IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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原作内容+誰かさんを加えました。


第72話 ショッピングと追跡者

第72話 ショッピングと追跡者

 

 

 一夏がシャルロット、鈴と出かける約束をした日から、時が経って週末。

 

(髪、変じゃないかな?もう1回見ておこうかな)

 

 約束の45分前。シャルロットは既に到着していて、そわそわしながら待ち合わせした人物(達)を待っていた。

 

「ん………」

 

 手鏡を手に、髪をちょんちょんといじるシャルロット。

 

(なかなか決まらないな~)

 

 髪をいじる行為に大して意味はないのだが、それでも100%の自分を見て貰いたいという想いで、数十回目に及ぶ髪いじりをする。

 

(でもさすがに早く来すぎたかなぁ)

 

 息を吐きながらそう思っていると

 

「はーい、そこの彼女♪」

 

「今日暇ぁ?どっか遊びに行こうよ~」

 

 軽そうな男2人組が近寄ってシャルロットに話しかけてきた。

 

「ね、暇でしょ?暇なら俺たちと一緒に遊びに行かない?」

 

「約束がありますから」

 

 一応丁寧に断りを入れるシャルロット。

 

「えー?いいじゃん、いいじゃーん、遊び行こうよ」

 

「俺、車向こうに駐めてあるからさぁ。どっか遠く行こうよ!フランス車のいいところいっぱい教えてあげるから!」

 

 『フランスの』というところで、ぴくりとシャルロットが反応した。

 

「日本の公道で燃費の悪いフランス車ですか。ふうん」

 

 無表情でシャルロットが毒を吐いて拒絶。たじろぐ2人組だが引かず、片方の男がシャルロットの肩に手を置く瞬

 

「いででででっ!?」

 

「気安く触らないでください。そのキツい香水の匂い移されると困るので」

 

 身をかわして腕を捻った。

 

「お、おい離し―――」

 

 状況が一瞬掴めず、すぐに相棒を助けようとするもう1人の男だったが

 

「がっ!?」

 

「俺の連れに何してんだ?」

 

「一夏っ」

 

 そう言いながらその男を殴ったのは、シャルロットが待ち焦がれた一夏の姿であった。

 

 

 

「おー、おー、一夏君格好良いわねー」

 

「そうね!これは売れるわ!!」

 

 …離れた場所で、そのシーンを他の者より確実にじっくりと見ていた女子が2人…一方はIS学園生徒会長の更識楯無、もう1人は楯無と仲の良い新聞部副部長の黛薫子である。

 

「それにしてもありがとねたっちゃん♪織斑君達のデートのことを教えてくれて」

 

「んーんー、薫子ちゃん…ちょっと一夏君へのささやかな復讐を、ね…」

 

「うん?」

 

「あっ、こっちの話」

 

 彼女らが何故この場所に来ているのか、何故一夏達が出かけることを知っているかについては当然理由がある。

 約束をしたその日、一夏が仭に電話をかけたときにそばで、引きずられている楯無が聞いていたのである。そして一夏へ復讐?(仭に部屋にいると通報されたこと)を果たすために薫子を誘った。薫子は当然そんなスクープの話を逃すわけもなく、現在2人はにやにやしながら尾行している。

 

「そういえばたっちゃん、黒崎君からマッサージをこの前受けたって聞いたけど感想は?」

 

「…地獄の一言ね。あれは辛かっわ」

 

「…………」

 

 薫子はどう表現すればいいか困る。

 

「まあ、バッチリ疲れは取れたんだけどね」

 

「アハハ…っと!そろそろ動くわね」

 

 見ると警察官が、シャルロットをナンパしてきた2人を連行していくところだった。

 

「追うわよたっちゃん!」

 

「もち!」

 

 追跡2人組は再び動き出す。

 

 

 

(ど、どうして……?まさか一夏と2人っきりになるなんて、思ってもみなかったよ……)

 

 そして時間は早いが、人数が揃ったので行動を開始する一夏とシャルロット。鈴がいないが、彼女は当日になっていきなりキャノンボールファスト関係で急用ができたため、一夏に来れなくなったとメールで送った。そして一夏がそれをシャルロットに言うと、急に2人きりでデート(一夏は当然そう思ってないが)になったため、少し混乱しているのである。

 

(よ、よく考えればチャンスだよね!うん!)

