Saint Snowの2人の弟である俺は『人殺し』   作:七宮 梅雨

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お久しぶりです

リアルが忙しくて更新どころか執筆自体することが出来ませんでした。

八月以降まではこのペースで更新していくと思うのでご了承ください

6人目は………ハグシヨ


『人殺し』は松浦 果南に使命を与えられる

明「気持ち悪い………」

 

 船から降りてグロッキー状態になっている俺はそう一言呟いた。船に乗る前に、調子に乗って朝飯をバカ食いしたのが間違いだった。

 

 本来だったら、俺に使命を下す6人目の所まで行かなくてはならないが今はそれどころではない。LINEで、少しだけ遅れますいう連絡だけして、近くにあるベンチに座る。

 

 念の為、持ってきておいた薬を水と一緒に飲んで顔にタオルを当てて少しの間、ベンチで横になる。気持ちの良い海風とカモメの鳴き声がいい感じに耳の中に入ってくる。……………あ、これ寝ちゃうやつだ。あかんあかん!!睡魔に耐えなければ!!……………スピースピー

 

 

 ーーーピタッ

 

 

明「冷たっ!!」ビクッ

 

 睡魔と戦っている最中(既に敗北してる)に、俺の頬に何か冷たくてヌメっとしたものが当たった。あまりにも唐突の事だったので、俺は跳ね上がるように起き上がった。

 

 そして、俺の隣には頬に冷たい何かを当てた犯人かつ俺に使命を与える6人目が意地悪そうな笑みを浮かべて立っていた。

 

明「俺の事、殺す気ですか??果南先輩。」

 

 そう。今回、俺に使命を与えるのは青髪のポニーテールでスウェットスーツを見に纏っている女性………、松浦果南先輩だ。

 

果南「あはは。そこに寝てた明が悪いんだよ。」

 

明「寝てませんから」

 

果南「いや、寝てたからね………。はいコレ」

 

 果南先輩は俺の掌にずっと持っていたものを乗せる。

 

明「これは??」

 

果南「今朝、採ったナマコ」ヌメヌメ

 

明「気持ち悪ッッ!!!!」ビュン

 

 この人、何で飲み物渡す感覚でナチュラルに後輩にナマコ渡してんだよ。驚きすぎて、ナマコ海に向かって思いっきり全力投球しちゃったじゃねぇか。

 

明「てか、先輩。俺の顔に当てたやつって……………絶対にナマコですよね??」

 

果南「さぁ………。どうだろうねぇ」(・∀・)ニヤニヤ

 

 どうだろうねぇ………じゃない。そのニヤけ顔でもう確実にそうだって理解したわ!!

 

 今日中に仕返ししてやると誓いながら、俺は使命の詳細について果南先輩に話しかける。今回は珍しく、事前にLINEで先輩から使命の内容が大まかに送られているのである程度は分かっている。

 

 

明「今回の使命は先輩の家のダイビングショップの手伝いでいいんですよね??」

 

 

果南「そうそう。」

 

 今回の使命は、千歌先輩と似ていて果南先輩の実家で経営しているダイビングショップの手伝いだ。

 

 今日は30人を超える団体さんがダイビング体験しに来るらしく、最低でも1人はヘルプが欲しかったという。

 

果南「水着とか、ちゃんと持ってきてくれた??」

 

明「はい。なんなら、今履いてますよ。」

 

 もちろん、換えのパンツは持参しているぞ。ノーパンで帰宅するっていうのは御免だからな。

 

果南「うむ、よろしい。ちなみに、明は泳げるよね??」

 

明「まぁ…………。それなりには」

 

果南「よし。なら、大丈夫だね。仕事内容は歩きながら説明するよ」

 

明「分かりました。」

 

 

 こうして、俺は果南先輩に今日の仕事の主な役割を聞きながら先輩の家へと向かった。

 

 

 

 

〜ダイビングショップ前〜

 

 

 

果南「ーーーーーーと、こんな感じかな。」

 

 

 果南先輩に仕事内容を聞きながら歩いていたら、いつの間にか先輩の実家であるダイビングショップに辿り着いていた。

 

果南「お父さーん。明、来たよ〜」

 

松浦父「おー」

 

 果南先輩の掛け声で、店からはいい感じに肌がやけている上半身裸で青髪の男性が出てくる。この人が、果南先輩の父親か。

 

松浦父「君が明か……。今日はよろしくな」

 

明「はい。よろしくお願いします」

 

