IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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今回は前編、後編に別れます。


第3章 臨海学校(原作3巻から)
第21話 ある朝の出来事と騒動の火種?


第21話 ある朝の出来事と騒動の火種?

 

 

 放課後の廊下、赤い夕日が差し込む中一夏とシャルロットはお互い相手だけを視ていた。

 

「一夏……」

 

「シャルロット……」

 

 そこに言葉はいらなかった。夕日の日に照らされて、2つの影がお互いに引き合っていき―――――

 

「―――あ、れ?」

 

 目を開くと場所はさっきまでいた廊下ではなく、自室のベットの上。

 

「…………………」

 

 つまり、あれは夢。瞬きを数回したところでシャルロットはそう気づいた。ちなみに現在の時刻、早朝6時半。

 

「はぁぁぁぁぁぁ~、せめて後、数秒くらい見ていれば……」

 

 頭に流れる夢の内容を何度も再生し、そのたびに顔が熱くなるシャルロット。学年別トーナメントが先月となるほど時がたつ。一夏とは当然別室になったが1週間に2回は先程のような夢を見て、いないとわかっているがふと隣に横にやる。

 

「あれ?」

 

 隣のベットにルームメイトのラウラの姿がない。それに、ベットを使った形跡がなく、初めからそこにはいないようだった。

 

「……まあ、いっか」

 

 それよりも夢の続きだった。今から眠ればまた夢の続きが見られるかもしれないという願いを抱きながら布団に潜る。

 

 

 

 

 

*一夏サイド

 

 

 

 

 

「…ほら、起きろ」

 

「ん?」

 

 俺は仭に小声で起こされる。

 

「何だ?まだ朝早いじゃん」

 

「…………」

 

 無言で俺の隣を見てくる仭。ん?布団の中に膨らみがあるぞ!?おそるおそる布団をめくると

 

「ん…」

 

「ラ「はい、静かに」

 

 そこには裸のラウラがいて声を出しそうになった俺を仭が止める。

 

「…………………」

 

 とりあえず俺は仭の手をどけ、洗面所で顔を洗う。そして再びベッドを見る。

 

「はぁぁぁぁぁぁ」

 

「…本当に目が覚めたようだな」

 

 夢でも幻覚でもないことを再確認する。あの嫁発言以来、ちょくちょく俺にこういうことをする。食事中に同席、ISスーツを着る時、あげく入浴中にも現れた。そのたびに仭のアイアンクローや拳骨が炸裂するが。…そして小声でどうするか相談する。

 

「…どうするんだ仭、起こすか?」

 

「面倒なことになるのは見えてる。…仕方ない、部屋まで運ぼう。幸いまだ朝は早い」

 

「千冬姉を呼んだほうがいいんじゃないのか?」

 

「ならお前は女子陣に殺されたいのか?殺されなくても俺もお前も面倒ごとになるぞ?」

 

 …誤解だと話しても理解もせずに刀を振り回したり、ISを展開したりしてくる箒や専用機持ちの姿が浮かぶ。……仭の言うことを聞くとしよう。

 

「運ぼう」

 

「よし来た。…それでこいつの服がどこにもない」

 

「…おい、もしかしてこいつ」

 

「あえて言うな一夏、だからシーツを巻いてお前が運べ。俺は周りに人がいるか確かめる」

 

「わかった。でも鍵はどうするんだ?」

 

「それぐらいピッキングで俺が開ける」

 

「いや、駄目だろ。それ」

 

「人は正しさだけじゃ生きていけない」

 

「…………」

 

 こうして俺達は部屋を出て誰にも会わなかったのでいける、と思ったが……

 

「何があった?」

 

 千冬姉降臨。ラウラの部屋の少し前でばったり遭遇。そして問いただされてる。まあ裸(シーツを身体に巻いている)のラウラを運んでいるのを見たら誰だって問いただすだろう。横では仭が『何故だ?気配がしなかったぞ?』と驚いている。そして現在事情を説明。まず千冬姉怖いからその威圧感やめて。ラウラがうなされてるんだけど!?

 

「そうか、では鍵を開けておくからお前が運べ」

 

「えっ?織斑先生が運んでくれないんですか?」

 

「私には仕事があるからな」

 

 結局俺が運ぶことになったが仭は最後まで付き合ってくれた。そしてラウラをベッドに寝かし、そのまま部屋をさる。仭は部屋の鍵を閉めていたため1人で先に戻って部屋に帰ると『どこに行っていた一夏?』と箒の姿があった。ありのままに説明していくと『そこに直れ一夏ぁぁぁぁぁぁ!!成敗してくれるぅぅぅ!!!!』と最後まで話を聞かずに真剣持って襲い掛かってきた。まあ、仭に鍛えられているため無力化して取り押さえたが。

 

 

 

 

 

*仭サイド

 

 

 

 

 

「す、すまない。少し気が動転して」

 

「まあ、誤解も招くようなこと最初から言う一夏も悪いからな。けど真剣はやりすぎだ」

 

