姉ちゃんで変な耐性ついちゃった   作:粗茶Returnees

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シークレットこそ最強

 

 やぁやぁ諸君。俺は今大変機嫌がいいよ。そりゃあもう三回回ってバウと言ってもいいくらいに機嫌がいい。今ならあまりもの機嫌の良さに、翼を授けられて空を飛べそうだ。あの飲料最近見ないね。モンスターの方がよく見るよ。翼を刈り取られたんじゃなかろうか。

 さて、そんなことは置いといて、話を進めよう。この前の遊園地デートで美咲の可愛い一面がいっぱい見れた。あとあの子意外と胸あってドキマギしなかった。姉ちゃんに勝てるやつはそうそういないからね。ドンマイ美咲。というか胸の大きさなんてよく知ってる。直に見た。

 それはさておき、最近仲間がドンドンやられている。わざわざ同盟を組んだというのに、奴らはそれ以上の力を駆使して俺達を追い詰めている。逃げ回ること十数年。影でコソコソやってきたというのに、アイツも上手いことやっていたはずだというのに! 奴らはそれすら上回るというのか!

 

 なんて猛る必要性が俺には皆無なんだけどな。今は目の前で沈没してる友人を観察して嘲笑ってやる方が楽しい。ヘマしたのはこいつなんだからな!

 

 

「お前も道連れにしてやろぉかぁ!?」

 

「はっはっは! お前にはそんな芸当できないだろう! どうせお姉ちゃんストップ入るんだろ!! ややこしくなる方向で!」

 

「否定しづらいとこ突いてくるな! それはそれとして姉貴を馬鹿にした蓮は処す!」

 

「あ、ごめん。俺は経験積みなんで。勝組っす」

 

「なんの話だ!?」

 

 

 え、なんの話ってそういう話じゃなかったの? 

 違うのか。そうかぁ。思春期真っ盛りでエロティックボディの姉が身近にいて、その姉繋がりでクールビューティー歌姫ともそれなりの仲らしいのに、そっち方面には頭働かないのかぁ。こいつの頭の中はどうなってんだ。もっとエロに振れ。エロに! 

 

 

「お前のその思考でよく彼女できるな」

 

「何? 負け惜しみ? 童貞君は卒業してからリングに上がってください」

 

「そこでしかマウント取れないやつには何も言われたくねぇなぁ!?」

 

「いや、私スポーツマンなんで。一年生エースなんで」

 

「うぜぇ! こいついちいちうぜぇ!」

 

 

 元気に反応してくれるから楽しいなぁ。叫び過ぎてて店員さんに多大な迷惑がかかってるけど。他に客いないし、注意されることもないんだけどな。あの店員さん初心だ。俺達の会話が聞こえちゃってるんだろうけど、顔を超真っ赤にしてる。ところで、喫茶店で学校の制服着ながらエプロン付けて働くって、店長さんの趣味かな。セクハラじみてるね。辞めたほうがいいよ。

 

 

「いや、つぐみはここの娘さんだから。辞めるも何もないから」

 

「知り合いだったのか! ……はっはーん? なるほどね!」

 

「……待てお前変な納得しただろ今!」

 

「いやー全然? 俺はお前を仲間だと思っただけだぜ?」

 

「その時点でアウトなんだよなぁ!」

 

 

 すっげぇ失礼なこと言われた気がする。

 俺は自分に忠実なだけであって、変態なんかじゃないんだよ。思春期な人なら誰だってエロに誘惑されるじゃん? 性癖とかあるわけじゃん? 俺はそういうのを隠さないやつの方が信用できるね! こいつはちょっとムッツリなだけなんだよ。きっと、めいびー。

 

 

「今すぐその思考を消せ!」

 

「そんなプログラムないっすわ」

 

「お前……AIだったのか……!」

 

 

 もしそうならこやつの握力は世界一だね。AIにアイアンクローしてミシミシ言わせてるんだもん。握りつぶせないものはない、とか言ってテレビ出ちゃうよ。芸能デビューだよ。俺は今体液が出ちゃいそうだよ。果物デビューだよ。

 ところでお兄さんや。人の顔を掴んだまま振り回さないでくださいな。ケーキが食べにくいじゃないか。

 

 

「何呑気にケーキ食ってんだお前はァァ!!」

 

「そんなに叫んでて疲れない?」

 

「誰のせいだと思ってる! ……あぁ、もういいや。馬鹿馬鹿しいし」

 

「そうだよね。店員さーん。いちごケーキおかわり〜。あとカズが店員さんをお持ちがっぇ!?」

 

「油断も隙もねぇな!?」

 

 

 いきなり口にシュークリームを押し込まないでほしい。ビックリし過ぎて喉が詰まっちゃいそうだよ。あと男の指は舐めても美味しく感じられない。美咲の指は舐めたい。顔真っ赤にして百烈拳叩き込んでくるけど。それが可愛い。

 

 

「い、いちごケーキお待たせしました」

 

「ありがとうございます。ところで店員さん。なんで制服のまんま?」

 

「あ、これは「カズの性癖か」そうだったの!?」

 

