IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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原作での取材の件も入ります。


第78話 仭のある訪問

第78話 仭のある訪問

 

 

「やっほー、織斑君、篠ノ之さん」

 

 2時限目の後の休憩時間、1年1組の教室に現れたのは新聞部2年の黛先輩だった。

 

「あれ、どうかしたんですか?」

 

「いやー、ちょっと頼みがあって」

 

「頼み?私と一夏にですか?」

 

「うん、そう。それと仭君にもね。今はいないからとりあえず2人に…あのね、私の姉って出版社で働いているんだけど、専用機持ちとして独占インタビューさせてくれないかな?あ、ちなみにこれ雑誌ね」

 

 そう言って黛先輩は、ティーンエイジャー向けのモデル雑誌を渡してきた。

 

「えっと…この雑誌ってISと関係なくないですか?」

 

「ん?あれ?2人共こういう仕事って初めてなの?」

 

「はぁ」

 

 仭はどうなんだろうか。いや、ないか。

 

「専用機持ちって普通は国家代表かその候補生のどっちかだから、タレントになるって話もあるのよ。国家公認アイドルっていうか、主にモデルだけど。あ、国によっては俳優業とかもするみたいよ」

 

「そうなんですか。で、それでインタビューを俺達と仭がですか?」

 

「うん、けど仭君今いないからなぁ」

 

「電話かけて訊いてみますか?」

 

「ちょっと待って。仭君ってどこ行ったんだっけ?」

 

「えと…イタリアです」

 

 すると黛先輩は驚いた顔をした。

 

「ちょっと一夏君!今11時ちょっと前くらいだからそれはイタリア(あっち)だと単純に夜中の3時くらいよ!それにまだ多分飛行機に乗ってるから!」

 

「本当ですか!?」

 

「地理の時間で時差の計算を習わなかったの…」

 

 危なかった。

 

「仭君については後にするとして。それで取材は写真撮影とかもあるから。まあ、モデルね」

 

「モデルですか…」

 

 やったことがない。そんなことを考えていると鈴がやってきた。

 

「何よ、一夏。モデルやったことないわけ?仕方ないわね、あたしの写真見せてあげるわよ」

 

「いや、いい」

 

「何でよ!」

 

 頭をはたかれそうになるが腕で防ぐ。

 

「いや、別に理由は…」

 

 変に格好つけてるんだろと言えば怒り出すのは目に見えてるので言わない。

 

「何が格好つけてるよ!じゃ見てみなさいよ、ほら!」

 

 が、心を読まれる。……本当に何でなんだろうか。って携帯画面を押し付けてくるな。

 

「お……」

 

「む……」

 

 モノのついでで、一緒に見た箒も俺と同じ反応をした。

 

「結構いいな」

 

 携帯にはカジュアルを着こなしている鈴の姿が写っていた。

 

「ふふん。そうでしょ。そうでしょう。あ、こっちは去年の夏の――」

 

 その時休憩時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。

 

「一夏君、今日は剣道部の貸し出しよね。放課後また来るから。じゃあ!」

 

 颯爽と立ち去る黛先輩。

 

「あっ、じゃああたしも戻るわ。じゃあね、一夏!」

 

 そして鈴も戻っていった。俺も叩かれる前に戻る。

 

 

 

 

 

*第3者サイド

 

 

 

 

 

「!」

 

 携帯のコール音が鳴る。仭は携帯を取り出してそれに応じた。

 

「Lo zarismo sara ' demolito, potete starne certi.- Che c' e '?(何の用だ?)」

 

『は!?』

 

「!…ああ、悪い。イタリア語で話しちまった。本場だからな」

 

 仭はしまったと思いながら今度は日本語で話す。相手は一夏だった。

 

『いや、ちゃんと切り替えてくれよ』

 

「お前異国語をそうほいほい切り替えられると思ってんのか?イタリア語だろうが、英語だろうが、それを使ってる時は脳でもそれを思い浮かべてるんだよ」

 

『わ、悪い…』

 

「で、何の用だ?」

 

『あ、ああ…黛先輩の姉が出版社で働いていて、専用機持ちとして独占インタビューさせてさせて欲しいんだと』

 

「…インタビュー?」

 

『ああ、俺と箒もな』

 

「そうか。その件は断る」

 

『やっぱりか。箒も嫌だって…あ、黛先輩来た』

 

「そうか。ちょっとこっちも忙しいから、そう伝えといてくれ」

 

『わかった』

 

「…何度言われようが、受けない…ともな」

 

『わ、わかった』

 

 仭は携帯を切った。

 

「………」

 

「誰から?」

 

