IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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仭がまたひどいです。(汗)


第55話 互いに譲らぬ戦い

第55話 互いに譲らぬ戦い

 

 

「ふん…」

 

 楯無が瞬時加速で突っ込んできてる中、仭は大剣を地面に刺し、構えてはいるがまったく動かなかった。

 

(同じ考えは通用しないわよ?)

 

 楯無はランスをまた掴んでくると予測し、そのときは蛇腹剣で反撃しようと考えながら仭にランスで突こうとする。が仭はそれを容易くかわして楯無の懐に入って腕を掴み

 

「りゃあ!!」

 

「!?」

 

 そのまま巴投の体勢に入って投げ飛ばす。瞬時加速によって楯無は留まることはできず、楯無は投げられてアリーナのシールドにぶつかりそうになるがスラスターを使って踏ん張る。

 瞬時加速中に突然曲がるなどをすれば肉体に負荷がかかるが、仭は投げたというよりもスピードを増せさせるように(楯無をまっすぐ突っ込ませるようにした)自身の後ろに巴投をかけ、瞬時加速も終わりかけていたため負荷をあまり受けずに楯無は済んだ。

 

「っ!!」

 

 仭は左手に大剣を取り、追撃とばかりにエネルギーの斬撃を繰り出すが楯無はかわす。それを見て楯無は仭が持っているスラッシュアックスも展開装甲が使われていると判断した。

 

「そらそらそらそらぁっ!!!」

 

「しつこいわよ!!」

 

 次々と黒き斬撃を仭は繰り出すが楯無はそれをぎりぎりかわす。その後ろの観客はアリーナのシールドに守られているとはいえ、その威力に破ってくるんじゃないかとビクビクしていた。

 

「っと、ならば変えてやろう」

 

「え?」

 

「嘘だ」

 

 一瞬攻撃を止め、楯無はそれに一瞬動きを止めてしまい、待ってたとばかりに仭は再び斬撃を放ち、楯無は直撃は避けるも当たってしまった。

 

「…この大嘘つき!!」

 

「人たらしに言われたかぁないな」

 

「うるさいわよ!!」

 

 楯無はランスのガトリングガンを使いながら仭に突っ込む。

 

 

 

「…………」

 

「…………」

 

「…遊ばれてるね会長さん」

 

「…大尉も手を抜いてはいないんだけどね」

 

 再びアリシアとレイラは仭と楯無の様子を見て認識した。2人とも真面目に戦っているが完全に仭にペースを握られている。

 

「あれ絶対大尉が言葉で騙したりして怒らしてるでしょ」

 

「うん。そうだねレイラ。絶対あの戦法」

 

 仭は卑怯、外道な戦法をよく知っている。だからと言って自分もそれ通りにはしないがそれのぎりぎりの範囲の『言葉』を使っての戦法を好んで使う。相手に話題を持ちかけて時間を稼ぎ、攻撃をするときに攻撃名をいちいち言ったりするのは相手にそれを言ったときはこの攻撃が来ると思わせ、(楯無に向かってレーザーを放ったとき)相手を煽ったりし、怒らせて冷静な考えをできなくさせる。(ラウラ戦。が仭は意識していなかった)

 

「大尉のその戦術は卑怯とかじゃないんだけど……ひどいと言いたい……」

 

「『戦場などの戦いにひどいも卑怯もあるか』とか言われるよ?」

 

「わかってるわよ」

 

 

 

「くっ……あなたの本性はそっちだったのね」

 

「人聞きの悪いことを言わんでもらいたいな。そもそもどんな手を使ってでも勝つってのは(ルールを破らなければ)お前らの言うスポーツ…ISでも適応されているだろ」

 

 仭と楯無は大剣とランスで火花を散らしながら話していた。

 

「でもそれで勝つ人は後味の悪さというのは感じるものじゃないかしら?」

 

「そうかもしれんな。が、俺はそうは思わんな」

 

「?どうしてかしら」

 

「それは周囲の目を気にしてるにすぎないからだ。そもそもスポーツにおいて正々堂々、清く正しく美しいなんて幻想にすぎん。本来スポーツを行う物はそれを気にせず勝利を目指すものだ。弱点をつかずに勝とうとするなんて手を抜いてるも同然だろ」

 

「…なるほどね」

 