 おぉ………、この人なんか渋いな。The・海の男って感じがしてかっこいい。仕事関係で鍛えられたのか、上半身もムキムキだ。

 

松浦父「そうだ、はいこれ。」

 

 松浦父は俺の掌に何かをのせる。

 

明「なんですか、これ??」

 

松浦父「今朝、採ったナマコだ」ヌメヌメ

 

明「気持ち悪ッッ!!!!」ビュン

 

 

 親子、揃って何を渡してるの??松浦家のルールなの??またしても、驚いてナマコを海の方に向かって全力投球しちゃったじゃないか。初めてだよ、1日にナマコを2回全力投球したことなんて…………。

 

 

松浦母(…………ここは出る流れではないみたいね)ヌメヌメ

 

 

 わーお、よく見てみたら部屋の隅で果南先輩の母親らしき女性が既に今朝、採ったであろうナマコを手にしてスタンバってたよ。どういうこと!?どんだけ、この家族はナマコを渡したいの!?

 

 

松浦父「よし。これで明くんと松浦家との交流が深まったということで………、店開ける準備するか!!」

 

 

果南・松浦母「おー!!」

 

 

 

 まさか、ナマコで果南先輩の両親と交流が深まることになるとは…………。いや、むしろ深まったのか??深まった実感が湧かないんだけど………。

 

 

 まぁ、いいや。果南先輩の両親が深まったと言うなら、そういうことにしておこう。さて、俺もそろそろ何かを手伝うことにしよう。

 

 

明「俺……何かできることあります??」

 

 

 

松浦父「そうだな。じゃあ、家の倉庫にあるガスボンベを船まで運んでくれるか??」

 

 

明「分かりました。」

 

 

松浦父「果南。明くんに倉庫の場所を教えてやってくれ」

 

 

果南「はーい。じゃあ明、行こっか」

 

 

明「了解です。」

 

 

 果南先輩に案内されて、店の裏にある倉庫へと足を運び、倉庫の中にあるガスボンベを運び出す。

 

 

明(うわ……重っ……)ドスン

 

 

 それなりに鍛えている俺でも、1本のガスボンベを持ち上げ、運び出すのに苦労した。

 

 

果南「アハハ、それ重いよね」ヒョイ

 

 

 と、果南先輩は笑いたがらガスボンベを2本ほど軽々しく持ち上げる。嘘でしょ…………。

 

 

明「1本でもこんな重いのに2本って……」

 

果南「んー、昔からやってるしね。私も明に負けないぐらい鍛えてるから………。」

 

 彼女は「ふんっ!」と言って、女子高校生では中々見ることのない実に見事な腕の筋肉を俺に披露する。確か、毎日ランニングしてるんだっけな。

 

明「先輩………、良かったら空手始めませんか??」

 

 器が元々出来てる果南先輩だったら、空手を始めたらいい所まで行きそうな気がする。てか、飲み込みの早い彼女なら絶対に行く気がする。

 

果南「空手かぁ〜。ちょっと私には似合わないかな〜」

 

 そんなことはないと思うけどな。むしろ、確信的に似合う。道着を着て型をやる果南先輩をイメージしてみよう………。おぉ………、型の1つ1つの動きでアレがゆさゆさと揺れる。少しだけ、エッチだな。…………やめよう、彼女に失礼だ。

 

明「そうですか。残念です」

 

果南「また気が向いたらね〜」

 

 そんな感じで、果南先輩と会話を交わしながらガスボンベを船まで運び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

客「すいませーん、予約していた○○ですけど〜」

 

松浦父「はーい、○○様ですね。お待ちしておりました。」

 

 

 ガスボンベを全て船に運び出した辺りで、予約していた団体さんがダイビングショップへとやって来ていた。30人予約しているだけあって若い人から、そこそこ年寄りの人もいる。

 

 

松浦父「では、まず皆さんウェットスーツの方へと着替えましょうか。着替え方はこちらのスタッフが説明するので、女性の方は右の部屋へ。男性の方は左の部屋へとお願いします」

 

 

果南「はーい、女性の方は私に付いてきて下さーい。」

 

 

明「だ、男性の方は俺に付いてきて下さーい。」

 

 

 女性客は、果南先輩が。男性客は俺が率いて更衣室へと案内する。

 

 

 そして、松浦父がウェットスーツの着替え方を丁寧に客にレクチャーする。俺は特に潜る予定はないので、上の服だけ脱くことにした。

 

 

