IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第7話 シャルルの闇と一夏による希望
ボディーソープがない事に気が付き、シャワールームから出てみると一夏がいた。み、見られた、見られた、見られた、見られた、見られた、見られた、みられた、ミラレタ、mirareta。ああ、一夏に僕の素性が明らかになってしまった。決定的だ。終わった。
「はっ、シャルル?シャルルゥゥゥーーーー!!!!????」
一夏の声を最後に僕は意識を手放した。
*一夏サイド
「シャルルが倒れてしまった」
ええと、シャルルだよな?うん、間違いない。この後どうしよう。
「とりあえず切腹するか?」(*現在、絶賛混乱中のため、一夏は正式な思考を伴っておりません)
いや待てよ刀がない。ああそうだ、箒が持っているじゃないか。とりあえず箒に電話を掛ければいいから刀の件はよしとしよう。さて次はシャルルだ。男のふりをしていたからにはなにか理由があるに違いない。どうすればいいだろう。そうだこういう時は仭に聞くとしよう。あいつならこのことは黙ってくれるだろうし、何とかしてくれるだろう。そう思い俺は仭に電話をかける。
*仭サイド
とりあえず一夏に整備室は使えないと言い、自分の部屋(千冬さんの部屋)に戻る。今はいないが千冬さんがいると必ず下着かビール缶が落ちている。そのため毎日掃除をするが今は汚くないのでとりあえずナイフやブレードを研ぐ。俺も一応護身用に持っているのだ。まあ、ナイフの方は8本はさすがに持ちすぎか?後他に特製手榴弾や閃光手榴弾などピンが抜けないか確かめる。爆発する物はなにかの拍子に爆発すると危険なので持っていない。その時携帯電話がなった。誰か確かめてみると
(…また一夏か、今度はなんだ?)
でてみるととんでもないことを言い出した。
「仭、俺自害するわ」
「いきなりどうした?」
こんな問題発言をしたのは長い付き合いでも初めてだ。
「とりあえずシャルルのこと、後は頼む。じゃあな楽しかっt「待て待て待て待て、とりあえず死ぬ前に何があったか説明しろや」
回線にプロテクトをかけ、一夏の話を聞く。プロテクトはノートパソコンで行った。当然普通のやつじゃない。IS技術者は情報を盗まれやすいのでこういう特別なやつを使い、俺は両親をサポートしていた。ちなみに両親からもらったものである。話を聞いて予想通りだった。
「ああ、シャルルはやっぱり女子だったか」
「知ってたのか?」
「確証はないが可能性は高いと思った。見た目や仕草は男らしいが、男の割に声が高いし、体付きも細い。それに俺らと着替えたがらないのはさすがにな、怪しいと思うだろ?」
「いや、箱入り息子だと聞かされていたから全然」
箱入り息子?まあいいや。
「まあ、おそらくお前と俺のデータが目的だ。おおかた同じ男としてなら近づけると思ってたのだろう。俺はあまり能力が見られないからわかりやすいお前の方から近づいたのだろう。俺の方にはあまり話しかけて来なかったからな」
「なっ、シャルルはそんな奴じゃねえ!!」
「なら男装はどう説明する?まあ確かにあいつは優しい。嘘は感じられないし本心だろう。本人の意思じゃない可能性が高い。とりあえず話だけでも聞いてみたらどうだ?っと、そういえばその本人は?」
「…俺に裸見られて気絶してる」
…とりあえず先にその話をしとけよ。裸見て女子とわかったとは聞いたけど気絶したとは聞いてないぞ?風邪引くだろ。てか自殺するってそういうことかよ。まったく話が見えて来なかった。そりゃ本人からしたらショックだったろうがそのせいでお前死んだら絶対後追うぞ。
