刀使ノ巫女 -蜘蛛に噛まれた少年と大いなる責任-   作:細切りポテト

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うおおエンドゲーム公開日投稿に間に合わなかったああ!平成最後にも間に合わなかったああ!とりま令和でもシクヨロオオオ!




第26話 尋問

スパイダーマンは拡張偵察モードを起動させながらエレンの尋問を行うためにテントに入る寿々花から視線を離さず、拡張偵察モード特有のサーモグラフィでテントの中にいる人数を確認するとどうやらエレンと寿々花、武装したSTT隊員のようだ。

朝食として差し出されたコンビニ弁当を食し終えたようなので会話を始める両者、スパイダーマンは耳を澄まして二人の会話を聞きながら各テントに潜入させた偵察ドローンに送られる映像にも目を通す。

 

『例のS装備ですけど、既に運び去られていましたわ』

 

『私には関わりの無い話デス』

 

寿々花がコンテナの話を持ち出し、エレンが舞草の一員であることを割り出そうとしてくるがエレンは先程のように無関係のフリをする。

 

『珍しい名字ですわね。古波蔵って』

 

『ん?』

 

『でも、どこかで聞いた気がしてましたの。で、先程思い出しましたわ』

 

 

頬杖をつきながら余裕そうな表情を浮かべたままワインレッドの髪のもみ上げを指先でいじりながら身内から彼女の素性を交えて話を始めるつもりだ。

エレンは普通に家族の話をされたとも取れる対応する。

 

『ダーパ(DARPA)から出向しているS装備開発チームの主任技術者が、そんな名前だったと・・確か、ジャクリーン・アン・古波蔵でしたからしら? 』

 

『ジャクリーンはママデス!ついでに言っておくとママと一緒に働いている公威がパパデスヨ!』

 

「え!?すっご!マンガの家族かよ・・・・これお祖父さんが豪華客船の船長とかスタークさんにも引けを取らない天才技術者とかでも不思議じゃないな・・・」

 

 

『実際にそうですよ』

 

「え?カレンどういうこと?」

 

 

スパイダーマンがエレンの両親がDARPAこと国防高等研究計画局、つまり軍隊使用のための新技術開発および研究を行うアメリカ国防総省の機関に勤めるかなりスゴい人物であったことにかなり驚いている様子だ。

彼女とは昨夜にショッカーとの戦闘で共闘した間柄ではあるが互いの家族関係については一切話していないため無理もないが。

スパイダーマンがここまで一家でハイスペックとなると祖父の系譜までハイスペックなのではと呟くとカレンが反応する。

どうやら名前を聞いた瞬間に検索をかけたようだ。

スパイダーマンがカレンに質問しようとした矢先にエレンが「けど」と話始めようとすると寿々花が話を始める。

 

 

『いくら開発責任者とはいえ、無登録な機体を射出することはできませんわ。S装備の開発・生産は全て折神家の管理の元に行われてますもの』

 

しかし、表情は余裕そうな表情を崩さないまま真剣な声色に変わる

 

『けど、貴女のお祖父様ならどうかしら?』

 

『グランパデスカ?グランパは今・・・・』

 

『『ノロの軍事利用の第一人者にしてS装備開発の先駆けとなった天才科学者、リチャードフリードマン。5年前、自らが創業した技術開発企業を売却後、忽然と姿を消されたとか/されています』』

 

 

『YES』

 

寿々花の言葉とカレンの説明が一言一句同じに説明され、驚くスパイダーマン。

何より驚いたのは話の内容だ。

 

 

「うぇっ!?古波蔵さんあのフリードマン博士のお孫さんだったの!?」

 

『はい、先程の検索によるとジャクリーン・アン・古波蔵のお父上であり、スタークさんのお父上のハワード・スタークともお知り合いのようです』

 

「あー・・・何となく分かってきたぞ。fine manさんがフリードマン博士だったのか・・」

 

スパイダーマンは会話の内容、そしてカレンからスタークの知人であることを知らされるとfine manであることは推測できたため自分達は味方としてもものすごい人物たちに目を付けられていたことに感嘆とする。

 

