東方本気旅録   作:駄々っ子天使

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はい!どうも!お久しぶりです!

今回で古代の民編は終わりとなります!

それでは本編へどうぞ!


第11話 人妖大戦②

 

大量の妖怪の死骸が転がっている中心部、そこには二つの人影があった。

 

一人は人間が住む都市の軍で総隊長を担っている男。

もう一人は人間を襲うために何万と言う妖怪を集めた鬼。

 

「さて……まずは小手調べだ…」

 

その言葉と同時に俺は距離を詰め、相手の腹目掛けて拳を放つ。

拳の早さは今までの妖怪共なら見切れずに食らってしまい腹に穴が開くほどの威力を持っている。

ドスッと音と共に拳が何かに触れる感触を感じる。

完全に入った……!

 

「……そんなものか…?」

 

完璧に相手の下腹部、鳩尾と言われる急所に拳が入っているにも関わらず顔色一つ変えていない。

思わず一瞬体が硬直してしまった。

 

「今度はこっちの番だ……」

 

体を硬直させてしまった一瞬で俺は腕を掴まれ逃げれなくされる。

 

「お返しだ…!」

 

バコッ……と鈍い音がすると共に俺の体は吹き飛ばされそうになる。

しかし相手が腕を掴んでいるせいでそれさえも許されず体が弓のようにしなる。

 

「ぐぁッ……はぁッ…!」

 

灰の中の空気が一瞬ですべて押し出されたような、いや実際押し出されているであろう。

酸素が足りない苦しさに思わず下を向いてしまう。

 

「ふん……次は本気で打ってこい…」

 

その言葉と同時に腕が解放される。

相手に掴まれていたおかげで立てていた俺は呆気なくその場にしゃがみ込んでしまう。

 

「なんだ…もう立つ力もないのか?これじゃあ拍子抜けだな…」

 

そう言いながら俺を見下す視線。

その視線はまるで弱い者を哀れむような視線だった。

 

その視線に頭に来た俺は無理矢理体を起こす。

こうなったらこっちだって本気で行かせてもらう。

 

「ふんッ……!」

 

俺は右腕を真横に伸ばすと精一杯回し始める。

すると段々と腕の周りに風が纏わり付く。

そしてその風はすぐに竜巻に変わる。

 

「修羅旋風拳!!」

 

その竜巻に驚いたような表情をしている相手の顔面へと拳を突き出す。

今度の拳も先程と同様確かな手応えを感じる。

そして今度は先ほどとは違い相手の体が数メートル吹き飛ぶ。

吹き飛んだ相手はそのまま重力に従い体を地面に倒す。

 

「なんだぁ!?あれだけ言っておいてもう終わりか!?」

 

少しの静寂が辺りを包む。

 

「……ククク…ハハハッ!」

 

その静寂を破るように野郎は笑い始め、体をゆっくりと起こす。

 

「初めてだ……初めて痛いと思える拳を食らった…!気に入ったぞお前…!」

 

そう言いながら腰を落とし腕の力を抜きダランとした腕を揺らしながらこちらを見詰める。

 

「私に気に入られたからには……楽には死ねないと思え!!」

 

声を出して笑っていたのをやめたかと思えばニヤリと大きく口角を上げそう言葉を発した。

そしてその言葉が聞こえたとほぼ同時。

ゴッ、と鈍い音と共にほぼ反射的にガードをした腕に痛みが走る。

先程まで数メートル離れた場所にいた相手がほぼ一瞬で距離を詰めて殴りかかって来たのだ。

 

「ほぉ……今のを受けきるか…ますます気に入った…!」

 

そう言いさらに口角を上げてニヤつき拳を構える。

仕方ねぇ……付き合ってやんぜ…!

こちらも拳を構える。

気づけば俺もいつの間にか笑っていた。

相手の拳が何発も打ち出される。

そのラッシュに応対するようにこちらもラッシュを打ち返す。

 

ガッ、ゴッ、バゴッ、ドッ、ボゴッ。

 

拳と拳が何度も当たり鈍い音が何度も響く。

そんなラッシュ勝負が数分続いた時、意外にも先に引いたのは相手の方だった。

 

「楽しい……実に楽しいなぁ…!」

 

「あぁ……!不思議だけどよ…俺もすっげぇ楽しいぜ!」

 

もしかしたら独り言だったかもしれない相手の言葉に俺は思わず言葉を返す。

 

「こんな楽しい時間がいつまでも続けば良いが……そうも行かない…」

 

そう呟いた相手の顔は何処か切なそうでとても楽しそうな笑顔だった。

 

「そこでだ……お互い最大の技で決着をつけないか?」

 

俺は無言で頷く。

お互い距離を取れば俺は右腕を構え、相手は角をこちらに向けてくる。

 

俺の右手に妖気が溜まり黒炎が灯る。

相手の角の先には妖力の球が出来上がる。

 

装填はほぼ同時、そして発射も━━━━

 

「邪王炎殺黒龍波ァァ!」

角妖砲(かくようほう)!」

 

━━同時だった。

 

そしてお互いの大技がぶつかり合う瞬間、辺りは光に包まれた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━

 

光が収まってきた時、やっと辺りが見える。

俺の体は戦闘での怪我と霊気と妖気のガス欠で立っているのが精一杯。

ふらつく視線の中、相手の方を見れば倒れている人影が見える……。

つまり、

 

「俺の勝ちだァァァァァァァァァァ!!!」

 

そう叫びながら右腕をあげた俺にはもう体力は残っておらずそのまま背中から倒れ込んでしまう。

 

そして広がる雲一つない青空。

しかしそこに何故か俺は違和感を覚える……。

 

(……あれはなんだ…?)

 

雲一つない晴天と言える青空に一つの点が見える。

最初は既に出発してしまったロケットだろうと思ったがその点は段々と大きくなっている、つまりこちらに落ちてきているのだ。

 

そこで月面移住計画の会議での内容を思い出す。

ロケットが発射された後、都市の技術を残すのは危険なので核爆弾を落とす。

と言う最後の計画を……。

 

(まずいッ…!)

 

あれが核爆弾だと分かれば俺はもう動けないと悲鳴をあげる体に鞭を打ち無理矢理動かすとまずは倒れている鬼の方に向かう。

 

この体格の大きさの鬼ではとても運ぶ事は出来ない。

しかしコイツをこのまま此処において俺だけ逃げる事も寝覚めが悪い……。

 

少し考えた後に俺はある決断をする。

 

(……頼むから安全な場所に飛ばしてくれ…!)

 

そう祈りながら取り出したのは綺麗な羽衣である。

 

この羽衣は通称死出の羽衣と呼ばれるもので包み込んだ物を何処かに飛ばしてしまうのだ。

飛ばした場所は使う本人も分からない。

もしかしたら世界の果てか……魔界か…異空間なんてことも有り得る代物だ。

普通ならとても危険なのでとても使わないが……今はそんなことも言ってられない。

 

俺はまず倒れている鬼を死出の羽衣で包み何処かに飛ばしてしまう。

……生きててくれよ…。

 

そう願いながら上を向けばもう残り数秒もすれば落ちて来ると言う所に核爆弾がある。

 

俺は急いで羽衣に包まれる。

ギリギリ羽衣に包まれ何処かに飛ばされる途中、俺は体力に限界が来てしまいそこで意識が途絶えてしまった…。




はい!今回のお話!どうだったでしょうか?

今回は何時もよりかなり長くなってしまいました…!

次回からはまた新しい物語が始まります!

それでは次回もお楽しみにね!
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