七曜少女のヒーローアカデミア   作:ナーシャ・アリティア

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こんにちはナーシャです!
今回はテストのあとのお話となっています。

※あてんしょんぷりーず※

・後半にかけて雑い。
・キャラの口調うろ覚え

いいでしょうか?
それでは、どうぞ!



個性把握テスト~その後~

side:パチュリー・ノーレッジ

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから戻ったら目通しとけ。」

 

個性把握テストの終わりを告げた先生はそう言った。各々が行動を始めたとき、先生が出久に

 

「緑谷。保健室で婆さんに治してもらえ。ノーレッジに少しやってもらったみたいだが、完治したわけじゃねえんだろ。だから行ってこい。明日からもっと過酷な試験があるから覚悟しておけ。」

 

と言って保健室の利用届を渡し、先生は去っていった。

そのまま去ろうとする出久に私は小さな声で言う。

 

「・・・・・明日キッチリときかせてもらうわよ、その個性とオールマイトの関係性について。」

 

「--ッえ!?」

 

出久が驚きの声を上げるが、私はそれを気にせず歩いていく。私のその言葉は、喧噪の中へと消えていった。

 

~~

 

そのまま更衣室へ着いた私は着替えをする。その間にも、今日あったことを振り返りながら次の目標を決める。紅魔館に居たころは四六時中時間など気にせずに本を読むことに没頭することができたが、この世界じゃそうはいかない。それに異変の黒幕を見つけるにはどうしたら・・・・・・まだだ。手がかりが少なすぎる。うーん、気になることも特にないし、どうしたら・・・

 

「・・・・なあなあ、ノーレッジちゃんの個性って何なん?」

 

私が思考の海に浸る中、突然麗日が話しかけてきた。なにとなしに聞いてきた素朴な疑問。

そういえばさっきのテストのときもそれについて聞いてきていたけれど話しそびれていたわね。

そんなことを思っていると、いつのまにか先程の麗日の言葉を聞いた他の女子が私の目の前に集まっていた。彼女らは先の麗日に同調するように一人一人が話し始める。

 

「私もテスト中ずっと疑問に思っておりました。ノーレッジさんの個性は増強型のようにも発動型のようにも捉えることができますもの。いったいどんな個性なのでしょうか。」

 

「わたしもよ、ケロ。耳郎ちゃんが言っていたのが聞こえたのだけれど、ノーレッジちゃんの個性って色々なことができるのね。」

 

「そうそう。試験の時すごかったんだよなー。」

 

「えー!何それ聞かせて!」

 

「っていうかどうしたらあんな風にうまく個性が使えるの!?」

 

「ーーーちょっと、一度に言われても分からないわよ。」

 

私はとりあえず話を止めさせる。あんまり一度に多く話しかけれても私は聖徳太子ではないから分かるわけない。

そして私の言葉で周りに少しの静寂が訪れる。

 

「・・・・確か私の個性について、だったかしら?」

 

そう言うと彼女らは興味津々な顔をしながら首をうんうんと言うように振る。私はそれを見た後、はあーっと小さくため息をついた。

 

「私の個性は“魔女”。異形型と発動型が合わさった個性よ。」

 

私はそう淡々と簡潔に述べた。“魔女”という言葉に反応した何人かが驚き、そして目を輝かせる。だが何か疑問に思ったのだろうその中の一人ーーー八百万が質問をしてきた。

 

「二つ程質問があるのですが・・・」

 

「いいわよ。」

 

「先程、異形型と発動型が合わさった個性とノーレッジさんはおっしゃいました。ですが、握力測定の時のあれは増強型のようなものにも見えたのですが・・・」

 

「ああ、あれは単に下の部分が上の部分を引き付けるようにして、それから上の部分からも圧力を段々かけていったのよ。」

 

「えッ!?・・・・・なるほど。確かにそれなら説明がつきますね。」

 

私の言葉に周りは驚いたりしているが、八百万は驚きはしたものの納得し、話を続ける。

・・・・・・・成程。彼女はその聡明さと分析力が長所ね。

 

「もう一つは先程のこととは関係ないのですが、朝のとき、あなたは“これで除籍されても知らない。”とおしゃりました。」

 

「あ、それウチもきになってた。ノーレッジはなんでそういったのかなって。」

 

