IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第22話 買い物と騒動
「えーっと、水着売り場はここだな」
俺達は駅前のショッピングモール『レゾナンス』の2階にいた。(詳しい詳細は原作2巻で)
「じゃあ、男と女は売り場が違うし、ここで別れるか」
「あっ……」
「ん?どうかしたか?」
手を離すと何故かシャルは心残りのあるような声を漏らす。
「あっ、ううん何でもないよ」
「そっか。じゃあとりあえず30分後な」
「うん、わかった」
そう言いシャルと俺は別れる。
*仭サイド(一夏とシャルロットが水着売り場に着く10分程前)
「あれ仭か?」
「ん?」
弾と会った。
「お前も買い物か?」
「まあな。蘭もいたんだけど、今はトイレだ」
「ああ、だからそんなに荷物を持っているのか」
弾は大荷物だった。何故か?おそらく蘭の買い物に付きあわせられているのだろう。
「んで、お前は1人なのか?」
「いや、ある人と一緒。蘭と同じでトイレだ」
「ほう、もしかして彼女か?」
「さあどうだろうな?まあ、女性とだけ言っておこう」
「んだよ、はっきりしねえなあ」
ちなみにアリィでもレイラでもないぞ?
「で俺はまあ水着を買いに来たんだが、その連れの人の買い物にも付き合うことにもなってな」
「へー、どうせなら見てみたいんだが蘭がな…」
「あれ?仭さん?」
噂をすれば何とやら。兄よりしっかりしている妹の蘭が来た。
「よう蘭、半月ぶりか?」
「あ、どうも仭さん」
「蘭、遅かったな。そんなにトイレが混んでたのか?」
おい弾、女性にトイレの話をするもんじゃないぞ。
「うん、ごめん。ちょっと綺麗な人に見とれてたら遅くなっちゃって」
おや、もしや…
「綺麗な…?どんな人だ?」
「髪が背中ぐらいまでかかってる長い人だった」
「もしかして黒髪か蘭?」
「あ、はいそうでした」
ああ、やっぱりか。すると蘭が来た方向から声がかかる
「ごめんなさい仭君、待たせちゃって」
「いえ、大丈夫ですよニアさん」
予想通り蘭の言う綺麗な人はこの人だった。この人はニア・デュアルリィ、俺より2つ年上である。俺やアリィより漆黒の黒髪で背中辺りまでかかっている。色白で端整な美人で性格は優しく、やわらかな女性であり、実は高級ホテル『テレシア』に働いている。そして……この後の話は後に話すとしよう。
「おい仭、もしかしてこの人が連れの人か?」
「ああ、そうだが?ちなみに『テレシア』で働いている」
…周りからの視線が痛い。ニアさんのせいだな。
「仭君、この2人は?」
「俺の知り合いです」
「 五反田弾です」
「ご、五反田蘭です」
「あなた達が弾君と蘭さんですね」
「もしかして仭の恋人何でしょうか?」
「ふふ、さあどうかしら」
俺と同じ事を…
「弾、変なこと聞くなよ…そうだ蘭、この人は相談とかに乗るのが得意だぞ?何かあったら相談に乗ったらどうだ?」
「私は接客をしてても、料理を運んだり、そのお客様の話を聞いたり、それについて意見を言ったり何だけどね」
「それが評判になって相談してもらうためにホテルで食事を予約する人が多くいるのですが?」
その時ちょっと変化があるのだがな。
「それで蘭さん」
「は、はい」
「あなた恋をしてるわね?」
「えっ?な、何でわかったんですか?」
「女の勘よ」
「中学生に堂々と嘘をつかないでもらいません?」
「あらごめんなさい、本当は仭君から聞いたの」
「ちょ、仭さん!?」
「大丈夫よ、その努力は怠らないようにね」
「は、はい」
「じゃあ私達は用があるので行きますね」
「じゃあな2人とも」
そう言い俺とニアさんは五反田兄妹と別れる。…しかしあいつらもしつこいな。ISをステルスモードにしてバレないようにして追ってるつもりだろうが、俺達は気付いているし、わかってる。ニアさんも気付いているが、俺が事情を話したら理解した。ニアさんはどうやって気付いたかと?代表候補生による視線と気配が感じるからだよ。俺もであるが、ラウラはマシだった。
*一夏サイド
(……どうしてこうなってるんだろう?)
