IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第69話 学園祭からの翌日とうごめく組織
「…ふう、やっと荷物整理が終わった」
「お疲れ様です」
現在俺はアリィの…いや自分の部屋にいる。保健室で休息を取った後、あの人たらし会長の策略?とアリィの手によって俺はアリィと同室になった。そして今しがた前の部屋から持ってきた荷物を整理し終えた。
ちなみにレイラは何と簪と同室だった。てか人数あうのか?1人だけ1人部屋なんて……。
「しかし一夏が1人部屋とか…」
「まあ、亡国企業との戦闘で王冠壊れたみたいですから仕方ないでしょう」
確かに。だがまあ専用機持ち6人も納得する判断か。しかし奴はやはりまだまだか。実力の方はいいんだが…挑発に簡単に乗るのがな。怒るのはいい。だが、それをコントロールしなければ周りを見失う。1年女子専用機持ち達がいい例だ。(女子専用機持ちというのは変だが、俺と一夏も専用機持ちなため)
「それはともかく…これからよろしくな」
「はい」
「多分もう変わることはない…いや、来年あの野郎のことだからまた同室を餌にするだろうな」
「アハハ…ところで大尉」
「ん?」
「…本当に身体は大丈夫なんですか?」
「!……ああ」
「本当に?」
「まあ、ダメージあるがな。日常に支障は出ない」
「…そうですか」
焦った。剣闘士のことかと一瞬思ったが、亡国企業との戦闘の方だった。あまりあの能力のことはバラしたくはない。…周りが気を使ってくる…だろうからな。奴らは優しすぎる。
「もう寝るか。さすがに疲れた」
「はい、そうですね」
もうお互い寝る準備までできている。明日も早いので俺はベッドに横になって、瞳を閉じた。保健室で寝た?疲れは完全に取れていない。
「………」
「?」
少し経って横のベッドからアリィが起き上がった気配がした。…ん?
「…本当に大尉は堅物ですね」
……………………。そう言ってまた横になった。てか絶対に俺が起きてるのを知ってて言ってやがった。………………そう言われてもな。
*第3者サイド
「先日の学園祭ではお疲れ様でした。それではこれより、投票結果を発表します」
体育館に学年生徒達(一部を除く)に緊張が走る。
「1位は、生徒会主催の観客参加型演劇『シンデレラ』」
『……え?』
皆の口がポカンと開く。そして数秒後にブーイングの嵐が発生した。
「卑怯!ずるい!イカサマ!」
「何で生徒会なのよ!おかしいわよ!」
「私達がんばったのに!」
楯無は生徒達のブーイングを手で制する。
「劇の参加条件は『生徒会に投票すること』よ。私達は強制的に参加させたのではないのだから、立派に民意と言えるわね」
生徒会席の方にいる仭はやれやれと首を振りながら思った。こういうのには正論で通すのか、と。しかし楯無のその言葉にもブーイングは止まらない。
「はい、落ち着いて。生徒会メンバーになった織斑一夏君には適宜各部に派遣します。男子なので大会参加は無理ですが、マネージャーや庶務をやらせてあげてください。それらの申請書は生徒会に提出するようにお願いします」
楯無の言葉に皆のブーイングは歓声に変わった。
「…俺の意思は?」
生徒会に入ることになったのと、何か各部に派遣されることになっていることに対して呟いたが、周囲の歓声に掻き消された。
*一夏サイド
「一夏君、生徒会副会長着任おめでとう!」
「おめでと~」
「おめでとう。これからもよろしく」
「…………」
楯無さん、のほほんさん、虚さんの言葉の後に特大クラッカーが鳴る。ちなみに仭は椅子に座って机に肘を立て、呆れたよう表情を浮かべている。
「…何故こんなことに」
「あら?元はといえば一夏君が悪いのよ?どこの部活にも入らないから生徒会に多くの苦情が来ててね。無理矢理でも入れるように学園長にも言われたから」
「俺を生徒会に誘うなんてことは考えなかったんですか?」
「学園祭盛り上げるための景品にしたかっただ「はい、黙って」
…………………。IS訓練だけで精一杯だというのに。
「おりむ~が~どこかに入れば、一部の人は諦めるだろうけど~」
「そのうち『うちの部活に入って』って言い出すのは必須でしょ?」
「よって今回はこのようなことをさせていただきました。ここでの経験はあなたにとって大きな利益を生むでしょう」
「あっ、一夏。生徒会でまともなのはまず虚さんだけだ」
どうやらそのようだな。
「えっと、放課後すぐにここへ来ればいいんですか?」
「当分はそうしてもらいます。が、各部派遣の準備が終わり次第、そちらへ向かってもらいます」
「まあ、無理矢理とはいえ、お前も副会長になった身だ。一応やれる書類をやってもらうことにもなる」
「仭も副会長か?」
「そうだが…どこぞの仕事を放ったらかすシスコン会長のせいで、第二書記兼第二会計という感じだな」
「あは♪」
「…さて、簪に仕事やってなかったときの写真をおk「やめて!!」
「…ところで」
「はい?」
虚さんが何か聞いてきた。ん?
