Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』 作:七宮 梅雨
『人殺し』は高海 千歌に使命を与えられる
これは、俺がみんなに『人殺し』だと知ってもなお受け入れられ、正式にAqoursに加入して何日か経ったあとのお話だ。
千歌「明くん!!早く早く!!お客様来ちゃう!!」
明「う、うす!!」
俺は現在、千歌先輩が住んでいる旅館『十千万』の制服を見に纏い同じく制服を来ている千歌先輩と共に部屋の整備をしていた。
なぜ、俺がこんなことをしているのか。
それは、一応問題を起こした身として何か罰を与えてやろうという話(提案したのはどこぞの理事長。)となり、練習後または休日の時にメンバー1人1人の使命に絶対に従うということになったのが理由だ。
そして、トップバッターはAqoursのリーダーである千歌先輩。彼女から下された使命は、彼女の実家である旅館の仕事を1日手伝うというものだった。
千歌「明くん!!ベットのシーツにシワがある!!ちゃんとやって!!」
明 「は、はい!!」
おいおい…………。一応、俺手伝いとはいえ素人だぞ??そんな完璧を求められても困るのだが……。
千歌「ベットのシーツはね………、こうしてね……………こうするんだよ!!」
千歌先輩はドヤ顔をしながら俺にレクチャーをしてくれるが、あらやだ不思議!!レクチャーしてる千歌先輩もベットにシワを作っていた。あれ?本当に貴女、旅館の娘さんですか??
千歌「分かった!?」
分かった!?じゃねぇよ!!シワを作ったことを無かったことにすな!!
??「明ちゃん、いる??」
ギャーギャー言いながらも2人でベットのシーツを敷いていると黒髪ロングである1人の女性が部屋に入ってきた。彼女は、千歌先輩の姉でありここの旅館の若女将である志満さんだ。おっとりとした表情が特徴的である。
初めて見た時は、千歌先輩の母親かと思ったが姉であると知った時は驚いた。だって、千歌先輩ともう1人の姉である美渡さんと全然似てないもん。あと、彼女も零さんと同じく俺の事を明ちゃんと呼ぶ。なんだか、少しだけ恥ずかしい。
明「はい、ここにいます。どうかされまさたか??」
志満「明ちゃんって、確か料理できるのよね??」
明「はい。一通りは作れますが………」
志満「そう、なら良かった。それで、お願いがあるんだけど………」
明「お願い………ですか??」
志満「うん。実はね、料理担当のスタッフさんが急病で出られなくなってしまったの。だから、急遽明ちゃんにヘルプに入って欲しくて」
志満さんな申し訳なさそうに言葉を出す。料理のヘルプか…………。
明「そういうことなら全然大丈夫ですよ」
少なくとも、部屋の整備とかよりは全然動けれそうだ。なんなら、旅館ならではの料理を教えてもらえるかもしれない。
志満「良かった!!じゃあ、早速厨房に案内するわ」
よっしゃ!!俺は心の中でガッツポーズを決める。
千歌「ちょっと待って!!私は!?」
あ、そう言えば千歌先輩いたんだった。すっかり、忘れてたわ
志満「千歌ちゃんは、そのまま部屋の整備をお願いね」
千歌「えぇ〜」
志満「あと、今日の夜にシーツの敷き方を改めて教えてあげるから、私の部屋にいらっしゃい♪いいわね♪」
この時の志満さんの顔はとても笑顔だったが、なんだかとても怖かった。少しだけ身震いしてしまった。
千歌「ひぃぃ!!」
千歌先輩、哀れなり。安らかに眠って下さい。
志満「それじゃあ、行きましょうか」
明「はい」
こうして、俺は志満さんのあとに続いた。あ、千歌先輩は未だにorzポーズをとっていた。早くしないと、お客様来ますよ??
志満「お父さん、明ちゃん連れてきたよ」
高海父「…………おう」
志満さんに案内され、厨房らしい場所に入ると1人の男性が料理を作っていた。この人が、千歌先輩と志満さんの親父さんか。なんか、料理作る背中がかっけぇ。
高海父「今日は済まないな。こんなこと頼んじまって」
明「い、いえ。自分も料理作るのが好きなので…………」
高海父「だろうな。料理人だからこそ、君の手を見ただけで分かる。これは、毎日料理を作っている手だ。しかも、なかなか腕が良い」
こ、この人かっけぇぇぇぇぇぇぇぇ。料理人として弟子入りしたくなるわ!!