『そのフリードマン博士が、日本に入国した形跡があるのはご存じかしら?そして、舞草と接触した・・・いえ、もしかしたら中核を成す人物だとしたら?』

 

『もぐさ?お灸デスカ?』

 

「この人どんだけ鋭いんだよ・・・結構核心に迫りかけてるじゃん」

 

『そのための瞬殺コマンドです。実行して彼女の助けに入りましょう』

 

「もう!ことある毎に瞬殺コマンドを奨めるのはやめてったら!」

 

とぼけるエレンには何を言っても口を割るとは思えないため、多少苛立ってはいるが荒魂の力を使用した際に発現する紅い瞳にならないように耐えつつ挑発の意味も込めてこちらも反撃をする寿々花はパイプ椅子から起立してテントの扉の方へと歩みを進める。

 

『あくまでシラを切るおつもり?ま、いいでしょう。』

 

『そうそう。貴女のお友達の益子薫さんですけど、昨夜、うちの皐月夜見に御刀を向けたのをご存じかしら?』

 

 

『えっ?』

 

自身も昨夜自身を守るためと勝負を仕掛けてきたショッカーのパワードスーツを大破させる為にハーマン・シュルツことショッカーと戦闘をし、御刀を振るったためあまり人の事は言えないが面倒臭がりで怠惰な薫が人に向けて御刀を振るうという状況はかなり切羽詰まっている状況だと推測できるが彼女の安否も含めて少し動揺してしまったと同時に親衛隊側に更に不信感が強まる。

その動揺した様子を見て寿々花は牽制の意味も込めて冷えきった容赦など無い強い口調でエレンに脅しをかけてくる。

 

 

『初耳のようですわね。それともお得意のおとぼけかしら?まぁ、どのような理由であろうと我等親衛隊に刃を向けることは即ち、紫様に刃を向けること、その罪は万死に値します』

 

『貴方や益子さんが舞草であろうと無かろうとですわ』

 

 

『薫はどうなったンデスカ?』

 

 

『さぁ?またお話しましょう』

 

そう言って踵を返してテントから出ていく寿々花の後ろ姿を見つめるエレン、そして拡張偵察モードで観察しているスパイダーマン。

スパイダーマンはその場にいた訳では無いが遠くで聞いているだけでも威圧感がダイレクトに肌に伝わって来るものだった。

 

「やっぱこの人こっわ・・・でも逃げちゃだめだ、ここで逃げたら男じゃねぇぞ僕」

 

 

『その意気です。偵察ドローンが新型のスーツを発見。またしてもS装備の発展型のようです』

 

 

スパイダーマンが恐怖心を打ち消すために自身の頬を軽く叩いて気合いを入れ直すとカレンが偵察に向かわせたドローンがショッカーの他にも新しい装備があることを報告する。

 

 

「他には?」

 

『全ての格納庫を調べた所該当するものはありません。新型1機だけです。ちなみに救護用と思われるテントにてノロを体内に接種できるようにするためのアンプルが入ったケースを見つけたようです』

 

 

「マジかよ了解。そのまま捜査を続行、僕はもうしばらく様子を見る」

 

駐車場に停めてある車輌、格納庫、テントをドローンがスキャンして調べた結果をカレンから伝えられたスパイダーマンは再度ドローンに捜査の続行を指示し、自身も周囲を警戒しつつ監視を続行する。

 

 

ー場面は変わって刀剣類管理局局長室ー

 

「入れ」

 

何かしら用があったのか局長室をノックする雪那。扉越しであるためか少しくぐもっているが入室の認可する返答が返ってくる。しかし、精一杯低くしている子供の声に聞こえなくもない。

そのままドアノブを回して入室すると局長室の机の椅子が後ろを向いている。そして大人が座っているのであれば椅子の背凭れを越えて頭が見える筈なのだが頭は見え無いため余程背が低い人間が座っているということが察せられる。更にお菓子のポッキーをかじる音が局長室内に木霊する。明らかに紫でないのが明らかだ。

 

からかわれた雪那は気分を害しつつも表情は崩さずに椅子の方へと視線を向けている。

 

 