とりあえず何があったか再確認しよう。えっと確か水着選びが終わってその後シャルに水着を見て欲しいって言われついていったら見知らぬ女性に話しかけられた。
「ちょっとそこのあなた、これ戻しておきなさい」
声をかけられたほうを見ればそこにはいかにもって感じな女性が水着を俺に渡そうとしているところだった。
「嫌に決まってんだろ、自分で出し物くらい自分でしまえ」
「ふん、男のくせに生意気ね。私が警備員を呼んだらどうなるかしら?」
それで俺が適当に返してるとほんとに呼んだらしかった。警備員らしき人物がやってきて女性に話を聞いていたが、デタラメをめちゃくちゃに言っていた。
「君、彼女が言ってたことは本当かい?」
「暴力をふるったって言ってたならそれは違います。というかあっちが勝手に俺に命令してきてそれを俺が拒否しただけですから」
仭に教わった穏便に済ませる方法を俺はしている。
「ふん、何を言ってるのよ。デタラメを言ってるんじゃないわよ」
お前だろうがと言いたくなる。どうするか考えていると
「デタラメを言ってるのはそっちですよ警備員さん」
「さっきの一部始終を見てましたけど悪いのは女性です」
すると突然声がした方に向くとアリィとレイラがいた。
「あなた達何を―――「ちなみにさっきの言い争いを全部録音してありますが?」
アリィがそう言った瞬間すぐに女性が走り去っていった。…速い。
「どうする一夏君?一応携帯で顔写真も撮ってあるからそれを見せればすぐ捕まえられるけど?」
「いやいい、警備員さんも戻っていいですよ?」
そこまでしてたかと思いながら警備員を戻らせる。警備員は失礼しましたと一言言って、店の奥に戻っていった。
「ありがとな2人とも」
「どういたしまして」
「で2人も水着を買いに?」
「その通りです。なら一夏さんもですか?というか何でここに」
「あっ、実はシャルに―――「一夏!」――シャル」
噂をすれば来たシャル。
「ごめんね一夏、嫌な思いをさせちゃって」
「いや、大丈夫だ」
「それで、えっと水着を見てもらいんだけど」
「おう」
そう、そして俺を試着室に引っ張り込んで
「…え~と、シャルロットさん?」
「な、何?」
いや、何って言われてもな…
「どうして、一緒に試着室に入るんかな~って?」
「え、え~と…ほ、ほら、水着って実際に着てみないとわかんないし、ね?」
いや、『ね?』って言われても…
「だ、大丈夫!時間はかからないから!」
そう言うなり、上着を脱ぎだして着替え始めたのである。で、後ろの方を向いている。
「もう、いいよ」
「お、おう…」
振り返ると、鮮やかなイエローの…なんと表現すべきか、ワンピースとセパレートの中間みたいな水着を着たシャルが立っていた。さらに正面のデザインは程よく膨らんだ胸の谷間が見事に強調された作りになっている。
「変、かな…?」
「いや、そんな事ないぞ!すごくいいと思う!」
「そっか。じゃあこれにしようかな」
そう言ったシャルに止められる前に俺は試着室を出ようとカーテンを開けると
「え?」
「えっ?」
「ええっ?」
そこには山田先生がいてその後ろには
「何をしているか、馬鹿者が……」
「………………」
状況が見えて頭を抱える千冬姉と、こちらを見まいと後ろを向く仭がいた。
*仭サイド
「いいですか? クラスメイトって言ってもケジメはつけないといけません。試着室に男女2人で入るのは駄目です」
「「はい…」」
一夏と(着替えた)シャルロットを床に正座させ、2人と同じ視線で説教する山田先生。つまり山田先生も正座をしている。というか一夏、シャルロットをあだ名で呼んでたな。…多分本人はあれだろうが。
「わかってくれて嬉しいです!もうしないと誓えますね?」
「はい、それはまぁ……ところで、先生達はなぜここに…?」
「いや一夏、水着を買いに2人は来たんだろうが」
「それぐらいわかるだろう」
「じゃあ何でお前がいるんだ!?」
「こっちの台詞だ!」
「一夏さんはシャルロットの水着を見ようとこっちに来たんですよ」