「「悪かった」」

 

 ちなみに現在食堂にいる。突然部屋が騒がしくなったので急いで部屋に入ると一夏が箒を取り押さえていて、程なくして状況を理解した俺は箒にラウラの件を説明し、それが終わって食堂に向かうことになったため現在に至る。道中一夏に抑えられていたのを思い出して赤面してたが。

ったく、これのせいで朝の訓練時間が減ったじゃねぇか。

 

「おっ、ラウラおはよう」

 

「あ、ああおはよう」

 

「…………………」

 

 ラウラが食堂に来て、一夏が挨拶をし、箒はあまり表情にだしてないが睨んでいる。ちなみにラウラの件は黙っておこうという話になった。なぜか?問いただしても『日本では夫婦と一緒に寝るのがしきたりだと聞いたが?』とか言ってくるぞと言ったら2人は黙った。ラウラが座ってくるが何かボーッとしている。箒に関してはまだ睨んでいる。

 

(…おそらく『なぜ私は自分の部屋にいたのだ?確かに一夏の部屋に入ったはずだが…夢だったのか?』とでも思ってるんだろうなぁ)

 

 と考えながら朝食を食べていると

 

「わああっ!ち、遅刻、遅刻する!!」

 

 と不意に珍しい声が聞こえてくる。

 

「よ、シャルロット」

 

「どうしたそんなに急いで?寝坊か?」

 

「あっ、一夏、仭、お、おはよう。ちょっと寝坊しちゃって」

 

「ふーん」

 

「そうか」

 

「気にならないの?」

 

「いや、訳あって部屋にいったからな、めちゃくちゃいい笑顔だったからいい夢みてたんだろ?」

 

「この世の幸福すべてを実感してるって顔だった」

 

 顔を一気に赤面するシャルロット。ちなみに未だラウラはボーッとしていて箒は話を聞いていなかった。何か考えていたように見える。もう俺と一夏は食べ終えてしまったぞ。

 

「っとお前ら食べるの急いだほうがいいぞ?」

 

「「「えっ?」」」

 

 一夏の言葉に声を揃える3人。

 

「…まあ遅れてもいいならいいが。行こう一夏」

 

 そして俺達は教室に向かう。

 

「どうしてあんなこと言ったんだろ?」

 

「遅れるって…何がだ?」

 

「う~む…あ!」

 

「どうした、ラウラ!」

 

「何かわかったのラウラ?」

 

「ホームルームに遅れる」

 

「「あ!!」」

 

「し、しかも今日は教官が担当だ」

 

「「え~!!!!!!!」」

 

 後ろから声が聞こえるがスルーしよう。ホームルームに遅れるって言えばよかっただと?そしたら待つよう言われ、全員死が決定する。ひどい?今回の場合、犠牲は少ない方がいい。

 そして俺達は間に合ったが3人は当然遅れ千冬さんに叩かれたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

*一夏サイド

 

 

 

 

 

 それから数日後。俺とシャルロットと2人でレールウェイに乗って街へと出かけていた。

 

「ねえ、一夏?」

 

「うん?」

 

「どうして僕を誘ってくれたの?」

 

 週末の日曜日である今日、俺は来週ある臨海学校のために昨日シャルロットに『2人で水着買いに行こうぜ』とメールを送ったのである。その後すぐ、いや、2,3秒ぐらいしか経ってないのにOKの返信が来た。…いや、まさかな、俺の感覚がおかしかったんだろう。

 

「本当は仭も誘いたかったんだけど別の人と行くみたいだったからな、でシャルロットはまだ女物の水着持ってないだろ?俺も買わなきゃだしついでにさ」

 

「ついで…」

 

 途端にシャルロットを包んでいた空気が一気にどす黒くなり、輝いていた目も虚ろになる。あれ、俺なんかマズったか?「当たり前だ」おいっ!誰だ本当に言ってる奴は!?

 

「まあ!どうせそんなことだろうと思ってたけどね!」

 

「ど、どうしたんだシャルロット?」

 

「一夏」

 

「お、おう」

 

「乙女の純情をもてあそぶ男は馬に蹴られて死ぬといいよ」

 

「おうそうだな、確かにそんな男は最低だな」

 

「…鏡を見なよ。はぁ」

 

「?」

 

 

 

 駅につき、まだ膨れっ面のシャルロットを連れて降りる。本当にどうしたんだ?「わからないのか雑種」おいちょっと待て、この作品でそいつ出すのはマズくないか?…とりあえず先程のことを逸らすのもかねて俺は前から疑問だったことを聞いてみる。

 

「…なあシャルロット。1つ聞いてもいいか?」

 

「何かな」

 

 うっ、やっぱり怒っている。

 

「何で女子として再転入なんてしたんだ?俺はてっきりまだ男装を続けるって思ったんだが?」

 

「うーん、女の子として一夏に見て欲しかったというか、その…2人きりのときだけってのも変っていうか、やっぱり卑怯っていうか…」

 

