姉ちゃんで変な耐性ついちゃった   作:粗茶Returnees

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 そういえばアンケートの期間を決めてませんでしたね。13日水曜日23時59分に締め切ります。日付が変わった時点で一番多かったやつをやります。
 今のとこ美咲と燐子の接戦って感じですね

 今回は思いついたやつをやります。


デンジャラス

 

 カップルになったらやりたいことって考えたことある? あたしは特に考えたことないかな。いつの間にか好きになってた馬鹿がいて、勢いに任せて押したら付き合えちゃった。軽く言ってるけど、付き合えてることは本当に嬉しい。でも、何が変わったのかは分からない。だって特段変化がないんだから。

 強いて言うなら、話す時間が増えたこと。一緒に出かけることがほんのたまにできたこと。ライブに来てくれるようになったこと。それぐらいかな。カップルなのか、超仲が良い友達なのか。最近分からなくなってきた。でも、そう思う度に馬鹿()は言ってくる。

 

 ──美咲が彼女でよかった

 

 なんてことを眩しい笑顔で言ってくる。あたしが悩んでることに気づくことはないのにさ。無意識のうちに感じ取って、自然な流れでサラッと言ってく。計算してたらヤラシイ奴って別れるんだけど、計算してない上に本心だって伝わってくるから、その度に心が締め付けられて、惹かれて、あたしも蓮を好きになれてよかったって思える。

 

 馬鹿なとこがほんとに傷なんだけどね!

 

 

「燐子ちゃんの弟くんみ〜っけ! うんうん。やっぱりるんっ! てきた!!」

 

「何この人!? 三十六計逃げるに如かず!」

 

「あ、追いかけっ子? 待てまて〜!」

 

「怖い怖い怖い怖い!! 初対面の人に追い掛け回されるってこんなに怖いのな! ラケットを振り回すな!」

 

 

 今だって日菜さんに追いかけられてテニスコートの中走り回ってるし。しかもラリー中のとこに飛び込んではボールを打ち返してる。無駄にテニスのスペック高すぎ。日菜さんも日菜さんで、どこから拾ったのか、誰かのラケットを持ちながら追いかけて蓮と同じようにしてるし。

 

 

「逃げないでよ〜。ちょーっとお姉さんとお話しようよ〜。痛くしないからさ☆」

 

「信憑性皆無なんですけど!? 痛くしないって痛いやつですやん! 歯医者の得意文句ですやん!」

 

「そうなの? あたし虫歯になったことないから知らなーい!」

 

 

 普通なら止めにいくんだろうね。「あたしの彼氏に何してるんですか」って。きっとそれがらしい(・・・)ことなんだろうね。でも、あたし達はそれとはズレてる。現状も現状だから、余計にみんなもあたしにそういうことを振ってこない。

 あの馬鹿ってのもあるし、うちにコートを借りて練習してる男テニの人たち相手なら誰も助けようとしない。だって馬鹿だから。それに、追いかけてるのはあの日菜さんだ。最近こっちの高校でも知られるようになった天才。パスパレのギター担当で、独特の感性を持つ人。面白い人ではあるけど巻き込まれたくない人。

 その二人であることと、あたしが面倒事を避ける人間だからってことで走り回ってるのを眺めてる。

 

 

「美咲ちゃん。そろそろ止めないと練習の邪魔なんじゃ……」

 

「気にしないでください花音さん。今の時間を休憩時間にしてるので」

 

「そっか。ならよかった」

 

 

 花音さんも抜けてるとこあるよね。何も良くないでしょうに。いつまで続くのか分からない追いかけっ子だし、捕まった後に蓮が何されるかも分からないんだから。

 

 

「あ、外出ちゃったね」

 

「他の人の迷惑にならなかったらいいですよ。生徒会長とか厳しいですし」

 

「見世物みたいに盛り上がってるね」

 

「みんなミーハーですね」

 

「あ、弓道場に逃げ込んだ」

 

「えっ……」

 

 

 弓道場はやばい。何がやばいって、蓮みたいな馬鹿と紗夜さんみたいな真面目な人じゃ相性が絶望的に合わないこと。それにそれを追いかけて日菜さんまで弓道場に入っちゃった。関係がまだ良くなりきってないあの姉妹がそんなとこで鉢合わせちゃったら……。

 

 

「紗夜ちゃんの胃が大変そうだね」

 

「軽すぎません!? ところで今さらなんですけどなんで花音さんがここに!?」

 

「迷子になっちゃって、美咲ちゃんに助けてもらおうかなって」

 

「通ってる学校の中で迷子!? 下駄箱から正門まで一直線なのに!?」

 

 

 あたし以外にまともな人いないかな……。とりあえず馬鹿(彼氏)を回収しに行きますか。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 どうしよう。超困った。具体的には、今から俺はどう動くのが正解なのか分からないという状況だ。八方塞がりってやつかな。まずは冷静に今を再確認だ。

 目の前には腕を組んで眉を釣り上げてる美少女風紀委員こと氷川紗夜さん。姉ちゃんと同い年で同じバンド。そういえば俺は前にこの人に助けをこいたいとか考えてたんだ。あとで相談しよっと。

 んで、俺と一緒に横並びに正座してるのが、俺を追いかけて弓道場まで来た氷川日菜さん。アイドルでグループの名前は"Pastel*Palettes"。頭がぶっ飛んでる人だとはもう把握した。そしてこちらも美少女。

 

 

「白金くん。あなたちゃんと反省してますか?」

 

