IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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70話です。それと行間を空けたりサイドを入れたり等しました。(今更ですが)読みにくい等感想に指摘があったので今までのも少しづつ修正を加えていきたいと思います。


第6章 鳳凰舞うキャノンボールファスト(原作6巻から)
第70話 亡国企業の動きと日常


第70話 亡国企業の動きと日常

 

 

「襲われた?」

 

 始まっていきなり何意味不明なこと言ってんだと、思われるだろうが失礼。

 

『ええ、おそらく地図にない基地(イレイズド)に封印されている銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を奪いにね』

 

 そういえば現在のことを話してなかった。学園祭の投票結果の件も終わり、日は経ってある日。俺の携帯に影の軍隊(シャドー・フォース)の指揮官ことサクヤ・アルモ二クス中佐にメールが送られてきて、現在俺は屋上にいて、プライベート・チャネルを使って話している。内容はアメリカの地図にない基地(イレイズド)に亡国企業が襲撃したとのことだった。奪取は失敗に終わったようだが。

 

「ふむ…イギリスから奪取されたサイレント・ゼフィルスですか」

 

 俺は剣闘士に送られた映像を見て、それが確認できた。

 

「それで被害は?」

 

『負傷者が多数。けど此方から1人送り込んで、アメリカ代表操縦者の第3世代機ファング・クエイク操縦者イーリス・コーリングと共に追い返したわ』

 

「死人はでなかったんですか?」

 

『奇跡的にね。いえ…普通にでなかったと考えるべきかしらね』

 

「…どういう意味です?」

 

『襲われた人物からの容態が、ギリギリ致命傷を免れてたみたいだから』

 

「…つまりわざと殺さなかったと?」

 

『そうなるわね』

 

「奴らも何を考えているのか…そういえば誰が地図にない基地に向かったんです?」

 

『バラッドよ』

 

「…彼女ですか」

 

 コードネームであって本名ではない。その人物についてはまあ、後に語るとしよう。

 

「しかし彼女の狙撃でも駄目だったわけですか」

 

『ええ、撤退してた最中だったとはいえ、ね』

 

「…そうですか。やはり1人で襲撃するぐらいですから、実力は高いようですね」

 

 俺はイーリスさんの実力を知っている。あの人でも(襲撃者が逃げに徹してたとはいえ)捕まえられなかったというのは亡国企業のIS操縦者の実力はやはり高い者が多いと見て間違いない。

 

『そうね。…仭、次に襲撃されるとしたらやっぱり学園(そっち)かしら?』

 

「その可能性が高いでしょうね」

 

『大丈夫かしら?』

 

「あちらとてそう戦力を多くすれば足がつきます。その時は多くても3人ではないかと」

 

『それぐらいが妥当かもしれないわね。…ところで……』

 

「?」

 

『もし…臨海学校であなたを倒した者が来たら勝てる?』

 

「……どうですかね。福音戦の後と言い訳してもブレード2刀流で負けました。その後第二形態移行して勝てましたが…俺の仮説通りに初期設定だとして、今がやっと普通だとしたら…互角…かと」

 

『そう』

 

「それも本気で殺る気でいかなかれば…ね。正直奴に気なんて抜いてられません。…まあ、もっともあなたか()()1()()だったら捕まえられると言い切れますがね」

 

『私と彼女、ね…』

 

「言い切れますよ?モンド・グロッソ破壊部門優勝者『ヴァルキリー』」

 

『それで呼ばないでほしいわね』

 

「クク、すいません。ともかく此方も警戒はしておきます。何かあったら連絡をください」

 

『ええ、わかったわ』

 

 俺はプライベート・チャネルを閉じる。

 

「さて…生徒会室へと戻るとしますかね」

 

 何せどこぞのシスコン会長が書類を溜めやがっていたせいで、付き合わされた仕事をしてる最中に呼ばれたのだ。それと後でナターシャさんには電話しとくか。重症だって聞いたし。

 

 

 

 

 

*一夏サイド

 

 

 

 

 

「えっ!?一夏の誕生日って今月なの!?」

 

「お、おう?」

 

 (仭とアリィ、レイラ、簪は除く)いつもの面々で夕食を摂りながら談笑を交えていると、突然シャルが大声を上げた。しかも珍しく立ち上がって。

 

「い、いつ!?」

 

「く、9月の27日だ。ちょっと落ち着け」

 

「う、うん。日曜だよね!?」

 

 そう言いながらシャルは座る。が、今度は身を乗り出してくる。一体何なんだ?

