IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 作:狂戦士
第71話 週末の約束と楯無の思惑?
「楯無さんね……どこにいるのや…ら…」
食堂で夕食を食べ終えた俺は自室へ戻ろうと歩いていた。そして自室の前で見間違えるはずのない姿、俺がつい先程思っていた人物がいた。
「あっ、一夏君!お帰りなさーい。実はお邪魔しようとしたんだけど扉が開かなくてねー。入れてくれない?」
「………」
「一緒にお風呂入ってあげるから」
俺は無言で携帯を取り出す。で、ある人物をコールする。
「ん~?――!待って待って待って!!仭君だけはやめて!!お願い!謝るから!!」
「いや、だって見つけたら連絡するようにって言われてますから」
「本当にお願い!!一生のお願い!!土下座でも裸エプロンでもするから!!」
「こんなことで一生のお願いを使わないでくれません?」
とりあえず土下座する楯無さんを見て携帯をコールするのをやめた。で、仭に追われてることを確信し、とりあえず部屋に招き入れる。しかし楯無さんでも部屋に入れなくなるとは……。
「で、何で仭に追われてるんすか?」
「あ~、わかっちゃった?」
一応仭から理由を聞いたが、聞いてみる。
「だってね~、あの仕事の鬼が仕事しろ仕事しろってうるさくて…もうお姉さん心身ともにボロボロなのよ……」
そう言って顔を両手で覆う楯無さん。…………。
「嘘ですね?」
「あっ、バレた?」
やはり嘘泣きだった。
「てか仭の話だと楯無さんが溜め込んだ仕事を放ったらかして逃げ出したって言ってたんですけど?」
「…………」
目を逸らした。どうやら仭の方が正しかったらしい。
「に、逃げてきたわけじゃないわよ!!一夏君に話があって来たのよ!」
話を逸らそうとしてる。しかし珍しく取り乱してるなー楯無さん。
「例の組織のことだけど…」
「どっちですか?」
それだとわからない。何せこの前聞いたのは2つなのだから。
「ああ、ごめんなさい。亡国企業のことよ。非公式だけどアメリカのIS保有基地が襲撃されたわ。狙いはISでしょうね。一夏君も気をつけて」
「はい。気をつけます」
「よろしい。男の子はそうでなくちゃ。私が惚れちゃうくらいいい男になってね」
「またそんな…」
無理難題を。
「あら?私だってただの女よ?収まるところに収まるものよ。案外一夏君を好きになったりしてね」
「ははは」
そんな馬鹿なことが。さて
「!?ちょっ!何で携帯取り出すの!?」
「え?仭に連絡するためですけど?」
「何でまた!?」
「俺『連絡はしない』って言ってませんから」
嘘は言ってないし、騙すようなこともしていない。おっ、かかった。
「俺だ一夏」
「仭、楯無さんが俺のへ「ストーーーーップ!!!」――うわっ!」
楯無さんが突っ込んできたため、俺は携帯を放って横へ避ける。すると宙に舞った携帯を楯無さんが取って切った。
「…ふふふ、悪い子にはお仕置きしなきゃね」
「!?いや、楯無さんが悪いんじゃ!?」
「ふふふふ」
怖い!手をワキワキと動かしながら近づいてくる。マ、マズイ。あれはくすぐってこようとしてる。この人のくすぐりは色んな意味でヤバイ。と、そこへトントンとノック音が響く。
「一夏、いる?」
「!ああ、シャルか。今開ける」
「え、えっと…お邪魔します」
「いらっしゃ~い」
「え………」
入ってきたシャルの顔がキョトンとしていた。だが徐々に無表情の恐い顔になっていった。何故?
「…一夏、楯無さんと何してたの?」
「た、ただ雑談していただけだが」
「じゃあ僕に入っていいって言ったのは何でなの?」
「いや………ん?」
「?」
「!」
何か廊下から走ってくる音が聞こえてくる。てかどんどん近くなってきたぞ?