「一夏だ。何か先輩からある出版社で、独占インタビューさせてほしいと来たらしい」

 

「へぇ、あなたはやっぱりそういうの好きじゃないのね。一応組織から許可貰ってるのに」

 

「というか、俺のような奴が雑誌に載るのはな。これ以上有名にもなりたくはない」

 

 悪い意味でな、と仭は付け加える。それに対し、仭と話してる者は苦笑した。

 

「今はAMで9時くらいだから…あっちじゃPMで5時くらいだな。一応イタリア(こっち)日本(あっち)の時差は知ってたらしい」

 

「そうね」

 

 実は仭が飛行機に乗ってる途中、一夏は電話をかけようとしたのは知らない2人。

 

「…そろそろ行くんでしょ仭?」

 

「ああ、シーナ。済まんな。本当に付き合わせてしまって」

 

「別に、後であなたからケーキでも奢ってもらうし」

 

「…ちゃっかりしてんな」

 

「どうも」

 

「褒めちゃいない」

 

 そう会話を続けながら仭とシーナと呼ばれた少女は歩みを止めない。

 仭はイタリアに無事到着し、電話で話をしていたシーナという少女と行動を共にしていた。彼女は仭と同じように16歳という年齢で、赤褐色の髪色。髪型はセミロングと仭より若干長かった。

 

「それにしても…あなたがここまで来て、確認したいなんてね。あのイタリア代表候補生のことを」

 

「…悪い。どうしても奴がファントムの方に行くのが納得し難くてな」

 

「まあ、いいけど。…彼女が本当にファントムに所属してたら?」

 

「その時は奴を討つ。と言っても、おそらく俺があいつを相手にすることはそうないだろうが…」

 

「………」

 

「…ただ確認したかっただけだ。本当に奴が自分の意思でファントムについたのかをな」

 

「…これから向かうキャバリス家。結構名門だったけ?で、そこの娘が代表候補生」

 

「そうだ。イギリス代表候補生セシリア・オルコットのように、IS適正【A】を出したイタリア代表候補生レザリナ・キャバリスだ」

 

「あなたが惚れた?」

 

「………」

 

「ごめんごめん。冗談だから睨まないで。…知り合いだったのよね」

 

「任務でな。あのISの整備や第3世代開発の手伝いに来たあれだ…『スプレマシー・フェニーチェ』の機体開発をそれで手伝った」

 

「ああ、確か組織がイタリアに借りができてたのよね?」

 

「そう。それで否応なしに、組織の人間が数人手伝いに。その中に俺も含まれてたわけだ」

 

 ま、極秘の件でもある。

 

「話が少し飛んだな。ええと、レザリナの話だったな。…奴は今時の者には珍しい、完全に男より優れていると勘違いする輩じゃなかった」

 

 セシリアもそういう趣向に染まってたみたいだが。念のため言うが俺は男尊女卑というわけではない。

 

「…で、仲良くなったわけ?」

 

「その辺は別にいいだろ。確か…詳しいことは忘れたがパーティに何か参加というか、行かされてそこであった」

 

「へぇ…というか覚えてないって、随分と酷くないかしらそれ」

 

「良い記憶がない。確か社交パーティーで、何か護衛的なことをやらされたことは覚えてるんだが…あんなのには2度と参加したくないと言うのは良く覚えてる。権力争いの為に笑顔で、言葉を言い合うあんな気分が悪くなる空間なんざもうごめんだ。報酬が良くても基本嫌だ」

 

「ああ、そう」

 

 もう聞くのはいいかと思いながらシーナは話を止め、歩みを仭と共に止めた。

 

「…そろそろついたか」

 

 仭は横に体ごと向け、建物を見る。そこは仭達の向かってる場所、名門キャバリス家であった。

 

「…ところで」

 

「何だ?アポは取ってあるぞ」

 

「違うわよ。イタリアはファントムと完全に繋がってるってことはないのよね」

 

「ああ、それもわかってるからこそ来れると思ったんだ」

 

「…この場所がファントムに繋がっちゃってる場合は?」

 

「…血で汚れることになるな。ナイフを2本ばかり貸してくれ」

 

「1本5000円」

 

「じゃあいいや。IS使う」

 

「嘘よ」

 

 そう言いながらシーナはナイフを4本仭に渡した。

 

「で、殺っていいの?」

 

「ファントムに繋がってたらな。組織にもその時は連絡だ。これには指揮官も了承済み」

 

「了解」

 

「頼むから、殺生沙汰になることにだけはならないでくれよ…」

 

「ちょっと話し方おかしいわよ」

 

「任務ですらないのに、殺生沙汰起こしたくねぇよ」

 

