親しくなってからぶっ壊れるまで   作:おおきなかぎは すぐわかりそう

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Q,描きたい場面以外の時はどうすれば良いの?

A,諦めろ、色々と


不穏編
雨はいずれ過ぎ去る、逆もまた然り


 

 

 

 夜の出撃までに時間がある。手持ち無沙汰だった私は、自主的な任務を求めて執務室を訪れていた。

 

 誰もいない。書き置きには接待のため席を外すと書かれていた。提督が交流会に顔を出すのは珍しいことではない。公用車がダース規模で乗り付けてきたが、鎮守府を運営するためとはいえ頭が下がる。最近また人の動きが活発になった気がするので、近い内に大規模作戦が発動されると、艦娘の間では結構な噂だ。

 

 触って欲しくないであろう仕事場は極力手を加えず、何処か片付けられる場所はないものかと寝室の扉を開く。ムッとする空気。まず窓を開けて、次にクシャクシャになった寝具を整える。

 

 全く……シーツなんかも変えてないじゃないか。ただ剥ぎ取って洗濯カゴに入れるだけがなぜできないんだ。駆逐艦なんかも遊びに来るのに、これでは残酷な言葉を浴びせられても同情できないだろう。

 

 念のため匂いを嗅いで、私は何やってるんだとまとめて洗濯機に突っ込む。量が少ないのでもったいないが、今から回さないと夜使えなくなってしまう。ゴウンゴウンと洗濯機が回る前で手をはたき、作業のつづきと掃き掃除をしていると。

 

 

 パタン

 

 

 戸棚の上に置かれていた手帳が落ちた音だった。これは……確か提督がいつも肌身離さず使っている、スケジュール表じゃないか。

 

 もしかして来客に慌てて忘れてしまったのだろうか。かわいいな、なんて安直に考えるが、もしかしていま提督は困っているんじゃないだろうか。

 

 もしそれなら大変だ! ととちょっと待て、来客の前にいきなり陣取って忘れ物を渡すなんて、普通に考えて恥ずかしいことだろう。彼のことだ、ピンチならば何か代案を用いて、危機を脱していることだろう。だとすれば、無理にでも私が届ける必要もないか。決して中身が見てみたいとか、そんなスケベ心が働いたからではない決してない。

 

 手帳といっても、クリップと表題部分が取り外し可能であり、表紙に至っては年季を感じさせるレトロ感がある。パラパラとめくっていると、いつもの日課を表す表題と 忘れないように書き留めておく事だったり、大事な約束だったりが記帳されている。

 

 ……私との約束も記録されていることに、少し得意げになっていると、表題に違和感が。何かを挟み込んだような厚みがあって、ページをパラパラめくっている途中でページが飛び、違和感お正体が明らかになる。

 

 写真だ。戦争の初期を思わせるような、少し色あせた、映る人員の少なさ。彼の姿は一目瞭然、けれど他の艦娘には、はて見覚えがない。その中でも一際目を引かれたのは、彼に一番近い位置にいた一人の艦娘。提督から距離を詰め、一見親しげな印象を始めこそ持ったが、二人の間には妙な違和感があった。

 

 ……そういえば、私が喋るばっかりで、提督の過去を聞くことはあまりなかった気がする。彼があまり喋りたがらないのにも芸院があるが、今度この人のことを聞いてみよう。丁寧に元の場所に戻して、集めたゴミをまとめて出した。

 

 

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 恰幅の良い男にお酌をする。この方は懇意にしていただいている、元北方方面軍の司令官だ。

 

 一時期は自分の方がスコアが上のはずなのに、どうして少数精鋭の北方方面軍の司令官ではないのかと抗議を繰り返していたが、そんな長期に続いた状態をみかねて今回優先的に艦娘の配備をしてくれることを約束してくれた。

 

 今回の席を取り次いでくれた同期に感謝し、後で当たり年の年代物ワインを握らせるとしよう。

 

 

「約束の品は会合が終わったら用意するからな?」

 

 

「あぁ、後で秘書艦に撮りに行かせる。そういえばお前の秘書艦はどうした。見たところ外させているようだが……」

 

 

「別の仕事をさせているが、何か悪いのか?」

 

 

「お前……その様子だとカッコカリの相手適当に決めただろう。そうゆうところきっちりさせとかないと、後が地獄だぞ」

 

 

「そんなこといってもなぁ……」

 

 

 近くに寄ってきた友人の耳元で、そんな内緒話をしていると、盛り上がっていた会話がそれて話題に上げられる。

 

