刀使ノ巫女 -蜘蛛に噛まれた少年と大いなる責任- 作:細切りポテト
一方、その頃
雨が上がり、月明かりで視界がよく見渡せるようになり、今のうちに合流地点まで向おうとする3人、その矢先
「はぁ・・・やっと見つけマシタ・・・・こんな所で仲良く雨宿りしてたのデスネ・・」
3人を追跡していたエレンと薫が雨宿りをしていた商店の前に息を切らしながら現れる。
雨の降る山中を相当歩き回ったのか、制服は濡れている。
「さっきの・・・・っ!」
(あれ?敵対者相手なのにスパイダーセンスが働かないぞ、もしかして敵意が無い?)
二人が現れた事でまたしても戦闘になると思っている可奈美と姫和は構えるが颯太はスパイダーセンスには一切反応が無いため違和感を覚えたが、しばらく睨み合いになるが唐突にエレンと薫がパーティー等で使われるクラッカーを取り出し後ろの紐を引くと音が炸裂し、中から火薬の臭いと同時に色とりどりの紙が飛んでいる。
明らかに攻撃ではないのは確かだ。
「おめでとうゴザイマース!」
「お前ら合格ー」
「ねー!」
エレンは両腕を上げ、笑顔で祝福しつつ薫はやる気の無い乾いた拍手を送っている。
唐突な合格発表に困惑する3人。
そんな彼らの様子を気にすること無く、はしゃぐ二人と一匹。
「ふざけるな!これ以上邪魔をすると言うのなら今度こそ本気で」
「ダイジョーブ、そんなに焦らなくても石廊崎は逃げまセンヨー」
(もしかして、この人達がスタークさんが協力してるっていう・・・)
「何故私達がそこに向かっていると?」
「お答えするその前に・・・・」
石廊崎、こらから会うfine manとの合流地点を何故知っているのか、その事に合点がいかない姫和。
先程とは打って変わり、エレンは真剣な表情になる。
「まずはこれを片付けちゃイマスネー」
「山でのポイ捨て、ダメ、絶対」
「ね」
「「「ズコーっ!」」」
話をする前に勝負でも着けるかのような雰囲気を醸し出したと思いきや突如クラッカーから飛び出した中身を拾い集める二人と一匹。割としっかりはしているが予想外すぎる行動に3人はズッコケてしまう。
中身を拾い終えてから手を叩いて話を始めようとするエレン。
「さて、どこまで話マシタカ?」
「まだ、何も話して無いだろ」
「えっと・・・・エレンさんと薫ちゃんですよね?合格ってどういう意味ですか?」
「っ!?待て、俺はエレンと同い年だぞ」
「ええ!?年上だったんですか!?つい小学生かと」
「あ゛?」
「す、すみません」
なんとなく薫を年下だと思ったのか年下にちゃん付けされたことにより反発する。身長が135cmであるためそう思うのも無理はないとは思うが颯太は薫を小学生位だと
思っていたと発言すると蛇のような視線で睨まれ、すぐさま謝罪する。
「私もエレンちゃんがいいデース!」
「うん、エレンちゃん!薫ちゃん!」
「適応早いなマジで」
「くそっ、定着しちまった」
流石社交的でコミュ力の高い二人。もう既にある程度打ち解けている。反面、薫は年下にちゃん付けされることが定着してか落胆している。
「合格とは文字通りの意味ネー、3人は「舞草」のテストに合格しマシタ」
「舞草?・・・」
「日本刀源流の地と言われるあの舞草のことか?」
「折神紫率いる変革派に抗い、御刀と刀使のあるべき姿を取り戻す組織としてはナイスなネーミングでしょ?」
「折神家に抵抗・・・・じゃあ姫和ちゃんと同じってこと?」
「yes!目的は同じデス!」
エレンは3人が目的が同じなのであれば味方に引き入れてもいいと判断した舞草側からの指令で入団テストを行い合格を通達し、味方として受け入れる姿勢を見せている。
そして、颯太は二人と一匹の前に出て頭を下げて会場で自身が逃げる手伝いをしてくれたことを感謝する。