 

「あ、ああ」

 

「そっか。うん、そうだよね」

 

「一夏さん、そういう大事な話は早く教えてくださらないと困りますわ」

 

「え?す、すまん」

 

 隣でビーフシチューを食べているセシリアがパンを置いてそう言ってきた。とりあえず謝っておこう。

 

「とにかく27日の日曜ですわね」

 

 セシリアは純白の革手帳を取り出すと27日の枠にぐりぐりと2重丸を書いた。…何故?

 

「お前はどうしてそんな大事なことを黙っているのだ」

 

 シャルの左隣に座っているラウラが少しムスッと口調を告げる。

 

「え?いやだってたいしたことじゃないからさ」

 

「ふん。しかし、知っていて黙っていた奴もいたことだしな」

 

「「う!」」

 

 ラウラに一瞥されて何かわからんがダブル幼馴染が固まった。

 

「べ、別に隠していたわけではない!聞かれなかっただけだ!」

 

「そ、そうよそうよ!聞かれてもいないのに喋ると空気読めてない感じになるじゃない!」

 

 何か言い訳じみてるぞ2人共。

 

「とにかく!9月27日!一夏さん、予定は空けといてくださいね!」

 

「お、おう…」

 

「あっ、そういえば誕生日で思い出したが…」

 

「ん?どうしたラウラ」

 

「一夏、師匠の誕生日はいつなのだ?」

 

「仭か?えっと…確か8月3日でもうとっくに過ぎてるぞ」

 

「「「え?」」」

 

 仭の誕生日を知らない3人が声を出す。いや、『え?』って言われても…

 

「そういえばあいつその日いなかったみたいなのよね」

 

「ああ、仭の組織で用があったみたいだからな」

 

「そうだ」

 

『うわっ!?』

 

 すると横から第3者の声が聞こえた。

 

「…そこまで驚くか。ラウラ以外」

 

「す、すまん」

 

 その人物は仭で…何故か片手にチェーンを巻いている。

 

「じ、仭…その鎖は?」

 

 明らかにファッションなどではないそれに箒が尋ねる。

 

「ああ、これか?」

 

「誰かを縛り上げて拷問でもするのですか師匠?」

 

 拷問て…

 

「拷問か。有りかもしれんな」

 

 おい!!

 

「とまあ冗談はともかく…楯無知らないか?」

 

「楯無さんか?」

 

「いや仭…ここ1年の食堂だよ?」

 

「わかってる。2年のとこ行ってもいなかったから来ただけだ。なら簪は?」

 

「いや簪もいないな」

 

「そうか…簪がいたら携帯で呼んでもらえたんだがな」

 

「あの…仭?本当にその鎖は何?」

 

「それはな?実はあの野郎が仕事を放り出してどこかへ消えやがってな?こうして俺が捕縛しに来てるわけだ」

 

「…………」

 

「…それで俺の誕生日について話してたみたいだが、何で今さら?」

 

「ああ、俺の誕生日も近くなってきたなぁって話してたんだ」

 

「ほう…ならいつもみたいに一夏の家で誕生日パーティーを開くのか?」

 

「ああ、皆も来るか?」

 

「も、もちろん!何時から!?」

 

「えーっと、4時くらいだな。確か当日ってあれがあるだろう?」

 

「ああ…『キャノンボール・ファスト』があるからな」

 

