念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第11話

 俺は今玉座に座っている。

 そんで配下になった怪物達に傅かれている。

 

 鬼、天狗、河童、ハーピー、ミノタウロス、ケンタウロス、一つ目小僧等色々いる。

 50人程かな? 

 

「は、ハジメ様」

「お舘様……」

 

 ローナもシルフィも戸惑っているようだ。

 

「旦那、一生付いていきますぜ」

「俺もだ!!」

「ああっ! 俺達も波で戦うぜ!」

「救ってくれたこの命。アンタのために使わせてもらう。そうだよなみんな!!」

 

 何故こんなに仲間が増えたのか。

 

 それは1週間程前の波の当日に遡る。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「取り敢えず波のボスは俺らと冒険者精鋭で挑む。その他の人間は民間人の避難。その後避難所で防衛。一応海凄系の亜人・獣人を連れていく。単純に言えばボスを倒すのが仕事で、足りなかったらお前らがその他の事を手伝う事になる」

「了解です」

「拙者も」

「わかったー」

「父様頑張ろう!」

 

 波の当日。

 後6時間である。

 

 色々準備はしておいた。

 魔力の回復薬や傷薬を用意。

 魂癒水も作り、SPにも余裕を持たす。

 

 何があるかわからない人生だし、準備は大丈夫にしとかないと。

 

「ねーハジメ、これがオーラ?」

「おっもう感じるようになったのか。早いな~」

「ハジメ様、これでいいでしょうか?」

「練出来てるじゃないか」

 

 もう全員の洗礼を行ったのである。

 ローナとキラークイーンは覚醒し、念を一部使いこなしている。

 シルフィと夜刀はまだ半覚醒だがもう少しで感じる事が出来るだろう。

 皆センスある方だから良かった。

 

「ふん!」

「ふぅん! やった、キラークイーンの勝ちー」

 

 練の比らべっこをしているようだ。

 キラークイーンの方が練の放出量が多い。

 ローナの方が纏が滑らかで綺麗に見える。

 

 この二人はいい使い手になるだろう。

 

「ほらそんくらいにして。オーラ減ると疲れるから」

「はーい」

 

 波が終わったら本格的に念の修行に入ろう。

 発も見て、系統も確認したい。

 

「おーい! ハージーメちゃん!」

「ナディアか、どうした?」

「二人が力んでいたからどうしたのかと思って」

「気合いを確かめていたんだ」

 

 シャチの亜人のサディナさんである。

 酒を飲んでいたら絡まれたのだ。

 

「あらー? お姉さんには本当の事教えてくれないのかしら?」

「本当の事ってなんだ?」

「ひどいわー」

 

 直感力あるな。

 まあ一般人に教えられる事じゃないし教えない。

 配下で手一杯。

 

「そっちも何か隠してないか? 奴隷商から聞いたけど奴隷を探しているのか?」

「……あらーバレてるのねー」

「それが目的で近づいて来たのか?」

「そうよ。人探しかしら」

 

 知ってますよ。

 ラフタリアさんでしょ。

 

「そうか。見つかるといいな」

「…………何か隠してないかしら?」

 

 勘が鋭いな。

 と言っても俺が召喚された時期とセーアエット領が波に襲われた時期って同じなんだよな。

 あと1週間くらいで四聖が召喚らしい。

 原作ブレイクしそうだからあえて言わない。

 

「それにしても強そうな冒険者が多く集まったな」

「そうねー。この国冒険者多いし」

「さすが国力だったらこの世界で1.2を争うんだっけ?」

「はい?」

「……違うのか?」

「ハジメちゃん、アルドミティアを知らないの?」

 

 アルドミティア? 

 初耳の国だな。

 やっぱりイレギュラーがありやがったか。

 

 話を聞いてみると、軍事・商業・農業・工業・畜産業・漁業等が全部ナンバー1の国だそうだ。

 500年以上前からある由緒正しい国で、建国者が槌の勇者らしい。

 数々の戦争や問題を奇跡で乗り越えてきたとか伝説があって、他国からはこんな呼び方をされている。

 

 ───神の住む国と。

 

「とまあこんな国ね。前コロシアムでアルドミティアの人と戦ったけど負けちゃったわー」

「なるほど、ありがとうナディア」

「波が終わったら一緒に飲みましょう。や・く・そ・く・よ」

「覚えてたらな」

 

 サディナはそう言ってどっか行ってしまった。

 小説でもなに考えてるかわからない女なんだよな。

 

 それにしてもアルドミティアか……。

 

 確かどっかの漫画の悪役キャラが神は人間の職業の一つとか言っていた。

 何かトリックがあるのだろうか? 

 

 もしかしたら関わるかもしれない。

 少し調べておくか。

 

「ハジメ様、オーラ消してみたんですけどどうですか?」

「えっもう絶?」

 

 ローナ、もう絶を使っているのか…………。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 00:05

 

 後五秒。

 

「それじゃ行くぞ」

「はいっ!」

「承知!」

「ヒャッハー」

「うん!」

 

 00:00

 

 転送され、元居た場所から視界が変わった。

 ここは…………田舎の港町か? 

 

 50m程の先の空に波の亀裂を発見する。

 あっ巨大な何かが地上に落ちたみたいだ。

 

「ボスを先に刈る。その他は避難誘導と防衛を!」

 

 俺達や精鋭が波のボスの元へ急行する。

 被害数を少なく、早く終わらせるのが大事。

 

 止められなかったら他の国から攻められると言う事も考えられる。

 ゼルトブルの都市に今手練れは居ないしな。

 

 とまあボスの前に立つ。

 頭は牛で体は蜘蛛だ。

 

 次元の牛鬼 Lv80

 

 強そうだな。

 だが、

 

「アバランチX コンプリートスマッシュX!!」

「グガアアアアアアアア!!」

 

 恐竜の足跡の様な衝撃波を次元の牛鬼に打ち体勢を崩し、コンプリートスマッシュで牛鬼の頭をフルスイングする。

 

「す、すげぇ」

 

 冒険者の精鋭が一言呟いた。

 

 牛鬼は倒れた。後は雑魚モンスターの処理だ。

 まだ仕事は残ってるぞ。気張れ! 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「よーし、全部片付いたな。被害数は?」

「ほぼゼロです。軽重傷者はいますが」

「大勝利だな」

 

 早めに終わらせたのが正解だった。

 

「帰ったらローナの武器の新調するか」

「いいんですか!? ボロボロなんで助かります」

 

 普通のエストックだからな。

 結構使い込んで、壊れそうだ。

 

「た、大変です!」

「どうした? ……影?」

 

 振り替えるとメルロマルクの影の様な奴がいた。

 スッゴい息を切らしているけど……。

 

「何かあったのか?」

「ゼルトブルの商会館が…………レイ=アースログ達に乗っ取られました」




イレギュラーのオリ国家出ました。
衝撃事実が有るのでお楽しみに。

次回、とある真実が明らかに。

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