「あー、僕として会うのは駐車場で話した以来ですね。会場で僕の事逃がすの手伝ってくれたのは多分あなた方のお仲間ですよね、ありがとうございました!」
「正直会場に現れた時は感極まった反面、焦ったぞ。お前には後でアイアンマンが直接コンタクト取りに行く予定だったが少し予定が狂っちまったからな」
「あーそれに関してはほんとに申し訳無いです・・」
「でも結果的にソウタンはトニトニからスーツを貰えて無事ここまで来たので問題ナッシングデース!」
「ならお詫びの印に一旦マスク被ってオレと握手してくれ」
「はいはい勿論いいとも」
「くー感動の嵐、次はアイアンマンと握手してー」
「スタークさんは中々難しそう」
「つーか、アイアンマンからスーツ貰えるとかマジ裏山なんだが。なぁ、ちょっとスーツ着させて」
「ね!」
「いやいや、それはちょっと・・・」
「ん?もしかして二人と知り合い?」
「あー、各校が帰る時に舞衣といたら話しかけて来てその時に少し話したんだよ」
「あーそゆこと」
本来は来るべき時が来たらスタークが直接会いに行く予定だったのだが予定が多少狂ったことを説明され、すかさず謝罪すると薫に詫びの印にマスクを被り、スパイダーマンとして握手することを求められ、握手する二人。
どうやらエレンと薫のことは知っているようにも取れるやり取りが気になったのか可奈美に聞かれると折神家を出る際に駐車場で少し会話したことを説明し、その時に知り合ったことを説明すると納得が行ったようだ。
「舞草か、fine manという名前に聞き覚えがあるか?」
「あのアバターは似合ってないからいつもやめろと言ってマスネー」
「なるほど、お前達は私達を舞草に入れるかどうかの試験官ということか、入団テストのつもりで良いように試されたのはあまりいい気分はしないがそこはもういい。アイアンマンがそちら側にいることは事実のようだからな・・・・たが・・」
自信らと合流する予定のfine manと関連性があると判断した姫和に質問をされるとやはり関係者であることが判明する。しかし、アイアンマンも関わっており悪事に手を出す可能性は低いと思っている為入団テストと称して戦わされた事に関しても気にしないことにしたが、どうしても気がかりなところがあるそれは
「刀使が荒魂を使役するだと?それでは折神紫と変わらないじゃないか!」
「ねね!」
「違う、ねねはオレのペットだ」
「この子一応僕のスパイダーセンスに反応はあるけど特有の穢れを感じないっていうか、危険度が全く無いですよ」
「そうそう、見てくだサイ!ノープロブレムデス」
「スペクトラム計が反応しない?私のもだと?」
「ねねは確かに荒魂デス・・・が同時に祢々切丸の代々継承者も常に共にある益子家の守護獣でもありマス、未だ荒魂や隠世については不明な点も多く解明のためにも特殊なケースとして上から認められているんデス」
「だからと言って・・・」
「ヒヨヨンは頭が固いデスネー」
「ヒヨヨン!?」
荒魂を連れ、使役すると言う行為は管理局側と変わらないのでは無いかと憤慨しながら指摘する。
その指摘をされ、反発する両者。しかし、スパイダーマンの感知したスパイダーセンスとエレンにファインダーを見せられ、自身のスペクトラム計を確認しても反応がない。ねねには危険性がなく、特殊なケースとして上から認められている存在だと説明される。
「ねー!」
「見て見てこの子とってもかわいいよ!」
(ん?確かこいつって・・・・)
ねねが可奈美の胸に飛び込み甘え始めふみふみし始める
。とても小動物のようで愛らしいがスパイダーマンは記憶の片隅に何となく覚えているがイマイチピンと来ない事が引っ掛かっていた。
「ね?・・・・・・ねー」
「は!?」
「そうそう、ねねはビッグなバストが大好きなのデス」
(あー・・・なるほどそれで・・・・って何考えてるんだ僕は!煩悩退散煩悩退散!)