 市の特別イベントとして催されるIS高速バトルレース『キャノンボール・ファスト』。学園の生徒達はそれに参加することになる。ただ、専用機持ちの専用機部門と、一般生徒が参加する訓練部門に別れている。

 そして学園外でのIS実習となるこのイベントは2万人以上の観客を収容できるISアリーナ…夏休みに借りたアリーナを使うことになる。

 

「そういえば明日から高機動調整が始まるんだよな。あれって、具体的に何するんだ?」

 

「ふむ。基本的には高機動パッケージのインストールだが、お前の白式には関係ないだろう」

 

「その場合は、駆動エネルギーの配分調整とか、各スラスターの出力調整とかかなぁ」

 

「だから一夏は俺や箒と同じだな。まあ高機動パッケージの例はセシリアの『ストライク・ガンナー』だな」

 

「ええ、私のブルー・ティアーズには、高機動戦闘を主眼に据えたパッケージ『ストライク・ガンナー』が搭載されてますわ!」

 

 誇らしげに腕で胸を押さえ、腰に手を当て、バッチリ決める。

 

「それだとセシリアが有利だよなぁ。今度、超音速機動について教えてくれよ」

 

「…申し訳ありませんが、それはまた今度。ラウラさんにお願いしてくださいな」

 

 一瞬顔が曇ったセシリアだったが、すぐに笑顔に戻る。

 

「ていうか有利だって言うならあんたも同じでしょうが。白式や紅椿のスペック、機動力だけなら高機動型に引けを取らないわよ」

 

「仭のはどうなんだ?」

 

「俺か?剣闘士はまあ、普通のISに比べたら上の方だが…白式やブルー・ティアーズに比べたら下だ。だからといって負ける気は毛頭ないがな」

 

 なるほど。仭に勝てるかもしれないな。

 

「つうかさぁ、うちの国は何やってんだが。結局甲龍のパッケージ間に合わないし」

 

「だからって脅すなよ?」

 

「脅さないわよ!!てかどういう意味よ!!」

 

「組織でお前の話は聞いてるんだ。入学を勧められていたときは拒否していたが、急に一転して軍部を脅すような形でIS学園に途中編入してきたことを」

 

「うっ…」

 

「そういや何でいきなり編入してきたんだ鈴?しかも新年度開始早々の4月に」

 

「き、気が変わったのよ!!文句ある!?」

 

「いやないけどよ」

 

「ふぅ、シャルロットの方は?」

 

「増設ブースターで対応するよ。元々速度関係は増設しやすいようになってるしね。『疾風(ラファール)』の名前は伊達じゃないって感じかな」

 

「ラウラもか?」

 

「はい師匠。姉妹機の『シュヴァルツァ・ツヴァイク』のブースターを使うことになってます」

 

「なるほどな。簪とかも同じなのかな?」

 

「どうだろうな。ただ打鉄弐式は、機動性に特化してるからな。…どの道山嵐は脅威であることだけは言える」

 

『確かに』

 

 仭の発言に全員は背定する。あれはえげつないからな。

 

「その時はその時で誰かを盾にするとして…」

 

 そしてこっちもえげつない。

 

「じゃあアリィとレイラはどうなんだ?」

 

「あいつらか?アリィはセシリアと同じような感じで、レイラもエネルギーをスラスターに全振りじゃないか?」

 

「そうか」

 

「ところであんた生徒会の貸し出しまだなの?」

 

「ん?何か抽選と調整をしているって聞いたぞ」

 

「俺は手が空いてるときだけな」

 

 仭は俺と違って生徒会に任意で入ったわけだからな。…何でこんなに違うんだろうか。

 と、そういえば

 

「そういえば皆は部活に入ったんだっけな」

 

 先日そう聞いた。

 

「私は最初から剣道部だ」

 

「幽霊部員だがな」

 

「い、今はちゃんと顔を出している!!」

 

「そうかい」

 

 学園祭のときに剣道部に行って、つつかれたからな。

 

「鈴は何だ?」

 

「ら、ラクロスよ」

 

「へ~、ラクロスか。似合いそうだな」

 