「まさかシャルロットが更衣室に連れ込むとは思わなかったけど」
「お前らか、なるほどな」
騒ぎを聞きつけたのかアリィとレイラが来て説明してくれる。
「ところでそろそろ出てきた方がいいんじゃないか?」
一夏が言うとギクッx3が聞こえた気がする。そして鈴、セシリア、簪が出てきた。
「一夏に気付かれるようなら終わりだなお前ら、尾行とか向いてないぞ?」
「どういう意味だよ仭。視線をめちゃくちゃ感じていたし、何をこそこそしてるのかずっと気になってたんだがな」
「じょ、女子には男子に知られたくない買い物があんの!」
「そ、そうですわ!まったく、一夏さんのデリカシーのなさには呆れてしまいますわね」
「一夏は、気にしなくていい」
そういえばラウラはどうしたんだろうか。
「で仭、何でここにいるんだよ」
「ああ、そういえば言ってなかったな」
「そいつはデートしてんのよ」
「デート?その2人とか?」
「いえ、私達は2人で来ましたから」
「デートって何言ってるんだお前ら?」
「とぼけないでください!!」
「ネタはもう挙がってるのよ!!」
何をそんなに怒ってるんだ?自分はデートをしたことがないからか?俺は任務でそういう事はしたことがあるが。というか刑事か。
「誰と仭は来てたんだお前ら?」
「えっと、綺麗な人と」
「ああ、そういうことか。その人は――「あら仭君、どうかしたの?」――ニアさん」
ってまたこの展開かよ。
「あ、この人よ!!」
「えっ、誰だ仭!!」
「いったん黙れ」
俺がアイアンクローの構えをすると全員黙った。
「あっ、ニアさんじゃないですか」
「お久しぶりです」
「あら、アリィとレイラもいたの」
「…とりあえずニアさん、固まっている連中に話してくれませんか?」
「あら、ごめんなさい。私はニア・デュアルリィと言います。ホテル『テレシア』で働いています」
「えっともしかして仭と付き合ってるんですか?」
「ふふ、どうかしら?」
「ちゃんとNoと答えてくださいよ。で俺が何でここにいるかだがニアさんの買い物に俺は付き合うことになってな、で俺は水着を買おうと水着売り場に来たわけだがニアさんも買うらしくて別れたんだ。けどすぐに決まってそれでこっちに来たら教師2人に会って何でここにいるのか説明してる途中にこの騒ぎ」
「そういうことだ。まあ、我々もさっさと買い物を済まして退散するとしよう」
周りの視線が痛い中、千冬さんが話を終わらせる。
「あ~、私、まだ買うものが残ってましたからちょっと失礼しますね!場所がわからないので、凰さんとオルコットさん、デュノアさんと更識さん、マーフェウスさんとハーベストさんも来てください!」
「ごめんなさい、私達まだ買い物があるので失礼しますね」
「え?えっ?」
「え?あ、あの…!」
「ど、どうして!?」
「何ですの、いったい!?」
アリィとレイラはそのままどこかへ行ってしまい、そして2人以外の4人を連れて向こうに行く。その瞬間千冬さんにアイコンタクトをする。ああ、なるほど。
「じゃあ俺達も行くとしますかニアさん」
「そうしましょうか」
そして千冬さんと一夏がその場に残る。さて買い物の続きだな、といっても荷物持ちだろうが。
*一夏サイド
「まったく、余計な気をつかう…一夏」
「何ですか、織斑先生?」
「今は名前でいい。私達はこの場ではただの姉弟だろ」
「じゃあ千冬姉」
「よし。では、せっかくの姉弟水入らずだ。弟にでも水着を選んでもらうとするか」
そう言うと千冬姉が白と黒の水着を手に取って見せる。
「白と黒どっちがいいと思う?」
「(これは…黒の方か?)…黒の方」
「正直だな」
「仭に『お前は千冬さんにはそういうことは簡単に見抜かれるから』って前に言ってたからな」
「そうか、でお前は最近はどうだ?」
「学園生活か?楽しんだり一生懸命やってるけど?」
「質問が悪かったな、異性とはどんな感じだと聞いている」
「?仲良くやってるけど?」
「………………」
俺を見る目が冷たくなる。えっ?何で?
