ルールーとトラウムのほのぼの話

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親子の語らい。~ルールーとトラウム~

取り敢えずセリフだけ。

r:ルールー t:トラウム

 

r:あの~お父さま。

t:何だね、ルールー。

r:なぜ私は食いしん坊なのですか?

t:食いしん坊と言う性格付けをした覚えはない。お前さん、高性能だからたくさんエネルギーが必要なのだが、それは、別に食べ物に限らない。クライアス社にいた頃は何も食べていないだろう。

r:確かに。カプセルの中で横になっているだけでエネルギー補充出来ていたからだと思います。

t:その通り。あのカプセルはメンテナンスドックとエネルギーチャージャーを兼ね揃えていたからな。背中に非接触式の充電パッドが仕込んである。

r:まるでスマホですね。

t:でもね、そういうシステムの無い所でも活動出来なきゃアンドロイドがスタンドアローンで運用できない。かつては超小型原子炉内臓で壊れるまでエネルギーに困らなかったけど、放射能とその対策。あと、重さがネックだね。

r:再生可能エネルギーは?

t:ありゃダメだね。マッドサイエンティストがクリーンなエネルギーって、柄じゃない。

r:そういうの大事なのですね。

t:とても大事。で、取り敢えず、水だけ飲んでおけば大丈夫なシステムにした。RUR_6000だったかな。

r:水を電気分解して、水素を取り出して燃料電池で使う。

t:そうそう、だけど体を構成する部品とか、電気分解ユニットの小型化が課題でね。ガブラみたいなのになっちゃった。

r:そういえば、そんなお兄さまがいましたね。

t:速攻、お蔵入りしたけどね。

r:口は悪いけど良い方でしたよ。

t:で、だ。紆余曲折の後、機械だけのサイバネティクスでは限界を感じたから、生体材料を使おうと思ったの。

r:RUR_7000ですね。

t:情緒がないねぇ。型番で呼ぶなんて。もう作れないね。あんなの。出来が良すぎて国に持って行かれたよ。

r:あのお姉さまはちょっと怖かったでしたけど。

t:そりゃあねぇ。草薙素子と言えばみんなビビっちゃう。で、ちょっとデチューンをしたのがお前さんだ。

r:そこまで聞いてもよく分からないのですが?

t:私もよく分からないから、そこで横になって。

r:はい。

t:で。ポチッとな!

r:何か分かりましたか?

t:お前さんの記憶はどこにあると思う?

r:頭の中にある脳型のコンピューターだと思いますが。

t:1/3当たり。でも、全部じゃない。生体脳を使ったコンピューターでもストレージに限界があって、ほとんどの記憶はクライアス社のクラウド内にある。

r:え?クラウドですか。

t:クライアス社のクラウド。それも鉄壁の攻性防壁に守られた特別の・・・。なぬ、ハッキングされておる。

r:誰ですか?

t:社内のデータベースには該当者なし。検索範囲を広げて・・・・パップル?

r:パップルさんですか

t:あり得んなぁ、あのバブリーおばば。誰か色仕掛けでたらし込んだか。

r:あのおばさんの色仕掛けが通用するんですか?

t:ウチの技術部門は変わり者が多いから・・・

r:お父さま筆頭で。

t:だまらっしゃい! 何を隠した、パップルめ。

r:何かくすぐったい。

t:もう少しの辛抱だ。・・・あった!

r:何がですか?

t:誰にも教えたくないグルメ情報。ふざけるな~

r:あ~、こういう情報が不可視属性領域に入っていて無意識に刷り込まれた。

t:まぁ、そんなところだな。起きてルールー。

r:何でしょう?お父さま。

t:ちょっと耳かして。

r:こうですか?

t:run RUR_9500 Initialize memory reboot.

r:OK commander

t:全く、パップルめ油断も隙もない。お、初期化終了だな。どうかな?

r:頭は軽くなりましたけど、おなかが空きました。カレー食べて良いですか?

t:おかしい? あのグルメ・データベースは消えたはずなのに、まだ食い意地が残っている。

r:お父さま。プリンも食べたい。

t:消去プロセスに対する防御ルーティーンだと。

r:お父さま。カレーはまだですか?

t:もう、どうにでもなれ~

 

続く

 

 

 

 

 



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