「今なんかいやらしいこと考えなかった?」
「いやいや考えてない、考えてませんよー」
「じー」
「・・・・・・・・・」
しかし、ねねが一瞬視線を姫和の胸部に移すと、全く関心が無いのか残念な物を見るような顔をした後にガクッと項垂れる。
その唐突な行動に憤慨するが、エレンに説明されるとスパイダーマンはなぜ駐車場でねねが舞衣の胸を凝視し飛び込んだのかを理解できたがそんなことを考えている自分が恥ずかしくなり首を左右に振って煩悩を払おうとするが何かを察した可奈美にはジト目で睨まれ、そっぽ向きながら片言で否定する。
「そして将来胸がでかくなる女の可能性をかぎ分ける」
「もう!姫和ちゃんに失礼でしょ!」
「いや、堂々と本人の前で言い切る君が一番失礼だから!」
「ぐぬぬ・・・・」
気の抜けた会話をしているのも束の間、ねねがすぐさま反応し、森に向かって吠え始めると同時にスパイダーマンもスパイダーセンスが反応している。
この反応は、荒魂だ。
「・・・・ね!ねー!」
「スパイダーセンス!ヤバい、結構な数だ!」
「囲まれているぞ!」
「・・・・・・」
姫和もすぐさまスペクトラム計を確認すると様々な方角から攻め込まれていることを把握する。
しかし、エレンは携帯のスペクトラムファインダーには一切反応しない事に違和感を感じていた。
何故ならこの支給されたファインダーは折神家から支給された最新式なのだから。
「ねねー!」
「待てねね!」
「薫ダメデース!」
「来るよ!」
「小型でもこれだけると・・・!」
「クソ、1発じゃ一気に捕らえられないか!」
「話の続きはここを突破してからデース!」
「「分かった!/了解!」」
ねねが独りでに森の中に突撃していき、薫がその後を追いすぐに姿が見えなくなり、追いかけようにも蝶の形をした小型の荒魂に追撃され距離が離されてしまう。
スパイダーマンのウェブシューターでは1度に何匹も捕らえることは可能だが数が多すぎるため、五十歩百歩だ。
1度各々に散開し、後で合流することを約束する。
「あーもう、僕も虫に間違えられがちだけどさ、好かれる相手は選びたいよねホント!蝶らしく蜘蛛の巣に引っ掛かってくんない!」
スパイダーマンは暗い森の中を木に向けてクモ糸を放ち、スウィングしながら移動するもあまりの数の多さに泣き言を抜かしている。
しかし、ここは大量の木が生い茂っており、木々の間隔も狭い。トラップなら張り放題なのだ。
スパイダーマンは後ろから迫る小型の荒魂には目もくれず正面の木に向けてウェブグレネードを飛ばす。
自身が壁になっている事で荒魂達はグレネードの存在には気付いていない。木に貼り付けられたウェブグレネードが赤く点滅し始め、中から一直線に蜘蛛糸が飛び出す。上体を反らすことで飛んでくる蜘蛛糸を回避し、背後に迫る小型の荒魂を捕縛する。別の方向からも小型の荒魂をウェブグレネードが捕縛し、自身を追撃してきた小型荒魂の動きを封じる事に成功した。
捕縛された荒魂は抜け出そうと蠢いているが全身がクモ糸にくるまり身動きが取れなくなっている。
「いよっしゃ!大量の敵だと便利だなーこれ!よし、他の皆の所に行かないと!」
『よくできました』
なんとか成功した事に1度ジャンプしてガッツポーズをするスパイダーマン。
自身の方は片付いたため、一旦可奈美と姫和が追いたてられたと思われる川の方へと移動する。
一方別の地点
しばらく経ち、大量の小型荒魂の襲来により全員が散開し、一旦は木の枝に登ることで難を逃れたエレンは状況を整理しつつ次の一手を考えていた。