「あー確かにそうだったよね。先生も除籍は嘘って言ってたし。」

 

・・・ああ。そういえばそんなこと言ってたわね。まあ、あれは本当にあり得る話だし、彼なら"ヒーローになる者が時間の無駄を生み、それで人命救助やヴィランの捕縛に失敗するようなことを考えられないなんてもってのほか。極めて不合理だよ君達。"と言って除籍にしそうだからなのよね。

まあ、彼についてを知っていたらから言える話。彼女らはまだ理解していないから、仕方ないといえば仕方ないのかしら・・・。

 

「朝のはちょっとした冗談よ。ヒーローになる者が時間の無駄を生み、それで人命救助やヴィランの捕縛に失敗するようなことを考えられないなんてもってのほか。極めて不合理だからよ。」

 

「よかったー。」

 

「あのときびっくりして心臓止まるかと思っちゃったよ~。」

 

芦戸、葉隠が安堵の表情・・・・声色で言葉を発する。・・・・さっきのはあまり怖がりすぎるのを防ぐための合理的虚偽。彼女たちが真実を知る必要はないだろう。

 

「なるほど、私達への気遣いだったのですか。ヒーローになるためにはもっと自覚し、気を引き締めていかねばなりませんね!」

 

・・・やっぱり八百万はどこか考えすぎてしまう部分と常識にとらわれてしまう部分があるわね。

 

「それにしてもあのときのパチュリーの声マジトーンですっごく怖かったよー。」

 

・・・・・今のが本当だと思い込んでくれて助かったわ。下手をしたらバレていたかもしれないわね。

 

「あ、私葉隠透(はがくれとおる)!パチュリーって呼んでいい?」

 

「呼び名は好きにどうぞ。」

 

まさか私みたいな者にこんなに接してくるなんて思っていなかったわ。さすが雄英。コミュニケーション能力が高い人が多い。

 

「自己紹介が遅れました。私、八百万百(やおよろずもも)と申します。」

 

「ねえ!ヤオモモって呼んでいい?」

 

「ヤオモモ!?えっええ。いいですよ。」

 

「ケロッ。私は蛙吹梅雨(あすいつゆ)よ。梅雨ちゃんと呼んで。」

 

「・・・・・・そろそろ戻った方がいいんじゃないかしら?」

 

このまま続けたらきりがないというか、さっき気をつけようとしたのに遅れるというのは避けたい。それを皆感じ取ったのか、全員荷物をまとめて教室へと戻る準備をし始めた。その中、私は一足先に教室へと帰る。

 

~下校~

 

ペラッ・・・・・ペラッ

・・・・・六歳の時に貰った魔導書今初めて読んだのだけれど、これを持ってきたあの男何者よ。なんで普通の人間が持っているはずのない知識についてが書かれているのよ。私の図書館にこれ系統の書物は少なくは存在していたけど今あるものよりも事細やかに・・・・・・というかなんで私に渡してしかも送ったのかしら・・・・

 

「あっ!パチェちゃん!」

 

「ノーレッジ君!本を読みながら歩くのは危ないぞ!?」

 

そんな思案をしていたら聞きなれた声とあまり馴染んでいない声がした。顔だけ後ろに向けて見えたのは、こっちに駆け足で来る出久と歩いてくる飯田。

私はその場で立ち止まることなく、そのまま歩を進める。早く家に帰りたい。

先に出久が追いつき、そのあと飯田が横に並ぶ。私は本から目を離さず歩き続ける。

 

「ノーレッジ君!歩くときには本から目を離すべきだ!」

 

「嫌よ。この歩いている時間も活用していかないと。」

 

「あはは・・・ごめん飯田君。パチェちゃんは本が好きで隙あらば本を読んでいるんだ。」

 

・・・出久の言い方が少し気に入らないが、いい。今はこの文章と事実を読み解かなければ・・・・・・いや、正気を失うから今は見ておかないでおきましょう。

私は本を閉じ、袋の中に納める。そしてもう一つ別の本を取り出す。

 

「なるほど!熱心なのだな!・・・・・今取り出した本は?」

 

「魔法植物が載っている本よ。」

 

「魔法植物?」

 

「現代には存在しない植物とかが載っているけれど・・・・・説明が面倒くさい。」

 

「そんな本があるのか!」

 

