念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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第18話

「御館様、今日はなんの集まりですか?」

「報酬だってさ。波とか色々」

「期待できそうね」

「わーい」

 

 ポータルでゼルトブルに帰って来た翌日。

 ゼルトブルの商会館に集まり報酬を貰うことになった。

 

 金とか貰わないと本当にやってられない。

 タダ働きなんざ真っ平ごめんだね。

 

「そう言えばクラスアップはしてないんだよね? フィトリアにはもうあった?」

「いや、会ってない。捜索中」

「フィロリアルの多い地域とか回れば出てきそう」

「しらみ潰しにやってる」

 

 もう既に探している。

 そろそろだと思うんだけど…………。

 

「まあそれまで資質上昇をしまくるさ」

「私も頑張らなくちゃ」

「色々落ち着いたら発を見る。念で何をしたいか考えて楽しみにしてな」

「洗礼お願いしまーす」

 

 そろそろ本格的に念能力の修行に入らなくては。

 育成系の能力をフルに使う時が来る。

 

 でも時間が欲しいな。

 どっかに精神と時の部屋は無いだろうか? 

 

「うっふふ、何系かな~」

 

 気持ちは分かる。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「それで報酬は?」

「…………実は」

 

 話を聞くと金が無いらしい。

 実は先の件でレイがやらかした事があり、賠償金とかで流れてしまったそうだ。

 あの野郎…………まだ寝取られプレイ中なのに迷惑をかけるのか。

 

「わかった。金以外でいい」

「それでは領地等どうでしょうか? 最近領主がいない領地が沢山のありまして…………」

 

 多分誰かさんのせいだな。

 厄介払いか? 面倒事は勘弁してほしい。

 

 だが税金を徴収出来るし、色々自由な事も出来るそうだ。

 俺派の商人も協力してくれるってさ。

 

 勇者の治めている領地ってのも人とか集まりそうだ。

 

(どうする? 皆の意見が聞きたい)

(私は賛成です。拠点があるのは嬉しいですし)

(拙者は問題ないでござる)

(私も簿記とか出来るし、領地経営の本やゲームとかやった事あるよ。大変だったら代行や部下に任せればいいし)

(走る所欲しいなー)

(父様に任せる!)

 

 確かに便利だな。

 よし、受けるか。

 

 それで地図を持ってきた。

 で、丸を書いていった。5個位あるね。

 それから選ぶことになった。

 

 どこがいいのかよくわからんが。

 

「確かここは葡萄酒が有名ですね」

「あれ? ここウルト石の採掘地だ」

 

 色々名産品があるようだ。

 

「父様ここがいい!!」

「どれどれ」

「ここは有名な所はありませんね。交通の便が悪いですし、って言うかここは…………」

「こーこーがいいの!!」

「理由は?」

「わかんないけどここがいいの!!」

「ヤトちゃん。理由になってませんよ」

 

 ? 夜刀ちゃんの様子がおかしい。

 そこまでして入れ込む? 

 

 …………。

 

「よし夜刀ちゃんの選んだ領地にしよう」

「ハジメ様が決定権を持っているからいいんですか……」

 

 あれが手に入ったし、問題ない。

 特に目立った事が無い領地でも、私兵を育てられる場所ならばどこでもいい。

 

 俺達はその領主になるのだった。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「さてと、水見式やりますか」

「待ってました!」

「春菜、洗礼はまだ少し待ってろ」

 

 水の入ったグラス、葉っぱを用意する。

 

「二次創作だとこの時が一番楽しいんだよね」

「分かる。俺もそうだった」

 

 俺も水見式や能力開発時にはテンション上がったし。気持ちが分かる。

 

 弟子を育成するのは初めてではないし、少しはコツがわかっている。

 

 さて始めましょうか。

 

「まずはローナから」

「はい」

「水にオーラを当てて」

 

 すると、

 

「葉っぱが動いてます……」

「操作系か」

 

 人や物を操作するのが得意な系統だ。

 考察だが物を操るよりも、人を操作する方が難易度が高い。人間の動作は複雑だしさ。

 長所はサポートに向いているって事と、操作精度が高いって事かな? 

 

「ん~」

「次はシルフィ」

「了解でごさる」

 

 シルフィがグラスに手をかざす。

 

「あっ、水が溢れました」

「強化系だな」

 

 強化系は人や物を強化したり、働きを強くするのが特徴だ。

 考察だが単純に力が強化されるという地味な系統だが、単純で地味ほど使いやすいのだ。複雑で派手な能力ほど使いにくく難しいものはない。

 長所は戦闘向きの系統って事かな? 

 

「はい、キラークイーン」

「うん」

 

 爆弾の能力を作ったらどうしよう……。

 

「水の中になんか出てきたよ」

「具現化系か」

 

 吉良吉影みたいにならないことを祈る。

 

 具現化系はオーラを物質化する系統だ。その物質化した物に能力を付けるのが基本的。

 俺の考察では特殊がある念能力だ。ぼくがかんがえたさいきょうのぶきとかも作れるのだ。

 

「父様、次は私」

 

 夜刀ちゃんが手をグラスにかざすと、

 

「父様? 葉っぱか沈んだよ?」

「特質系か…………」

 

 超レアである。

 能力を盗むとか借りるとか未来予知とかがいい例だ。

 このヘビは何者だろうか? 

 

 さてとオーラ量を増やしながら能力の開発を手伝うとしますか。

 春菜の念能力開花もしなければ。

 

「ねぇお兄ちゃん」

「何?」

「参考までにどんな能力を作ったか教えて欲しいんだけど」

「あっ! 私も気になってたんです」

「拙者もでござる」

「…………やっぱ聞きたいよな。頼むから絶対誰にも言うなよ。能力バレは痛いし」

 

 まあ知ってても知らなくても厄介な能力だし。

 俺は水見式を行う。

 

 

 

 ~斧の勇者説明中~

 

 

 

「──って事だ」

「……地味に強いね」

「念能力って凄いですね……」

 

 まあ制限があって使えないって能力とかあるし、万能ではない能力だ。

 

「取り敢えず修行するぞ。能力の作成はその最中で作るぞ」

 

 

 

 

 

 




12時に2話目投稿。

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