「はあ、タオル体に巻いてベットに寝かしとけ。布団もかけろよ。俺もお前の部屋に向かうから誰も部屋へ上げるな」
いろいろ忠告して俺は一夏の部屋に向かう。
*一夏サイド
その後仭が俺の部屋に来てから数分たってシャルルが起き、仭がいるのに驚いていたが服を着てこいと指摘され、俺達が後ろをむいている間に逃げるようにシャワールームに向かった。それからさらに数分たち、シャルルがシャワールームから出てき、仭がいることについて俺が訳を話すと納得したらしかった。ちなみに今の姿は男装用に特性コルセットを装着していない今、スポーツジャージでは体のラインが出ている。やっぱり、意識してしまう……。シャルルから話を切り出した。
「………仭は僕の正体わかってたみたいだね」
「隣の男子は違和感は感じていたみたいだが、まったく疑ってなかったけどな」
皮肉まじりに言ってくるが俺は無視する。
「さてシャルル、なんで男装なんかしてたか自分で話してもらえるか?」
「お前が寝てる間に一夏に俺の推測は話したがその通りと言えないからな」
「…………多分仭の推測通りだよ。僕はデュノア社に送り込まれた。父の命令でね」
「…そんな事だろうと思った」
仭は大方予想通りだったのかため息をつく。
「デュノア社が経営不振に陥っていることは知ってるよね?」
「ああ、幾ら世界で3位のISシェアを持っているとは言え、所詮第2世代までだろう。元々第3世代の開発研究がヨーロッパの他の国家と比べて大幅に遅れていたからな。たしかイグニッションプランからも除名されていて、何らかの成果が見られないとISの研究開発許可を取り上げるらしかったな」
仭がわかりやすく説明する。
「詳しいね、うん、それで僕の出番だったんだ。男がISを使えるってことになれば会社の広告塔にもなるし、それに……」
「…同じ男子なら俺達と接触しやすいってことか?」
「一夏…うん、その通りだよ」
本当に仭の予想通りになってしまった。シャルルの父親はたまたまIS適性の高かったシャルルを一方的に利用しているだけであった。俺は実の娘を道具の様に使うシャルルの父親に激しい怒りがこみ上げる。
「僕は2人のISのデータを盗って来いって命令されてたんだ。そのデータがあれば第3世代を作ることも夢じゃないって考えたんだろうね」
その話を聞いて俺はシャルルの父親に腹が立ってくる。
「シャルル、さっきから命令などと言っているが、それほどにおまえの父親はひどい男なのか?」
仭が俺の考えを察してか、シャルルに聞く。
「仭、僕はね、正妻の子じゃないんだ。愛人の子なんだよ」
「なっ!」
その言葉に俺だけでなく仭も予想外だったのか驚いた。
「2年前、お母さんが亡くなった時に父の部下がやってきて引き取られたんだ、色々と検査する過程でIS適性が高いことが解って、非公式だけどデュノア社のテストパイロットをやることになったんだ」
シャルルの声はただ健気で、どこか乾いていた。自分の心の傷を切り開くかのように、シャルルは淡々と話を続けた。
「父に会ったのは2回ぐらいで会話は数回ぐらい。本妻の人には1度だけ会ったけど、『泥棒猫の娘が!』って殴られたんだ、お母さんもちょっとくらい教えてくれたら、あんなに戸惑わなかったのにね」
この時のシャルルの表情は達観しきったような、完全な諦観の念にあふれていた。いったいどれほどの居心地の悪さを感じて生きてきたんだろうか?
