IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~    作:狂戦士

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楯無が簪を倒されて怒りました。

今回決着です。


第82話 第1試合決着!

第82話 第1試合決着!

 

 

「さてさて、ああなった楯無を相手に一夏と鈴は勝てるか否か…」

 

「あなた、こうなることわかってたの?」

 

「当然だ。あのシスコンが妹やられて怒らないわけがなかろう」

 

 ピッド内。俺ともう1人は映像を見ている。楯無が簪を倒されたことで、怒っている。まさに狂戦士化か?いや、言い過ぎか。

 

「なら、もう勝ち目ないんじゃない?彼女の場合、容赦しなくなるでしょ?」

 

「確かにな」

 

 いつぞやのラウラの時のように、強制解除にまで追いこむほど、やりすぎるようなことにはならないだろうが、容赦しなくなるだろう。

 

「…だが」

 

「?」

 

「それでも楯無とて人間だ。怒っていれば幾分か周りを見失うことだってあるだろう。つまり、今の状態は奴らにとっては1番厄介だが、1番倒すチャンスでもある」

 

 怒って俺に攻撃してきたラウラの時と同じような感じだ。もっとも、我を失うほどではないが、それでも隙を見せるところも多いだろう。

 

「…それはあなたにも言えること?」

 

「………どうだろうな」

 

「…ごめんなさい」

 

「別にいい」

 

 …そういえばこいつは知らなかったな。俺が組織で任務のとき、1()()()()()()()()()()ことを…。

 大したことはないと思われるだろうが、その時に俺はミスを犯したわけではない。…ただ、やりすぎるほどに、任務を遂行しただけだ。

 

「…ま、話を戻すが、どの道一夏達が苦戦することだけは変わらない」

 

 試合に意識を変えると、楯無が一夏にランスで攻めたてている。鈴は援護に回ろうとしているが、楯無と一夏の周囲に霧が漂っているからか近づかない。否、近づけない。下手をすれば清き熱情(クリア・パッション)をもろにくらうことになるので、援護にいこうにもいけない状態だ。龍砲も下手をすれば一夏に当たることになるからか、鈴は使わない。

 俺との模擬戦で道連れをするような奴だ。自分ごと清き熱情(クリア・パッション)を発動してこないとは限らないからだろう。

 

 ――さて、今ぶつかってる2人の分は…一夏が若干不利だな。防御に精一杯という感じだ。

 

 

 

 

 

*一夏サイド

 

 

 

 

 

「くっ…!」

 

 楯無さんがランスで攻めてくるのに、俺は雪片弐型と体術で、防戦するのが精一杯だった。そして――

 

「ふふふふふ、どうしたの~一夏く~ん?」

 

 怖い!もう怖すぎる!!簪を倒してからもうこの調子だ。壊れたわけではないだろう。おそらく俺の剣技を鈍らせるためと、俺が簪を倒してしまった所為であろう。

 しかしこのままではマズイ。攻撃が少し被弾してきた。ジリ貧で俺がやられてしまうとなると、鈴が勝つのが難しくなる。まず、楯無さんから離れねば…。

 

「鈴!ひとまず楯無さんから、離れるために衝撃砲頼む!」

 

『わかったわ!』

 

 プライベート・チャネルを通して鈴に頼む。

 

「そうはいかないわよ~!」

 

「ぐっ…!」

 

 楯無さんに腹を蹴り上げられ、引っ張られる。

 

「なっ!?」

 

 鈴の驚く声が。ハイパーセンサーで確認すると、俺の後ろに鈴が…仕方ない。

 

「鈴!そのまま撃て!!」

 

「はっ!?何を「いいから撃て!」――っ!ああもうわかったわよ!!」

 

 無人機戦で使ったあれをやることにした。

 瞬時加速。それは後部スラスター翼からエネルギーを放出。それを内部に1度取り込み、圧縮して放出することで莫大な速度を発揮する。それを俺は衝撃砲を背中からくらい、外部から無理やり取り得いた。