「紗夜さんの方が胸が小さいと考えていたことには反省しています」

 

「言い残すことはそれだけですね?」

 

「待って氷川さん! 弓道で殺人は駄目だよ!」

 

「離してください! 私はあの男を許すわけにはいかないのです! たとえバンドメンバーの身内であっても!」

 

 

 見る者を魅了するほど、綺麗で鮮やかで滑らかな動きをして紗夜さんが弓を構えていた。弓道なんて退屈だなとしか思ってなくて疎遠だったけど、全く無駄のない動きで構えた紗夜さんには純粋に魅了された。心から綺麗だと思った。

 今は部活の人に羽交い締めにされて止められてるけど。あの目は本当に俺を射殺さんと決意してる目立った。ちなみに今俺はそれを横になって見てる。

 

 

「釈明とか聞かなくていいよね?」

 

喉に添えてる手を退かしてほしいです(このアングル最高かよ下乳やばいっす)

 

「えい」

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!(お肌すべすべですね)

 

 

 なんだなんだ。今まで出会いがなかっただけなんじゃないのか。姉ちゃん周りの人たち美少女率高すぎるだろ。惹かれるわけではないにしても、男心を擽られるというか、仲良くなりたいって思っちゃう人たちばっかじゃん。今思えばポピパとハロハピも同様か。薫さんはカッコイイ。

 

 

なんだこのカオスな状況!?(羨ましいぞ蓮その場所変われ)

 

「烈!? 部活もどれや!」

 

「黙れ弟貴族! 紗夜さんに睨まれてる上に日菜さんには馬乗りされて首締められてるとか最高なシチュの真っ只中のくせに!」

 

「マジで病院行け!」

 

 

 こいつ……日に日に烈の変態度合いが酷くなってやがる! こんなやつとコンビ組んでるとか悲しくなってくるわ! そして何よりも残念なのが、こいつとのコンビが一番相性良いという現実と、日本一になれるという現実があることなんだよな! 

 

 

「……赤木さん。道場への入場は認めていません。即刻出て行ってください」

 

「その視線が最高です!」

 

「マジキモいからなお前!」

 

「何こいつ。お姉ちゃんになんて目してるの?」

 

「ぐえっ!」

 

 

 日菜さん日菜さん! 烈に殺意湧くのは仕方ないことだとは思いますが、俺の首を締める力を強めないでください! 本格的に苦しいんです!

 

 

「おふぅ! 日菜さんのそのクズを見るような目もパないっす!」 

 

「お姉ちゃん。こいつ、殺っていい?」

 

「そんな男のせいであなたの経歴に泥が塗られるのはゴメンだわ。やめておきなさい」

 

「お姉ちゃん♡」

 

 

 百合かよ! 姉妹百合かよ! 何だよさっきまでの超ツンケンしてたあの時間! メッチャクチャ仲いいじゃないですか! それと日菜さん。人の体の上でくねくね動かないでください。思春期の男にはいろいろとダメージがですね。

 

 

「しまいゆり……だと……!? がはっ!」

 

「リアルに血を吐く奴初めて見たわ!」

 

「最高カプ!」

 

「喜びの方で!? さっきまでの言動からじゃわっかんねーわ!」

 

「お姉ちゃんとのこと邪魔されたくないし、そこのゴミには千聖ちゃん紹介するね。ドSで腹黒いとこもあるし、需要と供給が一致するでしょ!」

 

「あの女王様をっすか! 一生ついていきます!」

 

「ついてきたら埋めるね☆」

 

 

 スキップして出て行く日菜さんを変態()が追いかける。たぶん千聖さんとこに行くんだろうね。どうなるか分かんないけども、とりあえず千聖さんには合掌しとこ。……弓道部の皆さん。既にお経を唱えてるのはどうかと思いますよ。

 

 

「あ、そうだ。紗夜さん」

 

「まだいたんですか?」

 

「いましたよ! 実は紗夜さんに相談したいことがありまして」

 

「……真面目な話のようですね。私で良ければ」

 

 

 俺が体を起こして正座して紗夜さんに話しかけると、紗夜さんも察してくれたようで向き合うように座ってくれた。今の足の運びも弓道の一環なんだっけか。名前は忘れたけど。

 

 

紗夜さんだからこそ相談するんですけど(弓道着って少し崩れただけでもエロいですね)

 

「すみません。矢をお借りしてもよろしいですか?」

 

「ごめんなさい! 口が滑っただけなんです! 姉ちゃんのことで相談があるんです! 同じバンドで同じ学校の紗夜さんだから頼むんです!」

 

「次はありませんよ?」

 

「はい。頼みたいことはですね──」

 

「蓮くんみ〜っけ♡」

 

「この姉を制御してくださいーー!!」

 

 

 俺は後ろを振り向くことなく立ち上がってすぐに走り出す。靴を履いてないけど気にしてられない。大事なのは瞬発力だ。スタートをしくじってられない。声は俺の後ろつまり出入り口から聞こえ、俺は弓道場にある的の方に走った。途中で壁をよじ登って外に出る。

 

 

「……白金さんって運動できなかったんじゃ……。壁登って弟さんを追いかけてましたけど……」

 

「あ、紗夜さん。蓮がここ来たと思うんですけど」

 

「奥沢さんも苦労しますね……」

 

「ありがとうございます……? いない……はぁ、待ち伏せして回収しますか」

 

 

 




 この作品の更新は完全に気まぐれです。ペースなんて言葉はこの作品には当てはまりません。
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