「紫様かと思った?残念、私でした!」

 

まさに外道!というテロップが入りそうなどこぞの赤さんのコラ画像のような台詞と共に振り返るその正体は結芽であった。

雪那は何となく察していたがあまり長い時間相手にしたくないのか手短に済ませようと用件だけを質問する。

 

「紫様はどこに行かれた?」

 

 

「さぁ?私が来たときにはもういなかったよ。折角遊ぼうと思って来たのにぃ」

 

 

「そうか」

 

素っ気ない態度で結芽を軽くあしらう雪那、そこに新しく紫に用事がある来訪者が訪問する。

割と急ぎの用だったのか開いている扉からそのまま入って用件を伝えようとしている。

 

「失礼します。局長に新装備についての報告と数日前に宇宙から帰還した管理局所属の科学特捜隊が発見したものを解析した研究者が局長に報告したいことがあるのことでご報告が・・・・あっ、局長はご不在のようですね」

 

「見て分からないのか?」

 

新装備についての報告と急ぎの用件を伝えに来た栄人だが、紫の不在を確認した矢先に不機嫌のメーターが上昇していた雪那は苛立ちを隠さずに言い放つ。

その誰が見ても苛立っている姿から発せられるオーラに萎縮し、一瞬だが縮こまってしまう。

その萎縮した姿に物事が思い通りに進まないことに苛立っていた雪那の嗜虐心に火を着け、捲し立て始める。

 

 

「申し訳ありません」

 

「貴様らは所詮紫様の温情で金儲けができているだけで技術力以外に取り柄がないクセによくもまあいけしゃあしゃあと。新しく雇っている新装備のテストパイロット共も新装備もロクに扱えないボンクラ共ばかりで大した成果も上げられないようね。せいぜいボンクラ共々クビを切られないように気を付けなさい」

 

栄人は機嫌を悪くしている相手を更に怒らせ無いようにしようと下手に出る態度を取ると雪那は勢いが着いたように、紫に認めてもらえないことへの焦燥感、捜査の進捗の不行き届きのもどかしさへの苛立ちを本来ならこの場にいない自分が学長を勤めている鎌府の卒業生である夜見にぶつけている所だが苛立っている所に入って来た栄人にぶつけた言葉全てが本心という訳では無いが尊大な態度で厳しい言葉をぶつけて八つ当たりをする雪那。

 

何も言い返しては来ないその姿勢に身近な誰か、とある人物に似た物を感じたが自分と関わりが深い訳ではない相手に理不尽に罵詈雑言を浴びせたのは大人気無いなと少しだけ反省し、管理局、ひいては局長である紫に協力し、技術を提供して貢献している企業の関係者をなじり過ぎて下手に関係を悪化させるのは賢くは無いと判断し、踵を返し捨て台詞と共に退室しする。

 

「それとそこの無礼な小娘が勝手な事をしないようお前が見張っていろ、お子様同士戯れていれば紫様のお席に小娘が胡座をかくなどという事は無いだろうからな、ふんっ!」

 

「はい・・・・」

 

結芽はその様子を静観していたが直後に齧っていたポッキーを食し、栄人に話しかける。親しくなった相手が目の前でなじられるのはあまり気分がよくなかったからだろうか。

 

「あーあ、ハリーおにーさん流石に今のは怒ってもいいと思うよ」

 

「そういう訳にもいかないって、一応あの人もお得意様と言えばお得意様だし。ああいうタイプには適当に言いたいだけ言わせとけば良いんだよ、そうすれば勝手に飽きるだろ。ていうか何で結芽ちゃんがここに?」

 

栄人は雪那を軽く見ているわけではないが理不尽に一方的に怒鳴る人間、雪那のような導火線の無いダイナマイトのような相手は必要以上には刺激せず飽きるまで言わせておけばいいと思っているため、少し腹が立ったがいうほど気にしてはいない。

 

「紫様に遊んでもらおうとして来ただけだよ。おにーさん仕事中で構ってくれないからさぁ」

 

「そうは言っても局長にご迷惑をかけるのはマズいって。それに俺は御三方に結芽ちゃんのこと頼まれてるんだからさ。にしても困ったなぁ早めに報告してくれって頼まれてるのに。しゃーない、出直すか」