 

「ね、ねえ一夏!あそこ見ない!?」

 

 少しして他のライバル達を出し抜けると理解したシャルロットは、何も考えずに指をさして一夏を誘う。そして方向は女性用の下着を売ってる店(ランジェリーショップ)であった。

 

「え?い、いや、さすがにあそこは…………」

 

 一夏は顔を赤める。その様子を見て、自分が指さした方向をシャルロットもついで顔を赤らめた。

 

「ご、ごめんっ!間違い!間違いだから!」

 

「おっ、おう。…ってあれ?」

 

「ど、どうかしたの一夏?」

 

「いや、ちょっと……お~い、蘭!」

 

「え!?い、一夏さん!?」

 

 下着を持っていた五反田蘭は、いきなり一夏に声をかけられ咄嗟に下着を自分の後ろに隠した。

 

(ど、どうしてこんなところに!?し、しかも選んでるところ見られた!?)

 

 一夏は特に気にする事なく…否、気付きもしないで歩み寄る。蘭は下着をとりあえず元々あった場所に戻してから、一夏へ近づく。

 

「お、お久しぶりです一夏さん…」

 

「学園祭以来だな蘭、1人か?」

 

「あっ、はい。と、ところでそちらにいる人は…?」

 

「ああ、俺の連れだ。学園祭では会っていなかったな」

 

「シャルロット・デュノアです。よろしくね?」

 

「は、はい!五反田蘭です…よろしくお願いします」

 

 蘭はシャルロットの姿を見て緊張していた。シャルロットの放つオーラに躊躇いがちになっており、自分と比較しているのだ。

 

「あっ、そうだ。蘭、携帯持ってるか?」

 

「は、はひ!」

 

 思わず声が裏返ってしまったことを、心の中で後悔しながら蘭は携帯を取り出す。そのままデータの転送を行うと

 

「これって……」

 

「今月行われる『キャノンボール・ファスト』の特別指定席。見たいだろ?」

 

「は、はい!ぜひ!」

 

「でもあいにく1人1枚だけしか配れないんだ。招待券。友達の分まであげられなくてごめんな」

 

「だ、大丈夫です。私の友達みんな中継で満足するタイプですから!」

 

「へえ、そうなんだ」

 

 そう言いながら携帯を一夏は仕舞う。それと同時に蘭もカバンに戻すと、あることが思いついて勇気を振り絞って声を出した。

 

「あ、あの一夏さん!」

 

「ん?」

 

「い、一緒に回ってもいいですか?」

 

「ああ」

 

 あまりにも拍子抜けなこともあり、体勢をずるっと蘭は崩しかける。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい。気にしないでください」

 

「そうか。じゃ、見て回るか」

 

 一夏の声に2人は頷き、左右両端に並んだ。

 

 

 

「うふふ、一夏君も罪な子ねー。女の子を何人落とせば済むのかしら?」

 

「まあ本人は無自覚だからねー。止まることを知らないと思うよたっちゃん」

 

 そしてそのシーンもしっかりと追跡2人組に見られている。

 

 

 

「気に入ったのあった?」

 

「う~ん……」

 

 時計店のディスプレイを見ながら一夏はうなっていた。本人も言っていたが、一夏は時計をしない人間だ。そのためどれが良いか悪いかもわからず、デザインもピンときていない。だが、シャルロットがプレゼントしてくれると言うのだからと、現在気に入った物を選ぼうとしている。店員も一夏の趣味を見定められずに困っていた。

 

「そういえば蘭、時計持ってるのか?」

 

「え!?いや…持ってないです。携帯ので充分かなって…」

 

「だよなぁ」

 

 そんな2人の発言にシャルロットが物申す。

 

「もー、駄目だよ2人共。前にも言ったけど時計は男子に必須だし、特に蘭ちゃんは女の子なんだから、おしゃれなのしないと」

 

「は、はい。でも…時計ってお小遣いだけじゃ買えないですよ」

 

「あっ、そっか。代表候補生は国に所属してる公務員みたいな立場だから、支給金があるんだよね」

 

「ああ、そういや仭もそんなこと言ってたな。…給料減ったとかも……」

 

 仭はすでに所属してるところと言えば決まっているので、支給金はもらっている。が、組織での仕事から、代表候補生のような公務員の立場でIS学園に通うことになって、貰う金額が減ったらしい。