「うーむ、すっかり皆と離れ離れになってしまいマシタ、しかし何なんですかねこの荒魂は。妙に統制が取れた動きデスネ・・・反応ナシデスカ、やはり真っ黒ということデスカ。薫達との合流も大事デスがもう一手何か決定的な物が欲しいデスネ・・・」
しかし、エレンが入ってきてしまったのはショッカーが待機しているポイントであることに気付かず、本来はスパイダーマンをこの地点に誘き出す予定がスパイダーマンに小型荒魂の誘導を突破され、別のポイントに移動されたためである。同時にエレンが登った木の下の付近にいる黄色のカラーリングに網目状の模様のスーツ、頭部を守るための鋭い目付きのツインアイのブラウン色のヘルメット、両腕にガントレットを装備しているショッカーは所定の時間になってもスパイダーマン所か誰も現れない事に苛立っていた。
「・・・・・・遅ぇ!何やってんだったくよぉ・・・ちゃんと追い込んでのかぁ?所定の時間になっても野郎が来ねえじゃねえか!」
地団駄を踏みながら不満タラタラに文句を垂れるショッカー。一旦気持ちを落ち着かせ胡座をかいて地面に座る。
「あー暇だ!しゃあねぇ支給された携帯にこっそりインスコしたTwitterでもやろっと・・・お!りるるんツイートしてんじゃねぇか!」
元々我慢強い方でなくじっとしていることが苦手なショッカーは待機することに飽きて支給された携帯電話を取り出し、こっそりインストールしたTwitterを開き、自身のギャングとしての血生臭い日常の中で唯一の癒しとしていて例え銀行を襲撃し、強盗をしてでもライブに行こうとしていた程推している。アイドルの公式アカウントのツイートを眺め始め、先程とは打って変わり声のトーンが明るくなり、ツイートを眺める作業に入る。
「あ^~好物のラーメン屋巡りをするりるるんがかわいいんじゃ^~。りるるんのライブに行くためなら拙者は銀行強盗だってやってのける覚悟であります!毎度のツイートご苦労様であります!不肖、このハーマン・シュルツ!魂のいいねとリツイートさせていただくであります!るんるんりるるん♪」
ショッカーのスーツの下で普段は他人に対してすぐに喧嘩を売り、メンチを切るチンピラの顔からは想像もつかない最高に緩んだ笑顔になりながら自身が推しているアイドルが投稿した写真を眺め、口調をも変貌させている。
どうやらショッカーが好きなアイドルが食レポと共にピースしている姿が彼のハートを刺激したのか相等テンションが上がっている。
いいねとリツイートをすることを決断した際には姿勢良く規律して背筋を伸ばして右手の拳を握り、左胸に当て軍人のように宣言する。
しかし、突如いいねとリツイートのボタンを押そうと画面に向けて指先を伸ばしたその矢先、何かを察したのか1度その指を止めてショッカーのマスクの下で無表情になり、低い声でぶつぶつと呟き始める。
「・・・・・・いいねとリツイートってよぉ・・・『リツイートが1回』ってのは分かる・・・・。スゲーよく分かる。何回もリツイートしたらTLに流れすぎてフォロワーに迷惑がかかるからなぁ・・・・それはいけねぇよなぁ・・・・」
ショッカーが疑念に思っていること、その事を頭では理解しつつ知的な口調になりながら分析を始める。
そして、どうしても納得が行かないことがあるのかその不満にまた苛立ちを覚え始める。それは
「だが『いいねも1回』って仕様はどういうことだああ
ああああ!?1回でりるるんの可愛さを表現できるかよ!あ゛ー!もどかしいぜこの機能!どう言うことだ!せめて二回は押せるようにしてくれってんだぁ!るんるんりるるん!」
「what!?ちょ、待っ・・アウチ!」
ショッカーはどうもTwitterのいいねの仕様をとてつもなく素晴らしいものを見たときは1回では足りないからもっと押させて欲しいという見も蓋もない、誰に怒ってもどうにもならないことに激怒し始め、右手のガントレットを起動させる。