 それを俺は再びやろうとしている。

 

「何を――ぐぅ!?」

 

 俺は強化版の瞬時加速で楯無さんに突っ込む。擦れ違い様に、俺は楯無さんを零落白夜で斬っていた。…手応え有り。

 

「…やってくれるわね一夏君」

 

「結構無茶しましたけどね」

 

 さすがに衝撃砲は最大出力ではないが、絶対防御が発動してしまい、俺もエネルギーがかなり減らされた。

 

「今ので、エネルギーもそこそこ減らされたけど…まだまだ負けないわ!」

 

 そう言うと、楯無さんは鈴が衝撃砲を放ってくるのにも関わらず、俺に突っ込んできた。しかも空いている手の方に蛇腹剣を呼び出して。

 こうなったら

 

「?」

 

「はぁ!」

 

 俺は雪片弐型を腰に添え、俺は居合いの構えを取る。そして抜刀。腰から抜き取って一閃。

 

「!」

 

 しかし、当然雪片弐型は楯無さんには当たらない。が、その際に俺は零落白夜を発動しており、エネルギーの斬撃が楯無さんに飛ぶ。

 

「っと!まさか仭君と同じことができるなんてね」

 

 しかしそれはぎりぎりかわされる。これは仭のやったことを真似て、個人訓練の結果できた。

 

「余所見!」

 

「!」

 

 鈴の声だ。そう、俺の斬撃は囮だ。楯無さんが少しでも動きを止めたところを鈴が攻撃することになってた。ちなみに今現在、楯無さんの腕は、鈴のIS甲龍の腕から出てる鎖に絡まれてる。

 

高電圧縛鎖(ボルテックチェーン)!」

 

「ぐうううう!!」

 

 鈴が腕部衝撃砲の代わりに実装することを要求した装備だ。その名の通り、電流が鎖を通して流れ、ラウラのプラズマ手刀のように、ダメージを与える武装だ。

 楯無さんはそれのせいで、苦悶の声を上げる。

 

「よし!」

 

 その瞬間を(申し訳ないと思うが)俺は逃さず、再び雪片弐型を腰に添え、腰から抜き取って再び一閃。当然ながら零落白夜の刃を飛ばしている。

 

「お、お姉さんを甘く見ない方がいいわよ!」

 

「!」

 

 しかし楯無さんは手に持つ蛇腹剣で高電圧縛鎖をぶった切る。そして、再び零落白夜の刃をかわすが

 

「はあ!」

 

「くっ…!」

 

 そこに直撃とまではいかないが、鈴の衝撃砲が当たる。

 

「高電圧縛鎖はもう1つあるわ!」

 

 鈴はもう片方の腕から高電圧縛鎖を放ち、楯無さんの腕に絡ませる。

 

「は!」

 

「「!」」

 

 そして鈴が高電圧縛鎖に電流を流すと同時、楯無さんは鈴に蛇腹剣を鞭の状態で、振る。それは鈴の腕に絡まった。

 

「ぐううう!」

 

「!きゃあああ!!」 

 

「鈴!」

 

 楯無さんに電流が流れると、鈴にも流れ始めた。どうやら楯無さんは蛇腹剣を通して、鈴に避雷針のような役割をさせているようだ。

 

「くっ…はあ!!」

 

「なあっ!?」

 

 しかもそのまま楯無さんは高電圧縛鎖を持つ。蛇腹剣と共に鈴と繋がってる状態で楯無さんは何と振り回した。つまり、ジャイアントスイングのように。それは俺へと…

 

「くっ…!」

 

 鈴が高電圧縛鎖に衝撃砲を放つ。それは当たって、鎖は切れた。しかし

 

「きゃあ!」

 

「ぐぅ!」

 

 蛇腹剣は離れたわけではなかったので、俺にぶつかった。

 

「あ、あんた何ボケーっと…」

 

