IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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プロローグです。随分と遅いですが。(汗)


第1章 やってきた転校生(原作2巻から)
第0話 もう1人のイレギュラー


第0話 もう1人のイレギュラー

 

 

 ここはとある場所の室内。そこである2人がいた。1人はポニーテールにしている黒髪をなびかせている女性。もう1人は同じく黒髪で肩まで伸ばした長髪の少年であった。

 

「話って何かしら?」

 

「ええ、奴…織斑一夏の件です」

 

 織斑一夏。”女性にしか反応しない”世界最強の兵器『インフィニット・ストラトス』、通称『IS』を男でありながら動かしてしまった男性である。男がISを動かすなど前例のない彼は、ひとまずIS学園へと時間稼ぎもとい、国家や組織からの干渉を逃れるために入学することになっている。

 

「彼ね…。それがどうかしたのかしら?」

 

「それに対し、此方から1人学園へ入学させることになってましたよね?」

 

「ええ、大体決まってるわよ。それがどうかした?」

 

「…俺が代わりに行きます」

 

「!?」

 

 少年は冗談で言ったわけではない。先に述べたように、彼は男である。そしてIS学園へ自分は入学すると言った。が、女性の驚いたところはそこではない。

 

「正気なの?それはあなたも…男でありながらISを動かしたことをバラすって意味よ?世界でISを使える男が2人になる。それは世界をさらに混乱させることになるわ」

 

「無論理解してます。しかし奴に近づいていく輩は多数いるでしょう?知り合いではない者より、ある者の俺の方が適任してるかと。もちろんそんな理由でというわけではありません。しかしただでさえ此方は警戒されていて、奴に近づこうとするのが勧誘と思われないためにも俺の方がいいです。男同士ならば自然ですし…何より――」

 

 少年は僅かに言葉を溜める。

 

「俺が()になることとてできるでしょう?そうなれば、此方が動きやすくなることもまた事実です」

 

「…けどあなたもかなり大変な目に会うわよ?」

 

「わかっています。俺はそれを百も承知でこうして頼んできてるわけです」

 

「……………」

 

 部屋に沈黙が入る。そして少し時間が経つと

 

「はぁ、わかったわ」

 

 女性の方が折れた。

 

「まったくあの時のことをこんな形で掘り返すことになるなんてね」

 

「えぇ…まさか俺もISを動かしてしまうとは…あの時のことは今でも記憶に残ってます」

 

 そう、彼も織斑一夏と同じくISを動かしたイレギュラーであった。

 

「…まあ、それはともかく”あのIS”を使うことになりますが…」

 

「ええ、そうなるわね。けど大丈夫かしら?」

 

「性能ですか?事実を言えばいいでしょう。此方に非はないわけですし」

 

「そうね…。どの道戦力が丁度欲しいと思ってた時でもあるわ」

 

「では学園へはいつぐらいに?」

 

「あなたもイレギュラーなんだから、少しはISの操縦をしとかないとマズイわよ。自衛できるように」

 

「まあ、やっぱりそうですよね。期間はどのくらいに?」

 

「…クラス対抗戦は、やれないでしょう?」

 

「初心者に普通クラス代表を選定させます?それに一夏の件で代表候補生が異常に増えることが予想されますし、仮に候補生と同じクラスにならなかったとしてもやらされませんよ」

 

 その推定は一夏によって見事に外れることになるのは後の話。

 

「そうよね。学年別トーナメントは学園が始まってから約2ヶ月後…2ヶ月くらいでいいかしら?」

 

「付け焼き刃でしょうが、マシでしょう。知識については大丈夫ですから…」

 

「そんな平行してできるわけないでしょう。実戦形式で戦って覚えなさい」

 

「…つまり模擬戦で…戦って技術を身に付けろ、と?」

 

「ええ」

 

「…………」

 

「大丈夫よ。手加減は彼女らだってしてくれるわよ」

 

「はぁ…」

 

 いくら何でもそれはどうかと思う。彼は内心そう思っていた。

 

「わかりましたよ。こうなったらとことんやってやります。で、俺が学園に転入して学年別トーナメントで実力をギャラリー…国のお偉いに見せつければ良いのでしょう?」

 

「ええ」

 

「では"あのIS"を用意しますので」

 

「わかったわ。でも、最終的にはあなたがIS操縦者としての戦力として申し分ないか否か、判断するわよ。期間は…早くて半年。長くても1年くらいかしらね」

 

「それで、場合によっては俺は…」

 

「その時の状況によるわね。けど、そうなる可能性は低いと言えるわ」

 

「…いくら何でも当然でしょう。たかだが半年では」

 

 彼自身もそのようなことは思っていない。

 

「それでも起こるかもしれない学園への襲撃に対応できるくらいにはなってもらうわよ。じゃあ、下がっていいわよ。ああ、それと他の者達には私から報告しておくから」

 

「頼みます。では、失礼しました」

 

 そう言って彼は頭を下げ、部屋から出る。

 

(さて、奴に会えるのは2ヶ月後か…。2年…いや3年ぶりだな。あいつは覚えてるかな?…まあ、覚えてなかったらなかったでその時だな)

 

 彼は廊下を歩きながらそう思う。

 

「…奴にもおそらく専用機が渡されるだろう。それであいつが強いんなら強いでいいが…精々俺が来る2ヶ月後まで死ぬなよ。一夏……」

 

 その独り言は誰にも届かなかった。

 

 

 

 そして2ヶ月後、世界で唯一ISを動かせる男性がもう1人IS学園へと転校してくる。この先波乱の幕開けが予想以上になることを、彼は思いもよらなかった。

 

 

 

 




まあ、オリ主がIS学園に入学する前の一部始終と思って下さい。次話から1話目です。
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