ガントレットが開き、展開させると拳に振動波が収束し始め、自身が推しているアイドル固有の合の手と共に振動波を乗せた拳で近くにあった木を殴り付ける。
不幸にもその木はエレンが登っていた木であり、振動波を乗せた拳による一撃で樹木が粉砕され、衝撃が木全体に伝わる。そのあまりの衝撃の強さにエレンも驚き、受け身を取る間もなく腰から落下する。
驚いた反面、腰を打った痛みにより腰を擦っているエレンが視界に入るとショッカーは突然の来訪者の登場に思考をすぐに切り替えて携帯を格納スペースにしまい、怪訝そうな視線を向けながら問いかける。
「あ?てめぇ何してんだ?こんな所で」
「あ、怪しい者じゃありまセーン」
「おいおいこの時間帯に俺ら以外でここいらをウロチョロしてる奴なんざ連中のグルに決まってるよなぁ。野郎をぶちのめすのが俺の任務だがそれに与すると思われる奴等を容赦なくぶちのめして捕まえんのも俺の任務だ。安心しな俺は殺しはしねー主義だから死にはしねーよ」
ショッカーに話しかけられ、両腕を上げながら降参のポーズを取るエレン。
だが、この時間帯に自分達以外でこの山にいること。それはつまり、スパイダーマンや姫和とグルになっていると考えたショッカーは自身の仕事の1つであるスパイダーマン達に与すると思われる者達を捕獲するという任務に当てはまると判断したショッカーはファイティングポーズを取り、闘る気満々の姿勢を見せている。
「こ、これは何を言っても話を聞いてはもらえなそうデスネ・・・それに、管理局の新装備・・・ここで倒さないと多分不利になりマス!」
「お?闘る気か?いいぜ、どっからでもかかって来な。もちろん俺は抵抗するぜ?」
「・・・・・っ!?」
本来はこのまま捕まったフリをして潜入しようと考えていたがどうやらこのままでは有無を言わさずに襲いかかられ、ボコボコにされると判断したエレンは後続の者達のため、ショッカーを倒さなければ難敵の一人になる可能性を考慮し、倒して気絶させる事にし、御刀を正眼に構える。
エレンに闘う意思があることを汲み取ったショッカーは意気揚々としながらの先程の怒っていた様子とは一変し、挑発的な口調へと変化していく。
刹那、ショッカーの両腕のガントレットが開き、振動波を纏いながら両手の拳と拳を突き合わせる。
拳と拳がぶつかり合った瞬間に火花を散らせながら炸裂音が地響きを立て、周囲にも衝撃として伝わり、木々を揺らしている。エレンもその衝撃により咄嗟に身体を庇うように防御の姿勢を取る。
ショッカーは振動波を纏った右手の拳を目の高さ程に持っていき、力強く握りしめる。エレンを正面に捕らえ、これから本気の真剣勝負をする相手と捉えて開戦を告げる。
「ーー拳で」
「ふんっ!」
「オラァ!」
エレンが間髪入れずに迅移で加速して速攻で勝負を決めようと直進するとパワードスーツにより身体能力を強化されているショッカーはその動きを察知して右腕を殴り付けるように前に突き出すと右腕に纏っていた振動波が音速でガントレットから発射され、直進してくるエレンに向けて飛んでくる。
その動きに気付いたエレンは嫌な予感がして右にに回避すると振動波がエレンがいた場所を通り過ぎ、背後の木に直撃して薙ぎ倒している。
「what!?いまの何デス!?」
「俺もよくは知らねえがこいつの機能だよ。これは軽いジャブだぜ」
「薫がいてくれたら、何とかなりそうデスがこれはキツいデスネ・・・って!拳で抵抗って言いつつやってるのは衝撃波じゃないデスカ~!」