 着替え終わったあと、さっきいた場所へと再び集合して松浦父がこれからの行動を説明し始める。

 

 

松浦父「流石に1隻の船で30人同時は厳しいですのでA、Bと2グループに別れてダイビング体験を行いたいと思います。」

 

 

 まぁ、そうなるよな。こんな大人数の団体さんが予約してくることなんて初めてだって先輩も言ってたし。2グループ作るってことは先に15人ほどダイビング体験して残りの15人はここで待機するって感じかな。

 

 

松浦父「船を2隻出します」

 

 

 …………ん?2隻??船2隻出すの??片方は松浦父が運転するとしてもう片方は??あ、松浦母が運転するのかな??

 

 

松浦父「Aグループの船は私が。Bグループの船は……」

 

 

果南「私が引き受けまーす」

 

 

明「え!?」

 

果南「ん??」

 

 

 「ん??」じゃないです。サラッと船を運転する発言しないで下さい。

 

 

明「先輩、船運転できるんすか??」

 

果南「できるよ。てか、仕事関係上必要だしね。ちゃんと、免許も持ってるから安心して」

 

 ほぇー、それは驚きだ。船の免許取るのは結構大変って本かテレビで聞いたことがあるんですけど………。すごいな。

 

 

 感心している間に、どうやらお客さんが2つのグループに別れたようだ。Bグループは………少しだけ男性が多いな。表情がニヤニヤしてる感じ、果南先輩目的だな。Aグループにいる男性陣が悔しそうな表情してるから、男性陣でジャンケンとかで争ったのだろう。

 

松浦父「明くんは、果南が操縦する船に乗ってサポートしてくれ」

 

 松浦父が俺に近づいて、話しかける。

 

明「分かりました。」

 

松浦父「そして…………最後に」

 

明「うわっ!!」

 

 急に、松浦父が強引に俺と肩を組み、耳元でボソッと少しだけ殺意を湧かせながら呟いた。

 

松浦父「もし、客の中に果南に手を出す命知らずの輩がいたらよろしく頼む。最悪、○して魚の餌にしてくれても構わん。責任は俺が持つ。」

 

 いや、怖ぇよ。この人、『人殺し』である俺よりもヤバい人じゃねぇか。千歌先輩のお父さんと言い、美人な娘さんを持つと父親って怖い生き物になるんだな。

 

明「わ、分かりました。」

 

松浦父「よし!!男同士の約束だぜ??」

 

 嫌だよ!!そんな恐ろしい約束なんて交わしたくないわ!!

 

 松浦父は「じゃ、よろしく頼むぜ」と言って肩をポンと叩いたあと店の方へと向かった。

 

明「はぁー、ある意味災難だったな。」

 

 俺は溜息を吐き、再び倉庫へと向かう。すると、シュノーケルやら足ヒレやらを大量に運んでいる果南先輩の姿があったので急いで駆けつける。

 

明「先輩、手伝いますよ」

 

果南「お、助かる。」

 

 半分ほど、物品を受け取り船まで運び出す。

 

 そして、また倉庫まで戻り残りを運ぼうとした時

 

明「お………、これは」

 

 俺は、倉庫の中にあるとあるものに目をつけた。

 

果南「ん??……あぁ、『それ』ね。うちの仕事って、気を付けているものの、一応危ないじゃん??念の為に持っておこうって言ってお父さんが買ってきたの。」

 

 後からやって来た果南先輩は、俺が目につけた『それ』を苦笑いしながら手に取る。

 

果南「だけど私、これの使い方あまり知らないんだよね」

 

明「え??どうして!?」

 

 これ………、意外と大切なんですけど。

 

果南「面倒くさかったからね……。多分、使うことないだろうし。」

 

明「でも、何かあった時大変じゃないですか??」

 

果南「大丈夫大丈夫。そうならないように、私達がいるんだから。そもそも、それ買って数年経つけど未だに使ってないし………。」

 

 果南先輩はそう言って、『それ』を元にあった場所へと戻す。そして、残りの物品を手にして船の方へと向かって行った。

 

 

果南「よーし。明、そろそろ行くから乗りな〜」

 

 

 準備が完了したのか、港の方から果南先輩の声が聞こえる。なので、船の方へと向かおうとしたが、

 

 

明「………念の為、持っていこ」

 

 

 俺は『それ』を手にして持ってきていた手さげの中に入れたあと船の方へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「それでは、皆さーん。準備はいいですかー??」

 

 

客「はーい!!」

 

 

果南「じゃあ、私に続いて海の方へとゆっくりと入ってくださーい。気分が悪くなったりした方は無理をせずに私に報告してください。それでは、行きまーす!!」

 

 

 バシャーン!!!