「ちげーわ! なんつーこと言うんだ蓮! つぐみも信じるな!」

 

 

 カズにメッチャクチャ睨まれる。殺意すら感じる。だが残念。俺の方が身体能力高いから本気出したら俺が勝つ。部活で鍛えてるし、喧嘩強い方だし。

 

 

「降参です手を離してください」

 

「お前の思考がまともになったら離してやるよ」

 

「俺はいつだってまともだぜ? 自分の基準を相手に求めるな?」

 

「いきなり正論言ってくるなよ! 使い方も酷え!」

 

 

 言葉って自由だなぁ。これが言論の自由かー。素晴らしいなぁ。だから詐欺とかなくならないんだろうなぁ。

 

 

「それはそうと。本題入ろうぜ?」

 

「本題とかあったのか……」

 

「そりゃああるよ」

 

 

 カズに解放してもらって、ケーキを一口食べる。柔らかなパウンドと生クリームが素晴らしい。間に入ってるいちごとか最高。いちごと言えばうちの姉ちゃん一度もいちごパンツを履かなかったな。おかげで、俺も耐性がつかなかったよ。小学校でスカートめくり大会が開かれた時に鼻血出してぶっ倒れたね。懐かしい記憶だ。そういえばあの時は茶色の髪がくるふわな一つ上の女の子だった気がする。なんか心当たりが……ないね。一緒にいた銀髪の子とか知らない知らない。あの頃はよく笑ってたとか私の存じ上げるところではありません。

 

 

「本題とやらに入れよ!」

 

「そうだった。悪いないちごブラ」

 

「そんなのはねぇわ!」

 

「貝殻のブラとかマジエロくない? 止めれてる意味分かんないんだけど。あれ手ブラみたいなもんでしょ」

 

「今日のお前酷いぞ!? 大丈夫か!?」

 

「仕方ないだろ!? ここ最近ずっっっと周りに女子がいたんだからよぉ! 俺だって男なんだよ! 男子だけで馬鹿やってたりしたいんだよ! 思考力捨てた不毛な議論とかしたいんだよ! 分かってくれよぉぉ!」

 

「ガチ泣きするレベルかよ……」

 

 

 ガチ泣きだってするわい。こちとら健全な思春期真っ盛りな高校生様だぞ。性欲とか全く別として、馬鹿をやりたいっていう遊びの欲求が溜まりまくったんだよ。最近美咲とラブコメばっかだしさぁ。周りもそれで楽しんでくるしさぁ。美咲が笑ってくれるならそれでいいんだけど、たまには男だけでいたいんだよ。キャバクラ行きたいんだよ。

 

 

「高校生だよな?」

 

 

 真面目なツッコミありがとう。求めてないぞ。

 

 

「……ったく、多少なら付き合ってやるよ」

 

「あ、ゲイじゃないんでいいんです。松原にあたってください」

 

「表出ろお前!」

 

「ところで表に引っ張りだされた気分はどうだい?」

 

「本題ってそれかよぉぉ!!」

 

 

 立ち上がってたカズが椅子に崩れ落ちる。机に思いっきり頭ぶつけてたけど、あれ大丈夫か? トマトケチャップが広がってるぜ?

 だが追い打ちはやめない。

 

 

「いや〜、松原といい今井といい。なんか最近、影を潜めて細々とやってきた年下組が表に引っ張り出されてるじゃん? とうとうカズもやられたみたいだしさ〜。かわいそうに〜、ぷぷっ!」

 

「その顔腹立つな……!」

 

「実際さ? トレンド入りするくらい話題になっちゃったわけで? どういう気持ちなのかなぁって。ねぇ今どういう気持ちぃぃ!?」

 

「いや、まぁ、腹括るしかねぇかなって。姉貴がとやかく言われるのも癪だし」

 

「あらやだイケメン。湊さんあたりが惚れそう」

 

「一人かよ! あと別に惚れられたくねぇわ!」

 

 

 ツンデレだなぁ。需要あるよ。一部の中毒者に。

 

 

「ま! なんにせよ俺は関係ないからなぁ! これからも影で好き勝手やらせてもらうさ!」

 

「燐子さんに好き勝手やられるだけだろ」

 

「ぐはっ! ……洒落にならない……。ど、どうせカズだって……表に出されるだけ出されてその後放置でしょ! 一回使われて終わりだわ!」

 

「おまっ! 触れてはならないことを……! だが蓮にも可能性があらからな! 道連れにしてやるから忘れるなよ!」

 

「いいとも! 仮に表に引っぱりだされたら美咲に結婚を確約するプロポーズでもしてやるよ!」

 

「男に二言は?」

 

「ない!」

 

 

 俺がそういった瞬間にカズのスマホで何やら音がした。まさかとは思ったけど、こいつの素晴らしい笑顔を見たら確信に変わった。

 

 録音された!!

 

 構わないんだけどね。俺が表に出ることはないから。

 

 

 

 




 今回登場したカズくんは、今井カズくんです。効果音氏の作品から拝借しました。ありがとうございます。皆さん、読んでみてください。オススメします。そして感想で更新催促してやってください。

 https://syosetu.org/novel/166829/
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