「ま、まあね。入部早々期待のルーキーなわけよ。参っちゃうわね」

 

「ほう。なら俺がそっちへ貸し出されたときは、お前だけ特別メニューを出してやろう」

 

「いらないわよそんなサービス!!」

 

「そうか?その身体能力があれば少し上のメニューでも大丈夫だと思うがな」

 

「結構よ」

 

 専用機持ちは身体能力が一般生徒とは違うからな。

 

「まあ頑張れ。シャルは?」

 

「えっ、僕!?」

 

「あ、何部に入ったんだ?」

 

「え、えっと…」

 

「ん?料理部って言ってなかっt「っ、仭!!」

 

「おお、学園祭で回ったところだな」

 

「う、うん。日本の料理も覚えたくて」

 

「そうか。作れるようになったら今度食べさせてくれ」

 

「う、うん!もちろんだよ!」

 

 そう返事するシャル。

 

「それでセシリアは?」

 

「私は英国が生んだスポーツ、テニスですわ!」

 

「へえ、イギリスにいた時に結構やってたのか?」

 

「ええ、まあ。よろしければ今度ご一緒にいかがです?」

 

「んー、でも俺テニスやったことないんだよなぁ」

 

「で、でしたら!私が直接教えてさしあげてもよろしいですわよ一夏さん?」

 

「おお、それはいいな。いつか頼む」

 

「ええ!」

 

 最近自閉のきらいがあったが、にっこりと微笑むセシリアを見て少し安心する。

 

「ちなみに私は茶道部だ」

 

 そう言ったのはラウラ。

 

「茶道部か。ラウラは日本文化好きだよな」

 

「…というか茶道部の顧問……」

 

「教官……いや織斑先生だな」

 

 そうだ。確か正座2時間でふるいにかけたらしい。(黛先輩談)しかし千冬姉が茶道部か。てっきり運動部の顧問だとばかり。

 

「ラウラは正座大丈夫なのか?」

 

「無論だ。あの程度の痺れなど拷問に比べれば軽いものだ」

 

 拷問と比べるなよ。てか何されるんだよ。

 

「そりゃぁ、宙吊りにされて電流流されたり、飲まず食わずで部屋に放置されたり。あるいは…」

 

「もういい、もういいから仭」

 

 食堂でそんな話をしないでくれ。

 

「って、じゃあ他の奴らはどこに入ってるんだ?」

 

「今ここにいない専用機持ちの面子のことか?アリィはフェンシング部、レイラは合気道、簪は確か…コンピューター部だったっけか」

 

 3人共合っているな。

 

「それにしてもラウラの着物姿って想像できないな。今度見せてくれよ」

 

「な、何?そ、そうか…。いいだろう、機会があれば、な」

 

「というかラウラ、お前着かたは大丈夫なのか?何となーく着る時に色々混乱してそうな気がするんだが…」

 

「な!?そ、そんなことはないですよ。し、師匠」

 

「…お前はもう少しポーカーフェイスを覚えろ」

 

 どうやら仭の指摘は当たったらしい。

 

「まあいいや。俺もお前の着物姿楽しみにしとくとする」

 

「ありがとうございます」

 

「!」

 

 仭のその言葉にラウラは微笑んだ顔を見せる。すると仭が少し驚いたような表情を僅かだが見せた。

 

「仭?」

 

「…いや、何でもない。ただ1学期のころなんかより随分と変わったと思っただけだ」

 

「まあ、そうだな」

 

 穏当に俺を敵視していた頃とはかなり変わったものだ。

 

「…さて俺もそろそろ楯無を探すとするかね」

 

 肘をテーブルについて、両手に顎を乗っけてた仭は立ち上がる。

 

「見つけたら連絡してくれ」

 

「ああ、わかった」

 

「ん…じゃあな」

 

 そう言って仭は食堂から出て行こうと俺達に背を向けて歩き出した。

 

 

 

 




それとテスト勉強に入らなくてはならないため、投稿が遅れます。
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