高海父「じゃあ、早速だがよろしく頼む。」
明「はい!!」
こうして、俺と千歌先輩の親父さんの2人で調理の方を開始した。調理しながら会話して分かったことだが、千歌先輩の親父さんはめちゃくちゃの親バカでした。見た目と反してギャップありすぎだろ。まぁ、娘3人とも美人さんだもんね!!
高海父「明くんは………3人の内の誰かを狙っているのかい??」
安心して下さい。狙ってません。だから、そんな「ゴゴゴゴゴ」オーラを出さないて下さい。あなたはスタンド使いか何かですか??
志満「明ちゃん、今日はお疲れ様。助かったわ」
仕事が終わり、休憩スペースでぐったりしていると志満さんが声をかけてくれた。あぁ〜、この人見てると元気が湧いてくるな。ルビィさんとは違ったタイプで癒される。
明「少しでも力になれたのならこっちとしても嬉しいです」
志満「良かったら、将来、うちに就職する??お父さんも明ちゃんのことを気に入ってるし歓迎するわよ」
明「結構っす。俺、将来なりたいものがあるので………。」
志満「へぇ、どんなものか聞いてもいい??」
志満さんの問いに俺は将来の夢を答える。これも、名前と同じく零さんにしか教えたことがないから恥ずかしい。
俺の将来の夢を聞いた志満さんはニッコリと優しく微笑む。
志満「素敵な夢ね。」
明「本当ですか??」
志満「えぇ。本当に素敵な夢。叶えられるといいわね。」
明「…………ありがとうございます」
ヤバイ………、この人いい人すぎる。分かってたことだけど、本当にいい人すぎる。もう、この人がこの作品のヒロインで良くね??作者さんどう??え、メタ発言やめろだって??ごめんなさい。気をつけます。
志満「あ、そうだ。明ちゃん、良かったら温泉入ってく??」
明「良いんですか??」
志満「えぇ。今日は頑張ってくれたからね」
明「ありがとうございます。お言葉に甘えます」
俺はぺこりと頭を下げてから温泉のある方へと向かう。この旅館の温泉は気持ちが良い。以前、合宿の時に入らせてもらったけどかなり良かった。
温泉に向かっていると、1人の見覚えのある女性が目に入る。まるで、何かから逃げるかのように
明「先輩、何やってんすか」
千歌「ギクゥ」
それ、口で言うやつちゃう。
明「まさか、志満さんから逃げようとしてません??」
千歌「ギクゥギクゥ!!」
だから、それは口で言うやつちゃいますって。怪しさ満載だぞ
千歌「そ、そんな訳ないじゃーん。明くん、馬鹿なの??カルシウム不足なんじゃなーい??あそこの自販機でコーヒ牛乳買いなよ。1本120円デース!!」
千歌先輩は汗をダラダラと垂らしながら意味もない言い訳をし始める。本当にこの人、Aqoursのリーダーなのだろうか??俺、受け入れられる人物、間違えちゃったかなぁ。
千歌「あ、そうだ!!私、今夜曜ちゃんと果南ちゃんの3人でガバディする約束あったんだった!!だから、またね明くん!!」
千歌先輩はわざとらしく今思い付いた感じで言葉を出し、俺の目の前から姿を消そうとする。
まぁ、なんだ。せっかく若女将さんに今日のご褒美として温泉に入る許可を頂けたんだ。
最後の最後ぐらい仕事をこなしても良いよな??
ガシッ!!
千歌「ほえ!?あ、明くん!?」
俺に頭を掴まれた千歌先輩はロボットのようにガチガチとしながら俺の方に振り向く。俺は笑顔で千歌に言葉を出した。
明「逃がしませんよ。学校またはこの仕事場の後輩として、貴女を志満さんの所へと連行します。」
千歌「この裏切り者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
千歌先輩は半泣き状態でバタバタとするが俺は彼女のことを逃がさずに志満さんの所へと向かった。
はぁー。それにしても今回の使命は疲れたなぁ。せめて次の人の使命は疲れないやつがいいな。
えっと確か、次の人は………………。
次回は誰で使命は何なのか??
それを決めるのは読者のみなさんだ!!!
詳しくは活動報告で!!