「わりx…危ねぇ鈴!」

 

「!――っと!」

 

 そこへ銃弾が飛んできて、危うくだが、俺と鈴は回避する。

 

「喧嘩してる余裕はないわよ?」

 

「「!」」

 

 楯無さんが瞬時加速で突っ込んできた。マズイ。

 

「一夏!」

 

「っ!――鈴!?」

 

 すると鈴は俺に体当たりをしてきた。

 

「何を――!」

 

 しかしそれのおかげで楯無さんから俺は離れられた。

 鈴は刀刃仕様になっている双天牙月を両手にそれぞれ呼び出し、楯無さんへと迎え撃つ。鈴は双天牙月で斬りかかるが、楯無さんは蛇腹剣で受け止める。もう片方の双天牙月で斬りかかろうとするが、楯無さんは大型ランスで鈴の腹へなぎ払うように攻撃。それにより鈴の動きが鈍ったところを楯無さんは蛇腹剣で斬りかかった。

 

「きゃあああ!!」

 

 鈴はそれによる衝撃が大きかったのか、地面へと落下していき、叩き付けられると共に砂煙が舞った。シールドエネルギーも少なかったから、終わってしまっただろう。

 だが

 

「うおおおおお!!」

 

「!」

 

 俺は楯無さんの後ろから瞬時加速で突っ込む。その前に俺は零落白夜の刃を飛ばしている。斬撃が当たるとは思わないが、そこを狙って俺は斬りかかる。もうエネルギーに余裕がないのでこれしかない。

 楯無さんは斬撃をかわした。そして俺は雪片弐型を構えるが

 

「?」

 

 楯無さんの行動が読めなかった。蛇腹剣をしまって指を構えている?……!!

 

「ざんね~ん。私も結構追い込まれたけどね~」

 

 周囲にあった霧に気付いたときにはもう遅かった。

 楯無さんがパチンと指を鳴らすと、周囲にあった霧は気化し、水蒸気爆発が起こった。

 もろにくらってしまった俺にはもうエネルギーは残されておらず、鈴もやはりエネルギーが0になっていたようで、負けた。

 

『試合終了。第1試合勝者――更識楯無&更識簪ペア!』

 

 

 

 

 

*仭サイド

 

 

 

 

 

「ハハ、やっぱり勝てなかったか」

 

「やっぱりって…」

 

 1回戦は楯無・簪ペアが勝ったか。まあ、大体予想通りだな。いくら代表候補生に実力が追いついたとて、言っちゃ悪いが、しょせんはそこまでだ。てかエネルギーの斬撃を飛ばすとか、俺の技まで盗みやがってあの野郎。

 

「てことは最初から、彼らが勝つこと期待してなかったの?」

 

「う~ん…まぁ1割弱だったかな?いや、もう少し下か」

 

「………」

 

 勝つこともあるのではと若干期待してたのも本当だ。一夏・鈴のペアが勝ってくれれば、脅威である楯無・簪ペアが消えるからな。期待しといても別にいいだろう。

 

「…が、結果は結果だ。結構面白いところまでは行ったが、一夏と鈴は負けた。先のことを考えるとしよう」

 

「…それもそうね」

 

 あいにくこちらはトーナメントが続いている。次のことを考えねばならないのだ。

 

「次は…アリィと、レイラね」

 

「そう。で、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットに、天災の妹 篠ノ之箒が相手だ」

 

「篠ノ之箒…」

 

 するとこいつの目が少し変わる。……ったく

 

「おい…」

 

「わかってる。万が一当たったとしても、彼女にとやかく言うつもりはない」

 

「………」

 

 こいつの様子が少し変わったのは、箒に関係している。と、言っても別に知り合いだとか、そういうんじゃない。こいつは箒とは面識ないのだから。

 …理由は単純。箒の専用機『紅椿』をあの人から貰ったことに関係している。一夏や箒の現在の状況のことを話してるときに言ったと思うが、俺や一夏のモルモットと違い、箒は代表候補生でもないのに、姉妹だからという理由で専用機を手に入れた。それは専用機持ち…代表候補生などが良く思うはずがない。組織も例外ではなく、それが専用機持ちであるこいつにもあるというわけだ。