 

(俺も詳しくは聞かされてないけど帰還した特捜隊が持ってきた宇宙で拾ったのを解析してる研究者達そうとう急いでたな。宇宙で月の石か何かでも拾ったのかな・・・・?ま、考えすぎか)

 

詳細は一切聞かされていないが管理局所属の研究員からまるで世紀の大発見でもしたかのように電話越しで捲し立てるように早めの報告をするように頼まれ、あまりの剣幕に萎縮してしまったが紫が不在であったため出直すことにして退室する。

 

「はいはーい。ま、おにーさんもおばちゃんみたいにカッカしてると余裕無くなっちゃうよ。ポッキー一本あげるから落ち着いたら?」

 

「え?あぁそうだな。じゃあもらうよ」

 

結芽も栄人の言葉に素直に従い、局長室の椅子から降りて眼前まで来ると長方形の箱に入っているポッキーを取りやすいように一本だけ伸ばして差し出す。

栄人は特に他意は無いんだろうなと思いつつ取りやすいように少しかがんでポッキーを手に取り、口にくわえてチョコレートの塗っている部分から食べようとする。

 

その瞬間を待っていたかのように結芽が悪戯染みた悪い笑みを浮かべる。

 

「ニヒッ・・・えい!」

 

結芽は眼にも止まらない早さでジャンプして栄人のくわえていたポッキーの反対側に食らいつき、両者の顔が目と鼻の先になる程接近した。

所謂、ポッキーゲームのような状態になる。

 

「なっ!?」

 

咄嗟に結芽が反対側のポッキーをくわえた速度にも驚いたが結芽の顔が突如ドアップになるほど近くなったことに驚いた。

1つ年下とは言えかなりの美少女である結芽の顔が目と鼻の先、女の子特有の甘い香りが鼻腔をくすぐり、揺れた薄桃色の髪が栄人の頬を優しく撫でる。どちらかが前に倒れれば密着してしまうのではと思うほど近くなり栄人は無意識に心臓が高鳴り、脈拍が速くなるのを感じる。

当の結芽も悪戯心から栄人を驚かせようとしただけではあるが実際に顔と顔が近くなるのは気恥ずかしさがあったが驚いていて目を白黒させている姿がおかしかったので満足できたため、顎を下に引いてポッキーを折る。

折れたポッキーの欠片が宙を舞い、栄人は欠けて少ししか残っていないポッキーをくわえたまま呆然としている。

 

結芽は奪ったポッキーを食し、両手を後ろ手で結んで少し距離を置き、悪戯っぽい笑みを浮かべて笑いかける。

 

 

「へへへ、引っ掛かったねおにーさん!」

 

「ちょっ!?ビックリするじゃねぇか!心臓に悪いなぁ・・・ていうか半分以上折れててほんの少ししかねぇんだけど!」

 

「騙される方が悪いもんねー!じゃあ昼休み遊んでね、おにーさん!」

 

数秒遅れて栄人が赤面して反応するが、意識して心臓が高まったのもあるが純粋に驚いた部分もあるため2つの意味で心臓に悪かった。

 

結芽はその様子に満足したため、嬉々としてスキップしながら局長室から退室し嵐のように去っていく。

 

 

「あぁもう・・・・しっかし、局長どこで何してるんだろう?しゃーない、研究者の人に話して少し待っててもらうか」

 

栄人は去っていく結芽の背中を見えなくなるまで視線で追いながら、結芽といると退屈しないなということを再認識させられる。

しかし、自分の仕事も怠る訳にはいかないため紫への報告を依頼していた研究員に電話をかけ、その報告にあった物を管理局に直接持ってきて貰うことにした。

 

ー伊豆山中ー

 

一度冷静になるために真希はエレンの尋問を寿々花に任せ自身は山中で素振りをしていたが、気付かないうちに自分の中で思うように物事が進まない苛立ちが募っていたのか木々を根元からなぎ倒し地面がえぐれているが当人は