 

「…それにしても、このままじゃ時計決まらないね」

 

 そして話を戻すシャルロット。

 

「そうだな…」

 

「じゃ、じゃあさ。僕が一夏に似合いそうなの選んじゃってもいい?」

 

「お、それはいいかもな。シャル、センスいいもんな」

 

「そ、そうかな?じゃあ、選んじゃうね」

 

「…………」

 

 表情を輝かせるシャルロットに、反対に少し困った表情を浮かべる蘭。そんな蘭にシャルロットが声をかけた。

 

「蘭ちゃんも一緒に選ぼうよ。せっかくだし」

 

「えっ、あっ、はい」

 

 そんなこんなで2人は腕時計を選び始めた。そして一夏が待つこと20分。ゴールドホワイトの時計を持ってきた。

 

「これなんてどう?シルバーより似合うと思うよ。ガントレットも白だし」

 

「確かにそうかもな。両腕白系かぁ」

 

 

 

「ふっふっふ。両手に華ね。一夏君」

 

「シャルロットちゃんに手をつないでたところとか、たくさん…売れるわね」

 

 言うまでもなく追跡2人組。20分以上時計店の入り口付近にいたので、若干怪しまれてきてるのは、知らぬが仏である。

 

「あっ、そろそろ昼飯前だし、どこか店に入るみたいね」

 

「じゃあたっちゃん。私達もその店に入って昼食にしましょうか」

 

「おやおや、では俺もご一緒させて構わないでしょうか?」

 

「「!?」」

 

 2人はその第3者の声を聞き、後ろを振り返ると黒いマスクで顔を隠している普段着の仭の姿があった。

 

「ア、アハハ。こんにちはー仭君」

 

「こ、こんなところで会うなんて奇遇ねー」

 

「ええ、そうですね」

 

「そ、それじゃあ」

 

「さよならー」

 

「…待てやこら」

 

「「!……」」

 

 仭の元から去ろうとした2人だが、当然仭に止められる。

 

「何をしてたんだですか?生徒会長?」

 

「か、買い物をー」

 

「ほう、では時計店の入り口ら辺で20分以上留まっていたのは?」

 

((バレてる!!))

 

「と、というか仭君は何でここに?」

 

「休日にどこ行こうが俺の勝手でしょう?しかし尾行とは趣味が悪い」

 

「び、尾行なんて…」

 

「た、ただ織斑君達を見てただけ…あっ」

 

 墓穴を掘った薫子。

 

「…さて、虚さんに連絡して説教を「「待って待って!」」

 

「…大人しく帰りますか?」

 

 それに頷く2人。

 

「ではカメラを渡して下さい黛さん」

 

「えー」

 

「………」

 

 問答無用で奪い取る仭。で、フィルムだけを取った。

 

「あーー」

 

「では、帰ってくださいよ」

 

「「はーい」」

 

 そう言って仭は2人から去って行く。途中携帯を取り出して誰かと話していた。

 

「「…ふっふっふ」」

 

 仭が完全に見えなくなると2人は笑い出した。当然諦めて帰るということは考えていない。

 

「ふふ、思ったより簡単に行ってくれたわね」

 

「今から撮り直してやるわ!」

 

「じゃあ一夏君達を……!」

 

「あ、しまった!」

 

 そして2人は仭に対応することに集中していて、今やっと一夏達を見失っていることに気が付いた。

 

「くっ…ということは仭君、初めから私達を足止めすることが目的だったのね…」

 

「ど、どうするたっちゃん」

 

「…ふふ、こんなことで復讐を…奥の手よ」

 

 楯無はISのコア・ネットワークで、一夏とシャルロットのIS反応を探しだした。

 

 

 

「しかしどうしたんだシャル?いきなりISをステルスモードにしてくれって…」

 

「い、いやね?仭からそうしておいた方がいいって言ってたんだよ」

 

「?そうなのか。そういやさっき電話してたな」

 

「う、うん。それ…」

 

 現在一夏、シャルロット、蘭は近くにあったオープンカフェにいる。そして先程の会話は、一夏にシャルロットがISのステルスモードを使っておこうという相談である。

 仭から言われたと、そう言ったシャルロットは嘘をついてはいない。実は仭から『楯無が尾行してる。とりあえず今お前達を見失ってるから、ISをステルスモードにしておけば打つ手がなくなる。虚さんは協力してないからな』――と電話してきたのである。

 

(けど何で仭は尾行してきてる2人のことわかったんだろう?)

