Guten Tag、どうもこんにちは、ナーシャです。
今回は前回の種明かしとか含んでます。雑いです。
著者の勘違いしている部分もあると思いますので、それでもいいという方は、
ゆっくりしていってね!!
side:パチュリー・ノーレッジ
先程演習が終わって私はモニタールームにいる。轟は軽度の低体温症になっているから熱魔法をかけたローブでじわじわ温度を上げていく形で温めている。
「お疲れ様、君たち。」
「・・・・・・あれってどんなものだったんですか?さっぱり読めませんでした。」
「もちろん説明!・・・・と言いたいことなんだけど、こちらから見てもさっぱりなんだ。説明お願いできるかい?ノーレッジ少女。」
「・・・分かりました。」
時は遡って訓練前。
私はお茶子と作戦会議をしていた。
「うーん、ヴィラン側になるのは初めてやなあ。何か仕掛けたりするけど、うちにはそういうことさっぱりなんよなあ。」
「・・・・・うーん。」
・・・・轟か。恐らく氷と熱系の個性。だけど氷しか使っていないって聞いているから使ってくるのは氷結による捕縛・・・・となるとこちらの居場所を知られたらマズイ。つまりは内部の情報を知られなければいい。さらに障子。彼は腕を増やして器官を複製する個性。そうなるにつれて音を大きく感じられるのだから鼓膜を揺さぶるのがいいんでしょうけど、下手にやるのは危険だし何より演習にならない。
だったら防音結界を張って探られないようにしましょう。こちらの勝利条件を達成する前提条件は“相手をこちらの土俵に引きずり込むこと”。あちらが外から捕縛するにはこちらの居場所の把握が必要。防音結界なら都合がいい。
・・・・喘息にならないのはいいけれど、少し魔法力が落ちたのよねえ。インターバルとか。そのために道具があるのだけれど。
まあそのことは置いておいて、
「まずはこちらの居場所を把握されないようにしましょう。」
「どうやって?」
「私の個性なら何とかなるわ。」
「・・・・パチェちゃんがやるんやったらウチがやる意味あるんかな?」
「そこでなんだけど・・・・・」
私はお茶子に先程思いついた作戦の概要を説明する。お茶子は真剣にそれを聞き、頷いた。
・・・・・さて、始めましょう。私は用意に取り掛かった。
『両チーム準備は良いかな?それでは!BチームKチームによる、屋内対人戦闘訓練スタート!』
オールマイトから開始の合図がでた。私たちは所定の位置に着く。私は三階、お茶子は二階だ。
私は一階、外に配置した監視用の水晶で様子を見る。
『・・・・・?』
『・・・・どうした?』
『おかしい。足音も会話も・・・・・<<音が一切聞こえない>>。』
『・・・・は?』
動揺しているのが分かる。
『‥‥中に入ってから確認するぞ。』
『・・・・分かった。』
よし、これで第一の条件はクリア。
『!?』
『何だ・・・これは・・・!?』
人間は予想外のことが起こると動揺し、恐怖する。すると憶測だけに縛られ行動に支障が出てくる。・・・・・まあ、そううまくはいかないわよね。相手は予想以上に冷静だ。
私は予定通りにスピーカーもどきで声を響かせる。
「----ヒーローのお二方、ごきげんよう」
私はできるだけ無感情に声を伝える。感情を出してしまっては探られやすくなるからダメだ。相手はその声に反応し、見まわす。そこに私がいないと気付くと静かな声で問いかけてくる。
『・・・・おい、ここはどこだ。』
「どこって・・・そりゃあビルの中よ。」
『・・・・・そうか。』
冷静になろうとするのはいいけれど結構顔に現れているように見えるわね。
「ここにあるドアは最上階への道です。核に触れたいのであればお進みください。」
私はそう言ってちょっとした仕掛けを施してある扉を閉める。驚いた障子は押したり引いたりして開けようとしているが、これを開けるのには少し頭を使う必要がある。
『・・・・分散はさせたくないのか。仕方ない、ここは進むしかなさそうだ。』
轟たちが扉を開け、入っていく。
『障子、全体の確認を頼む。』
『分かった。』
轟は障子にそう言った後、上の石を全て覆い隠すように、轟個性で天井全体を凍らせる。私は疑似サーモグラフィーを通して轟を見る。・・・・よし、体温が下がってきている。この差分からすると・・・・・大体熱の感知がマヒしてきたぐらいかしら?