構わずに気合のこもった掛け声と共に素振りを続けていた。

そこに一度エレンの尋問を終えた寿々花が呼びに来る。

 

 

『ふんっ!ふんっ!ふんっ!』

 

『貴女、限度というものをご存じ?』

 

『何のようだ?』

 

『出動ですわ』

 

『連中を見つけたのか?』

 

『未確認ですが南伊豆町の山中で目撃したという情報が入りましたわ。制服で山の中を走り回る女子中学生はそういないと思いますけど』

 

『行くぞ寿々花!』

 

『呼びに来たのは私ですのに・・・』

 

拡張偵察モードで真希と寿々花の会話が聞こえていたスパイダーマンは三人のうち誰か、もしくは3人ともまだ山中にいて見つかったのかは定かではないがタレコミがあったようなのでそちらに向かおうとする二人に少し焦るが少なくとも真希の位置は昨夜にこっそりGPSを取り付けているため追跡用端末を持っている薫なら動きを読んで早々と離脱してくれることを祈り、木の陰に隠れて動向を見守っていた。

 

 

「やばい、近隣住民か横須賀基地から通報されたのか!相手の位置は分かるからまだいいけど、取り敢えず二人を連れて早く逃げててくれよ・・・っ!」

 

任務に同行していたSTT隊員を整列させ、新型装備ライノの装着者の筋骨隆々の大男、アレクセイも後列に並び異彩を放っているが大人しく指示を待っている。

 

『一班、二班は私に続け。三班はこの場で待機!連絡を待て。シツェビッチはここで待機しつついつでも出られるようにしておけ』

 

 

『Дах(ダー) 』

 

『了解!』

 

アレクセイはライノの装備が置いてある格納庫に移動し、扉を閉めて格納庫にこもり、一班と二班の隊員は寿々花と真希を乗せたパジェロで捜索のため移動を開始する。

 

 

『では私もそろそろ行動開始と行きマスカ、よっと』

 

 

越前廉継を取り上げられ、待機しているSTT隊員のパジェロに後部座席に座らせられ両手を後ろ手に手錠で拘束されていたエレンは指揮を執り向こうの主戦力である真希と寿々花が捜索のために移動をして手薄になっている今なら物的証拠を見つける事が可能だと判断し、行動に移すことに決意した。

 

履いているローファーのかかとの部分が開き、その中に収納していた刃物を取り出し、手を前の方に持っていくために中国雑技団の如く肩の関節を外して両腕を前の方まで持っていき、関節を元の位置に戻して手錠を外す。

 

 

エレンが手錠を外して、運転席のSTT隊員の背後から座席に向けて腕を伸ばしそのまま首を相手の後ろから首に手を回し、手を自分のほうに思い切り引いて首を絞める。所謂、チョークスリーパーだ。絞めるコツとしては、手首の手前の平らな部分を喉仏にあてて絞めると決まりやすく完全に首に入っているためか脱出は困難となり、気管が締め上げられた隊員は絞め落とされて白眼を剥きながら意識を失う。

 

 

「うわすっげ、スパイ映画みたい。よし、カレン僕らも行こう!慎ましくね!」

 

『了解です』

 

「ドローンちゃん、古波蔵さんのいる車の付近まで接近して」

 

早速STT隊員の一人を音もなく無力化したエレンの一連の行動を見ていたスパイダーマンは自身も彼女の手助けに入ろうと判断し、木陰に隠れながら身を潜めて接近しつつ偵察ドローンに指示を出す。

 

 

「じゃあ次は・・・手頃な奴はあそこの奴か、そらよ!」

 

「あーあ、何で荒魂相手じゃねぇのに俺らが出向くんだか・・・早く帰ってスロ打ちに行って帰りにキャバ行きてぇなぁ・・・なにっ!?ぐっ」

 

「ごめん、ちょい服借りるよ」

 

約1名、他の隊員達から離れた位置にいる背格好が自分に近い欠伸をしている隊員に向けてウェブシューターを構えて先に装備している銃にクモ糸を当て、自身の元に引いて取り上げて遠くに投げ飛ばし、驚いている隙に木の枝から飛び降りて飛び蹴りをお見舞いすると隊員は気を失う。