飯田は驚く。まあ、こんな本に興味を持ったとして、それを手に入れることは無理でしょう。

さーて、この本の中のどれを使おうかしら。一部は紫から貰えるかもしれないけれど・・・でも、あの世界は行き方が特殊で手順がややこしいし・・・・・

 

「おーい!!駅まで?一緒に行こ~!」

 

・・・この声は確か・・・・・

 

「君は確か、無限女子!!」

 

「麗日お茶子です!!」

 

麗日だった。彼女がこちらへと来て並ぶ。

っていうか無限女子って・・・・・もう少しマシなの無かったのかしら?呆れながら私は本を閉じて袋にしまう。

 

「えっと、飯田天哉くんと...緑谷デクくんだよね!

 

「デク!?」

 

「あれ?違った?」

 

こっちは単に間違えているだけね。まあ漢字だけだとそう間違えてしまうのかしら。

 

「“デク”じゃなくて“いずく”よ、麗日。」

 

「そうなんや!体力テストの時爆豪って人が「デクてめぇ」って言ってたからそっちやと思ってた!」

 

成程。元凶は勝己ね。勝己は出久のことを木偶の坊と出久の読みを合わせて“デク”って呼んでいる。つまりは蔑称だ。子供って時に大人よりも残酷よね。

 

「デクは、かっちゃんがバカにして...。」

 

「たしか昔から呼んでいるわよね。」

 

「蔑称か!!」

 

まあ、勝己がひとを蔑称とかで呼ぶのは仕方ない。蔑称で呼んだり知らない人の名前を特徴や『モブ』って呼ぶのがもう彼のデフォルトになってしまっている。こればかりは諦めるしかない。

・・・・そういえば、何で私だけ苗字なのだろう。

 

「そうなんだ~!ごめん。でも、『デク』って頑張れって感じでなんか好きだ私!」

 

「デクです!!」

 

「緑谷くん!?」

 

「おお・・・・」

 

麗日にそう言われた瞬間出久の顔が赤くなり、そのまま答えた。私は若干引いている。それにしてもあの変わりようはすごいわね。でも蔑称を良い方向にとらえられるのはいいことなんじゃないかしら?

私は少し微笑む。

 

「コペルニクス的転回...」

 

「こぺ?」

 

「物事の見方が180度変わるということよ。」

 

「なるほど!」

 

私の言葉に麗日は納得した表情で拳でぽんっと手のひらをたたく。・・・この子純粋すぎて裏表が確認できないのだけれど。

私たちは再び歩き出す。少しの静寂が訪れるが、その静寂の中話をしだしたものがいた。

 

「・・・・ねえ、テストを始める前の相澤先生のあの発言、本当に合理的虚偽だと思う?」

 

「え?」

 

 

出久だった。彼の言葉に二人は疑問の声を上げる。私は何も喋らず黙る。 

 

「僕、あの先生の顔は本気のように見えた。」

 

・・・・・気づいたのね。誰も疑問に思わなかった部分に。

 

「・・・・それはないんじゃないかしら?」

 

「えっでも・・・」

 

「先生がそう言うんだったらそうやとウチは思うよ?」

 

「そう、だよね。・・・・うん、そうだね僕の考えすぎだったみたい。」

 

出久はそういって苦笑いをする。だが、どこかまだ納得していないらしい。・・・真実を言ったとしても混乱を招くだけ。ならば嘘を信じていたほうが幸せなのよ。少なくとも今は、ね。

 

「ね、ねえ!二人とも名前で呼び合ってたけど、友達なん?」

 

「そうだよ!僕とパチェちゃんとかっちゃんは幼馴染なんだ!」

 

「彼もなのか!?でも彼は君にひどく突き当たっていた様に見えたのだが・・・」

 

「勝己はあれが平常運転よ。」

 

彼はああ見えて繊細なところがあるからねえ・・・・・人間、やっぱり見た目と態度だけじゃないって分かったわ。そういうと、飯田はそうか・・・と言って難しい顔になった。私はまた袋から本を取り出して読書を再開する。

波乱があったが、悪くはない一日だった。

 

To be continued...

 

 




次回は戦闘訓練・・・だといいな。
ペースアップできるかな?

感想、ツッコミ、誤字報告、アドバイス等々待ってまーっす!!

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