轟が歩き出したところで私は防音結界を作動させ、お茶子に指示を出す。
「お茶子、解除して。」
「分かった。」
解除すると障子の足元から床が無くなる。突如足場をなくしてしまった障子は声を出すが、それは聞こえない。あの部屋にいる時点で轟の通信機器は作動しないようになっている。ちょっとしたジャミングだ。
「終わったよ!」
「分かったわ。扉を使ってこっちに来て頂戴。」
「了解!」
轟がいるのは二階ではなく三階。障子は二階にある拘束具で拘束されているから捕獲テープを巻き付けるのは簡単だろう。さて、私も動きましょう。私は透明化魔法を解き、轟に話しかける。奇襲でもよいのだが、ヴィランとするならば動揺するさまを楽しむようにしたほうが良いだろう。
「あらあら・・・・そっちへ行かれると少し困るの。退いてもらえないかしら?」
当然聞こえた私の声に彼は勢いよく振り向き、動揺する。
「ああ、たしか障子・・・だったかしら?いまは麗日と戦っているわ。」
「・・・!?」
私が“捕縛した”ではなく“戦っている”と言ったのには意味がある。交戦中であると知れば相手は速やかに決着を着けに来る。しかもすぐに仲間が来るとは思わない。通信機器を試す余裕が見られないところとそして
「おっとと、危ない危ない。」
私は空中浮遊をしてそれを避ける。この攻撃は事前に足元の温度が下がってくるため分かりやすい。恐らく彼はこれを見越してもう一手仕掛けてくるだろう。避けようかと思ったが、後ろに映る人影を見てやめた。
「・・・・!?」
私はその攻撃に驚いたように見せる。“捕らえた”と確信しただろう彼はじっとしてろと言ってから確保テープを片手に近づいてくる。それに合わせて彼女もこちらへと近づいてくる。
「----もう少し長引くと思ったのだけれど。」
私はため息をついてつまらなさそうに顔を伏せる。彼はそれに何も返さず、歩いてその腕にテープを巻きつけようとする。私は口を開く。
「・・・・一つ忠告しておくわ、ヒーローさん。・・・・・敵を確保するとき、最優先にすることは仲間との連携。それと・・・・・」
私は顔を上げ、彼の後ろに居るお茶子を見る。
「・・・・・・周囲確認よ。」
彼はその言葉の意味に気づき、初めて振り返る。私はその間に氷結を解除し、立ち上がる。
「あなた、個性の使用に伴うデメリットを把握すべきだったわね。一瞬で振り返るのはいい判断だったけれど、少しだけ遅かったわ。」
彼の反射神経は良かったのだが、少し周りに無頓着すぎる。宙に浮かび、身動きが取れないのを確認してから私はお茶子へと話しかける。
「・・・・ナイスタイミングよ、お茶子。」
『ヴィランチーム、WIN!!!』
私たちは勝利した。
~~
「・・・と、いうのが大まかな概要よ。」
私がそう話すと、周囲に静寂が訪れる。・・・何でそんなに驚いているのかしら?
「・・・・今回のMVPは彼女だ。何故だかわかる人!」
「はい!ノーレッジさんは相手の個性のデメリット、仕掛け、心理傾向を考え、そしてチームワークもとっています。ですが、作戦が成功しなかった場合はどのようにするおつもりで?」
「成功しなかった場合は即座に撤退。移動して最上階で核の保護、及び階段の封鎖をしてタイムアウトを待つつもりだったわ。」
「・・・・もとからクリアさせるつもりは無かった・・・と。」
「クリアはできるわ。」
「え?」
私の言葉に八百万達は驚く。クリアすることは不可能ではない。
「私たちを拘束するか、あの最初の扉を開けて核にタッチしたらクリアよ。」
「・・・最初の扉って開けられねえんじゃなかったっけ?」
「襖みたいにスライドしたら開くわ。」
「いやいや思いつく奴いねえから!思いついたらおかしいから!」
まあクリアさせるつもりはないが、これでも難易度は低めだ。核の周りに結界を張ってその中に私たちが入ってクリアを不可能にするとか初めから入れなくするよりはマシ。
-ーーこの少女、思っていることがおかしい。
~~
教室に帰るやいなや質問攻めにあったが、それを抜け出して私は保健室へと向かった。
「失礼します。」
「・・!?っああ、ノーレッジ少女か。どうしたんだい?」
「出久の調子を見に来たのと、ちょっとした用事です。」
私は出久の元へと向かう。
「・・・・・はあ、また個性使って無理したでしょう。」
「・・・・うん。」
やっぱりこうだったか・・・・・・・はあ。なぜここまで無理するのかしら?
「救助する人間が救助されてどうするのよ、オールマイトの後継者さん。」
「・・・え?ノーレッジ少女、君がなぜそれを・・・・」
「・・・あ、僕から説明した・・・・というか、個性把握テストの次の日に聞かれたんです。」
「そうか。」
・・・って、まだ説明していなかったの?面倒なことになって広まらないうちでよかったわ。そう思っている中、出久が口を開く。
「どうしたらいいのかな?個性を使ったらどうしてもこうなっちゃうし・・・」
「・・・・ヒントは勝己よ。」
「・・・・かっちゃん?それはどういう・・「自分で考えなさい。」・・・・・はい。」
私はそう言い残した後、帰路に着く。
三人称side
------とあるバーのような場所で。
その席には怪しげな雰囲気のある男が座っていた。男はくつくつと笑いながらシャンパングラスの中身をくるくると回す。
「・・・・・どうかされましたか、タペートさん。」
「ククク、いえ、とても愉しいことを思い出していただけですよ。ククッ!」
黒くモヤモヤとした男はその男の様子を見て、そうですかと言った後とある人物を待つ。
「・・・・相変わらずムカつくなあ、お前。」
「おやまあひどいですね弔さん、ほら、そんな顔をせず、にっこりと!」
「ウゼェ。」
男はその弔と呼ばれた手の様なものを顔に着けた男にそう返す。二人の表情は相対的だ。
「・・・・こんなんで大丈夫か?」
どこか苛立ちながら男は言う。目の前のにやけ顔の彼を睨みつけながら。
『彼は優秀な人材だから心配は無用さ。』
「先生!?」「!?」「おやおや。」
突然テレビの画面が映り、音声が発せられる。
『それよりもアーリン君、明日のことについて任せても大丈夫かい?』
「ええ!」
男は姿勢を正し、その表情に気づかれない愉悦と狂気をにじませながら言う。
「私、
-------二つの歯車は廻り続ける。噛み合わさるまであと少し。
To be continued...
男の正体分かる人いるかもしれない。オリキャラに近いけれど違います。
では、誤字報告、ツッコミ、質問、感想等々待ってまーっす!