 

 

 果南先輩に続き、他の客も海へとゆっくりダイブして行く。その時、俺は船の上でここに来る途中に気分を悪くしてしまった客と一緒にぐったりとしていた。俺、ここに来る時にグロッキー状態になってたこと、すっかりと忘れてたわ。

 

 

女性客「気持ち悪い………」ゲッソリ

 

明「大丈夫ですか??」ゲッソリ

 

女性客「大丈夫に見えます??」ゲッソリ

 

明「全然」ゲッソリ

 

明・女性客「あははははは!!」ゲッソリ

 

 と、海の方で魚達とキャッキャウフフしている果南先輩やお客さんに対してグロッキー状態である船の上組は上組で楽しく(?)会話を弾ませていた。

 

 

 

 そして、このまま順調に終わると誰もが思っていたが………

 

 

 

 事件は起きてしまった。

 

 

 

客「スタッフさん!!!」

 

明「はい??」ゲッソリ

 

 

 海に泳いでいた客が表情を青くしながら俺に大声で呼びかける。

 

 

客「スタッフさんがピクリと動かなくなって………海の底へと沈んでるんです!!」

 

 

明「は!?」

 

 

 この時、俺は考えるよりも行動の方が早かった。グロッキー状態でありながらも近くにあったシュノーケルを身につけすぐに海の方に飛び込んだ。

 

 

明「!?」

 

 

 海に飛び込み、海のそこに視線を移すと客が言っていた通り果南先輩がピクリとも動かず海の底へと沈んでいっている。

 

 

 ガスボンベのチューブが外れたのか??それとも足がつってしまったのか!?

 

 

 動かなくなってしまった原因を考えるのは後だ!!今はかなり危ない状況だ!!

 

 

 ひとまず、俺は海から顔を出して腹の底から大声を出す。

 

 

明「緊急事態です!!海の中にいる方は直ぐに船の上に戻って下さい!!」

 

 

 そう言ったあと、大きく息を吸って再び海の中へと飛び込む。

 

 

 そして、モノフィンと呼ばれるイルカのような泳ぎ方で未だに沈んでいっている果南先輩の方へと向かう。

 

 

 沈む勢いが遅かったのが、不幸中の幸いだった。すぐに追いつき、果南先輩を俺の身体へと寄せ抱きしめる。そして、そのまま話さないように再びモノフィンで海上へと向かう。

 

明「ぷはっ」

 

 顔を海の外へと出したあと、すぐさま船の方へと向かう。既に上がっていたお客さんに協力してもらい、船の上へと運び出す。

 

明「果南先輩!!」

 

 意識が失っている果南先輩に声をかけるも、反応はない。

 

 俺はすぐに彼女の胸に耳を当てる。

 

 

 だが…………

 

 

 果南先輩の心臓は………動いていなかった。

 

 

明「ーーーくっ………。」

 

 

 落ち着け………。焦ったところで何も起こらないぞ………。

 

 

 俺は気持ちを落ち着かせるために浅い呼吸を何回か繰り返す。………………よし。少し落ち着いたぞ。

 

 

 こうなった場合は確か………………。

 

 

明「先輩………失礼します!!」

 

 

 溺れてしまった人を救助したあと、身体を冷やさせないために、まずは着ているものを脱がせ、毛布などで身体を温めると良い。

 

 

 俺はその場で果南先輩が着ているウェットスーツを脱がす。果南先輩のナイスバディな上半身が露出するが、今はそれどころじゃない。ちなみに、周りにはさっきまで一緒に話していたあの女性客が中心となって囲んでくれていて、男性陣に見られないようにしてくれている。ありがてぇ。

 

 船に常備されていた毛布を女性客に持ってきてもらい、それを彼女に被せ温める。その後、俺は果南先輩の心臓部に両手を当てて力強く圧迫していく。いわゆる、心臓マッサージだ。

 

 1分間に30回ほど行ったあとは………

 

 

明「果南先輩………本当にすみません!!!」

 

 

 俺は果南先輩の顎に手を当て、顔を上向きにしたあと、彼女に口付けする。周りは「きゃー」と言っているが、俺にとってはマジでそれどころではなかった。そして、彼女の気管に呼吸を送り込んでいく。よし、先輩の胸部が膨らんでいるから、ちゃんと人口呼吸が出来ているようだ。

