 

 

 今度はぬいぐるみ屋さんへと足を運んだ。姉様はあぁ見えてぬいぐるみとか好きだから良いのがあるのかもしれない。ふふ、あんなにクールなのにぬいぐるみが好きとか本当に姉様は可愛いわ。

 

 

 あ、このリラッ〇マのぬいぐるみ……、中々可愛いわね。まぁ、姉様の方が可愛いけど。よし。候補の1つにしておこう。

 

 

 3つ目の店はゲーム屋さん。私も姉様も普段はゲームとかは余りやらない。室内でゲームやるより、外で身体を動かした方が楽しいもん。けど、最近のテレビゲームはどうやらダンス出来たり歌を歌えたり身体を動かせれるゲームがあると聞いている。なので、前々から少しだけ気になっていた。

 

 

 見た感じ、今はこの任天堂Swi〇chっていうのが人気なのね。一応候補に入れておこう。………へぇ〜、またポ〇モンの新作出るんだ。けど、作品名が少しだけダサくない??もうネタ切れなのかしら。私の頃は宝石だったけど。

 

 

 

 ゲーム屋さんを出た私はマップを広げて次にどこに行こうか探そうとした時

 

 

 「えーん。えーん。」

 

 

 子供の泣き声??らしきものが聞こえてきた。

 

 

 

 私は気になって、泣き声が聞こえてくる方向に移動すると5歳ぐらいの男の子が目に手を当てて泣いていた。迷子…………になってしまったのかしら。

 

 

理亜「どうしたの??」

 

 

男の子「ママとはぐれちゃったの」

 

 

 男の子はヒクヒクとしながらも言葉を出した。案の定、迷子だった。

 

 

理亜「分かった。私が一緒にママを探してあげる」

 

 

 こんな所で一人ぼっちっていうのも可哀想だしね。

 

 

男の子「本当に!?」

 

 

理亜「うん。だから、泣かないで」

 

 

 私は手で男の子の涙を拭ってあげた。すると、男の子は今度は笑顔になって私にこう言った。

 

 

男の子「ありがとう、お姉ちゃん!!」

 

 

 

 ーーー理亜姉ちゃん。

 

 

 

理亜「ーーーーーーーーッッ」

 

 

男の子「お姉…………ちゃん??」

 

 

理亜「なんでも…………ない」

 

 

 お姉ちゃんなんて、呼ばれたの随分と久しぶりな気がする。いや、久しぶりだ。なんなら、10年前にあいつが家からいなくなってしまった以降、お姉ちゃんと呼ばれたことがない。だから、少しだけこの子にお姉ちゃんと呼ばれると複雑な気持ちになる。

 

男の子「大丈夫??」

 

理亜「うん。心配かけてごめん。ママ探そっか。」

 

男の子「うん!」

 

 そして、私と男の子は手を繋いでこの子のお母さんを探しに歩き出した。

 

理亜「ところで、アンタは何しにここへ??」

 

 探している時にお互い無言は嫌だったので私は男の子に話しかける。すると、男の子はニコッと微笑みながら私の質問に答える。

 

男の子「明日、僕の妹の誕生日なんだ!!だから、ママと一緒にプレゼントを選びに行ってたの!!」

 

 まさかの私と同じ理由だった。この子の妹と姉様が同じ誕生日だなんて………。少し羨ましいかも。

 

男の子「お姉ちゃんは??」

 

 今度は男の子が私に質問する。せっかく答えてくれたもんね。私も答えなきゃ不公平よね。

 

理亜「私も明日、姉様の誕生日なの。だから君と同じプレゼントを選びに来たのよ」

 

男の子「そうなんだ!!僕と一緒!!」

 

 ふふ、とても嬉しそう。子供って何気に純粋よね。

 

 そのまま他愛のない話をしながら道を歩いていた。

 

男の子「ん??」

 

理亜「どうしたの??ママいた??」

 

 

 何かに反応した男の子に対し私は男の子に話しかけるが、男の子は私の言葉に答えずにそのまま走り出した。

 

 

理亜「ちょ!?」

 

 私は驚きながらも男の子の後を追う。足の速さには自信がある私だけどなかなか追いつくことができなかった。今時の子ってあんなに足が早いの!?

 

 

 そして、次第に男の子はとある1件の店の中に入って行った。

 

 

理亜「ここ………は??」

 

 

 店の雰囲気を見た感じ、雑貨屋に見えるけどなんだろう…………。怪しさが満載すぎる。

 

 

 とりあえず、男の子を見つけなきゃ。私は警戒しながらも店の中に入る。すると、直ぐに男の子は見つかった。

 

 

理亜「ダメでしょ、急に走っちゃ」

 

男の子「ごめんなさい。けど、これ見て!!」

 

理亜「ん??」

 

 男の子はとある商品棚に指を指す。彼が指す方向に目線を移す。

 

 

 すると、そこには1つの何かの白い花がモデルとなっているネックレスが飾ってあった。

 

 

理亜「…………綺麗。」

 

 

 私はそのネックレスの魅力に釘付けされた。これはなんの花がモデルとなってるんだろう。

 

 

 

店員「これは松雪草という花っていいます。中々素敵な花でしょ??」

 

 

 

 ずっと眺めていたから気になったのか、レジにいた店員さんが私に話しかけてきた。

 

 

 

 松雪草…………ね。よし。

 

 

 

理亜「このネックレス………、買うわ」

 

店員「ありがとうございます。ちなみに誰かの贈り物ですか??」

 

 店員さんの言葉に対し、私は微笑みたがら答えた。

 

