はい、今回で諏訪の国編はおしまいです。
軽くお別れの話を書くのと新キャラ2人が登場します。
それに至って少しだけタグを編集し直しました。
そして少しだけいつもより長いです。
あとお気づきの方がいるか分かりませんけど名前も変えました。
今日からは駄々っ子天使です。よろしくおねがいします((
それでは本編をどーぞ!
「ダメ!絶対にやーだ!」
……どうしたものか…。
今の状況を説明すると諏訪子が布団の上で手足をバタバタさせながら駄々をこね、神奈子が真剣に何かを考えてる様子。早奈美は困った様子で苦笑い。
なぜこんな状況になっているかと言うと時間は数分巻き戻る――
――始まりは俺の旅に出たいの一言からだ。
理由は刺激が足りないのと色んな場所を見て回りたいからである。
諏訪子は最初から今まで否定を続け神奈子は考え中。
早奈美は恐らくだが肯定派……だと思う。
そして俺は色々と諏訪子を説得しようとし今に至るという訳だ。
しかし……困ったもんだな……ここまで駄々をこねられると俺の決心も揺らいでしまう。
神奈子はまだ考えているし……ここはどうにかして神奈子を味方につけて無理矢理にでも諏訪子を納得させるのが得策か…?
「私から……一つだけ言わせとくれないかい?」
そんな事を考えていれば初めて神奈子が口を開いた。
一体どんなことを言うのだろうか……
諏訪子のように否定的な言葉じゃなければ良いのだが……。
「涼が旅に出るにしても出ないにしても此処はアンタの家でもある。だから……辛い事があれば此処に戻って私達を頼ってくれ」
「……あぁ、当たり前だろ?俺はお前等を家族だと思ってる。だから何時だって助けるし助けられもするさ…」
「……そうかい。なら私からもう何も言わないよ。涼の好きにしな」
そう言い神奈子は部屋から出て行き寝室に行ってしまう。
諏訪子もいつの間にか駄々こねをやめてこちらをジッと見つめていた。
「……どうしても行くの…?」
「あぁ……どうしてもだ」
そう言うと諏訪子の目に涙がたまるのがわかった。
「なに、心配すんなって。たまに戻って来ては土産話を聞かせてやるからさ」
俺は笑いながらそう言うと諏訪子の頭を撫でる。
諏訪子は少し黙った後、うん。と小さく頷き寝室に戻っていた。
早奈美も健康には気を付けてくださいね。と一言言うと帰ってしまった。
……さて俺も明日には出発するしもう寝てしまおう…。
俺は元々敷いてあった布団に寝転がればそのまま目を瞑った。
――
次の日の朝。
まだ村の人も諏訪子も神奈子も眠っている時間に俺は外に出た。
一応部屋には手紙と置き土産として俺の霊力を込めて作ったキラキラと光るビー玉のようなものを置いてきた。
この時間に出発したのは決心が揺らいでしまわないようにするためだ。
もし諏訪子や神奈子、早奈美の涙を見てしまったら俺はこの村に残ってしまう。
なので俺は誰からも見送られずに村を出発した。
――
村を出発してから数時間経った。
今は森の中を歩いている。
そして、この森の中に入ってからずっと視線を感じている。
それも敵意を込めた視線だ。
しかし何か危害を加えて来そうな気配や音はしない。
一体なんなんだ…?