驚いているエレンの問いに答えつつ再度ガントレットを起動させると駆動音を立てながらガントレットが展開されて開き、両手の拳に振動波を纏い、いつでも射ってくる構えを取るショッカー。
「うるせぇ!漢が魂込めた拳に距離は関係ねぇ!リーチじゃねえ気合いだ気合い!ようは相手を思いっきりぶん殴れるかだ!まだまだ行くぞオラァ!」
ショッカーとエレンは戦闘しながらも会話しつつショッカーは支離滅裂な脳ミソまで筋肉でできているかのような思考回路であることを把握できたが、ショッカーも常にこちらの動きや視線に目を配っており油断も隙もない上にガントレットからの振動波を両腕に纏わせて発射して来る。
よって、回避に専念しながらも接近し、1度八幡力を発動する。振動波には追尾の機能はなく一直線に飛ぶだけだと判断したため、ガントレットから振動波を放ってからほんの少しだけ硬直した隙を狙ってジャンプで回避してそのままショッカーの胸部に飛び蹴りを入れる。
「はぁっ!」
しかし、荒魂を殴り飛ばせる振動波に耐えられる構造であるためか思っていたより装備は頑丈で軽く衝撃を与えた程度でしかなく、普通に飛び蹴りしただけでは平然としている。
「やるな女ぁ、てめえは俺が本気を出すのに相応しい奴だ。スパイダー野郎の前にぶちのめす!ガンガン来いやぁ!」
「oh!」
カウンターでショッカーはガントレットを起動させ振動波を纏わせながら裏拳をエレンに当ててくる。
咄嗟の金剛身により防いだが、裏拳で速度重視で振るった一撃とは言え荒魂を殴り飛ばせる威力を直に受けたため、ダメージはそれなりにある。ショッカーは更に闘志を燃やし殴り飛ばしたエレンに向けて振動波を飛ばしてくる。
一方、エレンは痛みに耐えつつ唐突に空中で受け身を取るのは難しいため、通り過ぎる前に木の太い枝に御刀を刺し、反動を利用して飛び上がって回避し、空中で1回転して木の枝の上に着地する。
「てめぇ程できる奴は女子レスリングにもいなかったぜ。世界狙えんじゃねぇか?」
「それはお断りしマース!」
「そうかい!」
ガントレットを起動させ、ガントレットに振動波を纏わせながらジリジリと近付いてくるショッカー。まだ、僅かだがエレンの手腕を認め、刀使が御刀を用いて超人的な力を発揮している原理はイマイチ理解していないためか本心からそんな言葉を送り、エレンが登っている木を殴り付ける。
エレンとしてはそんな道に進む気は毛頭ないためすぐさま否定しつつ木から飛び降りてショッカーの一撃を回避し、地面に着地して次にどう動くかを考えていた。
一方場面は変わって川の方
小型荒魂の追撃を回避したスパイダーマンは物陰に隠れながら移動した所川辺に辿り着いた。
川辺には姫和と可奈美が来ていたため、合流しようと声を掛けようとした矢先、スパイダーマンとして会うのは何日かぶりに会うできれば対面したくない面子が現れたからだ。
(二人はここまで逃げてきたのか。よし、合流・・・げっ・・・)
「流石夜見、いい仕事をしてくれる」
「ええ、おかげで苦もなく反逆者を捕らえる事ができますわ
「お前達は・・・っ!?」
「親衛隊の!」
紫の親衛隊の第一席、獅堂真希と第二席、此花寿々花の二人だ。
先程の言動からどうやら小型の荒魂を操ってこちらを誘導していた相手は第三席の皐月夜見であると把握できる。
会場でなんとか撒いたが恐らく自分に並々ならぬ殺意を抱かれていても不思議ではない相手であるため尻込みし、様子見に徹しつつ。状況を整理しているスパイダーマン。
(あー最悪、僕らの場所バレてたのか。多分コンテナの着地点から割り出されたなこりゃ。携帯は未だに治んない上に、舞衣に連絡取る暇が無かったのが痛手か・・あーもうまた奇襲かよ!)