「?まあとやかくは言わないが…あ、そうだ。だったら俺達だけの呼び名を考えるか。ほら、2人きりの時だけシャルロットって呼ぶって言ったけどこれだと皆そう呼ぶし」

 

「えっ、いいの!?」

 

 不機嫌だった顔が驚愕、そして歓喜へと変わる。そんなに嬉しいのか?よくわからない奴だ。

 

「えーっと…じゃあシャルなんてどうだ?親しみやすいし」

 

「シャル…シャルかぁ…うん、うんいいよ!ありがと一夏!凄くいいよ!!」

 

「そ、そうか、それはよかった」

 

「…でもまださっきのことは許してないよ?」

 

 ぐあ、まだ機嫌が直ってなかったか。

 

「じゃあどうしたら許してくれるんだ?」

 

「じゃ、はい」

 

 いきなり手を差し出される。どういう意味だ?

 

「手を繋いでくれたらいいよ」

 

「ああ、はぐれたら大変だもんな、ほい」

 

「あ、ありがとう」

 

「?どうしたんだ?」

 

 手を繋ぐと急に俯くシャル。

 

「な、何が?」

 

「いや、お前が、帰って休むか?」

 

「う、ううん、大丈夫」

 

「じゃあ行こうか」

 

「う、うん」

 

 そして俺はシャルを連れて行く。

 

 

 

 

 

*第3者サイド

 

 

 

 

 

「…………………」

 

「…………………」

 

 一夏達の後方。物陰に隠れ、2人の様子を伺っている人影が2つ。セシリアと鈴である。

 

「……ねぇ」

 

「……何ですの?」

 

「……あれ、手ぇ握ってない?」

 

「……握ってますわね」

 

「そっか、あたしの見間違いでも白昼夢でもなく、やっぱりそっか。―――よし、殺そう!!!」

 

 握りしめた鈴の拳はすでに、ISが部分展開していて衝撃砲発射までおよそ2秒。

 

「そんな理由でISを展開するんじゃねぇよ……」

 

「グエッ!!」

 

 衝撃砲を放とうとした鈴の頭上から拳骨が炸裂する。

 

「誰よ!邪魔するのは!!って仭!!」

 

「そうだ、俺だ馬鹿。ISを使うのは禁止されているだろうが」

 

「てかそんな理由って何よ!!」

 

「そうですわ!私達にとっては大事なことですのよ!!」

 

「やかましい。どの道くだらねぇ理由には変わりねぇし、IS使う理由にもならん」

 

 ちなみに仭の後ろにはラウラもいた。

 

「ラウラさんも!2人共どうしてここに?」

 

「私は一夏を追いに来ただけだ。師匠とは偶然だ」

 

「ああ、俺は別にお前ら2人のようにこそこそ尾行とかしてるわけじゃないぞ」

 

「じゃあ何をしに来てるのでしょう?」

 

「ある人と一緒に買い物をする約束でな、まあとりあえず水着を買うんだが」

 

「そ、そうですの」

 

「では私は行くとしよう」

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

「そうですわ!追ってどうしますの!?」

 

「あの2人に交ざる。それだけだ」

 

「ま、待ちなさいよ。ここは情報収集が先決よ」

 

「ふむ、一理あるな。ではどうする?」

 

「ここは追跡の後、2人の関係がどうなのか見極めるべきですわ」

 

「なるほど、ではそうしよう」

 

「はあ、俺は行くけど、余り騒ぎを起こすなよ?さっき会ったばっかだけどお前らを見かけて待たしてるんだ」

 

『わかった(わかりましたわ)』

 

「じゃあな」

 

 そして仭は待ち合わせの人のところへと行った。しかしその後簪が走ってきた。

 

「あ、あれみんな!?」

 

「簪!あんたどうしたの!?」

 

「あなたも一夏さんを?」

 

「えっ?何のこと!?私は仭が、誰か綺麗な人と…一緒に歩いてるのを見たから…」

 

「師匠が!?くっ、それは気になるな…それが師匠の言ってた待ち合わせの人か…どうする、一夏とシャルロットの方も気になるが…」

 

「えっ!?一夏とシャルロットが?…どうしよう、それも気になるし…」

 

「まあ、落ち着きなさいあんたら」

 

「「これが落ち着いて!!」」

 

「だから落ち着きなさいって、一夏はこの前水着を買いに行くって言ってたから多分最初に水着売り場に行くはずよ」

 

「「「なるほど」」」

 

「でさっき仭も水着を買うって言ってたわ」

 

「「「つまり」」」

 

「水着売り場に行けば両方確かめられるわ」

 

 その鈴の言葉で日本、イギリス、中国、ドイツの代表候補生の追跡メンバーが結成された。

 それぞれ一夏とシャルロットはデートをしているのか、仭は誰と一緒にいるのか、そしてどういう関係なのかを胸に秘めて。

 

 

 

 




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