IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第51話 部屋での会合
「俺のパソコンは弄ってないだろうな?」
「そんなことしてないわよ」
「…まあ、楯無が生きているならそれもそうか」
おいそれどういう意味だ仭!?現在俺と仭は楯無さんが着替え終わったのでやっと入った。ちなみにさっきの醜態?の写真は楯無さんに見せながら仭が消した。
「なぁに冗談だ。で人の部屋に忍び込んで、俺達に裸エプロンという痴女のような行動をしてきた生徒会長、いったい何の用だ?」
「傷付くからもうやめてちょうだい…というか水着は着てたわよ」
仭はお盆に載っている沸かしたお茶を俺と楯無さんに渡し、自分もお茶を手にとって椅子に座る。にしてもけっこうストレートに言うなぁ仭。
「何で持ってるんだよ」
「臨海学校に行けなかったささやかな復讐よ」
「意味がわからん。つまり泳いだりしてたのを羨ましいと?」
「そういうこと♪」
「俺は泳がなかったけどな」
「あら何で?」
「疲れるし、何でわざわざ塩水に浸かって身体中ベトベトにならなきゃいかん」
そういや確かに泳いでなかった。だが泳げないわけではない。(中学校とかでは泳げてたし)溺れた人を助ける免許も持ってるらしい。(ようするにライフセーバー)
「…まあ本音はともかく、本当に何の用だ?」
そこは嘘でも『冗談はともかく』とか『こんな話はともかく』と言おうや仭。
「念のため言っとくが部屋替えはせんぞ。生徒会長権限も通じん。1学期のころ千冬さんに生徒会長権限でも基本俺の承諾なく部屋替えはしない、と約束してもらったからな」
ああ、4対1で勝ったあの勝負でのか。
「う……」
仭の考えは当たっていたようだ。何故なら荷物が見事にセッティングをしてあるからだ。
「えーと…何で一夏君と同じ部屋にいたいのかな?」
「同姓だからに決まってるだろ。それとも何か?俺がホモだとでも思ったか?」
「…………」
手の内が尽きたかのように楯無さんはうなだれた。
「言っとくが荷物の運びは手伝わないぞ。が、片付けだけは手伝ってやる」
優しいんだか優しくないんだか……。ん?ドアのノック音が。
「はい、どちら様ですか?」
『わ、私だ。差し入れを持ってきてやったぞ』
「箒か……」
…どう楯無さんが部屋にいることを説明するか。普通に説明しようとしたら絶対最後まで聞かずに斬りかかってくるだろう。
『入ってもいいか?』
「えと……」
やばい、どうしよう!!
「一夏君どうしたの?あ、わかった。浮気がバレるから必死なんだ?」
ちょ!?って
「のわああああ!?」
箒が紅椿の武装である日本刀を展開してドアを両断して入ってきた。
「一夏、貴様……!!」
「待て待て!!誤解だ!!」
「何が誤解か!!そこに直れ!!」
「やかましいぞ箒!」
「まあまあ落ち着いて。冗談だから」
すると仭と楯無さんがそう箒に声をかける。
「…どうして生徒会長がいる!!」
「いや…その…」
「別に深い意味はないわよ?私が一夏君を驚かせようと裸エプロンで出迎「一夏ぁぁぁ!!」
ちょっとぉ!!合ってるけど地雷でしょそれぇ!!!そして俺は休みなき斬撃に壁際に追いやられる。
「一夏…貴様…」
「ちょっと待て!それでも俺は悪くないだろ!!無実だ!!」
しかし無情にも日本刀が振り下ろされる。ああ、終わった。
「あらら、直情的ね」
ガギィンッ!
鈍い音を立てて刃が止まる。楯無さんの右腕には展開した大型のランスが握られていた。
「!?」
「ごめんねー、今一夏君を亡き者にされると、ちょっとだけ困っちゃうなぁ」
そう言いながらランスを回すように動かして日本刀を流し、それが自身の武器より下になったところで一気に振り上げる。てか今!?
「なっ……!?」
箒はテコの原理で緩んでしまった手元から得物を弾かれ絶句する。飛ばされた日本刀は回転しながら壁に勢いよく刺さった。
「勝負あり、ね」
「ぐっ……」
箒はISを解除して降参する。微笑む楯無さんは俺や箒に格上だということが伝わ…った……?