「学園祭でいたお友達のことなんですけど…名前を教えていただけますか?」
「ああ、五反田弾です」
「その…一夏君と同じ歳ですよね?」
「はい」
「……2つも年下」
「え?」
「あっ、な、何でもないです」
どうしたというのだろう。それと何故か顔も赤いのだが…。仭は苦笑してるし。
「じゃあ一夏君の副会長着任を祝ってケーキを食べましょうか。虚ちゃんと本音ちゃん準備お願い」
「ああ、それと一夏」
「ん?」
2人が何かケーキなどを用意してる中、仭が話しかけてきた。
「お前の部屋のとこのドアは、あのままでいいだろ?お前以外に俺の分も設定してあるが」
「えっ?あ、ああ」
楯無さんがあの時入ってきたのを最後に俺の部屋に入ってきたことがない。実は仭が電子ロック式+色々魔改造をして、強固になった。(組織の者に電話で指示してもらいながらやったらしい)おかげで俺が入るときも指紋認証など少し大変だ。ちなみにISなど使って無理矢理突破しようとすると…仭曰く大変なことになるらしい。
「と、用意ができたらしい」
「それじゃあ皆カップを持って…乾杯!」
「かんぱ~い」
「「乾杯」」
「…乾杯」
もう覚悟を決めるしかないか。はぁ……。
*第3者サイド
とある高層マンションの最上階。薄い金色の髪の女性が学園祭で仭と戦闘したデストと話していた。
「なるほどね。じゃあ彼のISの能力については知れたわけ…」
「ああ、まったく…私が、もう1人のターゲットの方にいかなくてよかったぜ」
「あら?オータムのことを心配してるのかしら?」
「ヒヒ、何を馬鹿なことを。…戦闘が楽しめたからに決まってるだろうスコール?」
そう言いながらデストはにやりと笑みを浮かべる。スコールと呼ばれた金色の髪の女性はそれを見てため息をついた。
「それにオータムはもう1人のターゲットに負けたそうだろう?ヒヒ、奴も馬鹿だな。男だからとかと見下してるからだ」
「彼女がいたら怒るわよ?」
「知るか。それよりお前を待ってるんじゃないか?恋人だろ」
「そうね」
「…まあ、見下してると言えばそこにもいるがなぁ」
「…………」
そうデストが睨んだ先に少女がいた。
「…無視か、まあいい」
そう言ってデストは部屋を出て行った。
「…………」
そして少女も無言で部屋から出ようとする。
「エム、ISを整備に回しておいて頂戴。サイレント・ゼフィルスはまだ奪って間もない機体だから、再度調整が必要よ。今回は使わなかったけど、次は働いてもらうわ」
「わかった」
エムと呼ばれた少女は部屋から出ると、胸のクロケットを握り締めて瞼を閉じる。
(もう少し……もう少しだ……)
ずっと、待っていた。
焦がれたときは、もうすぐ側まで来ている。
(これで私の復讐がはじめられる……。そう、やっと―――)
やっと会うことができる。
(……
少女の口元は邪悪に歪むのだった。
5章終わりました。28話とか長い!3章でも18話で終わったというのに……。このままだと7巻いく頃には100話(全部合わせて)超えるかもしれない。本編は今回で70話くらいなのに。(汗)