 仭の言ったことは理解できる。が楯無は

 

「あなたのやり方は間違ってるとは言わない、言わないけど…やっぱりえげつないわ!!」

 

「褒め言葉として受け取っておこう」

 

「褒めてないわよ!!」

 

「知ってる。お前の認識は間違っちゃいないさ」

 

 違う意味で怒っていた。

 

「これで終わらせるわ」

 

 楯無は後方に下がると仭の周囲に霧が生まれて清き熱情(クリア・パッション)が来ると仭は認識した。

 

「残念だが…はあ!」

 

 仭が左手に持つ大剣に黒いエネルギーが霧のように纏わりつく。仭は大剣を上に振りかぶり、周囲に薙ぎ払うと纏われていた黒い霧が大剣の薙ぎ払いで起こされた風によりふき飛ばされる。それと同時に楯無は指を鳴らす。

 

「「………………」」

 

「!?」

 

「残念だが、爆発は起きない。ふん!」

 

 するともう1つの短機関銃を仭は展開、そのまま発砲するかと思いきや、仭は再び大剣を使って楯無に向けて薙ぎ払う。が斬撃は飛ばされず、再び黒い霧が風とともにふき飛んでいくだけだ。

 

「何をしてるのかしら?」

 

 楯無は先程と同じくその意図をわからずにいるが、短機関銃が発砲されたためは水のヴェールで防ごうと前に出す。が

 

「!?」

 

 楯無の表情が驚愕の色に染まった。何故なら楯無の前にあった水のヴェールが突然()()()からである。それだけではなくドレスのように纏ったり、アクア・クリスタルから出されている水のヴェールも消えてしまったのである。何故か展開もできない。

 

「きゃあ!?」

 

 当然それとは関係なしに短機関銃からの銃弾は容赦なく浴びせられる。楯無は衝撃によって意識を戻され、すぐにランスで銃弾を弾く等して防御する。ランスは何故か水がランスの刀身の上半分は通常通り螺旋状に展開されていて回転していたが、防御するために持ち上げるとヴェールが消える。そして銃弾が止むと同時に水のヴェールが展開できるようになった。

 

「あまり動じないお前でもさすがに驚いたようだな。何か機体に細工したと疑われるのも困るから種明かししてやる。…俺の周りを見てみろ」

 

 楯無は言われた通り仭の周りを見る。すると地面が濡れていることに気が付いた。まだ間もない。

 

「これは…さっきの霧が水に!?」

 

「正解だ。さて、じゃあ2回異変が起こる前に俺がした行動を思い出してみろ」

 

 楯無は霧が水蒸気爆発を起こさず、いきなり水のヴェールが消える前に仭がした行動を思い出す。

 

「大剣で薙ぎ払って…霧を……!!もしかして…さっきの霧?!」

 

「その通りだ。大剣から放出させた霧は俺の単一仕様能力で作られたエネルギーでもある。単一仕様能力で作られたエネルギーは他のエネルギーを吸収すると爆発する能力も持っている。まあ、基本は硬化させるから吸収せんが…その能力を利用して俺は霧として飛ばした。あまり留まらないし自然消滅するがそれに触れたらシールドバリアーや零落白夜以外のエネルギーを無効化させ、展開もできない。『妨害霧(ジャミングミスト)』とでも名付けるか」

 

「!?零落白夜と同じ!?」

 

「似てるようで違う。零落白夜はエネルギーを消滅させるが、妨害霧は霧とかだと水に、レーザーなどの光弾の場合は消え去っちまうが基本触れている間だけ無効化する。ただ機体の近くであれば機体内に戻っちまうが…水のヴェールが消えたときにエネルギーはそんな減っていなかっただろう?」

 

「…ええ」

 

「ただ触れている間ってのは言い換えれば霧に触れなければエネルギーは無効化されない。だからお前のランスの一部が消えなかったり、すぐに水のヴェールが展開できるようになった」

 

「もう1ついいかしら?」

 

「何だ?」

 

「エネルギーを無効化させるということはPICも無効化できるんじゃない?」

 

「ああ、何でPICを無効化させなかったてか。空中でPICまで巻き込んで使ったらお前は下に落ちる。そして霧から自然に抜け出してしまうからな」

 

「なるほどね。随分とまた厄介なのを…」

 