 そう言いながら仭は玄関で、インターホンの代わりについている丸い輪――ノッカーを叩く。その目はいつもの目ではなかった。

 

 

 

「いや、お久しぶりでございます。黒崎様」

 

「ああ、久しぶりです。フィリスさん」

 

 仭はキャバリス家に入ると、客の間に通され、そこでメイドのフィリスと2人きりになる。シーナはその外にいた。

 

「いやいや、呼び捨てで結構でございますよ」

 

「別にこう呼んでもよいでしょう」

 

 フィリスがそう言うのは自身が仭より年下だからでもある。このメイドもISの風潮に染まっていない女性でもあって、仭とは知り合いだからでもあるが、仲が良い。

 

「それで、何用ですか?」

 

「…何の用で来たかは、あなたが良くわかってるでしょうフィリスさん」

 

「………」

 

 空気が変わる。仭の言葉にまったく驚きもしなかった。

 

「イタリア政府に行ったところではぐらかされるだけだ。ならばとここへ来た」

 

「…レザリナ様のことですね」

 

 フィリスはため息を吐きながら言う。もう何もかもわかってるという表情だった。

 

「…当然国は知らせたりはしない。だから答えてくれ。レザリナが亡国企業にいた。しかも奴自身の専用機を持ってだ。それはどうしてだ?」

 

「………」

 

 ソファに座っていた仭は問う。しばし沈黙が入り…

 

「わかりました。話します」

 

「頼む」

 

「ただ約束してください。このことは…」

 

「わかっている」

 

 それを聞いて頷くと、フィリスは話し始めた。

 

「…あなたの話では、レザリナ様は亡国企業で活動していたと?」

 

「ああ」

 

「…正直に言うと、それは私でもわかりません」

 

「何?」

 

「レザリナ様は亡国企業に協力するために、ついたわけではないからです」

 

「…どういう意味だ?」

 

 仭はフィリスの言葉に疑問を覚える。

 

「詳しくはわかりません。ただ言えるのはレザリナ様は攫われたからです」

 

「何?」

 

「…実は亡国企業がイタリアに襲撃して来たことがあり…」

 

「…その時にレザリナごと連れて行かれたと?」

 

「はい」

 

(あいつはISに対してナターシャさんのように、愛着を持ってた。抵抗してたせいでISがなかなか奪えず、他のISの操縦者が来ることを考えて、一旦気絶させ連れてったという考えも有り得るな。…だが)

 

「ならば何故…奴はあのISを使って襲撃を…」

 

「それは…私にもわかりません…」

 

 申し訳なさそうにフィリスは顔を伏せた。

 

 

 

「!仭…」

 

「話は終わった」

 

「すいません。その…」

 

「別にいいですフィリスさん。話してくれてありがとうございました」

 

 その後仭とシーナはキャバリス家を出て行った。

 

「…で、話は聞けたの?」

 

「ああ」

 

「………」

 

 仭の考えごとをしながら歩いてる表情を見て、シーナは詮索しようとはしなかった。

 

(奴は本当に亡国企業(あっち)についたのか?…腑に落ちない。どうもISについてたコードとかが気になる。しかし、俺の予想通りだとして、それは可能なのだろうか‥)

 

「で、これからどうする?」

 

「!…そうだな、組織の支部に行ってしまうか。呼ばれてもいたし」

 

「そう…」

 

「………」

 

「…あんまり悩みすぎても仕方ないんじゃない?その様子だと彼女ついてたんでしょ?」

 

「…いや、ファントムが襲撃したらしく、ISと一緒に攫われたらしい」

 

「え!?でも…」

 

「彼女が嘘をついてるとは思えない。つまり支部があるというのに、組織に知られなかった。隠蔽されてたんだろう。まったく…」

 

「…で、だったらどうして?学園に襲撃したっていうのは変じゃない」

 

「そうだな…」

 

「…考えとしては、本当にそっちについたか…催眠術でもかけられたか…」

 

「催眠術、ね…操られてるという点では有り得るかもな。奴のISにはコードとがついていた」

 

「え?」

 

「まあ、確信はできんがな」

 

「………」

 

「…そんな顔をするな。別にそこまで心配してくれなくていい」

 

「別に心配は…」

 

「はいはい、大丈夫だから」

 

「………」

 

 そう言って仭は話を占めた。

 その後支部に行って仭は訓練をしていたが、アリシアから連絡が入って他の専用機持ちはもう全員組んでしまって自分は余ってしまったことと、あることを聞かされて落胆し、かなり無茶そうな考えを実行するのは後の話。

 

 

 

 




うまくまとめられない…。(汗)オリキャラに関してでした。

次話は学園に戻ります。仭の考えについては後に。
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