第15話
「らららららら~ららら~」
「「らららららら~ららら~」」
「ハジメ様…………何の歌です? 悲しい曲だとはわかりますけど」
「哀れな人間を運ぶときに歌いたくなる歌だ」
そう、子牛を乗せて歌う奴である。
レイの奴も自分がどうなるか察して怯えている。
普通にやらかした時点で薄々気付くだろう。
「あっ見えてきました」
「あれがフォーブレイか」
スチームパンク的な光景と、舗装された道路が目に映る。
さて豚王と謁見だ。
◆ ◆ ◆
「ぶふふ、お主が斧の勇者か」
「ええ、お目にかかり光栄です陛下」
午後になり謁見。
見た目クリーチャーな国王である。
こいつサドなんだろ。
「それで何の用かな?」
「いえ、大国に挨拶をしないと失礼かなと思いまして…………一応貢ぎ物を持って参りました。お気に召すかどうかはわかりませんが」
「ほう、何かな」
「レイ=アースログとその仲間の女、計30人です。結構顔が良い部類が多いのでどうかなと」
「やりますな。斧の勇者さん」
豚王にご機嫌とりして、生け贄としてバカ共を差し出す。
この国王は相当有能だからな。仲良くして損は無い。
「んで、プレイをリクエストしたいんですが」
「なにかね?」
「レイの目の前で自分の女が犯されるシチュエーションが良いんですけど」
「ぶふふ、いい趣味をしているな。言われなくてもそのつもりじゃ」
ローナが居たら突っ込まれる事を言ってるな俺。
「死ぬと困るからギャグボール噛まして、ズボン脱がして"ピッー"してください」
「おお、いいアイデア」
「女共に取引して、解放してあげるからと言ってプレイに参加させるってのは? その後ゆっくりじっくりとこの世の柵から解放させると言うのはどうでしょう」
「ふむ……理解がありますな」
「"ピッー"は一人づつやって欲しいですね。叫びが甘美に聞こえると思いますよ。でも"ピッー"しないと寝取られっぽくならないと思うし"ピッー"したら不味いので片方が"ピッー"したら切り上げてくれたら嬉しいです」
「先生と呼ばしてくれんかな?」
「普通に呼んで構いませんよ。ちなみに嫁入りって事でレイの目の前で誓いの言葉とキスってのはどうですか? "ピッー"から涙が止まらないでしょうし、家族に肩代わりさせると言って脅せばいいかなと。断れば"ピッー"と」
「素晴らしい…………」
30分後。
「それでいってやったんですよ。『お前の"ピッー"は何色に咲くかな?』って。情報を絞り尽くした状態からこれを言ったら顔が絶望してて」
「その後はどうなっているのかな?」
「刑務所で仲間の"ピッー"になってますね。終身刑なので希望は無いかと」
「ほぉ、中々いい仲間をもっているな」
「国王、そろそろ時間です」
「うむ、わかった。すまないな。この後も用事があるんだ」
「すいませんね。時間を取ってくれて。あと映像水晶を保存用と観賞用で二つ下さい」
「もちろん。久しぶりに話が合う人間がいてうれしい。そこでだ。折り入って頼み事があるんだが……」
「?」
◆ ◆ ◆
「それでハジメ様、何処へ向かってるんです?」
「王族の身請けだって」
「はい!?」
「実はさ───」
簡単に説明するとこうだ。
国王の姪がとある問題を抱えてるらしい。
だから連れ出して解決して欲しいとの事だ。
だが姪が心から嫌がればこの話は断っていいそうだ。
そして身請けすれば年金が支給されるとか。
「でも引きこもりって聞いたけどさ。なんで引き込もってんのか理由を聞いてないんだよね」
「何か辛いことでもあったんですかね」
「ありうる」
転生者が多いから自分に挫折したとか。
進んでるからねこの国。
「この部屋でございます。私はこれにて」
案内してくれたメイドさんはそそくさ行ってしまった。
「ここでこざるか」
「取り敢えず入るか」
俺は扉をノックし、ドアノブを触れると、
「入る……ぞってわっ!?」
「うわっ!?」
火の玉が飛んできた!?
扉からすり抜けて攻撃かよ! 器用。
拒絶って事か。上等じゃねえか。
よし、爆弾をセットして……離れよう。
そして離れた場所から、
喝!
ドッカァァァァァァァァァン!!
「えええええええええ!? 穏便に出来ないんですか!?」
「ローナ殿、芸術は爆発でごさる」
「シルフィ!! 頭大丈夫ですか!?」
「ぐたぐだ言ってないで爆破したから乗り込むぞ!」
「え…………はい」
最初はビビらした方がいいんだ。
戦場で常識なんか通用しない。って言うか念能力も非常識だし。
「フリーズだ!」
「あれ? いないよ父様」
「お舘様、あれがオーラでいいんでしょうか?」
「イエス、覚醒状態になったみたいだな」
隠れたと思ったのか?
幻覚魔法で姿を消したがオーラは丸わかりである。
シルフィは詠唱を唱える。
「ドライファ・アンチミラージュ!」
「なっ!?」
ようやく姿を見せてくれたか。
十代後半くらい、うわぁ~凄い美少女だ。
「お前が引きこもりか?」
「はあ? アンタあのカスの回し者じゃないの?」
カスって? もしかしてタクトの事か?
「お前を身請けに来たんだ。嫌か?」
「知らない人に貰われるのなんて嫌よ!!」
「そうか……」
心から拒絶されたみたいだし駄目だったか。
別に金目的でやってる訳じゃないししつこくはしたくない。
「ハジメ様、これ飛行機の模型ですよ」
「そう言えば飛行機ってフォーブレイにあるっけ。前の世界じゃ移動手段あったから乗らなかったけど。日本じゃエコノミークラスしか乗った事無かったな」
「キラークイーンいますし、使う必要無いですね」
俺の癒しのアッシーちゃんだ。
前の世界のアッシー君は元気にしてるだろうか。
鏡を使った移動能力でいろんな場所に移動できるのだ。
「………………え?」
「何だ?」
この美少女ちゃんが驚愕な顔をした。
あれ、俺変なことを言ってないよね。
「貴方……本名は?」
「ハジメ=ヤマカワだ」
「出身中学は?」
「花川田中だが、それが?」
「母親の名前は?」
「なんで答えなければならないんだ!」
「いいから!!」
「? 山川志穂」
「やっぱり…………」
なんで個人情報教えなければならないんだよ。
「やっと会えたぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
俺を抱きしめてくる。
しばらく泣きまくり、涙と鼻水を流しまくっている。
「ハジメ様、知り合いですか?」
「いや初対面」
見たことない顔だ。
綺麗な顔なら忘れないと思うのに。
「ひっぐっ」
ようやく泣き終わったか。
何者だコイツ。
「お兄ちゃん…………また会えた」
全員『はい!?』
12時に投稿予定です。