 

「…で、お前はどっちが勝つと思う?」

 

「多分あなたと同じ」

 

「そうかい。アリィとレイラのペア…。同じだろう?」

 

「えぇ」

 

 確か束さんが、『有史以来、人類が平等であった事なんて1度もない』って、臨海学校で言った記憶がある。今はかなりそうと言えるし、それについて束さんに抱いてる感情とかも思った記憶があるが、それは置いとき…それで箒が専用機を持ったことを『はい、そうですか。なら仕方ない』で納得するわけもなし。納得するなら今の世の男達はもう奴隷だ。

 案外、俺とこいつが箒とセシリアのペアに当たらなくて良かったな。こいつがとやかく言うつもりはないという言葉を信用していないわけではない。だが、そう思ってしまうのは自然なことだ。アリィやレイラはそういうこと思ってないしな。

 

「…だから大丈夫よ。そんなに見据えなくても。会ったとしても何も言わないから」

 

「見据えてたか?」

 

「思いっきり」

 

 無意識のうちにやってたか…。まあ、それを言えば俺や一夏も、箒と同じように思われると思うが、別に何とも思ってないらしい。聞いたら『今の男達の境遇が境遇だから』…だと。

 さて、分析始めるかね。

 

「箒・セシリアペアは…相性悪いからな」

 

 いきなり何を言うだと?せめて話を聞いてからにしてくれ。

 

「ビットの関係で、連携はしてこないだろう。それぞれタイマンで終わらせる。そういう作戦だろうな」

 

「でしょうね。篠ノ之箒も、単一仕様能力が使えるようになって、紅椿を使いこなしてるみたいだけど…彼女達ならね。性能が良くて速かろうが『絢爛舞踏』でエネルギーを回復させようが、たかだがそれだけだし…」

 

「はぁ……」

 

 何を言ってやがるとか思うだろうが、別に俺は疑問に思わないところもある。言ってることは正論なのだが、やはり箒・セシリアペアと当たらなくて良かったと心の底から思う。

 で、こいつの言う理由は、おそらく訓練をしたからと言って、代表候補生を相手に高性能な機体が手に入ったからといって勝てる訳がないということだろうな。実際一夏がいい例だ。

 そして1番の脅威であるエネルギーを増幅させる単一仕様能力『絢爛舞踏』がそれだけというのは、そのままの意味だ。回復するのはエネルギーのみ。言うなれば機体のシールドエネルギーとかだけで、操縦者のダメージや機体の損傷は回復しない。

 

 …で、結局何が言いたいかというと、わざわざエネルギーを0にするようなことをしなくてもいいということだ。気絶させるなり、機体を損傷させて戦闘不能にさせるなりすればよいということ。

 

「で、アリィ・レイラペアも、アリィがビットを使うならば相性は悪い」

 

 ビットを使うなら。アリィはビットを使わなくても、連携を取れるような武装が実はある。俺と模擬戦した後に言った例の隠し玉だ。

 

「…と、そろそろ始まるな。ま、普通にタイマンずつにされたとしても、箒のことと、セシリアのビットを考えておけばいいだろう」

 

 組織にいたとはいえ、アリィとレイラは正規に入った者ではなく、代表候補生だ。総合性能の差では言うまでもなく箒・セシリアペア。実践経験では…アリィ・レイラペアが上回るか?

 まあ、どっちが勝とうがあの最強ペアに挑むことになるのだが。

 

 

 

 




はい、惜しくも?負けました。まあ、清き熱情を忘れてたという一夏がミスってしまったということで。(汗)

しかし難しかった。かなり疲れました。
それと高電圧縛鎖は完全にオリです。
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