「まあ、こんなところかな、でもばれちゃったし、きっと僕は本国に呼び戻されるかな、デュノア社は潰れるか他社の傘下に入るか、僕にとってはどうでもいいことかな、はあ、話したら何か楽になったよ。2人とも聞いてくれてありがとう、そして、今まで嘘ついていてゴメン……」
「いいのか、それで」
「え……?」
俺は無意識のうちにシャルルの肩を掴んで顔を上げさせていた。黙って聞いていた仭も驚いていた様子が見られた。
「いいはずがないだろ、いくら親でも子供の自由を奪う権利なんてあるわけないだろ!」
「い、一夏?」
「おい、一夏」
シャルルは怯え、仭が止めに入ってくる。だがああ、駄目だ。言い出すのが止まらない。
「親がいなけりゃ子供は生まれない、そりゃそうだろうよ、でも、だからって親が子供を何したっていいなんて、そんな馬鹿なことがあるか! 生き方を選ぶ権利は誰にだって、そいつ自身にあるもんだろ!親なんかに邪魔される筋合いなんかない!!」
「おい、一夏少し落ち着け!お前の気持ちはわからなくはない、言い出したくなるのはわかるがいったん静まれ」
「ど、どうしたの?一夏、変だよ?」
「…ああ……悪い。つい熱くなってしまって」
「いいけど……本当にどうしたの?」
「…………」
「…こいつ……一夏と千冬さんは両親に捨てられたから」
「あ……」
*仭サイド
『両親不在』の意味を最初は分からなかったシャルルだが、俺の言葉で理解したらしく、シャルルは申し訳なさそうに顔を伏せる。
「俺の家族は千冬姉だけだ、だからもし……親が現れて同じ様に命令されたら、絶対に許せないと思う」
「……うん、そうだね……ゴメンね、嫌な事を思い出させちゃって……」
「気にするな」
俯いているシャルルの頭に一夏は手をのせなでるとシャルルは安心した顔になった。
「それで、シャルルはこれからどうするんだ?」
「どうもこうもないよ、フランス政府も事の真相を知ったら黙ってないだろうから代表候補生をおろされてよくて牢屋行きかな」
「いいのか、それで」
「いいも何も僕に選択する権利なんてないよ」
愛想笑いを浮かべるシャルル。
「なら「だったら、ここに居ろ」
「え?」
俺が言おうとするのを遮って一夏は語る。
「特記事項第21条、『本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国歌・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする』つまり、この学園にいれば、あと3年間は大丈夫だ、別に急ぐ必要もないし、3年もあればなんとかなる方法も見つけられるだろう、だけど決めるのはシャルルだ。まあ、考えてみてくれ」
おやおや、俺が言おうとしたことが取られてしまった。何も知らないと思っていたがなかなか勤勉じゃないか。
「…うん、考えてみる、ありがとう一夏」
満面の笑みので言う。…これは……
「一夏さん、いらっしゃいますか?」
セシリアの声だ。…やば
「ど、どうしよう一夏?」
「か、隠れろ」
「一夏さん?開けますわよ?
マ・ズ・イ
「と、とりあえずクローゼットに」
「だあっ、何でだよ!ベッドでいいって!」
なにやら言っているが俺は今ドアのほうに向かい、
「あら、仭さん」
「ああちょっと一夏がシャルルの様子を見ていてな」
少しだが時間稼ぎ成功。
「って何をしてますの?」
今現在布団をかぶっているシャルルに一夏が覆いかぶさっている状態だ。
「い、いやシャルルがちょっと具合が悪くてな」
「そ、そうなんだ」
せめてもう少し具合悪そうにしろや。
「ゴ、ゴホゴホ」
ああ、やっちまった。
「…日本では病人に覆いかぶさる治療法があるのかしら?」
ご、誤魔化せた。後そんな治療法は世界をいろいろ見たがないと思うぞセシリア。
「ところでセシリアは何をしに一夏の部屋に?」
「ああ、一夏さんに食事のお誘いを」
「一夏行ってきたらどうだ?シャルルは俺が見てるから」
「じゃあ行ってくるか」
「シャルルさん、一夏さんをお借りしますわね、お大事に」
「ゴホゴホ、ごゆっくり」
そう言い2人は部屋から食堂に向かって行った。いや連行されて行ったが正しいか?
サブタイトルがなかなか決まらないここ最近です。