少年は幻想を辿る   作:ゼロニャン

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少し闇を持った高校生のお話です

思った事をそのまま綴ったような物語です
優しい目でご覧頂ければ幸いです


プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 また何時もの夢だ

 同じ場所、そして目が覚める前に必ず見てしまう

 

【不気味なナニカ】が俺を追いかけてくる

 

 全身はボロボロで皮は爛れ、容姿はゾンビにそっくりだったが、人間には無い角がある

 

 今も俺を追いかけている

 

 …1つだけ言わせてくれ……

 

 

 

 

 

 

(走んの早すぎだろおぉぉ!!)

 

 

 

 そう、このゾンビはとてつもなく早い

 某メタルモンスター並みに早い

 

 

 こちらも走っているが、距離がどんどんと詰めてくる

 

 

 ヒタヒタヒタっとおぞましい足音が俺に近づいてきている

 

 俺は無我夢中で走る

 

 足音が近づいて…

 

 無我夢中で走る

 

 足音が…

 

 無我夢中で…

 

 

 

 

 

 トンッ

 

 

 

 

 

 

 肩に手を置かれる

 

 

 

 

 

 俺は恐る恐る後ろを振り返ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………よし、今日の授業はここまで

 次のテストまで個人で予習しておくように」

 

 

 

「……….う…ん?」

 

 

 目を開けると、教壇に立った数学の先生が書類を持って部屋を出て行こうとしていた

 

 

 

(………夢かぁ…でもマジでリアルな夢だったなぁ…)

 

 

 俺は机の書類を片付けて、家に帰ろうとすると

 

「黒野!一緒に帰ろうぜ!」

 

 友達に会った

 

「あぁ、んじゃいくか」

 

 俺は友達と共に家に帰る事に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺には友達がいる

 しかし、心の底から信頼できる人、親友がいない

 俺は子供の頃から周りの人とはあまり関わらなかったからだ

 

 まぁ関わりたくなかったし、“関われなかった”からな

 

 こいつは高校からの友達だ

 

 自分の趣味と合っていたから仲良くなった

 

 その趣味というのが……

 

 

 

「………んでさ、そいつ壁貼りのタイミングが上手くてエイムが効かなくてさぁ

 黒野はどうするんだ?」

 

「あのなぁ、壁で隠れてるんならミサイルやグレネード使えばいいじゃん」

 

 

 ゲームだ

 因みに俺はゲーマーだと自負している

 

 

「えぇ?ミサイル使うのかよ

 ここはライフルでカッコよく「そこでやられてたのは何処のどいつなんだ?」……俺だよ!チクショウ!」

 

 

 終始FPSゲームで盛り上がり、家の近くなる

 

 

「そんじゃ俺は帰るな、じゃあな」

 

「おう、また明日な」

 

 

 

 

 

 “また明日”か……

 

 

 

 

 

 

 

 俺は家に帰宅し、玄関のドアを開ける

 

 

 

 

 

 ガチャッ

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 ……………

 

 

 

「はあああああああああ!?」

 

 ゑ!? 俺の家に知らん女いるんだけど!

 

 

 あぁ成る程 どこぞの空き巣狙いのコソ泥か

 俺はそう思いポケットにあるスマホに手を掛ける

 

 

 

「待って、…少し話を聞いて欲しいの」

 

 ドアを開け、落ち着いた様子で話かけた女性

 

 コイツ、コソ泥じゃないのか…?

 

 

 

「…わかったよ、勝手に家に入った事は後で聴くとして、取り敢えず中で話そうか」

 

 俺はそう言い、彼女を中へ入れた

 彼女は意外な目を向けてきたが、すぐに微笑みこちらへついてくる

 

 なんだか不気味なんだよなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 取り敢えず客室に上がってもらい、適当に麦茶を出す

 というより、俺の家は他人が入るという事がないからどういう振る舞いをすればいいのかわからないのだ

 

 麦茶を受け取った彼女は礼を言って、少しずつ飲んでいく

 さっきは慌てていたからよく見なかったが、彼女の姿に目を向けてしまう

 

 その格好は不思議、そう言うしかないほど特殊な服装だった

 恐らく商店街やらの人が多い場所に居れば、誰でも必ず二度見してしまうレベルだろう

 

 さて…話を聴くとするか………

 

 

 

 

「さて…それじゃああんたの名前、そしてなんの目的で俺の家に勝手に入っていたのか聴かせてもらおうか」

 

「ええ、私は八雲 紫

 まずは貴方にお詫びしないといけないわね

 勝手に貴方の家に上がってしまって申し訳ないわ」

 

 八雲 紫と名乗った女性は頭を下げ謝る

 

「…まぁいいとして、ちゃんとした理由があるんだろ?八雲さん」

 

「ええ、それは貴方…【黒野 浩介】さんの事を待っていたから」

 

 

「…ん?ちょっと待て、何故俺の名前を知ってるんだ?」

 

