IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第1話 IS学園での再会
いつものように千冬姉と山田先生によって1年1組のホームルームが始まる。そんななか世界で唯一ISを使える男子、織斑一夏は昔の幼馴染のこと考えていた。
(そういえば、あいつ元気にしてるかな…)
3年前小学1年のころから仲の良かった幼馴染は、両親の都合で引っ越すことになり、一夏たちの前から姿を消した。一夏の悪友である弾と昨日その幼馴染のことでふいに話題になったのである。
(まっ、もう会うことはないだろうな)
--などと考えていると
「今日は皆さんにお知らせがあります。なんと、このクラスに転校生が3人来ます!」
えっ、転校生!?、3人も?、などと声が聞こえてくるなか、教室の扉が開き、3人の転校生と思われる人物たちが入ってきた。
ひとりは長い金髪を後ろで束ねている白人、もうひとりは左目に黒い眼帯をつけている銀髪でこちらも白人、金髪の方はズボンをはいているのに気付いたがしかし俺はその2人以外の3人目の黒髪で首のあたりまで後髪がかかり、前髪も若干かかっている転校生に集中していた。
「フランスから来ました、シャルル・デュノアです。僕と同じような境遇の人がいると聞いてきました。みなさん、よろしくお願いします」
その挨拶により俺は正気になり、恐らく来るであろう爆音に対して耳をふさぐ。
「きゃ……」
「はい?」
「きゃああああああ───っ!」
鼓膜が破れそうなほどの歓喜の叫びが起きる。俺の頭には先程の3人目の転校生のことなどすでに忘れていた。
「男子!2人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「美形!守ってあげたくなる系の!」
「地球に生まれて良かった~~~~!」
うるせぇ~~~~~~~~~!!!!!!!
「あー、騒ぐな。静かにしろ」
千冬姉の粛清が入る。
「………………」
2人目の銀髪は自己紹介が終わっても微動だにせず、俺たち全員を腕組みしたまま見下したような目つきで見ている。体全体からあふれ出る冷たいオーラが教室の雰囲気を異様なものに変えていた。
「え、えっと、ボーデヴィッヒさん? 自己紹介の方を……」
山田先生の言葉にも反応なし。
「……挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
ところが千冬姉の言葉には素直に応じて、軍人さながらの敬礼をする。
「ここではそう呼ぶな。それに、もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」
「了解しました」
敬礼を解き、こっちを向く。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「……………………」
名前だけか?俺の自己紹介より文字数少ないぞ。
「あ、あの、以上………ですか?」
「以上だ」
山田先生が訊くが、無慈悲な即答だった。
「っ! 貴様が――」
突然速い足取りで俺の方に向かってくるラウラ。そして右手を振り上げるのが見えた瞬間。
「やめておけ」
平手打ちが飛んでくると思っていたその瞬間、第3者の手によって振り上げた右手を止められていた。
「何をする」
冷徹の視線を第3者、まだ自己紹介をしていない転校生に向けていた。
「いや、ただそいつを叩こうとしているお前を止めただけだ。深い意味はない」
「…何のつもりだ?ボーデヴィッヒさん?」
俺は出来るだけ心を落ち着かせて問いかける。
「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
言うだけ言ってボーデヴィッヒは転校生の手を振りほどき空いている席に着いた。着いたと同時に腕を組み、目を閉じて微動だにしなくなる。転校生についてはため息をついている。
「…冷めている空気のなか悪いが自己紹介をさせていただく。黒崎仭、先程のデュノアのようにここに同じ境遇の奴がいると聞き、転校して来たISを動かした男だ」
普通なら3人目の男子の出現にリアクションが出るはずだが、先程のラウラの行動により大半がまだフリーズしているなか俺は口を開いた。
「「仭なのか!?」」
俺以外にファースト幼馴染の箒も言っていた。
「ああ、正真正銘お前らの知り合いの黒崎仭だ、久しぶりだな一夏、箒」
そう言ってこちらに笑みを向けた。そして
「え!?織斑君の知り合い!?」
「それにし、箒さんとも!?」
「男同士…絵になるわね!!」
おい誰だ最後の!?そう思っているとそパシッ!!と音が鳴った。
「ほぉ…今のを防ぐか、黒崎」
「ちょっ、何をしますか!?織斑先生」
千冬姉の出席簿アタックを真剣白刃取りで防いでいる仭。
「お前のせいでやかましくなったのだが?」
「それ俺のせいですか!?てか、なら何故俺だけ!?」
「さあな」
「…というかホームルームを終わらした方がいいのでは?」
「ふむ、確かに一理ある」
と出席簿を降ろし、
「ではホームルームを終わる。各人はすぐに着替えて第2グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」
千冬姉が行動を促す。それと同時に空気が大分変わった。
「おい織斑。デュノアと黒崎の面倒を見てやれ。同じ男子だろう」
「君が織斑君?初めまして。僕は──」
「話はあとだ、とりあえず移動が先だ。女子が着替え始めるから、いくぞ仭」
「了解した」
急ぐためにシャルルの手を取り歩きだす。だが、俺の手の感触は男子の手の感触では無かった。それに疑問を覚えつつも、時間が無いので後回しにする。
*仭サイド
「とりあえず男子は空いてるアリーナ更衣室で着替え。これから実習のたびにこの移動だから、早めに慣れてくれ」
「う、うん……」
先程からデュノアが顔を赤らめていた。久しぶりに会ったがとうとう一夏の天然女たらしが男子にも影響し始めたか?しかしどうもデュノアには違和感がある。
「ああっ!転校生X2発見!」
「しかも織斑君と一緒!」
女子の大群が現れた。
「いたっ!こっちよ!」
「者ども出会え出会えい!」
ここって武家屋敷だっけか。囲まれているなか一夏とデュノアが何やら話しているがその間に俺はある物を取り出す。
*一夏サイド
クソっ、囲まれた!マズイ、このままでは千冬姉の制裁を食らってしまう。
「え……ええっ!?ちょ、ちょっと!?なにそれ!?」
シャルルが何やら言っている。ふと仭の方を見るとなんと手榴弾を持っていた。
「ちょっ、仭!?」
しかし俺の言葉など意にも欠かさずお約束の安全ピンを口で抜く行動をした。
「く、黒崎くんそれ本物じゃ…」
女子の言葉を最後まで聞かず、手榴弾を転がし、爆発すると思いきや手榴弾から一気にガスが出た。
俺達もそのまま巻き込まれるかとおもいきや仭に引っ張られいつの間にか女子の輪から抜け出していた。
「おい、あれ毒じゃないよな?」
しかし俺は安堵より不安が勝っていた。
「そんなわけあるか、睡眠ガスだから大丈夫だ」
「なんでそんなもの持っているのさ!?」
「……………」
「黙秘!?」
「…そんなことより一夏、早く更衣室に向かうぞ。場所を教えてくれ」
シャルルの言葉に耳も貸さず俺達は更衣室に向かった。
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