気絶した隊員の身体を引き摺って銃以外の装備一式を奪って装備し、隊員に扮装する。

そして、気絶している隊員を茂みに隠して見張りをしているフリをして誰にも見つからないように更に接近する。

拡張偵察モードを解除して歩いていく最中ドローンが発見した新型装備ライノが置いてある格納庫の辺りを通り抜ける際に袖口からウェブシューターを出し、中指と人差し指でスイッチを押して扉にてクモ糸を当てて隙間にクモ糸を貼り付けて引っ張り強度が強くなるのを確認し、これで格納庫は簡単には開けられなくなる。

本来なら装着される前に破壊したいが事を荒立てる訳にはいかないため今は簡単には取り出しにくくすることを選択した。そして、更に細かく糸を張り付ける暇も無かったため、通りすぎる。

 

その最中、格納庫の中にいたアレクセイは外から何か貼り付いたような音がしたような気がしたが先程から気になっていたことを真希達に報告できなかったため、まだ駐車場に残っていた夜見に連絡をとる。

 

『はい』

 

「すまない皐月隊員。隊長殿に話すタイミングを逃したのだがあの投降してきた女、目配りといい態度といいなんだか妙じゃなかったか?それに外がやけに静かだ。隊長殿が離れている間、この拠点の最大戦力は貴女という事になる。あの女を警戒しておくことを提案するがどうだろうか?」

 

『分かりました。仮にその話が本当なら誘い出せるかも知れません』

 

 

 

エレンは自身が捕らえられていた車輌の付近の隊員を気絶させて越前廉継が収納されていた車輌に入っていたケースから越前廉継と携帯電話の奪還に成功する。

 

「HI!ご無沙汰デス!MY SWEET廉継!」

 

すると車内に1匹の飛行する蜘蛛が飛んでくる。

シルバーのカラーリングに紅い目、何かの機械であることは見て取れるがドローンの方向を見ると後ろを向いたまま車輌のドアに背中を預けているSTT隊員の姿を確認できる。

もしかするとSTT隊員に気付かれたのかと思ったが何故一向に襲って来ないのか不思議に思うと外から小声で話しかけられる。

 

 

「古波蔵さん、無事?僕だよ僕」

 

「ソ・・・スパイディ!?何で来たんデスカ!?」

 

その声は変声期を迎えて声変わりは一応しているが子供っぽい声の持ち主であり、どこかで聞いたことがある。

昨夜共にショッカーと戦い、寝ている間にスーツのAIに伝言を残して薫達と合流するように言っておいたスパイダーマンであった。

何故こんな所で、隊員に扮装してまでここに来たのか疑問は残るが手助けに来てくれたこと、昨夜での戦闘での疲労が回復しきっていない所もあったため増援が来る自体は嬉しかったため、話を聞こうと言う姿勢を取る。

 

「ごめん、一人じゃ危険だと思って着いてきたんだ。益子さんには一席さんの靴につけたGPSを追跡できる機械を渡してるから奴等とは遭遇しにくいと思う。そして僕は今隊員の一人に紛れ込んでる。僕のスーツの偵察機能で奴等のテントと車の中を一通り調べといた。後は脱出に協力するよ。所でノロのアンプルが入った箱が救護テントにあるみたいなんだけどそこに小型カメラ仕掛けてたよね?」

 

「ふぅ、薫達は無事だったんデスネ。そうデス、今から繋ぎマス」

 

スパイダーマンが着いてきた事情を説明すると自身では調べきれなかった所も調べてくれていたようで、後はそのアンプルを使う瞬間を押さえて持ち帰って逃げ切れば任務達成であるためエレンが事前に小型カメラを仕掛けたノロの入ったアンプルのある救護テントの映像を映す。

 

すると駐車場にて待機していた親衛隊第三席、皐月夜見が長方形のベッドに腰掛け白い四角い箱を手に持って開けていた。

その円筒状の橙色の液体に紅黒い塊のあるアンプルを取り出すとうなじに向けて突き刺し、注射する。

 

「薫が御刀を抜いた理由はコレデスカ」

 