「さて、スラスターも少しの間殺すからそこを狙わせてもらうかな」

 

「っ!」

 

(…と言いたいところだがエネルギーも多く使うからな。あまり使いすぎると底をついてしまう)

 

 仭は内心本当にどうするか困っていた。とりあえずまた妨害霧を出すと大剣を構えて、フェイントをかけようとすると

 

「これ以上やらせないわよ!」

 

「!!」

 

 楯無が瞬時加速で突っ込んで来た。

 

「…またか。このまま剣を振り下ろせば直撃だ」

 

 妨害霧を発動する時間はないと判断すると短機関銃をしまい、タイミングを合わせて仭が剣を振り下ろそうとした瞬間、楯無は蛇腹剣を展開し、仭に向かって投げた。仭はさすがに直撃は受けようとせず大剣で叩き落とすと楯無が左腕を両腕で抱きしめるように掴んだ。

 

(ぐ……さすがに大剣を持ってるのに加え、掴まれると……)

 

 仭は倒れかけるが楯無の頭を掴み、引き剥がすように反対側に力を加えて何とか踏ん張る。楯無は頭を掴まれても離さない。すると楯無は再び瞬時加速。仭は引き剥がすことができず、楯無に押される形でアリーナのシールドに激突した。

 

「っ、やってくれるな…なら」

 

「ぐう!?」

 

 仭は楯無の頭を引き剥がすのを止め、顔面を右手で鷲掴みにし、アイアンクローをくらわせた。そしてアイアンクローをしている片腕だけで楯無をリフトアップ、楯無の身体が逆立ちのような状態で宙に浮く。

 

「っう……」

 

「む?」

 

 楯無はアイアンクローによる苦痛を受けながら仭の片腕を両手で掴み

 

 

ヒュン!ドゴォン!!

 

 

 後ろに投げ飛ばすように勢いをつけてその状態のまま回転、1回転して仭をアリーナのシールドに叩きつけた。

 

「はぁ、はぁ…」

 

「…やってくれるな」

 

「!!」

 

 仭は逆さの状態のまま、ダメージはあるようだが平然としていた。

 

「お返しだ」

 

 仭は緩めていた手で楯無の腕を掴む。楯無はまだ仭の腕を持っていて、離れていなかったために再び掴まれてしまう。そしてそのまま起き上がると同時に楯無を先程と同じようにシールドに叩きつけた。

 

「ぐうう!」

 

 楯無の呻きが聞こえるが、楯無が仭の腕を掴んで投げ飛ばす。

 

「―――っと!(やはり力が入ってなかったから効いてねぇな。思ったより叩きつける力が弱かったし…受け身をしてやがった)

 

 すぐに仭は体勢を立て直し、楯無の方を向くと楯無の方も体勢を立て直しているが仭は不審な点に気付いた。

 

(霧…)

 

 仭と楯無の間に霧が漂っている。仭は自身が楯無に対して突っ込んで来たときはそのまま爆発させ、妨害霧を発動させる素振りを見せたらランスに仕込まれているガトリングガンで攻撃する、そう予測した。

 

「…はあ!!」

 

 仭はわざと声を出して突っ込む。楯無は指を鳴らそうとするがその瞬間仭は止まり、すぐに後退すると仭と楯無の間に爆発が起きた。

 

「思ったより威力が弱い…もしや目眩ましか?だとするなら」

 

 仭は黒くなった大剣を使って薙ぎ払い、妨害霧を飛ばす。それと同時に爆発による煙は黒い霧に熱が奪われて消えていく。その奥に楯無はいた。

 

「作られたエネルギーもさすがに少なくなってきた。だからもうそろそろ終わらせてやる」

 

 仭も蓄えたエネルギーも減ってきたので、勝負をつけようと楯無に瞬時加速を使って楯無に接近、顔面にアイアンクローを再びくらわす。そして再びリフトアップ。

 

「!……」

 

 楯無の機体のシールドエネルギーはまだ残っているため、失神させて終わらせようと仭はそのまま地面に向かって加速。

 

脳天砕き(ブレーンクラッシュ)!!」

 

 そして仭は楯無を掴んだ片手を地面へと振り下ろし、勢いよく楯無の脳天を地面に叩きつけた。

 

 

 

 




さてこのまま終わるかは次話で。
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