後ろから妙に寒気がしたので振り向くと…鬼がいた。
「どいつもこいつも…貴様らよぉ。部屋を壊してそれの修理申請に行くのは誰だと思っていやがる?怒られんのは俺なんだぞ?」
「「…………」」
完全にはキレてはいないが、それでもかなり怒ってる仭を見てもう俺と箒は絶句するしかなかった。
「じ、仭君?まあ落ち着いt―――」
次の瞬間、盛大に音を立てた拳骨音が2つ部屋の中に響いた。
「っう……」
「えと…大丈夫か箒?」
「ま、まだ痛む……」
「何もあそこまでやらなくてもいいのにねー」
「………」
箒と楯無さんに盛大に音を立てた拳骨をかまし、ドアと部屋の損傷の修理申請に千冬姉のところまでいったため、現在仭はいない。ちなみにかなり音が大きかったらしく部屋に何事かと女子も多数やってきた程だった。
「それにしてもこのいなり寿司おいしー」
そして俺達の方は現在箒が作ってきたいなり寿司をつまんでいる。といっても食べてるのは先程痛みから回復した楯無さんであり、俺と箒も食べてるには食べてるが食が進まない。てか復活早いな楯無さん。さっきまで苦しんでたのに。
「ん~、ごちそうさま」
そして残りのいなり寿司を食べ終え、合掌して箒に頭を下げた。
「さて、箒ちゃんもいることだし、さくっと説明しちゃいましょうか」
「何をですか?」
「私…ですか?」
「そう。紅椿の単一仕様能力『絢爛舞踏』、発動しないんだって?」
「それは…言ったのか?」
「いや、俺じゃねぇぞ」
「そうよ仭君から聞いたもの」
「さりげなく俺に罪着せようとするんじゃねぇ!」
その声と同時に何かが飛んでくる音が聞こえ、楯無さんは後ろを向くと同時にそれを掴んで止めた。ナイフである。
「ったく油断も隙もありゃしないぞ」
そう言いながら入ってきたのは噂をすればと仭だった。
「危ないわね」
「当たっても死にはしない。柄の方を向けて投げたんだから、お前がもし避けてその後ろにいる一夏に当たっても無事なようにな」
おお、そこまで計算してたとは。
「…にしてはまったく懲りてないようだ。次は顔面に直でアイアンクローをくらわせるべきか?」
「って仭?千冬姉のとこ行ったわりには随分と早く帰ってきたな」
「どうやら騒がしいと通報があったらしく途中で会って話して終わった。ちなみに箒に楯無、今日のところは不問にするが次にやったら…だと」
「何で私も?」
「ああ?箒に誤解させるようなことを言って油を注いだのはどこのどいつだったか?」
「ごめんなさい。さてどこまで話したっけ」
「…絶対反省してないなこの野郎…」
やばい、このままでは…と思ってたが普通に仭は俺の隣に座った。
「箒の『絢爛舞踏』が発動しないってとこだろ?近々楯無に話そうとは思ってたが俺はまだ話してない」
「ああ、そこからだったわね。簡単に言うと単一仕様能力は操縦者の精神状態がISと完全同調時にしか発動しないのよ。ねぇ仭君?」
「あいつらといい、お前といい、何で俺にいつも振るんだよ。…そうだ。まあ、簡単に言えばこの前言ったように気持ちだな。あの時発動させたことは覚えてるか?」
「あ、ああ…」
「そういうわけだからあの時の気持ちを再現できれば、ISは答えてくれるわよ」
「そうですか……」
ん?何でこっちを見る箒。
「ついでに説明すると紅椿は他者へのエネルギーバイパス構築能力があるから。さすがは束博士の自作の機体ね」
「その分それを狙う奴ら……まあ、国とかがいるがな」
「ええと……それは一夏の白式以外にも適用されるんでしょうか?」
「さあ?そこまでは予測ではわからないわ」
「適用されるだろう。実質、俺の剣闘士もできるんだから」
「そういえば仭君の機体も持ってたわね」
「まあな。さすがに紅椿のように直に触れてはできんがな」
箒はそのまま触れるのに対し、仭は鎖だからな。でもそっちの方がいいんじゃないか?
「じゃあ次の話に行くわよ。―――っとその前にお茶でもいれましょう」
「まだ飲む気か?箒が来る前に出したはずだが」
「いやぁ、箒ちゃんが持ってきたいなり寿司を食べたら喉乾いちゃって」
「…そうか」
何故か箒に視線を向ける仭。もしかして――
「もしかして食べたかったとか?」
「お前と一緒にするな」
おう、楯無さんに先に言われてしまった。そしてやっぱり違ったし。さて
「じゃあ俺がしますよ」
「そう?じゃあお願いしようかしら」
箒が何故かまだ睨んでいるので、逃げるように俺はお茶をいれに行く。
(それにしても箒、最近浮き沈み激しいよな)
剣道部にも少しは顔を出すようになり、鈴達とも仲は良くなってる。ただ、ISに関してはあまりうまくいってないのが現状で、誰の助けも受けようとしない。仭も言ってくれてるのだが箒は聞き入れてくれなかったから困っていた。楯無さんに話そうと思っていたというのはそういう意味だったのだろう。
(おっ、お茶が沸いた)
茶葉を入れたり、湯飲みを出す等して俺はお盆に載せる。そして俺は3人の元に戻ると
「そうなんですか!それは何というか…面白いですね」
「そうなのよ。うふふ」
「………………」
あれ?女子2人の仲が良くなってる。仭に至っては話についていけんとばかりに本を取り出して静かに読んでいる。『相手の裏の裏をかけ』…何だその本は?