 

「なんだ、若い者どうしで内緒話かね? そうゆうのは宴会の席では謹んでほしいのだがね?」

 

 

「は!! 申し訳ございません大将殿!! 提督殿がパートナーを決めかねておりましたので、"背後に気を付けろ"と警告した次第であります!!」

 

 

「ははは。そういえば提督クンの思い人は、私の指揮下だったかね? う〜むこれは悪いことをしたな。ささ、お詫びといってはなんだが、私のお酌をうけてくれはくれないかな?」

 

 

「は、はい!! 謹んでお受けします!!」

 

 

 笑い声が四方から飛ぶのに誠意一杯の敬礼で答え、若干上擦った声で答えた提督は、身近のお猪口を受け取って両手差し出す。オットットと決まり文句が出た音には、一礼してから口をつけた。

 

 

「さあ、一区切りついたところで本題に踏み込みましょう。皆さんも待ち焦がれていましょうからな」

 

 

 大将がそういうが早いが。さっきまでのおちゃらけたムードは一挙に消え去り、みな自らの利益を追求する資本家にも似た目をするのだった。それぞれが護衛としてつけていた秘書艦が退出し、残ったのは次の大規模作戦での中心メンバーが目立った。

 

 

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「戦後の処理についても慎重に協議せねばなるまいな」「交渉のためとは言え、シナとイワンには大分戦力を削がれましたからねぇ……。最悪、同国籍艦での潰し合いも視野に入れるべきかと」「中国では艦娘の量産を目的とした人体実験が行っているとか……」「真意の程は定かでないが、独裁政権のやりそうなことだ。民主主義を掲げる日本やアメリカでは、まず土俵にすら上がれないだろうに」「政治については我々の至知らぬ領域だ。ここでいくら協議を重ねても、命じられてしまえば実行するまで、そうだろう?」

 

 

「お宅の加賀のあの表情は格別でしたなぁ〜」「それは良い! あの仏頂面が崩れる様を是非とも見たいものだ!」「ここの不知火もなかなかでしたぞ」「強面の貴官は落差の調整が楽で本当に憎たらしい、仏頂面のくせに」「ここに弥生のボイスレコードがあるんだ、一級品のな?」「「「今すぐ再生しよう」」」

 

 

「太平洋の戦いで日本とアメリカが追った傷は深い。イギリスが台頭してくるのではないか?」「太陽の沈まぬ国の焼き回しか……EUが結託すればあるいは……」「日本が変に戦力を持ちすぎてしまったことも問題だ。世界の秩序が揺るぎかねないぞ」「第三次世界大戦……割に合わんと信じたいが……」「核を除くならば、艦娘は新たな兵器の中で上位の位置付けだ。小柄ながら十分な装甲に火力、対潜対空もこなすとなると、陸戦型が出てきてもおかしい話ではない。万能とゆう言葉では足りんな」

 

 

 秘密裏の交渉、艦娘のトレード、戦後の役職。暗い話も明るい話も、理想論も現実も、清濁合わせ持った紛議の場。それぞれ目的を同じくする者同士、集合い交渉を重ねる。提督は目の前の人物との度重なる協議の結果、遂に陸奥を獲得せしめた。

 

 

「私からは戦艦陸奥を貴殿に授けよう。それで……貴殿はその対価として何を差し出す?」

 

 

「それこそ先鋒!! 大将殿の露払いを、是非一任させていただきたいのです!!」

 

 

「はっはっは、威勢がいいな。先陣を切るそれ事態はなんら問題はないだろう。しかしな、今回の攻勢目標はかつて決定的なまでに敗北を突きつけられた深海棲艦の巣窟。そこに飛び込んで行くとなると、何が起こるのかわかった物ではないのだぞ。あの時からかなり時間が経っておるし、一筋縄とはいかないだろう。最悪全滅も有り得る。情報も距離のために不十分だ、それでも引き受けるとゆうのだね?」

 

 

「是非、わたくしに!!」

 

 

「うむ良かろう。その心意気、気に入った。提督クンの手腕を信じるとしようか」

 

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

 

 こうして、激戦を極めるであろう地獄の門を、提督の率いる艦隊がこじ開けることに決まったのだ。のちに決号作戦と正式に発表されるこの戦いは、史実で実行されなかった最終決戦をなぞってそう名付けられる。

 

 

 





けっこう脳死して書いてるけどなんや、完成度あんま変わらんな。

・・・・変わらんな。
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