 

 それは仭が今日一夏達の行くショッピングモールに連れと行くことを知ってた虚が、楯無達の思惑を知って、仭へと連絡したからである。で、事情を知った仭は責任が自分にもあるわけなので、対処したわけだ。

 その後昼食のランチメニューが来て、それを食べ終えた後、デザートのアイスを食べていた時に、一夏が自分のアイスをシャルロットや蘭と食べさせ合い、シャルロットも蘭も顔を真っ赤にするという光景があった。嬉しさやら恥ずかしさやらで味がわからなかったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

*仭サイド

 

 

 

 

 

「あっ、大尉」

 

「プライベートとはいえ、さすがにそう呼ぶのはやめろ…」

 

「わかりましたよ仭さん」

 

 で、楯無と黛さん、2人の野望?を阻止した俺は、買い物中だったため、連れのアリィの待ってた場所に戻ってきた。ちなみに楯無達から離れる途中に電話したのはシャルロットだ。その後虚さんに連絡した。あの2人は俺が注意したくらいで帰らないことぐらいわかってる。

 

「それで会長達の件は終わりましたか?」

 

「とりあえずな。一夏達に合流できるかどうかは運次第だ」

 

 今頃ISのコア・ネットワークで一夏達を探そうとするが、見つからずにいる楯無の姿が浮かぶ。…帰って虚さんに叱られろ。

 

「そうですか。じゃ行きましょう♪」

 

「ん」

 

 隣に来て手を繋いできたが、俺は特に拒むこともせずに歩き出す。

 

「で、何か行きたい所はあるか?」

 

「決めていいんですか?」

 

「待たせた詫びだ」

 

「ありがとうございます。じゃあちょっと行きたい場所がありますので…付き合って欲しいです」

 

「いいぞ。ただし俺も入れる場所な」

 

「いや、それぐらいわかってますから」

 

 で、手を引かれて着いて行ってみたらアクセサリーショップだった。…って

 

「ISの待機形態があるんじゃないか?」

 

「…お互い相手のを選びませんか?」

 

 無視か。いや、別に嫌というわけではないが、だってそうじゃないか?

 

「まあいいや。じゃ、後でな」

 

「はい♪」

 

 そして俺とアリィは別れる。…何にするか。

 

(俺は腕輪で、アリィはブレスレットだったな。…ネックレスか。…5万、手頃だな)

 

 常識的な金銭感覚は持ってると思うが、今持ってる金額を考えてである。というより値段はあいつ気にしない方だろうな。…だからって安いので済まそうと思ってないぞ?

 

「あっ」

 

「ん?」

 

 少々悩んできたところ、アリィと遭遇。

 

「アハハ、同じ所に来ちゃいましたね」

 

「正確にはお前が来た、だがな」

 

「ここで悩んでたんですか?別に安くてもいいですよ」

 

 そういう問題か。別に釣り合いとか考えてはないが…ん?…これがいいか。

 

「これにするか」

 

「早いですね。じゃあ私も」

 

「お前もか。女子ってのは普通悩むものじゃなかったか?」

 

「一応候補はあったので」

 

「そうかい」

 

 とにかく決まったので会計へ向かう。こういうのは決まる時は案外あっけなく決まるものだ。で、買ったので店の外へ出る。

 で、お互い袋から取り出して渡してきたのはアリィはカーネリアン(宝石)のY字ロングネックレス、俺はクリスタルのネックレスだ。

 

「ちなみにカーネリアンの宝石言葉は優しさです」

 

 …優しいか?

 てかそれで悩んでたのか。…俺も似たようなものか。数少ない宝石言葉で共通して選んだのが、クリスタルだもんな。宝石言葉?…聞くな。

 とにかく俺は(カーネリアンの)ネックレスを受け取って付けた後、俺は(クリスタルの)ネックレスを付けてやる。

 

「え?あ、ありがとうございます…」

 

「別にいい。で、次はどこ行くんだ?」

 

「あっ、は、はい、次は―――」

 

 そんなこんなで夕方くらいまでショッピングをし、学園に俺達は帰った。

 

 

 

 




色々どうするか悩みまくってます。
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