「見つけたぞ楯無!」
「「うわっ!」」
「出た!仕事の鬼!!」
「うっさいわ。誰が仕事の鬼だ!」
まだ開いていた扉を、勢いよく開けてきたのは鎖を振り回す仭だった。
「てかお前がサボるから俺も追いかける羽目になったんだろうが…投降しろということは聞かんだろうから、最初から強行手段だ。…覚悟」
「むぅー、かくなる上は…ドロン!」
「「!」」
「逃がすか!」
すると楯無さんは煙玉?を取り出し、使用。辺りに煙が放出された。それに対し仭は前に出て、鎖の先端を煙の中に投げ飛ばす。
「…手応えなし」
「ふふふふ!さらば仭君!」
「甘い」
「おっと!」
「ちっ」
いつの間にか俺とシャルの後ろにいた楯無さんは捨て台詞?を吐くが、回し蹴りを仭が放つ。楯無さんはバックステップでかわした。そしてそのまま逃げていく楯無さん。
「あの野郎マジ覚えとけよ。…っと悪かったな一夏、シャルロット」
「い、いや……」
「だ、大丈夫だよ」
「そう言ってもらえると助かる。それと連絡助かったぞ一夏」
そして仭も追いかけていった。……………。
「えと…ひとまず部屋に入って、話そう」
「う、うん……」
ひとまず扉を閉めて、ベッドの方に向かい、座る。するとシャルも隣に座ってきた。
「とりあえず…何で機嫌が悪かったんだ?」
「…一夏が楯無さんと仲良くしてるからだよ」
「そうか?あの人は誰にでも仲良くしてると思うけどな。さっきみたいに」
「あれ仲良くしてるって言える?」
ううむ、そう言われるとな。何だかんだ言って仭も楯無さんに遊ばれてるし。けど最終的には仭に制裁くらうけど。千冬姉と束さんみたいだ。ん?今楯無さんの悲鳴が聞こえたような?
「そういや何か用があったのかシャル?」
「あっ、うん。実はね……」
すると急にモジモジしだしたシャル。
「夏にブレスレッド選んで貰ったでしょ?それで一夏の誕生日もあるからさ。お礼もかねてプレゼントを送りたいなぁって」
「おお、本当か?」
それは嬉しいことだ。
「それで、一夏って何か欲しい物ある?あっ、ブレスレッドなんかどう?」
「んー…俺これあるしなぁ」
俺はIS待機形態のガントレットを見せる。
「じゃ、じゃあ腕時計なんかどう?」
そう言ってシャルは左腕につけている腕時計を見せてくる。
「おっ、それいいな」
「で、でしょ!?」
「けど俺携帯ので時間確認してるからなぁ」
「……………」
シャルの顔が膨れっ面になる。え?
「一夏、格好良い男子になりたいなら時計は必須だよ」
うっ、そう言われると…そういや仭も腕時計してたな。アリィから誕生日に貰ったって言ってたが。
「それじゃあ、週末に時計を選びに行かない?僕も服とか色々見たいし」
「おっ、じゃあそうするか」
「ほ、本当に!?じゃあ約束だよ!」
そう言ってシャルは小指を立てた。ああ、指きりだな。前に指切りを教えたら約束の時に決まってこれをするので乗っている。まあ、断る理由もないしな。
「ゆーびきーりげんまん、嘘ついたらクラスター爆弾のーます」
そして決まり文句が非常に怖い。他の者にも教えたらこんなふうに言い出すんだろうか。
「指切った♪」
「おう」
「そういえば一夏」
「ん?何だシャル」
「仭って、IS学園に来たの一夏の護衛も含まれていたんだよね?」
「ああ、そう言ってたな」
「連絡しておいた方がいいんじゃないの?」
「うーん……」
確かシャルと水着買いに行ったときは、特に言って来なかったから大丈夫だと思うんだけどな。多分連れが専用機持ちというのもあったんだろうけど。
「そうd「…一夏~!!起きてる?起きてるわよね!ドア開けなさいよ!!」
俺の言葉を遮って鈴が、扉の外から叫んできた。さっき何か音がしたから、ドアノブ開けようとしたけど開かず、諦めて叫んできたのだろう。オートで鍵がかかってしまうから仕方がない。
「ほらよ」
「まったく、迷惑な扉ね」
仭曰くこれくらいやっておいた方がいいと言ってたがな。
「で、今週末だけど……何でシャルロットがいるの?」
「いや、お前と同じで部屋訪ねてきたからさ」
「……何かしてた?」
「ああ、指切りを「一夏っ!」
「へぇ~~、どんな約束してたの?」
「ああ、週末出かける約束を「もう、一夏の馬鹿!!知らない!!」
何か怒ったシャル。何でだ?