それにして秘密の話でもあったのだろうか。女子はこれだから謎の生き物なんだ。
「奇遇だな一夏、俺もそう思う」
「一夏、遅いぞ」
「そうそう、お土産に紅葉まんじゅうがあるのよ。今出すわね」
「えと…旅行にでも行ってきたんですか?」
俺はお茶を渡しながら楯無さんに言う。
「別に旅行に行ってきたわけじゃないのよ。ちょっと付き合いのある研究所の人が日本土産は紅葉まんじゅうがいいって言ってたから多めに取り寄せたの」
「研究所、ですか?」
「正しくは開発室ね。私の愛機の」
「先輩も専用機を?」
「箒、さっきのを見ていただろ。ランスで日本刀に対抗してたんだから」
「その通りよ。学園最強の称号は伊達じゃないんだから」
それを聞いて俺と箒は僅かに身を強ばらせる。仭に至ってはそんなこと知ってるとばかり普通にお茶を飲んでいる。まあ、知ってたんだろうが。
「箒ちゃんしばらくIS見てあげようか?私、こう見えて教えるの上手よ」
「本当ですか!?」
「いいわよ。可愛い後輩の面倒を見るのも私の役目だからね」
「ん?からかって反応を見るのが役目じゃn「はい、黙って」
ちょっと前に見た気がするぞ仭……。
「…えっと…ではお願いします」
「ただし、一夏君とは別々に見るわよ。一緒だと集中しなくなるから」
「正論だな。俺もその方がいいと思う。というか絶対」
「わ、わかりました」
2人の言葉に抵抗はあったみたいだがそれでも箒は了承した。
「ところであの……先輩の私物がありませんか?」
「ああ、それ「それは楯無がこの部屋に住もうとしたからだ」
「なっ!?」
驚いた箒は立ち上がるが仭が手刀を箒の頭にくらわす。すると箒は頭を抑えながら座る。
「っう……」
「話を最後まで聞け」
「あらあら、女の子相手に「もう黙っとけ」――…………」
…仭はやはりまだ機嫌がよくないのだろう。これ以上面倒なことが起こりたくないと明らかにわかる。
「もうそれは過去形だ。千冬さんから俺の承諾なしに部屋替えはされないよう話はついてる。当然俺は部屋替えはしない。何でわざわざ変態のレッテルを貼られなきゃいかないんだ」
「その心配はないわよ?だって予定では仭君は織斑先生の部屋に「どのみち断ってたな」
「…先輩は何で一夏と同室になろうと?」
「私は一夏君のコーチもしばらくするから寝食を共にして波長を合わせて、普段の様子も観察しないとって思ったからよ」
俺はペットですか!?
「そんなことだろうと思った。お前と同室になんてなったら一夏が振り回されて疲れきる結果が見えきってる。だから俺はそれも3番目くらいの理由として断ったんだ」
「ちなみに2番目は?」
「周りが騒ぐ」
ああ、確かに女子が騒ぐだろうな。特に鈴達。
「しょうがないわね。そこまで言うなら引き下がってあげましょう」
「…代わりに千冬さんと同室になったらどうだ?」
「アハハ、それは面白そうね。でも無理よ」
「さて、じゃあ千冬さんに頼んでみるか。楯無に対しての罰だと言えば承諾してくれるだろう」
「ごめんなさい!!勘弁して!!」
…立場入れ替わるなこの2人。
「はあ、まったく…」
すると手を合わせて本気で無理と訴えている楯無さんの肩に仭は手を置いた。
「…一夏については心配するな。お前が同室になろうとした本当の理由ぐらいわかってる」
「…じゃあ任せていいわね?」
「ああ」
何か言っていたようだが俺には聞こえなかった。そして箒含め、全員で楯無さんの荷物を片付けることになり、終わると仭は楯無さんをお…出て行かせた。
ふざけが5割。真面目が3割。困惑と怒りが1割ずつ。のような感じかな?
最後と紅椿のことぐらいだったな。(汗)
そろそろ更識姉妹の件になると思います。