「それは貴方の事を少しだけ調べたからなの

 …それに私が外で待っていたら、他の人から不審な目で見られるでしょう?」

 

 

 まぁ、そんな服装だとなんかのコスプレみたいだしな…

 ただ…

 

「俺の事を調べた?」

 

「えぇ、それにはある理由があるの

 …これから起こる貴方についての….」

 

「…勿体ぶらずにさっさと吐いてくれ、勝手に調べられてこちとらいい気じゃないんだがね」

 

「えぇもちろんよ…

 

 

 ではなく貴方、最近変な夢を見ない?」

 

 質問を質問で返すんかい…

 そう言おうとすると

 

「そうねぇ、【内容はボロボロの角が生えたゾンビの様な生き物に追いかけられる】といったものかしら?」

 

 

 !?

 

 

 こ、コイツ…

「何故それを…!」

 

 思わず口に出してしまったが、彼女は「やはりね…」と知っている様な口ぶりで納得する

 

 

「単刀直入に言うわ

 もしこのままだと貴方はそのゾンビに【殺される】わよ」

 

 

 

 

 

 殺される?

 

 

「…お、おい…なにデタラメ抜かしてんだ?

 ふざけた事言うなよ…怒るぞ?」

「ふざけてないわ」

 

 いきなり真剣な表情で顔を近づけてくる

 その緊迫した雰囲気に俺は思わず生唾を飲む

 

「貴方の中に私にも分からない【謎の力】がそうさせているの…

 最近変な夢を見る様になるのは、力が暴走する兆候があるという事なの…」

 

「な…謎の力?力の暴走…?

 サッパリわからん…」

 

「そうね…それじゃあよくわかる様にしてあげるわ」

 

 

 

「…は?」

 

 

 そう言うと、彼女は俺の額に手を当てる

 その直後、身体に電流が走る

 

「ガ…!?あ゛ァっ!!?」

 

 あまりの痛みに声をあげてしまう

 しかし、その痛みはすぐに引いていく

 

 一瞬だったな……

 そう思い彼女をみると、彼女は奇異の目でこちらを見ていた

 

「……お、おい…、なにをしたんだよ…」

 

 

「………貴方の力を少し表面的に出してあげたの

 …貴方、自分の身体をご覧なさい」

 

 

 

 言っている意味があまり分からなかったが、恐る恐る自分の手を確認する

 

 

 

 

 

 

 ?

 

 

 黒いモヤモヤが…

 

 

 

 

 は? 俺の手はどこ???

 

 へ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本来自分の手があるはずであろう場所には、黒い靄の様なものがあり、その中に自分の手はない

 

 いや、手だけではない

 

 確認出来る部位は全て黒い靄になっていたのだ

 

 脚、腹部、胸、腕………

 

「な……なんだよこれ………あ…え……??」

 

 思わず絶句してしまう

 明らかに自分の知っている身体ではない事を目にして、半ば放心になってしまう

 

 

 

 

 

 

「な…なぁ、お…俺の顔、どうなってんの?」

 

「顔は………そうね

「いや、やっぱりいい!

 怖えから聴きたくない……」

 …そう」

 

 そう言うと彼女は俺の額からパッと手を離す

 

 すると、黒いモヤモヤが一瞬にして消え失せ、元の腕がパッと現れる

 

 俺は思わず自分の手を触って確認した

 

 

 

 なんだったんだ今の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 いまいち状況が飲み込めない

 

 

 このままだと、俺は死んでしまうのか…?

 

 じゃあどうしたら…?

 

 

 

 

 絶望感に浸る俺に彼女はこう告げた

 

 

 

 

「生きたい………そう願うなら、私の世界に来なさい」

 

 

 

 

 

「……ぇえ?」

 

 思わず変な声を出してしまう

 

 

 私の世界?

 

 どんな世界かもわからない

 コイツなにを言ってんだ?

 そこでなら生きられるのか?

 

 

 

 

 

 いろんな疑問が頭を巡るが、答えは一つだった

 

 

 

 

 

 

「生きる事が出来るなら………俺は生きたい

 

 

 このまま死にたくはない、というかこれからもずっと生きていたい!」

 

 

 

 

「…では、ようこそ」

 

 

 

 

 幻想郷へ

 

 

 

 

 

 

 唐突に浮遊感を覚えた

 

 

 浮いてる……というか………

 

 

 

 

 

 

 

「あああああああああああアアアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 謎の空間に落ちていた

 

 いたるところに謎の目玉を覗かせて

 

 

 

 あ、あの女………

 

 

 

「俺を殺す気かあぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふう、行ったわね

 

 彼……このままだとこの世界は疎か、【幻想郷】も消滅させてしまう危険があるわ……

 

 今すぐコロしても良かったけど、力の暴走が何より怖いわ…

 

 さて……どこまで使えるようになるかしら」

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