「ふ~ん。じゃああたしも一緒に行くわね」
「おう」
「う……うん……」
「じゃあ待ち合わせは駅前のモニュメントに10時でどう?」
「いいぞ」
「……いいよ」
「じゃあ仭に連絡しといたら?この学園に来たの一応あんたの護衛も含まれてたんでしょ?」
「ああ、それシャルにも言われた」
多分大丈夫だと思うんだけどな。俺は2人に言われたので改めて仭に連絡はしておこうという考えにいたり、携帯を取り出した。
*第3者サイド
「う~、離してよ~仭く~ん」
「聞こえんな」
場所は変わり、廊下。そこで仭が鎖で捕まえて縛った楯無を引きずりながら、生徒会室へと連行していた。
「お願いよ。逃げないから」
「首根っこだけ持って連行してた時もそう言って、離したら逃げ出した覚えがある」
「う~~、今度は逃げないから~~」
「聞こえんな。キャノンボールファストや学園祭の事後処理の件の書類がただでさえ溜まってるのに、貴様がサボったお陰で少し増えている」
「それほどでも☆」
「……………」
「?…ちょ!?いだだだだ!!」
急に歩が止まった仭に疑問を覚えた楯無。数秒後、楯無は自分の目の前に迫る掌を見て驚き、アイアンクローをかまされた。そして悲鳴を上げるが、仭はまったく気にすることなく、そのまま歩を進める。
「痛い痛い!お願い!離して!!謝るから!!」
「まったく反省をしない生徒会長の戯言など、聞こえんな」
「聞こえてるじゃなっ!いだだだ、爪!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「ああ、それと仕事終わらせないと、部屋に帰さないって虚さん言ってたから」
「平然と話を進めないで!?」
するとそこで携帯の着信音が鳴る。
「俺か…ん?一夏からか」
「その前に顔面掴むのやめて!」
「あー、もしもし俺だ」
「ちょっと!?」
仭は一応アイアンクローの威力は下げていて、顔面を軽く掴んで引きずっているという状態である。
『おう仭』
「どうした一夏?楯無は別に逃げたりしてないぞ?」
『いや、そうじゃなくて…俺週末に鈴とシャルと一緒に出かけることになったんだけど…』
「ふーん、行ってくりゃいいだろ」
『あっ、いいのか?』
「?…ああ、そういうことか。別に専用機持ちなら俺がわざわざお前についていく必要はない」
『そうか。悪かったな』
「いや、じゃあな」
『おう』
まったくまだ月曜だというのに気が早いな、と思いながら仭は歩をそのまま進める。その時後ろで楯無の目が光ったのに気が付かなかった。
「さて、生徒会室についたぞ」
「う~、疲れてるのよ~」
それでもまだ抗う?楯無。
「…そうか。ならマッサージをしてやろう」
「えっ?本当に!?」
本当に疲れていたが、信じてもらえないと思った楯無は驚く。
「そうなら最初からそう言え。短時間で終わるマッサージだ。疲れもとれる」
「へぇー、それはいいなー。やってやって!」
「地獄の痛みと引き換えだがな」
ピシッと楯無の顔が強張る。
「なぁに、心配いらん。知り合いにも何度かくらわs…いや、やったが、最終的には疲れが取れてたから。……絶叫を上げていたが」
「い、いや、やっぱり遠慮s「虚さんに押さえてもらうか。ソファが確かあったし、そこでやるとしよう」――-ちょ!?誰かーー!!助けてーー!!」
そう悲鳴を上げるが、生徒会室の扉が開けられ、引きずられて逝く楯無。そして数分後、少しの間絶叫が生徒会室内に響いたのは現場の2人と、被害者?を除いて誰も知りはしない。
余談だが、仭の言った通り疲れはとれた楯無も加わり、次の日になる前に書類の処理は終わった。
楯無に対してひどいオリ主。(汗)自業自得でもあるんですがね。