 

 

 ーーーゲボっ

 

 

 人口呼吸を何回か行っていくと、途中で沈んでいっている時に飲んでしまったであろう海水が口から吐き出される。その場合は、顔を横に向けさせて出していく。

 

 

 心臓マッサージ→人口呼吸→海水を吐かせる

 

 この流れを3回ほど行ったが、それでも果南先輩は目覚めることはなかった。

 

 

 これじゃあ、埒が明かない………。そうだ!!そういえば、アレを持ってきていた!!最後にアレに掛けよう………。

 

 

 俺は念の為だと思って、持ってきた『それ』を手さげから取り出す。大丈夫………、使い方は頭の中に入っている。

 

 

 俺は『それ』の中身を開けて、中にあるものをスムーズ良く出していく。

 

 

 そして、身体に貼るであろうシールらしきものを果南先輩の胸あたりと横腹あたりに貼っていく。

 

 

 そして、そのシールと繋がっている装置をポチポチと押し、最後に………

 

 

明「皆さん!!ここから離れて下さい!!」

 

 

 俺の掛け声によって、俺含め周りのお客もこの場から少しだけ離れる。

 

 

 数秒たったあと…………

 

 

 ーーービクン!!!

 

 

 ビリリとまるで電流が流れたような大きな音が鳴り響き、それと同時に寝ている果南先輩が跳ね上がる。

 

 

 直ぐに、シールを剥がして俺は再び心臓マッサージを絶え間なく行う。

 

 

明(戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!戻ってこい!……………)

 

 

 心の中で、それを願いながら俺はひたすら心臓マッサージを行う。

 

 こんなところで彼女を死なせるわけにはいかない。死なせる訳にはいかないんだ!!

 

 

 先輩だってそうだろう??こんなところで終わりたくないだろう??鞠莉先輩やダイヤ先輩とAqoursを盛り上げるって言ってたじゃないですか!!

 

 

 だから………戻って来て下さいよ!!

 

 

 

 そして……………その願いが叶ったのか……

 

 

 

果南「ゲホゲホ…………」ゴボッ

 

 

 果南先輩は水を吐き出すと同時に、意識を取り戻して目を覚ました。それによって、周りから喜びの歓声が沸く。

 

 

果南「あれ………私、確か足をつらせて………それで………」

 

 

明「先輩…………良かった………。」バタリ

 

 

 俺は果南先輩が目を覚ましたことによって、安心してその場から倒れる。

 

果南「明!?大丈夫!?」

 

 果南先輩はすぐ様、起き上がり俺のそばまで駆けつけるが正直言って大丈夫ではない。

 

 元々、船酔いで体力がかなり衰弱しているのにも関わらず、海に飛び込びからの果南先輩を救出。それに続けて神経ガリガリ削りながらの絶え間なく行った心肺蘇生だぞ??そりゃあ、倒れるよ。

 

松浦父「お…ー…い!だい……うぶか!?」

 

 遠くから、松浦父の声が聞こえてくる。誰かが呼んでくれたのか………な??

 

 

 そこから、すぐに俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明「ーーーーーんにゃ??」

 

 目を覚めると、見たことがない白い天井が視界に入った。ここは、どこだろうか??

 

果南「明!?目が覚めたんだね!?良かったぁぁぁ〜」ホッ

 

 隣を見ると、目に涙を浮かべた果南先輩が安心して俺の事を見つめていた。

 

明「かにゃん………しぇんぱい??」

 

 寝起きのせいか、上手く呂律が回らない。そのせいで、果南先輩と言うことができなかった。なんだよ、これ。めっちゃ、気まずいやないか。

 

果南「うん。果南先輩だよ……」

 

明「ここは??」

 

果南「病院」

 

明「病院??」

 

果南「うん。」

 

 話を聞くに、あのあと直ぐに気絶した俺と一応、心肺停止だった果南先輩は病院へと連行されたという。

 

明「俺、どれくらい寝てました??」

 

果南「2時間くらいかな。私達、最低1日は入院だって。」

 

明「そうですか……。」

 

果南「千歌達にはもう伝えてあるよ。運が悪く、他の8人はそれぞれ予定があって今日は病院に来れないって。だから、明日来ると思う」

 

明「零さんは??」

 

果南「零さんは、すぐに来るって。今、お父さんが迎えに行ってるからもうすぐ来るんじゃないかな」

 

