これは需要があるのだろうかと。
現在俺は、女の子と巨大な蛇と一緒に旧下水道を進んでいた。新しい下水道が出来てからはここは放置され、この街の下に迷路のように広がっているという。
「出口は何処なんだ?」
「ンー、ワカンナイ!」
『あの日お前をここに連れてきた日も、偶々出た場所がお前の近くだったというだけだからな。我々もここの全てを理解している分けてはない。』
暗い下水道を進むと、光が見えた。俺は光に向かって走り出した。光の先は、キラキラと太陽の光を反射し輝く海だった。
「町の中じゃなくて海かよ。」
悪態をつきながら、俺は下水道から脱出する。
砂浜はゴミが大量に流れ着いたのか汚く、深海棲艦の死骸まである始末だ。遅れて女の子が下水道から出てくると、深海棲艦の死骸を見て触っている。
『娘よ、余り仲間の亡骸を触るな。そっとしておいてやれ。』
巨大な蛇は、下水道から首だけをひょっこり出して女の子を叱る。だが、女の子は深海棲艦の死骸を触り続ける。女の子はどうやら、この死骸の口を開こうとしているようだ。
「ウーン、ウーン。.....開カナイ。」
「お前、何でそんなことをしてるんだ?」
「ダッテ、コレ見テ。」
女の子が指を指す場所を見てみると、人の手が死骸の歯の間から出ているのだ。俺は驚いて腰を抜かしてしまう。
「それって、死体じゃないか!」
「死ンデナイヨ、脈有ルモン。」
「はぁ!?」
そんな筈はないと思い、俺もその手を取って脈を図る。確かに、この腕は生きている。それが分かったので、俺も女の子と一緒に死骸の口を開こうとする。少しだけ開いたが、これ以上は俺達の力では開きそうにない。
俺は砂浜に落ちているゴミに長い鉄の棒がないか探しだし、梃子の原理で少しずつ口を開かせる。女の子は手を掴んで、その小さな隙間から引きずり出した。
中から出てきたのは、まだ小学生くらいの長い黒髪の女の子だった。体はボロボロ、呼吸は止まっている危険な状態だ。俺の時と同じように女の子は小さな女の子に唇を重ね、治療していく。一分程で小さな女の子の傷は無くなり、唇を離すと呼吸も取り戻した。
「助けられたのか?」
「タブンネ。デモ、力を使イ過ギテ限界。パパ、オ願イ。」
『仕方無い、私も移動するにしてもこの姿では目立つ。』
巨大な蛇は、下水道から出て来て女の子のコートの下から潜り込んでいく。やがて数十メートルあった蛇の体はコートの下へと収まった。どう考えても質量的に無理がある気がする。
「あの、どうやって隠れたんですか?質量保存の法則で考えてもあり得ないんだけど。」
「ああ、原理は船と一緒だよ。この子という船にパパという荷物を収納しているのさ。収納している間は、言葉もちゃんと話せるから融合の方が合っているかもね。』
その後、俺達は小さな女の子を背負って町の方角に歩き出した。途中フェンスを見つけたが、軽々と登ってフェンスを越えた。この行動が俺達を戦争の中心へと誘う切っ掛けになることを、俺達は思いもしなかった。
皆さんからの感想待ってます。