「僕も行くよ。一応隊員の格好はしてるから疑われにくいと思う。映像だけだとでっち上げだと思われるかもだから証拠品のノロのアンプルを回収したらサクッと逃げよう」

 

「了解デス」

 

救護テントの中に入るとエレンが設置したカメラを回収し、隊員の格好をしたスパイダーマンは箱の中身を調べるとアンプル等1つも入っていないのであった。

 

「あれ?おっかしー・・・・な!」

 

直後に背後から全身がゾワゾワとする感覚、スパイダーセンスが働きそれでいて軽く手も震える。この感覚は昨夜の夜にも感じた反応。荒魂の反応だ。

反応と同時に振り向き様にウェブシューターのスイッチを押して紅黒い蝶に当てて壁に貼りつける。

貼り付けられた蝶は抜け出そうと必死にもがいているが貼り付いて引っ張り強度が強くなったクモ糸からは小型の荒魂では簡単には抜け出せない。

 

「シツェビッチさん、感謝します。オマケも釣れました。一気に捕獲します」

 

『そうか、やはり救護テントを狙って来たか』

 

感情が死滅したような無表情と毛先以外が白く染まっている少女、皐月夜見がアレクセイに言われた通りにエレン達の動きを警戒していたが予想外にも合流していたスパイダーマンも発見する事が出来たためアレクセイに軽く礼を述べて御刀水神切兼光を構える。

 

「人が悪いデスネ、気付いていたのなら言ってくだサイ」

 

「紫様に仇成す輩にそのような配慮の必要を認めません」

 

「そおれっ!」

 

短い会話の間にスパイダーマンが夜見の顔面に向けてウェブシューターを構えてクモ糸を飛ばすと姿勢を低くして回避した直後にエレンに斬りかかられる。

 

横一閃をも回避に成功するが狙いはポケットであり、一瞬の内にノロのアンプルを掠め取り手に入れる。

昨夜の戦いで連携を行うことで息を会わせてショッカーに勝利できたた感覚が残っているためか咄嗟の行動でもエレンはある程度スパイダーマンに合わせることができたのであった。

 

「君は昨日の戦いで疲れてるだろうから先に行って!ここは僕が!喰らえ!ショックブラスター!」

 

「ハイデス!」

 

スパイダーマンは一瞬の内に隊員の装備を棄ててHUD(ヘッドアップディスプレイ)に接続してウェブシューターのモードを切り替えて衝撃波を飛ばすショックブラスターを選択して2mの距離もない夜見に当てるのは難しくなく、ウェブシューターから放出された衝撃波が避ける隙間もなく直撃して夜見が後方に向かって飛ばされ、カーテンや救護道具を薙ぎ倒し床に散乱させる。

スパイダーマンは夜見が尻餅を着くと同時に夜見の手元に向けてクモ糸を当てて地面に貼りつける。

 

消耗しているエレンはすぐに救護テントから脱出し、森の中へと走っていく。

 

「手から蝶を出すなんてスゴい手品だね!タネ教えてくんない?」

 

「これから捕まえられる貴方が、知る必要の無いことです」

 

 

夜見が八幡力を発動してクモ糸を剥がしてスパイダーマンと対峙し、スパイダーマンは軽口を叩き夜見はまともに相手にせずに睨み合いを利かせて臨戦態勢に入る。

 

 

そしてその直後テントの外、エレンが逃げた方向で重量の重い何かが地面に激突した轟音が響き渡り、地響きが起きる。

 




エンドゲーム見て参りました。
3時間の上映は流石に疲れましたが11年の集大成として
素晴らしい映画でした。誰が好きでも楽しめると思います。
熱いとエモいしか言えない位語彙力低下し、年甲斐も無く泣いちゃいましたwww
取り敢えず長くなる前に言わせてくれ、トニピタはいいぞ!


余談:MCUのフェーズ3ってエンドケームで終わりじゃなくてファーフロムホームで終わりなんすね。
てことはフェーズ4の最初は新キャラのソロ映画か続編決まってる陛下かストレンジ続編辺りでしょうかね。
とりまファーフロムホーム楽しみっす。
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