明「そうですか………。」

 

 今日の夕飯は、海鮮チャーハンにしようと思ってたんだけどな。すまぬ、零さん。今日の夕飯は外食するなりインスタントに手を出すなりして、なんとかしてくれ。

 

果南「ねぇ、明。ちょっとこっちの方に来てくれない??」

 

明「え?あ、はい。」

 

 果南先輩に言われた通りに、俺は先輩のそばに寄る。

 

 

 そして…………

 

 

 

 ーーーギュッ

 

 

 

明「( ˙꒳˙ )ファ!?」

 

 

 果南果南のそばに寄った瞬間、俺は彼女に抱きしめられた。10秒ぐらい思考が停止したが、すぐに俺は顔を真っ赤にさせる。パイオツが当たってる!!当たってるよ!!

 

 俺があうあうしてると、彼女はボソッと言葉を呟いた。

 

 

果南「ありがとう。私の命を救ってくれて。」

 

 

明「ーーーーーッッ!?」

 

 

 先輩は抱きしめながら泣いていた。きっと、後々から考えてしまったのだろうか。もしもの事を。

 

 

 もしも、自分があれから目覚めることがなかったかもしれない未来を…………。

 

 

果南「明は私の命の恩人だよ」

 

 

 果南先輩はそう言って、離れる。『人殺し』である俺がまさか、そんなこと言われる日が来るとは思ってもみなかったから、少しだけ照れる。

 

 

果南「そういえば、明ってAEDの使い方知ってたんだね。」

 

 

明「まぁ………、そうですね。」

 

 

 そう、前から言っていた『それ』の正体は自動体外式除細動器………通称AED。

 

 

 心肺停止してる人に対して、心臓に電気ショックを与える医療機器だ。

 

 

果南「流石、将来○○を目指すだけあるね」

 

 

明「どうして、それを!?」

 

 

果南「え??鞠莉がこの前に言いふらしてたよ。」

 

明「え!?って事は………」

 

果南「Aqoursの子達はみんな知ってるね」

 

明「あの金髪め…………。いつか、口の中にわさび1本まるまる注入してやる」

 

 なんなら、お見舞いに来た瞬間に実行しても良いと考えている。

 

果南「あはは。でも、良い夢じゃん。実際、私も助けられたし。」

 

明「そういうもんなんですかね………」

 

果南「そういうもんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、部屋に入ってきた松浦父と松浦母が意識が戻った俺を見た瞬間に泣きながら俺に感謝した。そして、2人からもハグをしてもらった。なるほど、子があれなら、親もそれか。

 

 

 そして、零さんからは「よくやったね。」と頭を撫でてもらった。恥ずかしいけど、そう言われると嬉しいな。

 

 

 

 将来………、必ず○○になろう。

 

 

 

 心の中で強くそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜後日談〜

 

 

鞠莉「シャイニ〜♪お見舞いに来たわよ〜♪」

 

 

明「えい」ズボッ

 

 

鞠莉「ぐぶ!?」

 

 

明「(☆´ิ罒´ิ)ニヤ」

 

 

鞠莉「(((( ˙-˙ ))))プルプルプルプルプルプルプル」

 

 

 ーーーギュッ!!!

 

 

鞠莉「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!」

 

 




果南パイセンのヒロイン感がやべぇ。

この作品のヒロインは花丸ですからね!?人工呼吸に関してはノーカンっと言うことで……。

ここで、Twitterで送られてきた質問箱の質問を答えていきたいと思います。

Q.小説を書く時どうやってモチベーションをあげているのか
A.Aqoursの曲を聴きながらやってます。

Q.明日は地球最後の日です。一緒に過ごす相手を2つから選んで下さい。aドラえもんbのび太
A.cしずかちゃんがないのです。なので、出直してきてください

Q.日本の未来、割と暗くね??大丈夫この国??
A.ラブライブを鑑賞すれば、そんなのありんこ並に気にしなくなるのでとりあえずラブライブを観ましょう。

Q.こんなポケモンは嫌だ
A.ワンパンマンのサイタマみたいなやつ

Q.LINE pay使ってますか?
A.使ってないです

Q.何時間ぐらい寝れば調子良い??
A.6時間ぐらいかな

Q.Saint Snowのどちらが好きですか??
A.選べるわけないじゃん。二人とも心の底から愛してるよ。


以上です。こんな感じで答えていくので、質問あれば質問箱に送って下さいm(_ _)m

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