念能力者の英雄譚   作:煽りイカ

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本日2話目。


第22話

「また来た」モグモグ

「温泉まんじゅう気に入ったんだな」

 

 フィトリアがまたガルタイル領に来たようだ。

 まあ足湯しながら少し話そう。

 

 そしておまんじゅうとお茶を用意し、足湯に浸かる。

 

「見せたい物がある」モグモグ

「見せたい物?」モグモグ

「念の修行に役立つ」モグモグ

「丁度いい。今育てる所だったんだ」モグモグ

 

 フィトリアは育成系の能力を持ってるのだろうか? 

 何故フィトリアは強いのか知りたい。

 

「これ食べ終わってから行く」モグモグ

「俺もお茶飲んでから」ゴグゴク

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「取り敢えずこの中へ入って」

「?」

 

 馬車の中に? 

 …………入り口がワープホールみたい。

 

 んて恐る恐る入って見ると…………。

 

「森?」

「少し違う」

 

 違うの? じゃあ何? 

 

「亜空間」

「? 具現化系か」

「武器関係」

 

 勇者の武器でこんな空間が出るのか。

 

「フィトリアの飼い主の一部を入れたら出た」

「…………」

 

 フィトリアの飼い主って城野守だよな。

 って言うか何で入れた? 

 

「着いてきて」

 

 何があるんだこの空間は。

 着いてきて見ると、門? 

 これって…………! 

 

「1の扉の片方の扉は3tで合計6t。2の扉は12t、3の扉は24tと増えていく。全部で5の扉まである」

 

 ゾルディック家の試しの門に似ているぞ!? 

 何故、何故これがある!? 少しデザイン違うけど。

 

「何でこんなのがある?」

「わからない。他にもある」

 

 次に連れられて来たのはドでかい木である。

 幹の方に、削られて円になってる様なのがある。

 

「ナニコレ?」

「叩いてみて」

 

 叩いてどうなるんだ? 

 1割程度で殴る。

 

 ドン

 

 殴ると木の実が落ちてきた。

 

「開けてみて」

「?」カパ

 

 木の実を割ると……ハンバーガー? 

 

「この木を一定以上の威力で叩くと食べたい物が落ちてくる」

「ナニソレ」

「強く叩けば叩く程美味しい」モグモグ

「お前が食うのかよ」

「1人1日30回程できる」モグモグ

 

 久しぶりに食いたかったなハンバーガー。

 なんだ? この木は。

 

「それで何なんだこの空間?」

「偶然繋がった修行場みたい」ゴクン

「修行場か、懐かしい」

 

 昔結構行ったなー。

 色んな奴と交流したぜ。

 

「出てみて」

「?」

 

 馬車のワープホールを抜けると元の場所に。

 そこにはローナとシルフィがいた。

 入る前に待たせていた。

 

「この空間とは時間の流れが違う。この世界の1日は、この空間では30日」

「はい!? ローナ、入って出た時間は何分位だ?」

「? 一分も立ってませんよ」

 

 うそーん。20分位入ってたんだけど。

 

 簡易版の精神と時の部屋じゃないですか? 

 これ修行に役立つぞ! トレーニングにいいのも置いてあるし徹底的にしごく事が出来る。

 フィトリアァァァありがとう! また今度来たら温泉まんじゅうをたらふく食わせてやるぞこの鳥が! 

 

「修行するなら私の能力も役に立つ」

「?」

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「さてと集まったか"ピッー"野郎共」

「鬼軍曹の予感しかしない……」

 

 集まったのは20名の配下達だ。

 用心の為に、奴隷紋を付けたり、嘘発見で信用はできる奴らである。

 コイツらに念を教える。

 

「取り敢えず七ヶ月間みっちり修行するから覚悟しろよテメェら!」

『サー、イエッサー!』

 

 こうして地獄の特訓が始まった。

 毎日胃の中の物をリバースしたり、絶叫しまくったりの日々が続いたのであった。

 

 他にも修行に役立つのが置いてあったので有効活用し、比較的に基礎体力が向上するのだった。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「オイ! 何へばってんだこの"ピッー"野郎共が!!」

『サ、サーイエッサァァァ!!』

「ハジメ様ァ!! シルフィの息が止まってますぅ!!」

「戻ってこい! ファスト・ショックボルト!」

「あばばばばばばぁ!?」

「シルフィ!!」

「よし、意識戻ったな。オイ、オルク! 誰が休んでいいと言った"ピッー"が!!」

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「ハジメ=ヤマカワ…………」

「グア?」

「昔、何処かで聞いたことあるような…………」

「グアー?」

 

 フィトリアは首を傾げる。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「この饅頭は塩味効いてるから良いだろ」モグモグ

「こっちの方があっさりしてる」モグモグ

「あっさり系だったらこれがいいぞ?」モグモグ

「あ、美味しい」モグモグ

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「んでアイツは言ったんだ『ガタガタ言ってると密輸の件を洗いざらいバラすぞと伝えておけ』って、翌日事務所にダンプカーが突っ込んたらしくてさ~」

「洒落にならない!!」

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「…………なんでローナはこんな能力にしたんだ?」

「騒がしいと落ち着くって言うか…………」

 

 あの能力に似てるなぁ。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 こうして7か月後(1週間)

 

『久々のシャバだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 こうして修行は終了した。

 皆涙を流したり、抱き合ったりしてる。

 

 強くなったよ? 

 

「あと数日で波が来るから準備するぞ!」

『サーイエッサー!』

 

 あと数日で波が到来するのだ。

 少し抜けてたからゼルトブルにほぼ任せているが。

 

 強い兵隊も増えたのでより良い対応が出来る。

 レアな能力とかも持ってる奴もいるし、必要とあれば俺の能力も使う予定だ。

 

「ハジメーご飯行こう」

「父様、風呂でも入ろう!」

 

 俺も修行してたから休みたい。

 少しのんびりしよっか。




20人の能力は大抵決まってます。
中には皆も見覚えがある能力も………。

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