「…単刀直入に言うとしよう。お前もいい年頃だから彼女を作らないのか?」
「そう言われてもな、まだそういうのは考えられないよ」
「ふう、まったくお前は…」
「てか仭の方はどうなんだ?」
「あいつはお前と違ってしっかりしてるだろ、現にお前の勉強や訓練を見てくれているだろうが」
「まあ、確かに」
「あいつは勝手に彼女でも作るだろう、お前はそうだな…ラウラなんかはどうだ?」
「そりゃラウラは可愛いけどさ、でもやっぱり今はみんなといい思い出を作る方がいいな」
「…そうか。まあ、その方がお前にとっていいかもしれないな」
そう言って千冬姉はレジの方に行く。
*第3者サイド
時間は10分前にさかのぼり、4人の追跡メンバーがシャルロットと一夏を追跡していたが、一夏の反応ですぐに全員がいつものあれかと気付く。そういうわけで仭の方も確かめるがお互いがお互い普通の反応だったので買い物にでも付き合ってるのだろうとラウラは理解した。
(しかし師匠は尾行に気付いていたな)
尾行が早々に仭に気付かれていたことがわかったので離れるように、とりあえず水着売り場へ移動する。そこで水着を見るが学校指定の水着でもいいかなと考えていると
「そりゃラウラは可愛いけどさ」
いきなり一夏の声が聞こえ、白い肌がボッと赤く染まる。千冬と2人で話していたことは認識してたが盗み聞きをしていたわけではなく、意識していなかったところへの不意打ちであった。そして
「水着を選ぶのは大事だよねー」
「うん、水着がかっこ悪かったら致命的だもんねー」
と女性客の声が聞こえ、即座にISのプライベート・チャネルを開く。
*ラウラサイド
「クラリッサか?」
『はい隊長。何か緊急ですか?』
「いや、少し助言を借りたい」
水着については少なくとも私より詳しいとそう信頼し、私は年上の部下に連絡を入れた。
『何でしょうか?私で分かる事なら…』
「ああ。もうすぐ臨海学校があるのだが、そこで水着が必要になる。生徒の自主性に任せられるという事なのだが、どれを選べばいいのかがわからん」
『ふむ…隊長はどのような水着を現在所持しておられますか?』
「学校指定の水着が1着だ。正直これでもいいかと…」
『何を馬鹿なことを!!』
「!?」
途端にクラリッサが大声を出した。
『確かIS学園の水着は旧型スクール水着でしたね?なるほど、確かに隊長はそれが似合うでしょう…しかし!』
「し、しかし?」
『それでは色物の域を出ない!!』
「なっ!?」
雷で打たれたかのような衝撃だった。
『隊長、最近織斑一夏殿が気になると仰られてましたね?確かに隊長は豊満なボディで相手を篭絡するタイプではありません。しかしそこで際物に逃げるようでは気になるあいつから先には進まないのです!!』
「な、ならばどうすれば?」
『私に策があります。ところで…』
「?」
*仭サイド
「ん?」
ニアさんと買い物を続けていると携帯が鳴った。どうやらラウラからだ。
「ニアさん、ちょっと待っててください」
と断って俺は携帯を開く。
『師匠!』
「どうしたラウラ?」
『その、今から知らない人がかけてきますから出てください』
「は?」
するとすぐに切れる。そしてまたかかってくる。…とりあえずラウラに言われたし出るか。
「もしもし?」
『あなたが黒崎仭殿ですか?』
「あなたは?」
『私、隊長の部隊の副隊長であるクラリッサ・ハルフォールです』
なるほど、ラウラから教わったわけか。ったく今度から勝手にアドレス教えないよう言わなきゃな。
「で何の用ですか?」
『実は・・・・・・・・・・・・・・・てほしいんです』
「なるほど、わかりました」
『ありがとうございます』
「それでは」
そう言って切る。そしてラウラにかけ直す。
『あっ、師匠!!』
「ったく次から勝手にアドレス教えるなよ?」
『す、すいません』
「まあ次からやめてくれ。で話は終わったぞ」
『そうですか。それでクラリッサとは何を話したのですか?』
「まあ、たいしたことじゃない」
『そうですか」』
まあ、その人から頼まれたことを実行するのはとりあえず臨海学校だな。何を頼まれたかはその日まで秘密だ。そしてニアさんの買い物に付き合い、帰る『何で私だけ連れて行かなかった!!!!』と一夏を追い回している箒の姿があった。どうやらあいつらと一緒に帰ったらしく誤解されたようだ。結局また俺が誤解を説かせることになったが…
新キャラ登場。臨海学校では出てこないので今は特に気にしないでいいです。