 

 

理亜「えぇ。私のとても大切な人に贈るものです。」

 

 

 

 そう言うと、定員さんはニコッと優しく微笑みネックレスを大事そうに手を取ってレジの方へと向かい豪華にラッピングしてくれた。

 

 

店員「ありがとうございました」

 

 

 代金を払い、ラッピングされたネックレスを受け取った私は男の子と再び手を繋いで店を出た。

 

理亜「ごめんね。買い物しちゃって」

 

男の子「大丈夫!!それに、買う時のお姉ちゃんの顔、とてもキラキラしてたから!!」

 

理亜「そ、そう」

 

 な、なんか照れるわね。そんなに嬉しそうな顔してかしら。

 

女性「秋!!」

 

 店を出て少し歩くと近くにいた1人の女性が心配した表情をして私たちに近づき、男の子に抱きつく。きっと、この人が……………。

 

 

男の子「ママ!!!」

 

 

 やっぱり…………。

 

 

女性「あの、ありがとうございます!!うちの子と一緒にいてくれて」

 

 男の子の母親が私に向かって頭を下げて感謝の言葉を述べる。ちょっと、これは困るな。

 

理亜「だ、大丈夫です。だから、頭を上げてください」

 

 私の言葉に母親は頭をあげる。まぁ、とにかく母親と合流できて良かったわ。

 

女性「秋くんもほら。お姉さんにお礼言いなさい」

 

 母親に言われ、男の子は「うん!」と頷き、私の方へ近づく。

 

 

男の子「うん!!お姉ちゃん、ありがとう!!!」

 

 

 男の子も私にお礼を言う。私は彼の頭を優しく撫でながら言葉を出した。

 

 

 

理亜「ありがとうね。君のおかげでプレゼント決まったよ」

 

 

 

 なんやかんやあったけど、この子のおかげであのネックレスを見つけることが出来た。だから、こっちもお礼を言うのが礼儀っていうものでしょ。

 

 

男の子「バイバイ、お姉ちゃん!!」

 

 

 男の子はお母さんと手を繋ぎ、もう片方の手で私に向かって笑顔で振りながら去っていった。私も少し照れながら手を振り、2人の親子の姿が見えなくなるまで見届けた。

 

 

理亜「お姉ちゃん……………か。」

 

 

 

 

 また、あいつにそう呼ばれる日がいつか来るのだろうか。

 

 

 

 

 そう思いながら、私は家に向かって歩きだした。

 

 

 〜次の日〜

 

 

理亜「姉様、お誕生日おめでとう。」

 

聖良「ありがとうございます。」

 

 あれから朝日を迎え、私は後ろにプレゼントを隠しながら姉様がリビングに来るまでスタンバイしていた。そして、姉様がリビングにやって来たあと私は姉様のところへ行き、祝いの言葉を送った。姉様は嬉しそうに微笑んでくれた。

 

 

理亜「姉様………これ。」

 

 

 私は緊張しながらも、姉様にプレゼントを差し出す。すると、姉様は大事そうに受け取ってくれた。

 

 

聖良「ありがとう、理亜。今、開けてもいいですか??」

 

 

理亜「ええ。」

 

 

 姉様は微笑みながらラッピングされている箱を解き、そして遂に箱を開けてあのネックレスを目にした。姉様は目を丸くしながら私の方に顔を向ける。

 

 

聖良「凄いネックレスですね。高かったんじゃ…………」

 

 もしかして、気を遣わせてしまったかしら。値段なんて気にしなくていいのに。

 

理亜「姉様の誕生日だもん。気にしないで」

 

聖良「そう………ですか。」

 

 納得してくれた姉様は改めてネックレスに目を戻す。きっと、姉様もこのネックレスの魅力に釘付けに違いない。

 

聖良「本当に綺麗なネックレスですね。これはなんの花なんでしょうか??」

 

 

理亜「これは松雪草っていう花らしいわ」

 

 

聖良「可愛らしい名前ですね。今、付けてみてもいいですか??」

 

理亜「うん!!」

 

 姉様は嬉しそうにネックレスを付ける。あぁ、ネックレスを付ける仕草も美しい。流石は姉様ね。

 

 何も問題もなくネックレスを付け終えた姉様は嬉しそうに微笑みながら私の方に体を向ける。姉様の胸部分には私が贈った松雪草のネックレスが日光に反射して綺麗に輝いていた。

 

 

 

姉様「理亜………本当にありがとうございます。」

 

 

 

 姉様はそう言って、私に抱き着いた。一瞬だけ戸惑ったものの次第に私も嬉しくなって姉様を抱き返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁ……………。この時間が永遠に続けばいいのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、いつかあいつと2人で姉様の誕生日を祝いたい……………………な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに今回、贈った松雪草の花言葉は…………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『慰め』そして『希望』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 姉様があの日を思い出し、挙動不審な行動をしたら私は落ち着くまで姉様を『慰める』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつか、あいつが戻ってくる日が来ると『希望』を抱きながら………………。




今回、明を出さなかった理由はシンプルに姉2人と和解していないからです。和解した程、もしくはifとかも考えたのですがやっぱり和解してから書いた方が良いかな、とこちらで判断し理亜ちゃんメインとして書きました。

明は聖良さんの誕生日はもちろん覚えていますが、プレゼントを贈りたくても贈れない感じで5月4日を過ごしたと思います。

そして、本編では明に対して結構ドライな理亜ちゃんですが、彼女は彼女なりに明のことを心配しています。とは言っても、聖良さん第一で行動していますが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。