既に向こうは殺る気満々である様子にまたしても奇襲を仕掛ける羽目になるのかと内心でため息をつきつつも、最も厄介な結芽が恐らくこの場に来ていない事に内心感謝しつつ死角に回り込み、飛び込む準備をするスパイダーマン。
足が少し震えているが足を叩いて自身を奮い立たせて二人の頭上を通過できる程の高さの木に向けて蜘蛛糸を放ち、飛び上がるスパイダーマン。
「少しおいたが過ぎたようだね、後輩」
「貴女のお友達みたいに手加減は致しませんわよ」
「ま、待って!姫和ちゃんの話を聞いてください!」
「親衛隊第一席、獅ど・・・何!?」
「同じく第二せ・・・・何ですって!?」
「隙だらけですよ先輩」
「そ・・・スパイダーマン!」
真希と寿々花が名乗りを上げながら御刀を抜刀して構えた瞬間に赤と青のツートンカラーの何かが頭上を通過し、糸が二方向に裂けるウェブシューターの機能、スプリットを作動させて二人の御刀に当てて取り上げ、真後ろの土手に片手を地面に着けて着地し、着地の際に手元と足元にクモ糸を放ち、動きを封じる事に成功し、いつもの軽口を叩くスパイダーマン。(シビルでのキャップの盾奪った動きだと思ってください)
あまりにも予想だにしない出来事であったため、全員が瞳孔を散大させながら驚いている。
「またしても奇襲ですの?少しは男らしく戦ったらどうかしら?」
「戦ってるよ、蜘蛛男らしくね!」
御刀を奪われた際は驚いていた二人、特に真希だが、すぐに一旦落ち着いて誰にも気付かれないように隣にいるお互いにアイコンタクトを取り、小さく頷き、寿々花がスパイダーマンに話しかけてくる。
「貴様・・・忘れてないだろうな?散々会場でコケにしてくれた事を」
「あーほら、若気の至りって奴だって!そんな過去の因縁はさ、この川にでも流しちゃおうよ!」
寿々花が話している間に真希は視線を会話をしているスパイダーマンに向けてながらも縛られている手首から右手の巻いている包帯の巻き口を指先でいじり、隠していた何かを取り出し、掌の中に隠し、疑われないように自身もスパイダーマンに話しかける。
「そんな事が言える立場だと思うのか?蜘蛛男。僕はこれでもお前を市民を守るヒーローとして買ってたんだがな」
「そりゃ嬉しいね!でも、僕ら今君達と遊んでる暇無いからさ」
真希の言葉に応じつつもスーツのマスクの中のHUD(ヘッドアップディスプレイからウェブグレネードを選択して掌にウェブグレネードが収まる。
(グレネードで一気にグルグル巻きにするから今のうちに!)
((了解!))
姫和と可奈美の方に視線を向け、エレンと薫を撒いた時のように逃げるように視線を送ると旨は伝わった様子の二人、だが、真希達も何も考えていない訳ではなかった。
「一時間仲良くくっついてな!ウェブグレ」
スパイダーマンがウェブグレネードを振りかぶって二人に投げつけるモーションをした瞬間に真希が手首を拘束されている両腕を天高く掲げると何かの小型のスイッチのような物を押す。すると何かのシグナルのような光が上空に映し出される。
「やれ!夜見!」
「スパイダーマン!後ろだ!」
「はっ・・!スパイダーセンス!うわあああああああ!」
先程包帯から取り出したのは小型のシグナルを伝えられるライトのような物であり、事前に打ち合わせしていたのか何かあった場合にシグナルで自分達の位置を教えたら小型の荒魂達をそちらに向かわせるようにしていたようだ。
姫和のスペクトラム計に反応が起き、大声でスパイダーマンに投げ掛ける。
スパイダーマンは二人にウェブグレネードを投げることに集中していたためかスパイダーセンスがほんの少し反応が遅れてしまい、ワンテンポ遅れて反応し、背後から接近し来た小型の荒魂に気付かず体当たりを受け、身体を上空まで運ばれるスパイダーマン。
咄嗟に空いていた手を真希の靴に向けて何か小さな球体のような物を靴に当てる。
「スパイダーマン!」
「僕は大丈夫!目の前の敵に集中!うわあああ!」
「全く手間取らせる」
「後はシュルツさんにお任せしましょう。こちらも行きますわよ」
「ああ」
「ちっ!」
「来るよ!」
夜見が呼んできた小型荒魂は二人を拘束していたクモ糸を切断し、スパイダーマンに奪われた御刀をも奪取して真希と寿々花に手渡す。
どうやら予定とは違うルートになったが小型荒魂を使ってスパイダーマンを運搬してショッカーの元に届け、分断することに成功した二人は姫和と可奈美の方を睨みながら御刀を構えて一直線に斬りかかる。
長くなりそうなんで一旦ここで。
余談:PS4版プレイ時のショッカー戦初見時
「こいつ映画でスーツ没になってたし、序盤のボスだし余裕っしょwww」
↓数分後
「えっ・・・何こいつ強っ・・・」ってなったプレイヤー私だけでしょうか?ww