このままほっとくのも何だか気持ち悪いし……どうした物か…。
そう思っていたら突然草むらから二つの人影が飛び出て来た。
片方は青に黒も混ざっている髪、服装は首元に青い数珠の様なものを下げ青い生地の上に黒い模様で装飾されている和服を着た鋭い目つきでこちらを睨みつけている男。
もう片方は男の青い部分がすべて赤に変わった色違いの女。
そして二人共の共通点として手が鎌のようになっていた。
「俺は
「私は
鎌鼬――旋風に乗って現れては人間の肌を切り付けて行くとされる妖怪。
妖怪の中でもかなり有名で地位の高い妖怪である。
恐らくこの二人は自分の縄張りに入った俺を襲いに来たと言ったところだろう。
「恐らくお察しされてると思いますが貴方にはここで死んでもらいます」
「肉はちゃんと食べてやるから心配はすんな!」
そう言うと同時に青い鎌鼬――蒼の方が斬撃を繰り出してくる。
真正面から出された攻撃に当たるほど俺はお人好しではないのでこれを躱す。
すると避けた方向に今度は赤い鎌鼬――紅が斬撃を飛ばして来る。
なるほど……この二人の連携はかなりの物。
恐らくA〜B級妖怪ならすぐに倒されてしまう程だ。
そんなことを考えながら紅の斬撃も上に飛ぶことで避ける。
「……なかなかやりますね…」
「流石は妖怪の神様ってとこか!だけど……これはどうかな!」
そう言い再び蒼が斬撃を繰り出す。
しかし先程とはスピードと威力が全くもって違う。
それに……これは――
「考え事ですか?」
いつの間にかすぐ近くにいた紅がその鎌を振り下ろす。
「くッ……」
咄嗟に体を捻らせて避けたものの攻撃は当たってしまった。
しかし切られた傷口から血は流れず火傷のような傷になっている…。
流石に俺もやられっぱなしと言うわけにはいかない。
そろそろ反撃しようと妖力を解放させる。
「ッ……これが貴方の本気ですか…?」
紅と蒼の顔に驚きの表情が浮かぶ。
「お前ら如きに本意を出すほど弱くは無いさ」
そう言うと同時に俺は二人に目掛けて斬撃を繰り出す。
それも蒼には妖力を水に変え発射させた水圧の斬撃を。
紅には炎の斬撃だ。
「これはっ……!」
「ふざけたことを…!」
二人はギリギリで避ける。
だが……
「ゲームオーバーだ」
そう呟くと同時に二人の足首を固定するように鉄のアームが出る。そしてそのアームには爆弾が付いている。
「そんなッ――」
――静かな森の中に相応しくない爆発音が響いた。
「はっ……!ここは…?蒼は……!?」
「お目覚めか?」
話しかけた途端にこちらを睨み付け攻撃態勢に入ろうとしてくる紅。
しかし先ほどの爆発の怪我が痛むようで傷口を抑えて顔を歪める。
「おいおい、無理するなよ。なにもお前等二人にこれ以上攻撃はしねぇよ……」
「……何故私たちを助けた…?お前に私達を助ける理由など無いはず…」
「最もな質問だな。だけど残念ながら助ける理由はあるんだな」
「ふん……金か?それとも私の体か…?負けた者に価値などない、お前の好きにしろ」
ったく……可愛げのない奴め…。
「ッ……!姉ちゃんは……!?」
そんな話をしていたら蒼の方も目覚めたようだ。
これで話を進められる。
まぁ蒼の方は起きたばっかのせいか先ほどの紅と同じ態度を取ってくるが気にしない。気にしない。
「さて、蒼も起きたしお前等を生かした理由を話させてもらうよ……。お前等、俺の式になれ」
「なんだと……?」
「だ・か・ら!お前等二人共式になれって言ってんの!」
全く……式の意味位分かるだろうに。
式――式神と呼ばれる物。式神は主の妖力を貰い受ける代わりに主のいうことを聞かなければいけない存在である。一瞬の主従関係になる。
「……なぜ私達なんだ…?」
「お前等二人の力はさっきので分かった。そんでもって俺は一人旅に寂しさを感じている。以上!」
「なぜドヤ顔で言うんだ」
人のドヤ顔を見てクスクスと笑う紅。
……なかなかに失礼な奴だ。
「面白い奴だな……私は別に良いぞ…」
「姉ちゃんッ!?何でこんな奴の式なんかに!」
「私たちは負けたんだ、敗者は勝者の好きにされる。それは自然の掟だろう?」
「だけど…」
「それに……こいつ…いやこの人に私は興味が湧いた。ただ寂しいだけとの理由で自分を殺しに来た奴を自分の式にしようとするこの人にね…」
「……わかった…姉ちゃんがそこまで言うなら…」
どうやら話は纏まったらしい。
二人は俺の前に跪いて口を開く。
「私達二人は貴方様の式となり。貴方様の敵となるものを根絶やし。貴方様のために動き。貴方様の従者になると誓います」
そうして俺は二人と式神としての契約を結んだ。
はい!今回のお話どうだったでしょうか?
やっぱり長いですね!はい!
次回からは妖怪の山編に入ろうと思います!
それではまた次回もお楽しみにね!